捕食少女の闘争アカデミア   作:エターナルドーパント

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『さーてと、今回は出久の容赦無さがハッキリ出ますよ』
「どんぐらい?」
『エターナル出久の口から乾いた笑いが出るくらい』
「相当やべぇじゃねぇか」
『あと、今回はほぼ情景描写が出ません。少佐とドクの解説実況をお楽しみ下さい』


第13話 各々の競争

(背納サイド)

 

『さーて第1種目、障害物競争!この種目の見所はズバリ何処だと思うね?解説のドク』

マックスのノリノリな実況が入りつつ、ボク達はスタート位置のトンネルに入る。

『そうですねぇ。一周4㎞のコースを走り、最後にこのスタジアムに戻って来るこの競技。ですが着目すべきは、そのルールです。

ルールとは、コースにそって進む事、ただそれだけ。

ぶっちゃけ破壊妨害何でもありで、そもそも人によっては走る必要すらありません。飛べる奴は飛べば良い。そしてそう言う輩が地べたを走る事しか出来ない他の選手達を嘗め腐った所で、思いもよらぬ攻撃に墜落!だとか・・・

まぁ要するに、走る選手の発想力や外道さ、そして意図も容易く行われるえげつない行為と、その悪意に巻き込まれる憐れな後続達がどう足掻くのか・・・何と言っても、そこが見所でしょうねぇ』

ドク、腹黒っ・・・流石は女王のカレー皿に涼しい顔してテトロドトキシンをブチ込むマッド。言う事と言うか着眼点が違う。

なーんて自分の腹心にドン引きつつ、ボクは裸足になってトンネルの壁に張り付く。態々鮨詰め状態の下を掻き分けるより、こっちは遥かにガラガラだ。

『おぉっと、壁に張り付きスタートダッシュを狙うクイーンに対して、ズルい、卑怯だ、等とヤジが飛んでおります!』

『ハンッ、なーんて甘ったるい思考回路でしょうか。ズルいと思うならそれを越える為に工夫なり努力なりしなさいって話ですよ。全く日本の政治家の考えより甘い。

まるでバーホーテンのミルクココアコップ一杯分に角砂糖10個と生クリーム1チューブにワサビ小匙一杯投入してミキサーに掛けたように甘過ぎる』

『味を想像して吐き気がしたんだがどうしてくれる?』

『それは少佐殿、自己責任と言う奴ですよ』

「ぷッくッ・・・」

何かドクとマックスが漫才始めたんだけど・・・地味に笑わせに来んの止めて欲しい。

『あー少佐殿!ランプが点灯しました!』

『おぉそうだなドク』

ドク達の言う通り、トンネルの上からぶら下がっている横並びの5連信号に光が点った。

 

―プッ プッ プッ プッ パァーッ!―

 

「チィアッ!」

信号が全て消えて、競争開始。同時にボクは手を離し上体を落下させ、ネコ科動物の飛び掛かりのようにスタートダッシュを決めた。

 

(NOサイド)

 

『さァー始まりました破壊妨害何でもアリの残虐デスマッチ障害物レェー⤴️スッ!スタートダッシュを決めたのは爆豪選手轟選手、あーっと忘れちゃいけない我らが母上、緑谷選手ッ!』

スタートすると同時に捲し立てるような解説をするマックス。才能をバリバリに活かしまくっている。

『おぉっとォ!?此処で轟選手が後続に対して大氷壁で攻撃ィ!トンネルをふさいでしまいましたッ!』

『素晴らしい勝利への執着です。汚い、流石は人間汚いッ!』

現時点で既に、観客席のギャラリー達は薄々感付いた。

コイツ煽り散らすの好きだなぁ、と。

そんな中、割りと懸命に走っていた峰田が横殴りに吹っ飛ばされる。

『あーっと!此処で最初の障害物、ロボインフェルノですッ!』

立ち塞がるのは、入試の実技試験で使われた仮想敵ロボ。2m程度から15m以上のモノまでが、一斉に生徒に襲い掛かる。

『公立や国立高校とかなら此処で税金の無駄遣いだのなんだの突っつけるのですが、生憎と雄英は私立校ですからね。どんだけ金を湯水のように使ってもイヤミかキサマッ!としか言えないのが悔しい所』

『おぉっと!此処で母上が小ロボを巨大ロボに蹴っ飛ばしたァ!思わず仰け反る巨大ロボ!

