【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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三人の挑戦 その3(Side フウタ)

 要塞の中を進んで行く僕とジン。けれど……そう簡単には行かない。

 

「うわわっと! これはまた面倒だな!」

 

〈気をつけろよフウタ、まずはトラップを無効化しないと〉

 

 たった今突き進んでいる道は、要塞の道を邪魔する自動防衛機構に苦戦していた。

 落とし穴に、小型のドローンの邪魔に……ビームや実弾、ミサイルを放つ自動攻撃装置。ジンのガンダムF91と僕のレギンレイズは今、通路の壁や天井、床からせり出す攻撃装置を相手にしている所だ。

 攻撃装置――砲台が放つ射撃に苦戦する僕達、それぞれで砲台を撃破しながら数を減らそうとするけれど、全然きりがない。

 

「とにかく数が多すぎる。先に進めないじゃないか、これじゃ。……およ?」

 

〈何やっているんだ! ここは俺たちが手をかしてやるよ、なぁハヅキ!〉

 

〈うん、そうだねっ!〉

 

 けど苦戦していた丁度その時、僕達の後ろから二機のガンプラ、それぞれフリーダムガンダムとストライクルージュが現れて、砲台の攻撃をかいくぐって瞬く間に撃破して行く。

 あのガンプラに乗る……二人は。

 

「ありがとう。ラギさんに、それにハヅキさん!」

 

〈どういたしまして。以前、私のラギが世話になったみたいでしたから〉

 

〈まーな! 一度バトルした相手と言うことでさ、何かの縁ってわけさ〉

 

 フリーダムガンダムに乗っていたのは、以前フウタとジンが戦った相手でもあるラギ。そしてもう一人は黒い髪の青目の、女の子の姿だった。

 俺とジンは要塞を進むうちに二人に出会って、少しの間行動を共にしていた。途中襲って来る相手もいたけれど……でもどっちとも強くて

、逆に僕とジンの出る幕がないくらいさ。

 一緒にいる時に紹介されたけど、彼女はハヅキ……ラギの恋人、と言う事らしい。どちらも片手剣を扱う戦いが得意らしく、それぞれビームサーベル一本で砲台を瞬く間に撃破して行く。

 

〈俺たちにかかれば、大した障害じゃない! ――それと!〉

 

 瞬間、ビームサーベルの一本を、フリーダムガンダムは右横に投擲する。

 その先にいたのは、罠に紛れて騙し討ちをしようとしていたガンダムシュピーゲル。ガンプラは胸を貫かれ、そのまま倒れた。

 

〈本当に油断も隙もないな! ま、だからこそ面白いんだけどな。

 ――さぁ、行こうぜ! フウタだって早くミユに会いたいだろ?〉

 

 ――そう、僕だって離れ離れになった彼女と、ミユに早く再会したいし――

 

〈俺たちも早く行こうぜ。グズグズしないでさ〉

 

 見るとラギとハヅキさんの二人は先を歩いている。ここはついて行った方が。僕とジンも二人の後を追おうとした時。

 

 ――カチッ。

 

「えっ」

 

 今僕のレギンレイズが床の何か、スイッチのようなものを踏んだ感覚がした。……次の瞬間。

 

「――!」

 

〈これはっ!〉

 

 レギンレイズとジンのF91の足元の床がぱかっと開いて、大きな落とし穴が広がる。

 

 ――まずい! こんな事になるなんて――

 

 けれどろくに考える暇なんてなかった。

 僕とジンは乗っているガンプラごと、下に落下したんだ。

 

 

 

 ――――

 

 落とし穴にかかって、落下した僕たち。

 

「……だっ」

 

 下に落下した衝撃が伝わり、僕はうめく。

 

〈大丈夫か……フウタ〉

 

「まぁ、何とかね。――でも」

 

 さっき落下した落とし穴、落ちた先は見上げるとその穴は閉ざされて戻れそうにない。

 

「これじゃもう戻れそうにないね。ラギたちともこれでお別れか、残念だよ」

 

〈仕方ないさ。ここからは俺たちで行くしか、ないって事だ〉

 

「そうみたいだね。……って、えっ?」

 

 僕とジンは二人で下に落下した。……けれどそこには僕達だけじゃなくて。

 

