「なんかまたエラいこと考えてそうだな」
『我が虹色の脳細胞に任せたまえ』
「俺ちゃんこんな良い予感が消え失せたの初めて」
「何だ・・・一体、何が起きている・・・!?」
とある地下施設で、黒いコートを着たペストマスクの男が叫んだ。その傍らには、アルビノのような長い白髪と額の角が特徴的な少女が居る。
彼の名は、
己の研究所であり、城でもあるその施設に、何者かが侵入している。直属部下である
「クソ、忌々しい病人共めがッ・・・行くぞ、
せめて自分の研究だけはと、少女・・・壊理の手を取ろうとする治崎。しかし既に、死神の鎌は迫っていた。
─シャグッ─
「・・・は?」
鮮やかに舞う紅。ボトボトと落ちる肉。一拍遅れて、治崎はそれが自分の手首の成れの果てであると理解した。
「ひっ!?」
「なッ────がぁぁああああああッ!!!?」
不意打ちで手を切り落とされ、激痛でパニックに陥る。壊理は顔を青ざめさせ、短く悲鳴を上げた。
「畜生ッ!出て来い糞ッたれの病人共!」
自身の個性、オーバーホールで傷口を分解・再構築する事で無理矢理止血し、怒りに任せて叫ぶ治崎。真っ赤に充血した瞳からは、血圧が上がり過ぎたのか紅い涙が零れた。
「殺すッ!絶対に
突如として治崎を襲う、強烈な痺れ。全身の筋肉が痙攣し、その場に倒れ伏して動けなくなる。
「くッ、そォ・・・もう、少しッ、だったんだ・・・!もう、少しで・・・俺の、研究は・・・」
「残念。そのノウハウは、僕らが使ってやるよ」
頭上から降って来た声と共に首にワイヤが掛けられ、治崎の意識は刈り取られた。残された壊理も、フワリと漂って来た甘い香りによって深い眠りに誘われる。
「ヒュウ、ビビレバヅグンザレ。マリス ン ゲギゲギボグリョブ ロ、ババババ ベンシバロドザ」
「ガシガドグゴザギラグ、ウォルターゴベゲガラ」
ガスマスクを着けて器用に口笛を鳴らしたウォルターの言葉に、後ろにいたマリスが一礼した。
「ボセゼ、リショションバンリョグ。ボギヅパ、ドク ン サボ ビ ザボボグバ」
治崎の無事な手を握り込ませて細長い布帯で縛り上げ、担ぎ上げるウォルター。小柄であっても彼女もゼノモーフ。人1人担ぐなど、造作も無い事である。
「ボンボ パ ゾグギラグバ?」
「ブギギンバジリ ン ベギガヅバン グ ギス。ゴヂサベギジュゼ、ザザグゲビ
ゾゴギデ ロサグ。デギチョグビ ゴザボビギソ」
「パバシラギダ」
壊理を優しく横抱きに抱え、マリスはウォルターに追随する。
その後、死繪八斎會の本部は倒壊した。
跡形も無く完全な瓦礫の山と化す崩壊であったが、幸いにも死者は出ず、意識不明で病床に伏していた先代組長の命にも別状は無かった。
しかし、構成員の幾人かは行方不明となっており、現在も捜索中である。
「止めろッ!何をする気だ!?止めろォ!!」
「素晴らしい。お前の能力が発現するならば・・・」
「おぐぁ!?」
「・・・その子の名前は─────」
(背納サイド)
「ウリェアッ!!」
─ガドグッ─
「ショウッラァ!」
─ダゴンッ─
拳を振り抜いた姿勢のまま、拓けていく視界に意識を向ける。
実験は成功。致命的なダメージを受けたコンクリートの壁は小さな瓦礫の山と崩れ、カラカラと乾いた音と共に転がった。
「良いね。思った通りの能力だ」
力を抜くと、鋭敏化していた色彩感が元に戻る。同時に身体の表面を覆っていた大柄な装甲も繊維化。ボロボロと崩れ、蛋白質のゴミの山になった。
「よし。お前の名前は、ラミア。これから君の仲間が増える。宜しく頼むよ」
「承知した、我らが女王。未だ
うむ、やっぱり名前に性格が引っ張られてるね。
「取り敢えず、次の試験にはラミアの能力を使おう」
「分かりました。酵素剤を量産しておきます」
「あと、
「承知しました。施術を開始します」
クロムウェルの封印を再発動し、生体装甲を解除。そしてドクがリモコンのボタンを押すと、床が開いて手術台が迫り上がって来た。
其所に俯せに寝転ぶ。
「では、良い夢を」