そしてその上に飛び乗りアァーーッと!前方に飛んだァァァ!!』

よろけた巨大ロボを踏み台にして、出久は大きく跳躍する。

その反動を諸に受け、巨大ロボはルートの行き先側に向かって倒れた。重心が後ろに来ていた所をめちゃくちゃな力で踏みつけられたせいだ。

『おー、流石は母上。あのロボの巨体を使って妨害しつつ、しっかりと人が居ない方に倒している』

『あーっと、轟選手も凍らせたァ!その股下を悠々と潜り抜けるゥ!

それを追う他の選手ですがアーッ潰されたァァァッ!!』

『オヤオヤ、あの質量では硬質化系の個性でもなければ圧死は避けられませんな。流石は天下の雄英、体育祭で対応力不足の者がタイヤに轢き潰された蛙のように無様に死のうがどうなろうが、心底どうでも良いらしい。

いやはや、こうやって命ごと選別すれば落ちぶれる事も無いしその後諸々で掛かる金もカット出来る。実に合理的な思想ですなぁ』

『オイ、評判を意図的に落とすような事言うな』

『おぉっと苦しいですぞイレイザーヘッド。殺す気が無いと言っても、説得力が欠片も御座いません』

 

「ダーッくそぉ!俺じゃなかったら死んでたぞッ!」

 

『おぉドク、見てみろ!潰されていた硬質化する切島選手が復活したッ!』

『奇跡的に圧死した者は居なかったようですね。取り敢えずこの殺意いじりは此処までにしときましょう』

 

「A組ホンット!性格悪ィなァ!俺じゃなかったら死んでたぞッ!」

 

『おぉ!アイツは・・・あー、えーっとォ~誰だっけ~、ホラあれだ!B組の!

すまない、このシャウトしか取り柄がないバカタレントマイクと違ってその他扱いしてるんじゃ無いんだ!ただリサーチ不足で・・・』

『泣くよ?』

どさくさに紛らわそうともせずボロクソ言いながら弁明するマックス。これにはマイクも涙目である。

鉄哲徹鐵(テツテツテツテツ)ですよ少佐殿。此処に顔写真付き名簿があります』

『人間の名前かソレ!?親が何を思って付けたか気になるな!

まぁ良いか。取り敢えずてっちゃんも頑張っております!

さーてそんなこんなしている内に、トップランカーは既に次の障害物に辿り着きました!恐怖の断崖綱渡り、ザ・フォールッ!

なァんなんだあの崖どォうやって作ったんだ雄英は変人の集まりかァァァァ!!』

『・・・強く否定出来んのが痛いな』

((((((認めちゃったよッ!?))))))

観客席の心が1つになった瞬間だった。

『おぉっと!母上と爆豪選手、そんなの関係ねェとばかりに片や跳躍で、片や爆裂加速で飛び越えて行くゥ!轟選手やクイーン、飯田選手も続きアァーッ此処でクイーン更にスピードを上げたッ!喰い付いて行きます!凄まじい追い上げですッ!』

『我々ゼノにとっては、あぁいった不安定な足場こそホームグラウンドですからねぇ。調子が出たんでしょうか』

 

「ウォラッ」

「あっ!?おまちょっ、ウヷア゙ァァァァァアァァァァァァァァッ!?」

 

『ウワァァァァ!?母上、クイーンを谷底に蹴り落としたァァァァ!!卑劣!何たる卑劣!汚いッ!流石は現代忍者汚いッ!』

『一切の躊躇無くスッコーンと綺麗に蹴り落としましたね。ある意味、信頼あって為せる所業です』

 

「ついでに、でぇいッ!!」

 

―バゴォンッ―

 

『な、なーんて事だァァァァ!?母上、ザ・フォール突破と同時にまさかの地盤踏み砕きだァッ!!ゴールに繋がる縄が全て!接合部が壊れて、谷底に落ちていきますッ!』

『後続への妨害にも抜かりありませんね。全く、母上は本当に何時も我々の予想の右斜め上に2回転半程捻り込みながらスッ飛んでいってくれます』

 

