捕食少女の闘争アカデミア   作:エターナルドーパント

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「此処の出久、マジでヤバすぎでは?」
『あーうん、しかも自分が戦闘だと認識しなかったら普通にナメプしまくると言うな』
「つまり?」
『前回のは出久にとって背納と当たった時以外全部お遊び感覚。必要無ければ技を晒さない』
「それでいて強ぇんだから質悪いな」


第14話 化物の乱戦

「さーて、予選通過は上位42名!残念ながら落ちちゃった子も安心なさい!見せ場はしっかり用意してるわ!」

 

ミッドナイトが鞭を鳴らし、声を張り上げる。出久と背納はA組のブロックスペースに戻って炭酸抜きコーラを補給し、800mlボトルを秒で飲み干した。

『ほう、炭酸抜きコーラですか。大したものですね』

『炭酸抜きコーラは、吸収の早い即効エネルギー飲料として優秀だからな。あれでエネルギーをキッチリ補給した。次の競技も、あの化物スペックにモノを言わせて暴れるぞォ?』

「あそうそう出久、さっき蹴落とされた分キッチリ仕返しするからね」

「はははっ、そう来なくっちゃ」

そう言って左裏拳を差し出す出久に、背納も同じく左裏拳を打ち合わせて応える。

「ヨシ!休憩も済んだから、そろそろ行こうかな!」

「だね!」

全身の関節をゴリゴリと解し、パキパキと骨を鳴らす出久。

そしてブロックからスタジアム内に戻り、ミッドナイトの指示を待つ。

 

「では、お次の競技ッ!それは~・・・コレッ!」

 

ミッドナイトが鞭を向けると、巨大スクリーンに文字が映し出される。

 

《チームアップ・バトルロイヤル》

 

「へぇ・・・❤️」

「・・・ちょっとは、本気出さなきゃかな」

目を細め舌舐りする背納と、戦闘者モードになる出久。

 

「ではルールを説明するわよ!

障害物競走42位以内の生徒には、下から5ポイントずつ得点が付けられるわ!チームを組んだらメンバー全員がポイントを書いたハチマキを装着し、それを奪い合うの!

因みに、チームアップは4人までね!両肩が地面に付くか、ノックダウンで退場!リーダーが退場したら、最も点を持っている子にリーダーが移るわ!そして、上位4チームが最終種目に進出ね!

ノックダウンした場合は、マックスちゃん率いる直属親衛隊のシルちゃんと劉ちゃんが回収してくれるって手筈よ!」

 

「マックスゥー!貸すなとは言わないからせめて話通してから人手貸しなさぁぁいッ!!確かにボクとほぼ同等の指揮権は与えてるけど、総帥はあくまでボクだぞォ!!」

『あぁすいませんクイーン、言い忘れておりました』

「あー、ごめんごめん女王サマ、アタシてっきり確認はもう取ってたもんだとばかり・・・」

「あー良いよ良いよ。シル達は悪くないから、うん。取り敢えず、お仕事は頑張ってね」

カリカリと頭の甲殻を引っ掻くシルに、背納は手を振って見せる。

「ボクは丁度200ポイントか。出久は普通に行けば210ポイントだけど・・・雄英がそんな生温い事するかねぇ」

「しないね」

「だよねぇ」

 

「尚、1位通過の緑谷君には、校訓に習って良き受難を!と言う事で、1000万ポイントが割り振られるわ!」

 

「・・・1000ポイントとかで良いじゃん。何でそんな過剰配点すんのさ」

「ま、分かりやすくて良いんじゃない?」

「なるべく手の内晒したくないんだけどなぁ・・・」

「・・・ふぅん?」

口では乗り気で無い風に言いつつ、出久の頬がうっすらと上がっている事を見逃す背納(相棒)ではなかった。

「取り敢えずせっちゃん、組んでくれ」

「ん、分かった。これを勝ち進んで、楽しく殺し合お♪」

「ありがとう!」

 

―カンッ―

 

ニカッと笑い合い、裏拳をぶつけ合う2人。

しかし周囲の人間には、2人の向こうに獅子と死神が幻視(みえ)ていた。

 

―――

――

 

『さぁーてェ!10分間のチームアップと作戦会議が終わりましたァ!では早速始めていきましょう!15分間の強奪蠱毒ッスタートッ!!』

 

