【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
ジンさんが誘った楽しそうなミッションに、私もフウタと参加したんだ。
ただ、二人一組のタッグで挑むミッションで、フウタはジンさんとペアを組んだんだ。……私がフウタと組みたいって気持ちはあったから、やっぱり残念な気持ちはあるの。
――だけど。
〈ふふっ、ミユには指一本――触れさせはしないわ!〉
スタート地点の平原から、ゴールがある巨大要塞に向かう私。途中で他のダイバーのガンプラが襲って来たけれど、全然平気だったんだ。
「ありがとう、クロさん。……とっても強いんですね」
〈いえいえ。でも――ワタシが力になれて、良かったわ〉
さっき私たちが出会った、パイロットスーツ姿でヘルメットで顔を隠した不思議な女の子……クロさん。私が今組んでいる、ダイバーの子なんだ。
〈このガンプラ、リーオーと言うのかしら。随分と使い勝手がいいじゃない。
並大抵の相手なら、一切問題ないわよ〉
隣り合って並ぶ私のレギンレイズ・ホワイトと、それにクロさんの乗る黒と紫の、リーオー。
バックパックにはクロスボーンガンダムだったかな、あれに近い感じのX型のバックパックを装備しているリーオーで、手にはバインダーガンを組み替えた片手剣を装備しているの。
要塞への入り口は目の前。周りには入り口がいくつもあるみたいで、私たちが目指しているのはその一つ。
「あのハッチが入り口かな。でも、閉じられているみたいだけど」
〈大した事ないわよ、それくらい。ワタシに任せなさいな〉
けれど私たちの前には二機のガンプラが立ち塞がった。
背部に搭載した十基の円盤状のジェネレーターで形成する電磁フィールド、プラネイトディフェンサーを装備したメルクリウスに、大型ジェネレーター内蔵のバックパックと接続したビームキャノンが専用装備のヴァイエイト――二機とも新機動戦記ガンダムWの機体なんだ。
「メルクリウスに、ヴァイエイトか……私の好きな機体だから、敵になるのは残念だな。
高い防御力と攻撃力をそれぞれ持って、互いにカバーし合う、強力なペアなんだ。
二機とも金色って事は、あの二機もタッグなのかな」
〈へぇ、ミユはああした機体が好きなのね。良いじゃない、ちょっと可愛い見た目かもだし。
でも――〉
クロさんのリーオーは、バインダーガンの片手剣を構えるとそのまま、一人で突き進んだの。
〈今は敵なのだから――悪いけど倒させてもらうわよ!〉
たった一人で、金色のメルクリウスとヴァイエイトと戦おうとするクロさん。
「一人だけで大丈夫? 私も……」
〈心配ないわ。あのレベルなら、ワタシ一人でも!〉
リーオーは片手剣の先端をヴァイエイトに向けて、バインダーガンとしてビーム射撃を放つんだ。……だけどビームは金色のコーティング剤で軽減されてダメージにならないんだ。
〈ビームはあまり効かないみたいね。――そして〉
ヴァイエイトはバックパックのジェネレーターを稼働させてエネルギーを貯めていた。ジェネレーターのエネルギーは手元のビームキャノンに……そして、クロさんのリーオーを狙って一撃を撃ち放った。
〈――!〉
放たれた強力なビームは草原のエリアを直線に貫いて、ガンプラを何機も巻き込んだ一撃。リーオーの姿も見えなくなって、もしかして……と思ったその時だった。
ヴァイエイトの身体が目の前で一刀両断されて、爆発した。見るとクロさんは私から見て相手の後ろ横に回り込んで、機体の片手剣で相手を切り払ったんだ。
〈一撃は強力かもしれないけれど隙が多いわ。それに近接攻撃なら……全然〉
一機撃破したクロさん。彼女はふふっと笑って。
〈確かタッグの片方でもやられたのなら失格、だったわね。なのに――〉
仲間がやられちゃった事が許せなかったみたい。残ったメルクリウスはシールドの正面からビームの刃を放って突撃して来たんだ。