「ハッハハハハハハ!いィずくゥゥゥゥッ!!蹴り落としてその上に岩の雨とかこォろす気かテメェ!!」

 

『寧ろ何で生きてるんだクイーン。何故死なないんだ。宇宙人か』

『マジレスするとホントに宇宙人の個性だからな。あと重大な謀反行為だぞドク』

『何を今さら』

 

「ダーッハハァ!クッソォ遅れたァァァァ!!!!」

 

『おぉ!クイーンが再び怒涛の追い上げ!何と道の脇に植えてある木を伝って走っています!』

『木の反動や角度を瞬時に見極めるのも得意ですからね。これはどうなるかわかりませんよ?』

『さーて、此処でトップランナー達に視点を当ててみましょう。

おぉっと、爆豪選手轟選手、両名の間で凄絶な足の引っ張りあいが起こっております!火花と氷の欠片が舞い散り、その中での潰し合いです!

アーッ!その2人に後ろから着実に迫る母上の魔の手ッ!凄まじいストンプ力で地面を踏み砕いてグングン差を縮めて行くゥ!!

その手は掛かるかッ!?掛かるかッ!?掛かったァ!そして出ェたァーッ!ウェイヴ投げェェェェェ!!』

『両手で左右両者の首を掴み、反撃する間も無く肩甲骨をそれぞれ逆回転してウェイヴを掛け、重心を崩す事で転倒させましたね。倒された両名は頭から見事に叩き付けられました。

まぁあんなんでもヒーローの卵、流石と言うべきか、咄嗟に頭を庇って脳震盪は避けたようです』

 

「きゃあっ!?」

「ウヘヘへェ!」

「クッ、峰田さん!離れてください!」

 

『おーっとぉ!?峰田選手、此処で八百万選手に張り付きました!

全国生中継だぞ!?何をやっているんだあのエロブドウはァ!』

『あーこれはですね。背丈が大きい分歩幅も広くスピードが乗りやすい八百万選手に食い付く事で自分を運ばせる小判鮫作戦・・・と言う建前のセクハラですな、ウン。

見ての通り彼女のスタイルはかなりのモノ。あの万年発情期のエロブドウはそれを目当てに張り付いたのでしょうなぁ。

サイテーです。警察呼びます』

『大丈夫。今あのブドウのせいでスレが乱立して雄英の評判ガタ落ちしてるから最低でも謹慎処分には・・・ってスマホ弄ってる場合じゃねぇ!』

 

―ゴパンッ―

 

「クソ変態は死すべし慈悲は無い」

「せ、背納さん!有り難う御座います!」

 

『流石はクイーン!追い抜き様に変態の側頭部に尻尾を叩き込んだァ!』

『クイーンは無理矢理なセクハラの類いが感情全部シャットダウンして叩き潰しに掛かるレベルで大嫌いですからね。まぁあのエロブドウは間違い無く脱落です。脳が揺れております。何時もより強めに揺れております』

 

―Kaboom!―

 

『っと後ろがそんな事になってる間に、トップは既に最終障害物に差し掛かったッ!先頭は母上!インパクトハイクで飛翔する1位を、爆豪選手轟選手が追うゥ!』

『最終コース《怒りのアフガン》。非殺傷性の地雷原。埋めてある場所は土の色で見分けられますが、1位2位は飛んでますから関係ありませんね』

 

「シャァァァァァァアッ!!」

 

『おぉォォ!!何と此処で、またもやクイーンが追い上げて来たァ!!何と言うスタミナ!何と言う瞬発力ッ!

そして何より、地雷を1つも踏んでいませんッ!』

『我々ゼノはある程度電磁波を知覚出来ますからね。電池内蔵の最新型電子地雷を使ったのが裏目に出ましたな雄英』

 

―Kaboom!!―

 

「れでゅえッ!?」

 

『あっ、旧式もあったみたいだなドク』

『流石は雄英抜け目無い』

『しかし、幸運にも今の爆裂射出でかなり前方へ飛べたな。少なくともトップ5は堅そうだが果たしてぇ~?』

 

