捕食少女の闘争アカデミア   作:エターナルドーパント

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「結局こっちかよ」
『熱が冷めない内に書かないといけないんだ』
「感想来なかったけどな」
『言うなッ!!』


第2話 化物の入学、そしてテスト

(背納サイド)

 

「じゃ、行ってくるね!」

「「ギデデ サシャシャギラゲ、ブギギン」」

「ボブロギブジョ~!」

春。ボクは届けられた新しい雄英高校の制服に袖を通し、新しく引っ越した学校最寄のアパートの扉を開けた。そして、ボクの後ろを150㎝程度の小柄なゼノモーフが着いて来る。

お留守番はドクとマックス。着いて来たのはシュレディンガー。ゼノモーフの中でもかなり小さく、軽い攻撃を何度も繰り返すヒット&アウェイが得意な子だ。引っ越しと共に3人を一緒に連れて来た。

「にしても、結構高いな~」

「パザパザ ボンバビ ダバブグス ジヅジョグ ガダダロババ?」

ソコソコ高い山の上にある雄英高校を眺め苦笑いするボクに、シュレディンガーが疑問を溢す。

「さぁね。ま、その方がボク等には都合が良いんじゃない?」

「ギゲデス♪」

自動車等が通る道もあるが、それは大きく迂回する形になっていた。ボク達なら道を走るより、森の木を伝って駆け抜けた方が早い。

グリグリと肩を大きく回し、尻尾でバッグを背中に固定する。

「行くよシュレディンガー!」

膝を抜き、上体を自由落下。更に腹筋を使って最速で身体を丸め、重心を前に移動すると同時に落下を加速。最後に踵を地面に打ち付け、落下分のエネルギーに脚力を掛け合わせてスタートダッシュにブチ込んだ。

化物の身体能力が馬鹿げた加速を産み、更に木の幹を蹴って駆け抜ける。

「っと?」

良い調子で走っていたが、途中で幹を掴んでストップした。

「ン?ゾグギダボ?」

「ん、この先にトラップが仕掛けられてる」

目を閉じて意識を集中すれば、額の辺りにチリチリと針で撫でられるような刺激を感じる。

「赤外線を遮断すると起動するタイプ。あと、日本の法律的には罠と言うより多分警報装置だね」

確か日本では、トラバサミなんかみたいな直接的な攻撃力のあるトラップは使用禁止だった筈。あって括り罠だけど、そんなものよりも警報の方が有用だろうしね。

「ジャ、ロドス?」

「冗談♪大昔、とある真っ赤な3倍速度の御方が言っていたよ」

楽しげに訊ねてくるシュレディンガーに、舌を出しながら人差し指を立てた。

「当たらなければどうと言う事は無い!ってね♪」

「ヂガギバギべ♪」

口角を吊り上げて、再びボク達は飛び出す。赤外線を避け、パルクールも取り入れながら突っ切った。

林の向こうに光が見えるから、多分フィニッシュだね。

「ホッと」

ザリザリッと滑りながら、両足でブレーキを掛ける。思った通り、此処で林は終了。

「フィ~、ジャママシ ブギギン ザジャギべ」

「フッフ~ン♪当然でしょ♪」

服に葉っぱや汚れが付いていないか確認しつつ、目の前のでっかい門を潜った。

スマホに入れておいた校内見取り図を見ながら、自分の教室に向かう。

「にしても、何もかも大きいなぁ~。バリアフリーかな、多分」

身長2m越えとかこの世界じゃゴロゴロいるもんね。

っと・・・中にもう誰かいる。誰か知らないけど、早いなぁ。

「よいしょっ、って言うほど重くも無いな」

最悪肩甲骨フル稼働で開けようと思った3m以上ある扉も、どういう訳かスルリと開いた。触った感じだと、多分金属なのにねぇ。

「おやっ!君もこの1年A組の生徒かね!?」

そう言って、キビキビを通り越してロボットみたいな動きで話し掛けてくる男子生徒。もう見た目が丸っきり真面目クンって感じの彼は、確か委員長の・・・そうだ思い出した。確か飯田君だったか。入試ン時も出久が何時もの癖出して怒られてたねぇ。

