捕食少女の闘争アカデミア   作:エターナルドーパント

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「強化フラグを乱立させてからの体育祭。はてさてどうなることやらなぁ」
『因みに競技もちょい変える』
「破綻させんじゃねぇぞ?」
『言われるまでも無い』


第12話 化物の祭典

―シュビッ―

 

走る閃光。割れる海。

周囲から奪った熱を一極集中して放ったそれは、一瞬ではあれど前方数十mの海水を一直線状に沸騰させしめる威力を持っていた。

「は、ははは、アッハハハハハハ!!ぶ、災嵐終極熱線砲(ブラスターテンペスト)ってスゲェーッ!!」

 

―――――

――――

―――

――

(背納サイド)

 

さぁて、なんやかんやありつつも、無事体育祭当日。

A組メンバーは控え室にて、各々の意識統一をしていた。

マックスとドクには、何か嫌な予感がするから司会室の通風口でスタンバって貰っている。

「コスチューム使いたかったねぇ~」

「全員の平等を画す為に、原則使用禁止なんだって」

三奈ちゃんと尾白君が言う通り、コスチュームは基本的に使用出来ない。しかし、事前に届け出をして相手の許可も取れればアイテムの使用は認められる。

ボクと出久も、お互いを殺す為に届けを出して許可も貰った。

「なぁ、緑谷」

「ん、どうしたの?轟君」

と、普段は一匹狼の轟君が珍しく出久に話し掛ける。

「客観的に見て、こん中ではお前が技術面でも精神面でぼ一番強いよな。

でも、俺は勝つ」

「へぇ、君も宣戦布告か・・・受けて立つ。全力で獲りに来い」

出久は一瞬ソルジャーモードになって、轟君に言い放つ。その瞬間轟君の目尻が僅かに痙攣したのを、ボク等は見逃さなかった。

「さぁ!そろそろ入場だッ!!」

「ウッシ、じゃあ行こうか!」

何時ものように肩甲骨を回して、緊張を解す。

そして名列順に列び直し、控え室から廊下へ。そしてスタジアムに入場した。

 

『色々あっけど、やっぱコイツらだろォ!?敵の襲撃を見事耐え抜いた期待の新星ッ!!1年A組だろォ~ッ!?』

 

プレゼントマイクのバカデカいシャウトが響く中、ボク等は事前に頭に入れておいた場所に整列する。

『続いてB組、あと普通科の皆さーん』

・・・よし。プレゼントマイク、有罪(ギルティ)

「選手宣誓!入試首席の・・・」

「あーちょっと待って下さい」

鞭を鳴らすミッドナイトに割り込み、ボクは前に出る。

「ドク、マックス。()()()()()()

 

―ガシャンッ―

 

『うわっちょ、Watts!?』

『なっ、コラッ!何をするッ!』

突然騒がしくなる司会席。どうしたどうしたと観客席や会場がざわつくが、すぐにスピーカーから声が響いた。

『あーあー、よし通じてるな。

ごきげんよう紳士淑女諸君。今し方、この脳足りんなプレゼントマイクがとんでもない失言をしたので、この司会席は我々がジャックした。因みにそれを咎めなかったイレイザーも同罪だ。

あとキミ、いい加減しっかり風呂入ってベッドで寝んさい。随分臭うぞ。

改めまして、此処からは実況のモンティナ・マックスと・・・』

『解説のグロンド・ドク・プルフェッツォルでお送りいたします。

さぁ選手の皆様。あの見る眼の無いバカタレントマイクはああ言いましたが、そもそも雄英に合格して今まで除籍処分になっていない時点で、貴方達は充分に優秀です。我々は公平に実況解説していきますので、何卒、宜しくお願い致します』

「グッチャ!」

皆がポカーンとする中、ボクは司会席にサムズアップする。

これから楽しい楽しい生存競争なのに、皆の気を削ぐような事を言ってくれたアイツを絶対許さん。

「えー、おほんっ。改めまして、選手宣誓!入試首席の、緑谷君ッ!!」

「はい!」

へぇ~、出久首席だったんだ。何も言わなかったな。まー出久の事だから、そんなの聞かれなきゃ自分から言わなくても良いかって考えてたんだろうね。

それにしても、爆豪の顔がスゴい事になってるな。

「宣誓・・・

 