〈……一体どうした? いきなり上から落ちて来て、ビックリしたぜ〉

 

 僕達のガンプラ以外にも、それとは別に一機のガンプラの姿。トリコロールカラーに彩られたオリジナルのガンダム、そしてそのパイロット、ダイバーは、少し筋肉質な身体をしたラフな格好の、赤桃色の尖った髪型――ガンダムキャラの『フリット・アスノ』のそれに近い感じの二十歳くらいの男性だ。

 

 

 相手は二十才くらいの年齢で、ジンよりも年下みたいだけれど、彼より大人びて見える。

 そして彼のガンプラは、シャープな形状のガンダムヘッドに稼働域を広げた胸部、肩はレオパルドの少し無骨な感じだけれど両腕はジム辺りのすらりとしたスタイルにマニピュレータは格闘が得意そうな形状をしている。ハイメガキャノンパーツをスラスターとして扱ったバックパックに脚部はガンダムAGE‐2 マグナムの物みたいなランチャー砲を装備して脚そのものは――僕も少し動画で見た覚えがある、確か『ガンダムテルティウム』と言うガンプラの物に近い。

 本当に様々なガンプラの要素を集めたオリジナルの機体だけれど全体的なイメージとしてはシンプルで、性能も汎用性が高い感じがする

 

 

「貴方は一体? それにそのガンプラ……は?」

 

〈おっと、そう言えば名乗っていなかったな、すまない〉

 

 相手は少しはにかんだようにして、こう紹介した。

 

〈俺のダイバーネームは、ケイ。そしてこのガンプラは俺の愛機――ビヨンドガンダム アッセンブルスタイルさ〉

 

 相手の名前はケイさん、ガンプラはビヨンドガンダムと、そう言うみたいだ。

 

〈さて、俺は自己紹介をしたんだ。次は君達の番だ〉

 

 おっと。ケイの言う通り僕達も自己紹介しないとね。

 

「僕はフウタ、見ての通りこの青いレギンレイズが使っているガンプラさ」

 

〈俺はジンと言う。ガンダムF91がガンプラな訳だけど……凄いな、ケイのガンプラは。ただ色を変えただけの俺のとは大違いさ〉

 

〈あはは、そんな事はない。黒いF91か……色的にも似合っている。フウタのレギンレイズも恰好いいとも〉

 

「有難う、ケイさん」

 

 褒められるのって、やっぱ悪い気はしない。……良い物だよね。ケイさんは改めてこう話す。

 

〈さて、と。見た所二人は罠にはまってここまで落ちて来たみたいだね。それは運がなかった〉

 

「かも……ね、少しだけ」

 

 落とし穴に引っかかって落っこちた。まぁなかなかに恥ずかしい話である。

 

〈この場所だと普通は、元のルートに戻るとなるとなかなか厳しい。出口はほら、向こうに一つある。……けれどその先の道は結構複雑で迷路みたいになっている。下手すれば迷って出られないかもだし、仮に出れたとしてもかなりの遠回りになる事はまず間違いない〉

 

〈そりゃ、厄介だな。けど仕方ないか〉

 

〈けれど――俺がこの場にいたのは運がいいぜ、二人とも〉

 

 そんな妙な事を言うケイさん。

 

「? どう言う事」

 

 気になって尋ねた僕に、ケイさんは恥ずかしそうにこう話す。

 

〈実はな、このミッションは前に一度参加した事がある。んでもってもう一回と思ったけど、途中で飽きてしまってな。

 だからここでゆっくりしていたんだが、そんな中、君達二人が落ちて来たわけだ。終わるまでのんびりしているつもりだったけれど、ここは〉

 

 するとケイさんのガンプラ、ビヨンドガンダムは僕達の前に出て、ついて来るように促す。

 

〈やっぱり、ただ何もせずにするのも退屈だからな。良ければ案内してやるよ、俺はここも前通った事がある。……良い近道を知っている、すぐにゴール近くまで行けるはずだ〉

 

 ――僕達を助けてくれるのか?――

 

〈だそうだ、どうするフウタ?〉

 

 ジンからどうするか聞かれる。けどこの場合、そうだな。

 

「ここは丁度いいから、ついて行こうか。もし本当なら――ショートカットが出来そうかもだし」

 