首筋に当てられた無針注射器がカシュッと音を発てると、ボクの意識は急速にブラックアウトする。
あぁ、楽しみだな・・・♪
(NOサイド)
「せっちゃん、今度は何したの?」
「ん?」
朝。開口一番に要領を得ない問いを投げ付けてくる出久に、ボクは首を傾げて見せる。
「惚けないの。僕ら馴染みのあの刑事さんから、小さい女の子のカウンセリングを頼まれたんだよ。
あの人経由でこっちに話が来るなら、大元には大体せっちゃんが居る筈でしょ」
「ヒッデェ偏見だなぁ出久・・・別に大した事はしてないさ。ただちょっとヤクを流してるカス共を一網打尽にしただけで」
「充分大した事なんだよそれは」
頭痛がするとばかりに頭を押さえる出久。まぁ、何時もの事だ。
「で?依頼は受けたの?」
「受けたさ。正直、あの子はかなり危険な状態だったからね。
今は仮眠室を借りて、シュレちゃんが話し相手になってるよ」
うむ。何だかんだ言って、出久は傷ついた子を放っておけないからね。
「出久、おはよ」
「ん、ショウちゃん。おはよう」
教室に入るなり出久を捕捉し、一直線にやって来る轟。後ろから緩く抱き着き肩に顎を乗せる轟の頭を、出久は優しく撫でる。その光景をスマホでカシャカシャ撮ってる三奈ちゃんと葉隠さん。うん、気持ちはわかるよ。百合も薔薇も甘い物だ・・・と、先生の足音だ。
「先生来たよー」
『ッ!』
ボクの一言で、クラスメイト全員がまるで統制の取れた軍隊のようなスピードで速やかに自分の席に着く。かく言うボクも同じく。
「お前ら席着~いてるな。うん、時間の無駄が無くて宜しい」
入って来て早々、相澤先生は何時もの合理主義を炸裂させる。
「え~夏休みが近付いてきているが、当然ヒーロー志望の君らが30日間、丸一ヶ月休める道理は無い」
「へぇ?」
何か意味深な事言ってるね先生。で、周りも今までのパターンから何があるのかと気が気じゃ無い感じだ。
「夏休み、林間合宿するぞ」
『知ってたよヤッタァァァァァ!!』
ほぉ、林間合宿ねぇ。森の中なら、ボクの独壇場だね。
「肝を試そ~う!」
「風呂ッ!」
「花火も良いよね~」
「湯浴みッ!」
「はい、ストップザ・峰田。でないと抉り取るよ?」
「ヒャイッ」
この万年発情期め。風呂を覗こうものなら確実に踏み躙ってやる。
「因みに期末テスト赤点取った奴は学校で居残り補修だからな」
「頑張ろうぜみんな!」
鬼気迫る顔で振り返る上鳴君だが、生憎とこちとらプレデリアン。この頭脳を以てすれば、赤点など取る方が難しいのだよ。
「ま、精々頑張ろう。久々に
そう言う出久の気配は、ウキウキと弾んでいるのかとてもチリチリしたものだった。
─────
────
───
──
─
「っとぉ・・・よし。これで30っと・・・」
背中から生えた
コレは障子君を苗床として生み出したハイパーゼノ、ショゴスの能力だ。
「にしても、ホントに都合の良い細胞だなコレは」
酵素薬液の効果も切れたから、また注射しなければ生やす事は出来ない。しかし、どんな体組織も性能上限を超えて、つまりアップグレードして複製する事が出来る上に、それを瞬時に分解・再吸収して別の組織に組み替えられる。眼だろうが耳だろうが声帯だろうが自由自在。再生医療のシリウスだ。
「言うなれば、ベニクラゲの回帰能力を付与した超高速生殖細胞。筋肉、骨、神経系、総ての細胞を瞬時に構成し、用が済めば最初の生殖細胞に戻る。全くとんだ出鱈目だ」
「故にこそ、我々が使えば・・・差し詰め、培養槽要らずのクローンマシンと言った所ですな」
「食べ物や居住区も心配無用。既にドクと共に集めた資金で、無人島を2つ購入してあります」
「前から思ってたけどさ、お前らの資金源何所よ」
「日雇いバイトとか株とかですな」「あとマネートレード」
「銭転がし上手過ぎるだろ・・・」
コイツらに謀反起こされたら多分国際傭兵団雇って来るな。流石のボクも、遠距離からグレネードランチャーなんかで面制圧されたら一巻の終わりだ。