「へぇ、君かなり朝早いねぇ。おはよう。

ボクは触出背納。此方はシュレディンガーね。以後お見知り置きを」

「触出君と言うのか!俺は飯田天哉!宜しく頼む!」

そう言って腰を45度折りながら、中に鉄パイプでも通ってンのかと思うぐらい真っ直ぐ手を差し出してくる飯田君。

「宜しく出来るかは分かんないけど、挨拶には応じるよ」

愛想笑いを浮かべながら、握手に応じて手を握った。

「・・・♪」

つ~いでにいら~ん事思い付~いた♪

「ん?笑っているが、何か良いことでもあったかね?」

「ううん、別に?あ、そうそう。ヒーローになりたいなら・・・」

「・・・ッ!?(手が、離れない!?くっついている!?)」

掌のファンデルワールスキャッチ能力を使い、飯田君の掌をホールドする。

「こういう技術があるんだけど、どう?」

そう言いつつ半歩下がり、まず右肩甲骨を背骨側に引き寄せた。

「うっおっ!?」

「ぽいっちょ♪」

そして更に下向きに回し、相手の重心を前に引っ張ってバランスを崩す。そうすれば、あら不思議。あっという間に人間ロケット・・・え、人間ロケット?

「どわぁ!?」

「あっゴメンやり過ぎた!」

慌てて腰を落として両足を踏ん張り、尻尾で吹き飛ぶ飯田君を何とか支える。

「おぉ・・・一瞬、空を飛ぶような感覚に陥ったよ」

「マジで飛んだからね。ゴメンね?まさか普段からあんなに体幹固めてるなんて・・・」

この投げ技・・・ウェイヴ投げは、相手が引っ張られまいと踏ん張る程により強力になる。何故なら柔軟性が失われ、全身の骨格を波打たせて効率的に総動員するウェイヴの威力を諸に喰らう事になるからだ。

「いや、大丈夫だ。だがいきなり仕掛けるのは感心しないな」

「何言ってんのさ。殺し合い相手の敵さんが待ってくれる訳無いでしょ?個性使用戦闘免許取るなら、最低でも人混みに紛れて敵さんが殺しに来ても致命傷を避けられる程度にはならなきゃ」

「む、それもそう・・・なのか?」

うん、丸め込みやすいわ飯田君。こんなのとんでもない暴論なのにね。

「あと、飯田君は身体を柔軟に使う敵には弱そうだね。動きがガッチガチで」

「む、そうなのか?」

「良かったら教えてあげよっか?ボクは尻尾がある分だけちょっと勝手が違うけど、基礎ぐらいなら教えてあげられるよ。この技術習得すれば、こんな事も出来るし」

浅く膝を曲げて、バランスボールに乗っているような感覚でグリグリと腰を回す。そして左踵を右足の後ろに引くと同時に。右膝を腰椎と骨盤で反時計回りにシュバッと回した。すると、一瞬で左向きに方向転換完了だ。

「おぉっ!それは興味深い技術だ!是非ご教授願いたい!」

「時間ある時にね。もうクラスメイト達も来たっぽいし」

多数の足音と、男女混ざった話し声。

 

―ガラッ―

 