僕達は、1人1人が戦士として鎬を削り合い、相手の喉笛に喰らい付き戦い抜く事を誓います」

 

会場が凍り付いた。まぁ、確かに度肝は抜かれるだろうね。

 

「そして・・・此処からは全員に向けて言おう。僕は、相手に一切の情け容赦無く、男女平等に殴り飛ばし、打ち据え、叩き潰す。皮が裂けようが、爪が割れようが、肉が抉られようが戦い抜く。そんな僕を相手に、生半可な気持ちで無く、本気でこの祭典の優勝を狙うと言うのであれば・・・

 

全力で、獲りに来いよッ!!」

 

シーンと静まり返る会場。ビリビリと震える出久の闘気と殺気は、彼らの口を塞ぐには充分過ぎた。

 

―パキッ―

 

出久がフィンガースナップをして、ボクに視線を送ってくる。

成る程、交代してくれるのか。

ボクはすぐに駆け出し、出久の手を取って台に上がった。

さぁ、あれをやるぞ。長年やりたくて仕方が無かった()()を。

 

「諸君。ボクは闘争が好きだ」

 

一瞬何が言いたいのかが分からなかったらしく、ポカンとする観客席の人達。

構うもんか。続けてやる。

 

「諸君。ボクは、闘争が好きだ!」

 

あぁ、テンション上がってきた!

 

「諸君!ボクは闘争が大好きだ!

殲滅戦が好きだ

突撃戦が好きだ

潜入戦が好きだ

防衛戦が好きだ

包囲戦が好きだ

突破戦が好きだ

退却戦が好きだ

掃討戦が好きだ

撤退戦が好きだ

 

平原で、街道で?塹壕で、草原で凍土で砂漠で海上で空中で泥中で、湿原で。

この地上で行われるありとあらゆる戦闘行動が大好きだ」

 

体温が上がり、興奮で頬に朱が差していくのが分かる。そして前回のUSJ戦での防犯カメラ映像を思い出し、更にイメージを膨らませる。

 

「戦列を揃えたウォーリアーの薩摩式突撃が、敵陣を切り崩すのが好きだッ!!

空中高く放り上げられたチンピラが、テールスピアでズタズタにされた時など心が踊るゥ!!

 

直属親衛隊が放つ個性の異能攻撃が、装甲自慢を打ち崩すのが好きだ。

悲鳴を上げて、我々に背を向け逃げ出す敵兵を飛び掛かり叩き倒した時など、胸がすくような気持ちだったッ・・・

 

尾剣の先を揃えたウォーリアーの集団が、敵の戦列を蹂躙するのが好きだ。

興奮状態の隊兵が、発狂した敵の手足を何度も何度も刺突している様など感動すら覚えるッ・・・

 

強姦主義のレイプ魔共の股座を蹴り跳ばす時などはもう堪らない!

泣きわめく敵共が、直属の振り下ろした掌と共に、金切声を上げるウォーリアーにバタバタと薙ぎ倒されるのも最高だッ・・・!

 

憐れなチンピラ達が、なけなしの蛮勇で健気にも立ち向かって来たのを、ヤンの140デシベル爆音波砲が後続ごと一網打尽に薙ぎ倒した時など、絶頂すら覚えるッ!!

 

相棒と互いに殺し合い、切磋琢磨するのが好きだ。

必死に捌いていた攻撃が正中に届き、己の命が握られ、死んだと確信するのは、とてもとても、甘美なものだ・・・

 

獣欲にまみれた薬物中毒者共に組伏せられ弄ばれるのは嫌いだ。

四肢を縛り吊し上げられ、前後上下問わず犯し尽くされるのは、屈辱の極みだッ!!」

 

己が一度壊れた過去を思い出し、憎悪と共に眼を見開く。

 

「諸君。ボクは闘争を・・・地獄のような闘争を望んでいる。

 

諸君!ボクを女王と呼ぶ、小隊戦友諸君!