突撃にクロさんは左に跳んで避ける。続けてバインダーガンの剣を振った。……だけど、攻撃は宙に浮かぶ円盤のジェネレーターが発生させた電磁フィールドで防がれてしまう。
「クロさん! プラネイトディフェンサーは物理攻撃にも防御力があるの。
だから――」
〈ノープロブレム! 確かに防御力はあるかもしれないけど、物理的な障壁程じゃないわ〉
続けてメルクリウスはビームサーベルを振って斬撃を繰り出した。クロさんのリーオーも片手剣で受け止めて、更に刃先を突きつけて。
〈無理矢理にでも押し込ませて貰うわ! 正面からね!〉
X型のバックパックのバーニアを全開にして、リーオーは剣でプラネイトディフェンサーを展開したままのメルクリウスを押し飛ばす。押し飛ばして、要塞のハッチに強引に叩きつけて、ぐっと刃を押し込む。
プラネイトディフェンサーの電磁フィールドでも耐えきれずに、剣はフィールドを破ってメルクリウスの胴体を突き刺したんだ。
通信画面に映るクロさんの顔。バイザーに隠れて殆ど見えないけれど、辛うじて見えた口元はにやりと笑っていて。
〈丁度いい、中身から吹き飛んで――扉にも風穴を開けなさいな!〉
ガンプラに突き刺したまま、リーオーはバインダーガンの刃先からビームを機体内部に放つ。
数発も、体内に打ち込まれたビーム。途端にリーオーは飛び退いて、同時にメルクリウスは身体が光って膨らんだかと思うと、全身から火を噴いて大爆発を起こした。
――――
〈ふふっ、おかげで扉を開けるのも楽だったわね〉
メルクリウスの爆発で開いたハッチを通って、私とクロさんは要塞内部へと進んだんだ。
「……入って間もないけど、この辺りはあまり人がいないね」
中まで基地そのまんまな広い通路。私たち以外にもゴールを目指すダイバーさんのガンプラだって見える。今は襲って来たりとかはしないから、あまり心配はないんだ。でも……。
〈ミユ、次はどこを進んでみる?〉
「えーっと、右の道を行ってみようかな。
他のみんなは左に行っているみたいだけど、こう言う時は別の道がいいかなって」
私たちの前には分かれ道があった。今私たちが通っているのと同じくらい大きな右の道と、それよりずっと小さい横穴みたいな、左の道。
「ああした道の方が近道だって思うし、クロさんはどう思うかな?」
〈成程、ね。確かにそうかもしれないわね。……ワタシはそれに賛成よ〉
他のみんなは右の道に行っていたけれど、私たちはその左の道へと入ったんだ。
道は狭くて、真っすぐと続いている感じ。……抜けるまでは長くかかりそうな道。危険もなさそうだし、せっかくだからクロさんと話したいなって。
「ねぇ、クロさん」
〈どうしたのかしら?〉
「良かったらで良いんだけど、お互いの事を話し合いっこだなんてどうかな?
クロさんとはさっき知り合ったばかりだから、もっと分かり合いたいな……なんて」
〈互いの事を……ねぇ〉
クロさんは少し考えるように沈黙する。けれど、しばらくしてこう答えてくれた。
〈ミユがそう言うなら大丈夫よ。幸いしばらくは道を進むだけで暇そうだから。
……でもワタシの事についてはあまり期待しないで頂戴ね〉
「――良かった! もしかするとクロさんはそうした話は苦手だって心配だったから」
嫌がってない感じで安心した私。
〈いえいえ、大丈夫よ。……ミユの事、ワタシも気になっていたから。確かフウタとは幼馴染みで……今は恋人同士みたいじゃない〉
クロさんからの言葉、私はにこっと笑いかけて応えるんだ。
「うん! フウタとは現実の世界で家が隣同士で、ずっと一緒に過ごしているの。
私もフウタも地方の町に暮らしている普通の子で、小さい頃に遊んだり、学校も同じで二人で通ったりで、私はフウタの事が好きになっていたんだ。
他の誰よりもずっと」