 

 

 ――――

 

 ケイさんに案内され、僕とジンは通路を歩く。壊れかけた壁と、入り組んだチューブが走る、薄暗く入り組んだ……本当に迷路のような道を進む。まるで廃墟のような寂れた場所をずっと上ったり下ったり、左右斜めに曲がったりと、もうどこをどう通ったのかすら覚えてない。

 

「結構、長い道のりだな」

 

〈ははは、そう言うな。これでも道は結構進んでいる。迷路みたいな通りだったけれど、もう間もなく終わりだ。……安心しろ〉

 

 ビヨンドガンダムから通信で、ケイさんは答える。

 

〈それは何よりだ。ところで、本当に俺達は進んでいる間……静かだったな。誰も、〉

 

 ジンの言う通りここまでの道は、本当に静かで何もなかった。他のダイバーの姿も、罠であったりとかもまるでない。今この場で動いているものは、僕達三人のガンプラだけだ。

 

「ほんと……こうも静かすぎると、逆に不気味だよな」

 

〈フウタもジンもそう思うか。まぁ、それも当たらずとも遠からず、か〉

 

 思わせぶりな言葉を話す、ケイさん。それに、目の前には迷路の終わりと思われる場所――幅の広い道の先に上層へと続く昇降機、エレベーターがあった。

 

〈ほら、あのエレベーターを使えばゴールまですぐ傍、いわゆる裏ルートと言うやつだ〉

 

〈何だよ! やっぱ楽勝じゃないか、どこにも問題だなんてないように見えるが〉

 

〈確かにここは裏ルート。近道と言うわけだけど、そう簡単にはいかないさ。

 ゴールまで短い距離で済む代わりに――〉

 

 瞬間、上から何か巨大な物体が落下して来た。それは漆黒のグランドマスターガンダム……機動武闘伝Gガンダムに登場する、マスターガンダム、グランドガンダム、ガンダムヘヴンズソード、ウォルターガンダムの四機が合体した、四本足の巨体から尾と翼が生え、上部にマスターガンダムの上半身が生えた異様な機体だ。

 

〈――見ての通り、手ごわい門番のお出ましだ〉

 

 通路全体を塞ぐ程の大きさの、原作と異なり全身灰色のカラーリングのグランドマスターガンダム。普通のガンプラよりも何倍も大きな姿から威圧感がひしひしと伝わって来る。

 

〈あれと……戦うのかよ〉

 

「しかもこんなに狭い場所で、なかなか厳しくない?」

 

 多分、かなり手ごわい相手だと感じる。ジンと僕がそう話しているとケイさんは――。

 

〈本当ならここまでの案内までのつもりだったけれど、後少しおまけだ。それに戦いぶりも見てほしくてな。だから、俺に任せてくれないか〉

 

 ケイさんのビヨンドガンダムはグランドマスターガンダムと物怖じせず、正面から向き合って戦闘態勢に入る。

 

〈二人は下がっていて欲しい。……ビヨンドガンダムの実力、存分に味あわせてやるさ!〉

 

 

 

 僕とジンは後ろに下がり、ケイさんの戦いを見る事にする。

 彼が相手にする巨大な影――グランドマスターガンダムは、機体各部に生える大口径ビーム砲を放った。

 

「わわっと!」

 

 強力なエネルギーの連射、衝撃は離れた僕達にも伝わる程に。

 

〈普通のグランドマスターよりも威力が強化されてないか? これは、俺たちがまともに戦わなくて良かったかもしれないな。

 仮に戦っていたら果たして、無事で済むかどうか〉 

 

「多分済みそうにはない気がするよ。でもケイさんは、違うみたいだけど」

 

 後ろにいる僕達と違って、ケイさんのビヨンドガンダムは直接大口径のビームの連撃で狙われているにも関わらず、巧みな操縦でことごとくかいくぐって迫る。

 

〈一撃一撃の威力が高くても、当たらなければどうって事ない。そして!〉

 

 ビヨンドガンダムは高速移動しながら、両脚部のランチャー砲を展開して撃ち放つ。グランドマスターガンダムの攻撃が当たらないのに対して、ケイさんは確実にダメージを与えている。

 

〈図体が大きい分、当てるには楽勝だ!〉

 