「あ、統計から株価や海外貨幣価の変動を予測するソフトを作りましてね。試運転中ですが、今の所は的中率84,1%です」
「オーバースペックにも程があるわこの腹心」
あーもう駄目だ。資金やら組織やら運用させたら絶対勝てないわコイツらには。
つか今更だけど、ドクはほぼ助手無しで中枢神経系の直ぐ近くをいじくり回す手術を難無く成功させてるんだよな。麻酔も野生の毒草から精製したお手製だし・・・
これ外部に漏れたらヤバいよな。グレーゾーンをノンストップで突っ切って、完全に真っ黒な犯罪行為だもんなぁ・・・
「・・・まぁ良いや、なるようになるさ」
ボクの身体はどうしたってもう違法性の塊なんだ。どうしようも無い事に何時までもウジウジするなんざ、底抜けた間抜けの仕業さね。
─────
────
───
──
─
(出久サイド)
夜。僕はとある依頼を受け、警察署に来ていた。
「じゃあ・・・済まんが、頼むぞ」
「お安い御用、任せて下さい」
「ありがとう・・・入るよ」
刑事さんに答えて扉を優しく叩き、ゆっくりと開く。
殺風景だった部屋にベッドを持ち込み、署内の託児スペースから集めて来た絵本や玩具が置かれた其処では、白髪の少女・・・否、まだ幼女と形容すべき年齢の女の子が居た。
「ひっ・・・」
その子は僕が入ると、引き攣ったような声を絞り出して身を強張らせる。目元には涙が浮かび、歯がカチカチと音を起てる程に震えていた。身体を庇うように抱き締めているが、特に包帯を巻かれた腕はそれが顕著だ。
僕は、この子・・・
虐待処か実験材料、素材として身を刻まれ続け、ある程度切り取られたらオーバーホールによる分解と修復。当然分解には激痛が伴うが、泣き叫ぶ事すら許されなかったのだろう。
「こんにちは・・・いや、今はもう、こんばんは・・・かな」
「・・・」
片膝を着いて視線を合わせ、離れた位置から挨拶をしてみる。しかし、当然ながら彼女は身を縮こめ、此方の様子を窺うだけだった。
「っ・・・!」
多くの子を持つ母親として、胸が締め付けられる。この子の心は傷だらけ。それだけじゃ無く、彼女を縛っていた茨の棘が、未だに刺さり残っているのだ。
「・・・まだ、怖いよね」
大体、壊理ちゃんの視線で分かる。壊理ちゃんが、他人に立ち入って欲しく無い距離・・・大体、3mって所か。
甘えた盛りな筈のこの時期にも関わらず、此所まで他者への拒絶が強いとは・・・他者に対する認識が、《依存出来る対象》では無く《極大のストレッサー》に固定されている証拠だ。
この場合は、短時間で距離を詰めるのは最悪手。確りと距離感を測って行かないと・・・
「・・・」
「・・・」
うーん・・・取り敢えずは、僕は無害な存在と認識して貰うのが先決か。下手に喋るべきでも無し。
そう判断し、僕は部屋の隅に座り込んで持ち込んだ小説を読む。
優しい異形の魔物と、平凡な町娘とのファンタジー異種間恋愛物。殺伐としたバトルアクションと同じぐらい、こう言う甘酸っぱい恋愛系も大好きだ。思わず口角が緩む。
「あ、あの・・・」
「ん?どうかした?」
怖ず怖ずとだが、壊理ちゃんが話し掛けてくれた。視線だけを送ってみれば、若干恐怖が和らいでいるらしく、先程までよりも疑問が表出している。
「えっと・・・あの、おなまえ、は・・・」
「ん、ああ。そう言えば言ってなかったか、ゴメンね。
僕は緑谷出久。出久お兄さんって呼んでね」
「ん・・・いずく、おにいさん」
「うん。それで、どうしたのかな?」
読んでいた所で栞を挟み、パタッと本を閉じる。
「えっ、いや、えっと・・・ご、ごめんなさい・・・」
「ん?・・・あぁ、本の事?良いよ良いよ。切るには丁度良い所だったから」
柔らかく、気持ち高めの声で語り掛けた。さっきよりは、警戒心が薄くなったように見える。
「そうだなぁ・・・自分からは話せないなら、教えて。例えば・・・君の好きな食べ物とか」
「食べ物・・・」
直感的に答えやすい質問で、少しずつ僕に慣れて貰おう。
「えっと・・・り、リンゴ・・・」
「リンゴか、じゃあ次は持って来よう」