〈ふむ、成程ね〉
「プラモと写真が好きな男の子で、作った飛行機のプラモデルやガンプラも……昔から見せて貰ったっけ。それに明るくて、優しくて、よく私にキラキラした笑顔を見せてくれるのが、何より好きなの。
そして高校に入ってから、フウタの方から私に告白してくれたんだ。誰よりも大好きだって――私がフウタに向ける想いと同じくらい、フウタも私の事を想っていてくれたのが、とても嬉しくて」
そこまで言うと、私ははっとした。
「あっ……ごめんね。自分の紹介をしなきゃなのにフウタの話が多かったかな」
ついフウタの事ばかり話し過ぎてしまって、あまり自分については話せなかった。クロさんは。気にしないと言うように。
〈ワタシは大丈夫よ。……むしろ貴方が、ミユがどんな子なのかよく分かったから。
ミユもフウタの事、好きに想っているのね〉
クロさんが話す言葉、そんな風に言われると……照れちゃうな。
「うん。だって一緒にいた大切な人だから。もちろん、これからだってその想いは変らないよ。
……じゃあ次は、クロさんの事を聞いていいかな?」
〈ワタシの、ことね。何が聞きたいのかしら? 答えられるものなら答えるわよ〉
じゃあお言葉に甘えようかな。聞く事と言ったら、やっぱり。
「クロさんは一体、どんな人なんですか? 例えば現実世界ではどう過ごしているのかとか……たぶん想像だけど、私と同じ学生なのかな」
〈何かと思えばそんな質問と言うわけ。……面白いわね〉
クロさんはふふっと笑って、そして答えてくれたの。
〈現実の世界、ね。悪いけれどワタシはその世界には存在しないの。
貴方にとっては可笑しな話かもしれないけれど、ワタシはこの仮想世界――GBNにしか存在しないモノよ〉
「それって……えっと」
思いもよらなかったクロさんの言葉。でも、私は少しだけ心当たりがあったの。
「そう言えば、私も少しだけ聞いた事があるの。GBNにはこの世界から生まれて来た情報生命体がいるって。……私はまだ本物は見た事はないしあまり知らないけれど、名前は……確か、そうそう! 『ELダイバー』だったね。
もしかしてクロさんは――ELダイバー、なのですか?」
ほんの興味本位で、聞いてみただけだった。だけどクロさんは、態度が急に変わったかのように。
〈……違うわ。悪いけれどワタシは、そんな存在ではないの。
一緒にしないで欲しいわ〉
雰囲気は数段沈んだ暗い感じで、それに負の感情が漂っているのが伝わるのが分かる。
――今のクロさんは何だか、怖いよ――
するとクロさんは自分ではっとしたようにして、態度を元に戻したの。
〈あっと……ごめんなさいね。つい変な空気にしてしまって〉
「ううん、私の方こそ。気を悪くさせちゃったかな。ごめんね」
〈気にしないでもいいの。
だけど、そうね。ワタシは……ううん、何でもないわ〉
そしてクロさんは幾らか寂しい態度で、続ける。
〈他にワタシの事と言ったら、そうね。
申し訳がないけれど、ワタシには何もないの。自分は結局は何なのかも……どうすれば、どう生きればいいのかも。
本当に、ごめんなさいね。〉
「ううん、私の方こそごめんなさい。
だけどクロさんがそう言うなら――」
謎は多いけれど、でもクロさんは多分……寂しい人だって私は思った。
「どうすれば分からないと言うのでしたら、今は私と一緒にこのミッションを楽しもう!」
〈……ミユ〉
クロさんは驚いたような風に、呟く。
「難しい事は考えないで、楽しめたらそれで良いって私は思うの。自分が楽しいって思える事をすれば、きっとそのうち、クロさんの答えだって見つかると思うから」
つい私はこんな事を言ってしまった。だけど、言い過ぎてしまったかも。
「……なんて、ごめんね。
本当にクロさんの事は分からないのに、勝手な事を言ってしまって」
言い過ぎてしまったと、謝る私。それにクロさんは首を横に振ると。