 そしてビームサーベルを抜いて接近戦に打って出る。対するグランドマスターガンダムも、グランドガンダムの武装である大角、グランドホーンを展開して迫る。ホーンからは電撃を放ち一撃で粉砕しようと。……けれどビヨンドガンダムはそれを右横に避けて離れ、ビームサーベルの刀身を長く伸ばして電撃の範囲外から一閃。グランドマスターガンダムの右角を切断する。

 

 ――すごいな、やっぱ――

 

 手際の良く正確な戦いに思わず感心してしまうフウタ。更にグランドマスターはヘヴンズソードガンダムの両翼から羽のような実弾を放つ攻撃、ヘヴンズダートを繰り出すけれど、それもヘッドバルカンで悉く撃ち落として行く。ヘヴンズダートが通用しないと判断したのか、続けざまに自身の尾をビヨンドガンダムへと振った。

 尾の先には球体型の中央に牙が生えたガンダムの頭部がある、ウォルターガンダムの姿。その牙で敵を切り裂こうする。

 

〈でも――遅い!〉

 

 即座にケイさんのビヨンドガンダムはビームライフルに持ち替えて、迫るウォルターガンダムの額を撃ち抜く。頭から火を噴くウォルターガンダム。……であったが、その背後からグランドマスターの下部、グランドガンダムの両肩のグランドキャノンがアームへと変形して掴みかかろうと試みる。

 対してビヨンドガンダムは構わず、ハイメガキャノンパーツのスラスターを高出力で噴かせて上半身の、恐らく本体っぽいマスターガンダムに狙いを定めた。

 

〈そろそろ決めさせてもらう! 覚悟して貰おうか!〉

 

 今度は二本のビームサーベルを両手で持ち、止めを刺そうと接近して行く。グランドマスターガンダムの上部に生えるマスターガンダムは両拳からエネルギーのような弾丸――ダークネスショットを次々と放つ。それでも、放たれるダークネスショットを避け、ビームサーベルで斬り飛ばしながらすぐ傍にまで。

 目の前のビヨンドガンダム。マスターガンダムの手は紫色に輝き、必殺技の一撃、ダークネスフィンガーを放とうとしていた。……だけど既に手遅れみたいだった。

 

 

 ――ズバッ!

 

 振り下ろされたビームサーベルはマスターガンダムを切り裂いた。――そしてそのままグランドマスターガンダムの巨体そのものを真っ二つに。

 致命的な一撃。それを受けてもなお動こうとしていたけれど、次の瞬間にはよろめき前のめりに倒れて、爆発四散して散った。

 

 

 

〈ざっと、こんな物かな〉

 

 あの巨大なグランドマスターガンダムを倒して一機佇むビヨンドガンダム。ケイさんはふっと笑顔を僕達に向ける。

 

〈本当に一人で、倒してしまうなんて〉

 

 ジンは驚いて、凄いと言うような表情をしている。僕だって同じ気持ちだ。

 

「……やっぱり本気でGBNをしている人は、流石だね。ありがとう、ケイさん!」

 

〈お褒めの言葉、光栄だな。まぁ俺も好きした事だ。礼には及ばないとも〉

 

 ケイさんはふっと微笑むと、道を僕達に開けてくれた。

 

〈さてと、今度こそ俺はここまでだ。先の事は二人に任せるとするよ〉

 

 ここまで道案内をしてくれるのが約束だった。彼はそれを守って送り届けてくれた、感謝しかない。

 

〈助かったぜ、ケイ。おかげで先に進めそうだ〉

 

「僕の方からも、改めて礼を言うよ。後は僕達で頑張るからさ」

 

 ケイさんはこれに頷いて答えた。

 

「それは何よりだ。二人の頑張りは俺も、応援しているとも」

 

 一時はどうなるかと思ったピンチも、彼が助けてくれて無事に切り抜けられた。

 僕達はケイさんに見送られて、再びゴールへと向かうんだ。

 

 




 今回は如月さんの『Re:ソードアートオンライン』https://syosetu.org/novel/191959/のキャラと、ガリアムスさんの『ガンダム・ビルドライジング』https://syosetu.org/novel/253898/のキャラとのコラボ回になります!
 もし興味があれば!
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