「クソがァ!俺の前走ってンじゃねェぞデクゥ!!」

「僕が何処をどう走ろうが僕の勝手だ。貴様には命令権も、身勝手なリンチ特権もありはしない。

追い越せない処かこうやって会話が出来る程度に僕が加減してやらなきゃ追い付く事すら出来ない奴は、その口ホッチキスか何かで縫い合わせとけ。

あーそうそう、体育祭の生中継って、貴様の家のおばさん達も見るんじゃないかな?此処でうっかり僕の口が滑れば、はてさてどうなるかなぁ?」

「テメェ、デクの分際で俺を揺する気かァ!」

「察しが早くて助かる。ついでにそのペチャクチャ煩い奥歯擦りきれた口を開かないで頂けるともっと助かる」

「死ねェェェェ!!」

「死んで欲しけりゃ自分で殺せ。

さて、いい加減そろそろ合わせるのも飽きてきたし、5%から8%に上げるから」

 

―ドワオッ―

 

『おぉっと!母上の踏み込みが地面を砕くゥ!!衝撃と抉れで、轟選手はかなり足を取られています!』

『逆にクイーンはその割れた地面を足掛かりに追いかけておりますね。あ、今し方轟選手を追い抜いて3位に躍り出ました』

『しかし既にゴールは目前ッ!そしてゴールを切るのはァァァァ!?』

 

―ドゴンッ ザリリリリリリッ!―

 

『来ましたァッ!緑谷選手ゥゥゥゥゥッ!!最初から最後まで余裕を持って走り抜き、堂々の1位通過ですッ!!』

 

「クッソがァァァァァァァァッ!!!!」

―BBBBBBOM!!!―

 

『続々とゴール者が現れる中、爆豪選手が癇癪起こして発狂しております。

これがホントの癇癪玉です』

 

「ウッセェ黙れ殺すぞクソが死ねやァァァァッ!!」

 

『あー皆さんお気になさらず。負け犬の遠吠えに耳を傾ける必要等小麦粉の粒程もありません』

 

「あ゙ァァァァァァァァ!!」

 

『おーおーぶちギレたぞあの坊や』

『キレようがキレまいが別段何かしてくる訳でも無いので大丈夫でしょう。

アイツの絶望的なみみっちさなら、此処で司会席に殴り込めばどうなるかぐらい想像出来る筈です。多分、きっと。私はそう信じます。そう自分に言い聞かせる事にします』

 

終始ドクが各方面を煽り散らして、第1種目は終了した。

 

1位・緑谷出久

2位・爆豪勝己

3位・触出背納

4位・轟焦凍

5位・塩崎茨

峰田実、雄英在籍イエローカード




~キャラクター紹介~

触出背納
腹黒次女にドン引いた化物主人公。
今回は上位をしっかりキープしていたものの、出久によって一度あっさり谷底に落下。何とか壁に張り付いたら今度は落石に見舞われて、地雷原でも旧式地雷は見抜けず爆発で吹っ飛んでと見事に踏んだり蹴ったり。
でも最後は意地で3位に収まった。

緑谷出久
D・D・D・D・C(いとも容易く行われるえげつない行為)系魔改造毒舌現代忍者高校生とかいう属性過多にも程がある原作主人公。
コイツは戦いにおいて使える手は全て使うし、寧ろ卑怯・卑劣・搦手がメイン。
正直、正々堂々真正面から勝負とか救い用の無いバカがやる事だと認識している。
とは言え流石に誰彼構わず蹴落とす訳じゃない。あれはせっちゃんなら死なないと言う信頼があったからこそ躊躇無く出来た事。
背納「ヤな信頼だよ全く、踏んだり蹴ったりも良いとこだ」

モンティナ・マックス
司会室ジャッカーの長女。
ユーモア溢れる(?)実況担当。
初手からドクと疾走感溢れる漫才を展開した少佐殿。
今回で語りの才能を思いっ切りフル活用していた。
因みに今回の語り、全部完全にアドリブである。

グロンド・ドク・プルフェッツォル
かなり毒舌が過ぎる解説担当。
初手から少佐と疾走感溢れる漫才を展開した博士。
前から腹黒なのはちょくちょく描写してたが、今回で完全に浮き彫りになった。人間がお互い攻撃し合うのを傍観するのが大好き。
SNSの炎上も毎日チェックしており、その片手間に毒やら麻酔やらを合成するヤベー奴。
今回終始いろんな所を煽りっぱなしだったが、一応嘘は一切無い。それがまた質悪い所。
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