「ううん。私の事を想ってくれるだけでも、ワタシは嬉しいわ。
ミユの言う通りね。ワタシ、難しく考えすぎていたのかも。……今はただ、このイベントを楽しもうかしらね」
安心した。クロさんは本当に喜んでくれていると、分かったから。
「うん! とにかく楽しんだもの勝ちだからね。今精一杯――楽しもう」
きっと今は、それが一番いいんだって。……クロさんにとっても。
――――
「……うわっ、この状況は……凄いね」
道を抜けた私たちに待ち構えていたのは、広い場所でのガンプラ同士の大乱闘だったんだ。
大きな貨物みたいな物があちこちに積まれていて、まるで倉庫の中みたいな場所で見える激しい戦い。
〈どうしてこうも激しい戦いになっているか分からないけど、多数のガンプラが入り乱れて乱闘しているここは、危険だわね〉
貨物のいくつかの物陰に隠れた私たちは、戦いの様子を伺っている。
〈幸いワタシ達がいる事は誰にも気づかれていないけれど、でもその内気づかれてしまいそうだわ。
あんな熱量でやり合っているのですもの。そうなったらあの戦いに、こっちまで巻き込まれてしまうわ。ここは……こっそりこの場所を抜ける事ね〉
クロさんの言葉に私は頷く。
「そうだね。あの向こうにある大きな出口、多分ゴールに続いている感じだから。
でも――」
そう簡単には行かないみたい。
みんなが戦っている大乱闘、一番激しいのはその出口近くなんだから。
「あの戦いの中を、どうしようかな。巻き込まれたらただじゃ済まないよね」
〈ええ。ワタシもこの状況は、難しいわ。……って、ミユ! 下がって!〉
「えっ!?」
いきなり言われたけど、私はそれに従って下がった。
同時だった。クロさんのリーオーは片手剣の先、バインダーガンの銃口を私のレギンレイズがたった今いた場所の真上に向けた。放たれるビーム、その一撃は上にいたガンプラ、薙刀を振り下ろそうとしていた青色のゲルググを撃ち貫いて、撃破したんだ。
〈と、行っている間にも早速と言うわけ、本当に油断も隙も――〉
瞬間に今度は右横に、リーオーは剣を薙いだ。
〈――ないわねっ!〉
鋭い一閃、その先にいたのはガンダムООのガンプラであるスサノオ……だったかな。
そのガンプラは二刀流の刀で迫ろうとした所を、クロさんが乗るリーオーは一刀両断にしたんだ。
「クロさん……流石です」
さっきのメルクリウスとヴァイエイトとの戦いもだけど、ガンプラはともかく彼女の、クロさんのガンプラを操縦する腕はとても……凄かったんだ。
「本当に強いんですね。まるで上級ダイバーみたいに、クロさんは戦って」
〈ふふっ、そう言ってくれると光栄……と言いたい所だけど〉
するとクロさんはまた、俯いて寂しいような悲しいような雰囲気で。
〈この実力は元々、ワタシの力なんかでもないもの。これは――〉
何だか分からないけど、クロさんは本当に……複雑なんだって。……だけど。
「――危ないっ!」
クロさんのリーオーの後ろ離れた場所に、にきらりと光るものが見えた。見るとそれは、ライフルを構えていたジムコマンダーのバイザーだった。
遠くからクロさんを狙うつもりだって、だから私は、その間に割って入った。
瞬間に放たれたビームの一撃。私は自分の乗るレギンレイズの装備するガントレットを前に出して、防いだ。
「くうっ! ……けどっ!」
衝撃でよろめきそうになるけれど、私は続いてライフルをジムコマンダーへと向ける。
――ちょっと遠いかもだけど、私だっていい所を見せたいから――
狙いを定めて、そして引き金を――引いた。
今度は私からの反撃。攻撃は相手に、ジムコマンダーの胴体真ん中を貫いて撃破したんだ。
〈……ミユも、やるわね。おかげで助かったわ〉
「へへっ! 私だって、やれば出来るんだから」
〈それは分かったわ。けれど、おかげで――〉