「いっちばーん!じゃなかった~!?」

先陣を切ったのは、髪と肌がピンクで黄色い角が生えた女の子・・・前世で好きだったから忘れようも無いね。三奈ちゃんだ。

「おいコラァピンク女ァ!!俺の前に立つんじゃねぇ!!」

反射的に目元に自分の右手が飛んできた。目から額にかけてゴツゴツした掌が当たり、パンッと高い音を発てる。

爆豪(アイツ)何やってんだ。初対面の美少女にそういう事言うかなぁ・・・

「あァ?つかテメェも同じ組かよ化物女!チッ、クソが」

「なッ、君!触出君になんて言動をッ!!」

「あ゙ァン!?ウッセェ黙ってろマジメ君モブ野郎!」

詰め寄った飯田君を突き飛ばし、自分の席にドカッと座って机に脚を掛ける爆豪。早くも胃がチクチクしてきた・・・大丈夫かな、ボク。

「あれぇ!?ねぇねぇ、その子って、もしかしなくてもエイリアン!?」

三奈ちゃんが目を輝かせながらシュレディンガーを撫でる。少し触っただけで仕草が猫っぽいと分かったらしく、シュレディンガーの好きな顎の下を撫で始めた。

「わぉ。人懐っこいとは言え、シュレディンガーをこんなに早く手懐けるとは・・・スゴいね君。

ボクは触出背納。君は?」

「あたしは芦戸三奈!へぇ~、この子はシュレディンガーって言うんだ~」

「ジョソギブレ~♪」

「わっ、喋れるんだ。ん~、宜しくね♪」

「え、三奈ちゃんグロンギ語聞き取れるの?」

「イントネーションで分かったよ?」

コミュ力と直感力お化けなの?凄いね三奈ちゃん。

「いい加減にしろッ!!机に脚を掛けるのは止めたまえッ!!」

あーあ、確か原点でもこんな感じだったな。三奈ちゃんと仲良くお話出来ていい気分だったのが急降下だよ。あークソ畜生め(ファック)

「うわぁ、かっちゃんがごめんなさぁい・・・」

お、キタキタ。部屋に入って早々に苦笑いしてる出久と、爆豪見て『え、この人と一年同クラス?』って顔してる麗日ちゃん。

「おはよー出久!」

「あ、おはようせっちゃん。それにシュレちゃんも」

「ララ~♪」

トテトテと出久に駆け寄り、飛び付いて甘えるシュレディンガー。うん可愛い。

「えー何々?友達なの?紹介してー!」

「うん。このチリチリグリーンボーイは緑谷出久。一応幼馴染みかな?小学生以来の付き合いなんだ」

「チリチリグリーンボーイは酷いや」

そうは言うものの、嫌な顔はせず笑って見せる出久。ただ、そこからまたシュレディンガーを撫で始める時にもう、ね。溢れ出る母性が隠せてないと言うね。男だよね?出久って。

「仲良しゴッコしたいなら他所行け。此処はヒーロー科だぞ」

突如響いた冷ややかな声に、教室全体の視線が出入り口の扉に集中した。其処にいたのは、寝袋に入ってミノムシ状態になった小汚ない男だ。

うん、合理主義のイレイザー先生だね。と言うかイレイザーヘッドって名前だったり超竜神と丸かぶりな轟君だったり、ヒロアカの作者ってガオガイガー好きなのかな?まぁどうでも良いけど。

取り敢えず・・・

「もしもしポリスメン?何か雄英高校に小汚ない不審者が」

「通報するんじゃあない。俺はここの担任の相澤だよ」

「何だ担任か。だったらもっと先生らしく見える清潔な格好をすれば良いんですよ」

って言うか、生で見るとやっぱり全身凝りだらけだな。しっかりベッドとか布団で寝ないからだ。

「あー、検討しとく。取り敢えず、全員これに着替えてグラウンド集合な」

寝袋からビニールでパッケージングされた体操着を取り出し、相澤先生は教室からのそのそと出ていった。

「着替えろってさ。更衣室行こうか・・・あ、やっべ」

しまったなぁ。ボクはどうしたら良いやら・・・

「あ、僕らはそれぞれ更衣室行くから、せっちゃんは此処で着替えたら?」

「ありがとう出久」

持つべきは理解のある友達だなぁ。女子達が首かしげてるし、近い内に説明しないと・・・

 

―――

――

 

『個性把握テストォ!?』

グラウンドに集合し、相澤先生の言葉に驚くクラス一同。ま、当然だよねぇ。

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「そんなイベント、ヒーロー科にはありゃしないよ」

「俺のクラスには必要無い、の間違いでは無く?」

「・・・あぁそうだ。入学式は今執り行われてる。君らを此処に呼び出したのは、全部俺の独断だ」

うわ、潔く認めたなぁ。

「取り敢えず、触出。あの円の中に入って、このボールを全力で()()()。円から出なきゃ、何しても良い」

およ?ボクか。原点じゃ爆豪だったと思うけど・・・まぁ良い。

「分かりました」

円の中に入り、両手の指で枠を作った。そして肺の中の空気を全て吐き出し、新しい空気で暗示を操作する。

「催眠式クロムウェル。第3、第2、第1号解放」

催眠を解放し、服の下にゼノモーフの生体装甲を生成する。

うーん、やっぱりちょい窮屈だな。これなら伸縮性のあるスポーツ下着にすりゃよかっt

 

―ブチブチッ―

 