「狙うは!」

「やっぱり!」

「「「「「「1000万ッ!!」」」」」」

 

『予想通りと言うべきか、全員母上の1000万を狙うがァアアッとォ!!母上クイーン双方容易く迎撃ィ!!』

 

「1」

「2のッ!」

「3ッ!」

 

『す、スゴいッ!背中合わせでお互いをウェイヴ射出し、それぞれ正面の敵に痛撃ッ!同時に空いた2人の背中の隙間から、麗日選手の振り向き様ボディブローが飛び出すゥゥゥッ!!何と言うコンビネーションだァ!』

『3カウント直前、クイーンが母上と麗日選手に肩甲骨ウェイヴで合図を送っていましたね。恐らく、麗日選手には素質があったのでしょう』

 

「ぬぅっ!?足元が泥濘にッ!」

「わっちょちょちょっ!リーダー、どうするッ!?」

「上鳴君はせっちゃんの尻尾に掴まって!麗日さんは左手に!」

「で、ボクは出久の左手ね!」

「OK!行くよッ!」

 

――――踏蹴脚剛撃(ストンプキック・スマッシュ)

 

―ゴパァンッ!―

 

『おぉっとォ!!泥濘化して脚に纏わり付いていた地面を、母上はストンプで全て押し流したァァァッ!』

『己の攻撃で逆にやられる、この手の意趣返しは母上の得意分野です』

 

「っと危ない!」

「フックショットか。伸びてきたのは・・・障子君が腕で作ったテントの中?

百ちゃんの気配はしない。なら、アイテムを使えるサポート科の子かな?」

「まだまだ目立ちますフフフフフフ!」

 

『おぉ!大柄な障子選手の後ろから、サポート科の発目選手が飛び出したァ!』

『あーあれは両手のフックショットで母上を狙っていますねぇ。ワイヤーも丈夫そうです』

 

「私とドッ可愛いベイビー達が目立つ為ですッ!1位のお方、お覚悟をッ!」

「させるかっての」

「どわっ!?」

 

『すかさずクイーンがワイヤーを絡めとりますッ!流石にそう易々とは行かないかァ!』

 

「上鳴君カモン」

「えっ俺ェ!?」

「GO!」

「あーもう分かったから押すなッ!」

 

『おやぁ?何か企んでいるぞクイーン!』

 

「うわっちょっ、重いぜ触出!」

「失礼だな!良いから放電!ホラ早くッ!」

「えぇ?あーもう!どーなっても知らねーかんなッ!」

 

―BAZZZZZZZZZ!!―

 

「アババババババババッ!?」

 

『おぉっとォ!!上鳴選手の放電が、クイーンの握るワイヤーを伝って発目選手にヒットォォォ!!』

『成る程。上鳴選手に負ぶさって、尚且つ上鳴選手の首筋にワイヤーをくっ付けて通電ですか。これなら出口が無いクイーンには通電しませんな』

 

「ふぅん?君のその特徴的な眼・・・ズームアップか。丁度、狙撃兵が欲しかった所だ♪」

 

―グボッ―

 

「ンゴェ!?」

「フフフッ・・・今度こそ、リップちゃん枠の子が来ると良いなぁ♪」

 

『あーっと!ここでクイーンまさかの産み付けですッ!』

『ゼノモーフとしての苗床式交配能力。クイーンは軍隊増強に余念はありませんからねぇ』

『おいスレ民、立ち上がるな。座っとけ。

何?産み付けられたい?宜しいならば面接だ』

『体育祭ってスゲェ・・・』

 

「1日5回限定って教えるの忘れんなよマックス!」

「勝手にお見合い組まれるのは良いんだ」

「来るのはフィアンセ候補じゃなくて兵士の材料だからね」

「ドライだなぁ」

 

『今のクイーンの発言が一部の特殊性癖にぶっ刺さったようです』

『日本は変態大国ですからねぇ』

 

「女王様と呼ぶ事を許してあげるよ!光栄に思え!」

 

『うわぁぁ!今度は豚が湧いたァァァ!』

『そろそろスレ実況から此方の実況に戻りましょうよ少佐殿。クイーンも、変態の油田火災にナパーム弾を撃ち込むのはお止めください。我々のバケツリレーでは収拾しきれません』