そんな簡単な世間話を、1時間弱繰り返した。最初は3mあった拒絶の距離感は、最後には50cmまで縮まった。
───
──
─
(背納サイド)
「よし、かなり早く認可が下りた」
スマホのメールを確認して、小さく笑う。
その内容は、サポートアイテムとしてのプレデライザーの本格使用許可だ。本来は開発企業やら保険会社やらの対応が恐ろしく遅いせいでかなり時間が掛かる筈だが、何かマックス達が交渉して早急に済ませてくれるようになったんだと。
まぁ、大方右頬を
「では、説明しましょうか。それとも質問形式にします?」
雄英の会議室にて、ボクは口を開く。聞いてくれるのは、教師陣全員だ。
「じゃあ俺から。まず、この前お前が見せたあの肉体変質。アレはそもそも何なんだ?お前の個性、プレデリアンからは明らかに逸脱してるように見えたんだが」
先陣を切ったのは相澤先生。まぁ、当然其処からだろうね。
「アレは職場体験先で遭遇した
「他人の個性を定着だと・・・!?
触出少女、それは誰の手を借りた!?場合によっては、君を拘束せねばならない・・・!」
鬼気迫る様相で、低く唸るように問うて来る
「おぉう、落ち着いて下さいよ。前のアプトムもそうだけど、何かそう言う能力持ちに因縁がありそうですねぇ・・・まぁ、それは後々教えて貰うとして。
御心配無く。このオペの執刀医は、謀反未遂常習犯でお馴染みのボクの次女、グロンド・ドク・プルフェッツォルですので。序でに言えば、やった事も普通の外科手術です」
普通ならオールマイトに凄まれれば、萎縮してものも言えなくなるだろう。だが生憎と、ボクは化物。ライオンだろうがオールマイトだろうが、威嚇されようとも逃走の選択肢は浮かばない。
「そんな事が・・・一体、どうやったんだい?その技術があれば、医学界での大革命だよ」
コメカミに汗を滲ませて問い掛けてくるのは、我が校の外科医であるリカバリーガール。彼女の専門も外科手術だし、気になるのは当然だね。
「まぁ教えますけど、ボク以外がやるのは確実に無理なので表彰状は貰えませんね」
そう言ってボクは後ろを向き、服を捲り上げて背中を見せる。一瞬狼狽えたような気配がしたが、それは直ぐに絶句に変わった。
「触出少女、それは、一体・・・!?」
オールマイトの声が、僅かに震えている。まぁ、この前の訓練では全身を装甲化してたから気付かなかったのかもね。
ボクの背中の、
「HeyHey、触出・・・その背骨、どうしたってんだ・・・?」
プレゼントマイクの指摘したボクの背骨。それは全体がボコリと盛り上がっており、封印を解除したような外骨格で覆われている。
「ボクの施工したオペレーション、
肉親喰らいの誓約、《血縁者の能力しか吸収出来ない》・・・それ則ち、
肉親喰らいの個性の本質は、
そしてこの共生体の脳に、それぞれのハイパーゼノモーフのDNAを含んだ人工活性酵素剤を摂取させる事で、狙った能力のみに覚醒命令を出させる事が出来る。
生体電波で命令も出来なくは無いけど・・・流石に、個性因子の塩基配列なんて覚えきれませんのでね。テレパシーでの
まぁ、ちょっと長々と説明し過ぎましたね。要するに、個性因子の制御装置を後付けしたんですよ」
わぁ、全員戦慄してらっしゃるね。まぁ自分でもマッドな事してるって自覚あるけど。
「ちょ、ちょっと待て!今の話で引っ掛かったんだが、その背中の・・・共生体?には、脳があるのか!?」
と、いち早く復帰して声を荒げたのは、B組担任のブラドキング。うん、良い着眼だね。
「勿論ありますよ?ただ、ボクからの発達阻害命令で人格を司る中枢神経系を消してますから、人格が出来る事はありません。所謂、無頭児*1にかなり近い状態ですね。
脳としての役割は、血中に打ち込まれた酵素剤・・・つまり外部からの命令を読み取って、それを細胞変質への内部命令に変換する機能だけです」
実の所、この脳の発達阻害命令は今までも出ていたのだ。その影響を受けるか否かの違いは、ボクからの