「あっ・・・」

ブラのホックとパンツ千切れた・・・

「えぇいもうなんぼのモンじゃいッ!!」

シャツを脱ぎ捨て、ズボンのウェストを弛めて刃牙みたくジャンプでパンツごと脱いだ。ブラもすぐに剥ぎ取り、シャツを畳んでその下に素早く突っ込む。あと裸足になっとこ。

「なッ!?生ストリップ、だとォ!?雄英サイコー!ヒーロー科サイコー!」

・・・ちがうもん。これ、はだかじゃないもん。せいたいそうこうだもん。だからはずかしくないもん・・・

「もう可愛い系の下着なんて二度と着けない・・・」

深呼吸して、気分をリセット。先生からボールを受け取り、肩の力を抜く。そして全身をグリグリと揺さぶり、右肘を左手で掴んだ。

 

―ゴキッ―

 

そしてそのまま右手を右頬にくっ付け、円の後ろ側に下がる。同時に尻尾を右足の側に打ち込み、アンカーの代わりにした。

「フゥゥゥゥ・・・ッシィ!!」

右足で地面を蹴ると同時に、尻尾も使って身体を押し出す。そして左踵を地面に突き立て、下半身のみを硬直させブレーキを掛けた。身体の質量が持つ逃げ場が一つを残して断たれた運動エネルギーを、背骨を通し肩まで伝えて腕を大きく回すように振るう。

すると肘が関節で伸び、遠心力が増大。その力が全て乗り、ボールはかなり遠くまで飛んだ。

「良し!」

 

―ゴキッ―

 

そして外していた右肘を嵌め直し、筋肉で固定。数秒締め付けただけで、元通りキッチリくっつく。

「う、腕が伸びたー!?」

「背納ちゃんスゴーい!個性でそんな事も出来るんだ!」

「いや、これは脱臼しやすいように訓練しただけだよ」

『えっ!?』

イヤー、ドクとマックスに引っ張らせたのが懐かしいなぁ。最初は激痛にのたうち回りそうになったっけ。今はもう痛くも何とも無い。

「まずは、自分の限界を知る。全てはそこからだ」

先生の持っているスマホ型端末には、193mと表示されていた。まぁプロ野球選手でも確か130とからしいし、超人的っちゃ超人的だね。

「君らも、中学まで体力測定やってたろ。個性使用禁止の。このご時世でも、まだ画一的な平均を取りたがる。文部科学省の怠慢だな。

此処では個性フル活用だ。ヒーロー科生たるもの、自分の能力は把握しなくちゃいけない」

相澤先生の言葉に、皆がざわつき始める。こう言うのはやった事が無いから少し浮わついているようだ。

「何これ楽しそう!」

あ、今のはいけないな。先生の雰囲気変わった。

「楽しそう、ねぇ。これから3年間、そんな腹積もりでやっていくつもりか?

よし。このテストで最下位の者は除籍処分としよう。そうしよう」

『ハァ!?』

まぁ、確かに死地に赴く仕事だもんな。

「成る程。じゃあ皆、生存競争に負けないよう、しっかり頑張ろー!」

「いや待ってくれ触出君!流石に理不尽だと思わないか!?」

「この程度の理不尽で凪ぎ払われるような甘ったれたガキに救える命があるとでも?」

「ッ!!」

「そういう選別だよこれは。それに、あの人は多分記録云々よりも見込みがあるかどうかで除籍するか否かを決める。路頭に迷いたくなきゃ、精々工夫を凝らす事だね。

でも先生。個性が運動能力に影響しない子も居る筈なので、そこんとこは配慮してあげて下さいね」

「分かってるさ」

良かった。一応良識はあるみたい。

さぁてと、全員無事生き残れるかな?

 

to be continued・・・




キャラクター紹介

触出背納
化物主人公。雄英の山を一気に駆け登り、赤外線センサーも余裕で突破した。
飯田に見せた技術は、某現代忍者が使う零距離戦闘術の一部。関節が柔軟なので、ネットで見て盗めた。
因みに極最近になってその現代忍者がカッシスワームを演じていたと知り驚いた模様。
生体装甲が服の下に生成されるので、折角新しく買った下着がお釈迦になってしまった。憐れブラ&パンツ。

シュレディンガー
出久から生まれたゼノモーフの1人。元ネタは言わずもがなHELLSINGのシュレディンガー准尉。
この子も女の子。背納と同じくボクっ娘であり、出久をママと呼んでじゃれつく。因みに出久はシュレディンガーを撫でる時は母の顔になると言うね。
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