 

「フザケながらたァ随分余裕ブッこいてくれんなァアン!?」

「俺達相手に、手抜きする気か?」

 

『おぉっとォここで轟選手爆豪選手両名が2人を強襲ゥゥゥッ!!』

 

「余裕があるうちは程々に楽しむ方が得だよ♪」

「能力を半分も活かし切れてない君が手抜きを語るな」

 

―ガゴッ―

 

「がぁっ!?」「ごぇッ!?」

「キスでもしときな。スピード乗ってる分、お互い熱烈なのをさ」

 

『しかーし!やはりツーマンセルで力を逆利用し衝突させたァァ!』

『そう甘くないと言う事ですよ。そしてこのどさくさに紛れて、物間チームが葉隠れチームのポイントをカッ浚ってます』

 

「あれ!?いつの間に!?」

「漁夫の利♪」

 

「おいコラデク!テメェ、何でハチマキ取れるチャンス捨てやがった!ァアン!?」

「まさか、情けを掛けたとかじゃねぇよな?」

「いやいや、君らを此処であっさり潰してもつまらないから。ただそれだけだよ」

「そう。せっちゃん流に言うなら・・・お前達はまだ、()()()じゃない、かな?」

「そうだよねぇ。やっぱ、潰すなら徹底的にでしょ。此処じゃすぐ終わっちゃうし、何より止め刺せないじゃん」

 

『おやおや、爆豪選手轟選手、どうやら今更気付いたようですねぇ。クイーンと母上にとって、自分達は敵ではなく只の()()なのだと言う事に』

 

「実際この2人とマトモな戦闘なんてした事無いしね」

「ッ~!!クッソがァァ!!」「うおぉォォォッ!!」

「危ないッ!」「隙ありッ!」

 

―バリッ―

 

「――――ッ!?」

 

―ゴォォォォッ!!―

 

『おぉっと!!電撃を受けた轟選手、今まで出さなかった左の炎を出したァァァ!』

『彼の父親のエンデヴァーも観客席で文字通り燃え上がっています。えぇ、火柱です。はい、消防車3台と念のため救急車も』

『ドク!?いつの間に通報した!?まだだ!周りに燃え移ったら警察に引き渡そう!』

『冗談ですよ』

 

「何か上は愉快な事になってるけどさ・・・あれヤバくね?」

「上鳴君に同意。あれはちょっとヤバいで」

「出久は大砲、ボクがストッパー」

「ヤー」

 

―ドゴンッ―

 

『ほうほう、母上のパンチによる拳圧で炎を吹き飛ばすとは』

『しかし、流石にあの高出力は少しばかり堪えたようですね。パンチに使った左腕が完全に脱力状態です』

 

「ッ・・・俺は、何を・・・!?」

「あれ?漸く本気を出したと思ったらもうお終い?」

「興味無いね。本気だろうがどうだろうが、午後の競技で叩き潰す」

 

『さぁぁてッ!残り時間が僅かとなってきております!残り1分ですッ!!』

 

「そんじゃ、ラストだしシフトする?」

「だね。最後はイケイケに・・・」

「「打って出るッ!!」」

 

――~♪~♪――

 

「今宵ッ!月はッ!紅く染まりィ!」

「餓えたッ!獣ッ!群ぅらァがりィ!」

「旨いッ!匂いッ!舌舐りィ!」

「睨みッ!合うッ!」

「「DEAD or ALIVE!!」」

 

『此処でついに2人が歌ったァァァ!!』

『2人はテンションが上がると、気配と歌だけで連携しますからね。此処からは厄介ですよぉ?今までくっついていた2人が、今度は縦横無尽に駆け回りますからねぇ』

 

「この世はァ~弱肉~強~食~!」

「据え~膳~喰うよ~り~♪」

「四肢を奮ゥって!」

「「掴ァみィ!!取ッれェェェェェッ!!」」

「おガッ!?」

「カッ!!!?」

 

『おぉっと、拳藤選手と物間選手がそれぞれ延髄切りと正中四連突きでノックダウンッ!』

『遊びから狩りに意識を切り替えましたな。同時に、最終種目で自分と張り合えるかどうかの選別も兼ねているのでしょう』

 