君達は一体何を望んでいる?」

 

スタジアムの穴空きドームの上から感じる気配に、ボクは今一度問い掛ける。

 

「新たな闘争を望むか・・・?

情け容赦の無い、クソのような闘争を望むか?

鉄風雷火の限りを尽くし、三千世界の鴉を殺す、嵐のような闘争(タタカイ)を望むかッ?」

 

―クリィークッ!!!!―

―クリィークッ!!!!―

 

ドームの上にいた親衛隊員達が、身を乗り出して叫ぶ。『我等、闘争を望まん』、と。

 

「宜しいッ!ならば戦争(クリーク)だッ!!

 

我々は今まさに許容を超え、熱く溶け落ちんとする原子炉だ。

だが、この生温い歪な平和の中で10年以上も堪えてきた我々に、只の戦いではもはや足りないッ!

 

大ッ戦ッ争をッ!一心不乱のッ大ッ戦ッ争ッをォ!!

 

平和の象徴の時代も、もう幾許も無く終わりを告げるだろう。しかし社会は頑なにそれを否定し、臭い物に蓋をし続けている。

ならば一足先に、我々がこの先の世界の一端を垣間見せてやろう。

寝ぼけ眼に冷や水を浴びせ、目蓋を開けさせ思い知らせよう!

 

連中に狂気の味を思い出させてやる!連中に、血深泥の戦場の音を思い出させてやる!」

 

皆、固まっている。誰一人、何も喋れはしなかった。

そう、オールマイトは間も無く終わる。世界の平和を1人の背中に背負い込ませていたツケを世界中が払う時が、間も無くやって来る。

 

「この天地の狭間には、微温湯浸りの哲学では思いも寄らない事がある事を思い出させてやる」

 

――クイーン殿ッ!クイーン、総帥ッ!総帥殿ッ!!軍隊元帥殿ッ!!

――クイーン殿ッ!クイーン、総帥ッ!総帥殿ッ!!軍隊元帥殿ッ!!

 

「そしてついにニドヘッグルは蜷局を開き、黄昏へと飛ぶ!」

 

一呼吸置き、再び声高に叫ぶ。

 

「ゼノモーフ小隊(ショグダギ)各員に(バブギンビ)伝達(ゼンダヅ)ッ!隊総帥命令である(ダギゴググギ レギセギ ゼガス)さぁ(ガァ)諸君(ギョブン)・・・

地獄を作るぞ(ジゴブゾヅブスゾ)

 

そう締め括り、ボクは台を降りた。上ではウォーリアー達が大盛り上がり、拍手喝采の嵐だ。

以前空気は凍り付いたまま。はてさて、こんなもんでどうするのさ。

『ミスミッドナイト、悪いが、進めてくれないか』

「ッ!そ、そうね!」

マックスの声にミッドナイトが頷き、漸く体育祭がスタートするのだった。

 

to be continued・・・




~キャラクター紹介~

緑谷出久
雄英入試首席の現代忍者高校生。
自分がどんな手段でも使ってやると表明し、勝ちたければお前らもやって見せろと鼓舞した割りとスゴい肝っ玉母ちゃん。
因みに一応優しさはしっかり持ち合わせているので、入試の時は撃破点、救出点共にかなり高かった。
背納と戦う為にアイテムの許可を取ってあるが、背納以外に使わないとは言っていない。

触出背納
やりたかった事がやれてご満悦の化物主人公。
今回見事に少佐の演説をやりきった・・・いや、やりきりやがったヤベー奴。
因みにニドヘッグルとは北欧神話に登場する蛇龍、ニーズヘッグのドイツ語読み。ゼノモーフの別名の1つである大蛇(サーペント)と引っ掻けた洒落。

モンティナ・マックス
司会室をジャックした実況少佐。
彼女としても、背納の成長を促す脅威が眠っているであろう他クラスをその他大勢としてぞんざいに扱うのは許せなかった。因みにマイクは縛り上げられてる。

グロンド・ドク・プルフェッツォル
漸くフルネーム出た解説博士。と言っても原作で名前が出てないので、ちょっと捩ったグランドプロフェッツォルでドクと言う呼び名を挟んだだけ。
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