クロさんが言いたいこと、私にもすぐに分った。
私たちの周りには他にも何機ものガンプラの姿がある。多分、さっきの戦いで私たちの存在が目に入ったせいなんだろうか。
〈これは、不味いわね。……でも貴方の事は全力で守ってみせるわ〉
クロさんが乗るリーオーは、剣を構えて戦闘態勢をとっている。もちろん私も。
「うん。一緒にここを切り抜けないと、ね」
周りにはたくさんの相手。厳しいかもしれないけど、でもやらなくちゃ。
私たちと、周りのガンプラ。戦いが始まろうとした……その時。
いきなり眩いくらいの閃光、光筋がいくつも辺りを飛び交うのが見えたんだ。
閃光を放っているのは、同じく飛び交う幾つもの遠隔攻撃ユニット――ファンネル。
全方位からの攻撃は、私たちの周りにいるガンプラを次々に撃破していく。でも、攻撃は私たち二人に来る様子はない。これって……。
――私たちを、助けてくれたのかな――
〈やぁ、確か君はミユちゃんだったかな。久しぶりだね〉
そんな時、私たちの目の前に一機の黒いガンプラが現れたんだ。
大鎌を構えて翼状のバックパックを広げたガンダム、私には見覚えがあったんだ。
「前にフウタと戦った……ガンダムグリムリーパーだよね。そして貴方は、クラルテさん」
通信のモニターに映っているのは銀髪で中性的な外見をした男の人……クラルテさんの姿だった。
「こんな所で会うだなんて、びっくりです。それに助けてくれて……嬉しいです」
〈いや、さ。前に戦ったフウタの恋人とここで会えるなんて思わなかったよ。
けど、前にそれなりに楽しませて貰ったから。……そのお礼代わりとして、ね〉
今の攻撃でガンプラがたくさん撃破されたけれど、それでもまだまだ他にガンプラが現れて来た。
クラルテさんのガンダムグリムリーパーは大鎌――ビームサイズを構えてそれに立ち塞がるんだ。
〈だから、ここは僕に任せてよ。心配しなくてもたった一人で十分だからさ〉
何だか知らないけれど、本当に助けてくれるみたい。
〈ここはお言葉に甘えて行きましょう、ミユ。せっかくのチャンスですもの〉
クロさんもそう促す。ここは……。
「……クラルテさん、ありがとうございます」
〈礼はいいってば。――フウタによろしくと、言っておいてよ〉
ここはクラルテさんに任せてもらって、私とクロさんは大乱戦の中にある広場を突破したんだ。
――――
〈はぁ……一時はどうなるかと、思ったわ〉
「そうだね。でも助けてくれて良かった。おかげで先にも進められたから」
あの広場を抜けて、私たちはまた要塞の中を進んでいたんだ。
「本当に良かったよ。だって私は早く……フウタと会いたいから」
きっとフウタ達だって同じように先を進んでいるはず。だから、その内会えるって思うから。
〈ふふっ、やっぱりミユはそれだけフウタの事が好きなのね〉
クロさんの言葉に私はもちろんと頷いたんだ。
「勿論だよ。大切な――幼馴染みだから。
そう言えば……」
私はある事を、つい思い出した。
「幼馴染みと言えばね、ずっと前だけどあるダイバーさんに出会ったんだ。私と同じ年くらいの女の子で、幼馴染みだっているんだ。
……それにあの子の幼馴染みはとても有名なんだよ。何しろ有名なもう一つの『ビルドダイバーズ』の一員で、コアガンダムって言うガンプラの持ち主なんだよ」
……もう幾らか前になるかもだけど、私はGBNで自分に似た感じの女の子に会った事があるんだ。
素敵な幼馴染みがいて、彼の事を一番大切に想っている部分だって。
〈……〉
「あの子、今頃どうしてるかな。
確か名前は……えっと」
前の事だけあって、その子の名前が思い出せないでいた。するとクロさんは突然、口を開いた。。
「ムカイ・ヒナタ。そして幼なじみは――クガ・ヒロト」
クロさんの言った言葉に私は驚いてしまう。
「えっ!? クロさんも知っていたの?