「賭ァ~けろ!プッラッイッドッ!」

「死ィぬ~までッ!オッオッカッミィ!」

「「負け犬になァるゥ~!つもォりはァ~無い~ッ!」」

 

―バリンッ―

 

「嘘ッ!?」

 

『円場選手のブレスバリアも母上のウェイヴエルボーでアッサリ粉砕ィ!直後にクイーンの前宙踵落としが決まったァァ!』

『安物ならフライパンだって凹みますからね、母上のエルボーは』

『あれやったの母上かッ!つかやらせたのお前かッ!まだ使えたのに!』

『買い換えの後押しをしただけでしょう』

 

「ア~セは~ス~パ~イ~スッ!傷ゥ~痕~輝くッ!!」

「勝~利~のォ味を~!噛みィ!締ィ~めて~!!」

「「次のォ~ステージへ~♪」」

 

「ウボァ!?」

「ゴヘェ!?」

 

『あーっと最後の最後で庄田選手と尾白選手が2人の毒牙に掛かりフィニッシュゥゥゥゥ!!』

『ウェイヴを乗せたボディアッパーを諸に喰らいました。そして此処でタイムアップです』

『それではお待ちかね、結果発表といこうじゃないか!』

『では第4位から・・・ほう。目立つクイーン達を隠れ蓑に、影からポイントをきっちり奪っていたようです。

心操選手率いる、青山、尾白、庄田の心操チーム。しかし脱落者が2名出てしまいました。惜しかったですね』

『第3位はァ~・・・おぉっと、爆豪チーム!メンバーは芦戸選手、瀬呂選手、切島選手です!

これは彼にとっては気に喰わないでしょう!』

『えぇ、何せ彼は入学してこの方、目の敵にしている母上に1度も白星を挙げられていませんからねぇ』

 

「ウッセェェェェェッ!!黙れやクソがァァァッ!!」

 

『あー彼はもうクソがしか言えなさそうなので次いきましょう。

第2位、八百万、常闇、飯田の轟チーム。

途中リーダーが何やら精神を乱されたようですが、全員自分のポイントをキッチリ守っています』

『そして1位は言わずもがなだな!』

『そうですなぁ少佐殿。

ではお待ちかねの第1位!上鳴、麗日、クイーンこと触出の、母上こと緑谷チームッ!!

最初から最後まで余裕をもってポイントを守っていました。麗日選手のウェイヴも短期間で教わったとは思えない程の出来映え』

『上鳴選手は零距離は未履修と言う事で少し馴染めていなかったようだが、それをウェイヴ組がキッチリ上手くカバーして戦っていたな!

さぁて、これにて午前の部は終了!昼食休憩の後でレクリエーションを挟み、最終種目となる!』

『シュレディンガー准尉、後でクイーンにお弁当を持って行ってあげるように』

 

―――

――

 

「ふぃ~、良い汗かいたね♪」

「うぅ~ん・・・まぁ、そこそこ楽しめたかな」

戦闘者モードから朗らかな表情に戻り、背納に答える出久。

 

「俺は・・・何で、()を・・・」

 

「「・・・」」

しかし、2人は気配に敏感だった。故に、会場の隅にいる轟から発せられる強い憎悪の気配に気付く。

「・・・緑谷、触出・・・ちょっと良いか」

「・・・うん、良いよ」

「時間圧すような予定もほぼ無いしね(シュレディンガー。ちょっと遅くなるから、クラスの皆とお喋りして待ってなさい)」

(ハーイ!)

一匹狼に誘われて、化物と死神はその背を追った。

 

to be continued・・・




~キャラクター紹介~

触出背納
何時も通り化物主人公。
戦いでテンションが上がると楽しく歌い出すって言う設定を漸く出せた。USJじゃストレスしか無かったし。
因みにトーナメントでは、世界各国生中継でスタイリッシュ国際問題を起こす予定。

緑谷出久
既に敗北のヴィジョンが見えなくなってきてる後出しじゃんけんみたいな現代忍者主人公。
因みにクレッセントブレイドとカプサイシン地獄マキビシ以外にもまだ幾つか専用武器はある。

今回は原作と差別化したくてちょいとばかし変えましたが、ちょっと無茶だったな。
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