でもどうして、それに――」
今、クロさんは名前だけじゃなくて、フルネームで二人の事を呼んだ。
――どうしてクロさんはそこまで知っているのかな。一体どういう関係なんだろう――
――――
そんな私たちだったけれど……ふと目の前に二機のガンプラの姿が現れて、見えて来た。
――あれは私たちより前を進んでいたグループかな。えっと、あのガンプラは――
どっちも後ろ姿だけだけど一機目は左右二門の大型エネルギー砲を備えて、×の字型のバインダーも生えている。……姿だって見覚えがある、あれはガンダムⅩの主人公機体の一つ、ガンダムDXだったんだ。
――ツインサテライトキャノンの構造が少し変わってたり、武装が原作より追加されているみたいだけど、恰好いいな。
でももう一機は――
そのガンダムDXの改造ガンプラの隣を仲睦まじそうに歩いている、二機目のガンプラ。
普通のガンプラよりもずっと人型、小さい女の子っぽい姿。とんがり帽子にツインテール、箒のような……メイスのような武器を持つガンプラ。ツインテールにはGNドライブがあるからガンダムOOの機体をモデルにしているのかな。でも……ガンプラと言うよりは、お人形さんに近いくらいに人に近くて、可愛いんだ。
――初めて見るガンプラだな、何だろう?――
「……ねぇ、クロさんはあれがどんなガンプラか知っているかな。初めて見る機体だから――」
私はクロさんに聞いてみようと、した時。
〈……〉
「――えっ!?」
クロさんのリーオーは片手剣を構え、先端にある銃口を相手に、あの魔女っ娘っぽいガンプラに向けていた。
あまりに唐突すぎる行動に、私は。
「クロ、さん? どうしてそんな」
〈ミユは関係ないから離れていて。
ワタシには分かる。あれはELダイバー……だから!〉
瞬間、躊躇なくクロさんのリーオーはビームを数発――相手へと打ち込んだ。
けれど、ビームはあの魔女っ娘ガンプラが展開するGNフィールドに防がれてしまう。今の攻撃で相手も気づいたみたいで。
〈なっ、何ですの! あなた達は!?〉
〈ハァっ!? いきなり攻撃して来るだなんてどー言うつもりだってんだ! トピアが一体何をした! ふざけんなよっ!〉
通信画面に映る姿。
一人はガンダムのパイロットであるシャツとツナギを来た小学生くらいの男の子、そして自分が乗るガンプラそっくりの、魔女っ娘の恰好をした女の子。
こんな事になってしまって、私はどうにか弁解しようとする。
「あっ、あのっ! 今のはただの誤解でっ……私たちは」
だけどクロさんは私に構わずに、前に進み出て二人のガンプラと正面から対峙する。
〈この子は関係ないわ。ワタシ一人が貴方に……そこのELダイバーに用があるのよ〉
〈ELダイバー……だとっ!? テメェ、トピアの事を言ってんのかよ!〉
〈みゃんみゃんタイガーくん、私もよく分からないのですの〉
男の子はみゃんみゃんタイガーくんって言うんだ、私はそう思ったけれど……。
〈アイアンタイガーだっ!! 俺は!〉
男の子はそう怒鳴って訂正したんだ。本名は分からないけど、ダイバーネームは正しくはアイアンタイガーさんと言うみたい。それに女の子はトピアさん、さっきアイアンタイガーさんがそう呼んでいるのを聞いたから。
けれどそんな事をクロさんは意に介さないで、トピアさんに続ける。
〈トピア……と言うのね、貴方〉
〈ええ、そうですの。でも私たちは戦うつもりなんてないですの。
そもそも戦う理由なんて〉
トピアさんも今の状況に戸惑っているみたい。だけれど、クロさんが乗るリーオーは構わずに剣を構えている。
〈悪いけれど、貴方がELダイバーである事。
それがワタシにとって何より――戦う理由だわ!!〉
そう叫ぶと同時に、クロさんのリーオーは片手剣を手にトピアさんのガンプラに迫った。
「止めて! クロさん!」
〈悪いけどそれは聞けないわ! 心配しなくても、すぐに片を付けるわよ!〉
私の聞く耳を持たないクロさん。そして剣を振り下ろそうとした瞬間、傍にいたアイアンタイガーさんのガンダムDXがビームサーベルを展開して受け止める。
〈いー加減にしやがれこのヤローめっ! いきなり襲って来るなんてザケた真似しやがってっ! トピアに手ェ出そうってんなら、俺も全力で相手してやんぜッ!!〉
〈貴方の方は関係ないけれど、ワタシの邪魔をするのなら、いいわ。
まとめて片づけてあげるわ!〉
みゃんみゃんタイガーさん……違った、アイアンタイガーさんとトピアさんの二人と、クロさんの戦い。
――どうしてこんな事に。クロさんも何か怒っている感じで普通じゃないみたいだし、私はどうしたら――
今回もガンダムビルドライザーズから https://syosetu.org/novel/249849/
今度はトピアさんに加えてコテツくんも……そして、本編で登場させていただいたクラルテさんも含めて。
三人のガンプラも登場出来て、良かったかな
ちなみにRe:Connectとも関係があるクロのリーオーは、こちらに
【挿絵表示】