この共生体の理論で、つい最近辿り着いた結論だ。ボクは名付けの際に特殊な電磁波を浴びせ、名付け相手の大脳皮質のプリオン蛋白に命令を焼き付ける事が出来るらしい。
脳に焼き付けられた内側からの信号は、外部からの発達阻害命令よりも優先される。故に、脳は人間と同程度に発達する事が出来る訳だ。そして恐らく、名前に人格が引っ張られるのもこの影響だ。ボクのイメージする人格データが、前頭葉に上書き保存されるんだろう。
尤も、それが出来るのは共有チャンネルで生体電波の送受信が出来るゼノモーフのみ。それもボクからの阻害命令を受け始めて間も無い、極めて若い個体だけだが。
「・・・現時点で、名付けが済んでいるゼノモーフはどの程度いる?」
「うーんと・・・」
結構多いんだよなぁ。
えーっと、ウォーリアーはマックス達4姉妹。後はハイパーゼノモーフのマリスにヴァレンタイン姉妹、ゾーリン、トバルカインと、今日本には居ないけど
USJで生まれたのが、劉とシル。体育祭ではアンデルセン尼僧、ブラキディオスにグリード。職場体験ではアプトム。そんでもってハイパーゼノモーフ五人衆。そしてラミア達・・・
「名前持ちは21体ですね。そんで無名の無個性が現状24体」
合計で45体、か・・・うーん、バタリオンは遠いな。取り敢えず、もうちょっとウォーリアーが欲しい。
前線で戦うゾーリン、ヤン、ルーク、劉、シル、アンデルセンをそれぞれリーダーに据えて、各配下10体で6個分隊規模に。更に金策部隊に10体、後はウォルター率いる
「ちょっと良いかしら。確か体育祭で唱和したり歌ってたの、名無しの子達だったと思うんだけど。知能はほぼ無いのよね?」
「そーですよ?働き蟻に脳は要らない。アレは簡単なリモコン命令です」
脳が退化するだけで、他は名付きと変わらないからね。声帯も全く同じ。だからボクがそれぞれの脳の代わりに命令を代行してやれば、ああやって遠隔で喋らせる事も出来る。
「・・・まァ、それはそれと納得するとして、だ。
お前さんの使ってたあのナックルダスターみてぇなデュアルインジェクター・・・アイツは一体、どこで造ったんだ?」
アイテムについて突っ込んで来たのは、それが本業たるサポート科のパワーローダー。訝しげな表情からは、明言した質問の他に、『どうやってこんなに早く使用の承認を受けたのか』と言う疑問も感じ取れる。
「ドク曰く、色々な中小企業にパーツを細かく依頼して、取り寄せたパーツを組み上げたらしいですよ。いやぁ凄いですね、日本の町工場って。μm単位の細工をパパッと仕上げてくれちゃうんだから。
マックスが言うには、この依頼で会社が大きく回ったらしいですね。いやー、そんな大金をPONっと払っちゃうなんて・・・アイツらの管理する資産って今一体どれぐらいなんだろ・・・」
パワーローダーの顔が若干引き攣る。恐らく、ボクと同じ結論に達したんだろう。
「と、話が逸れました。他に何かご質問は?」
「では・・・この手術を施した君の配下・・・親衛隊だったか。他にも居るのか?」
手を上げたのは塗り壁みたいな顔のセメントス。良いとこ突くねぇ。
「居ますよ?特機戦力にする予定なので、そこまでしか明かせませんが」
「フム・・・じゃあ、最後に質問するのさ」
と、ラストは根津校長殿か。
「君は、
「・・・フフ、面白い質問です。そして実に良い質問」
やっぱり、ハイスペックが個性ってのは伊達じゃないらしい。
「ボクはプレデリアン。つまりは侵略的寄生生物、ゼノモーフの女王。
その本質は、侵蝕と汚染と進化。強化兵を率いる者として、己の肉体も進化させる。只それだけの事ですよ」
「・・・成る程、つまり本能であると?」
「イグザクトリィ、その通りで御座います」
「分かった時間を取らせて済まなかったのさ。これでボク達の質疑応答は終わりだ」
「では、失礼します」
ぺこりと一礼して、会議室を出た。すると、狙い澄ましたようにメールが来る。
『個性因子、完全継承』
「ほう?ならば、もう名前は決めている」
とすれば、まだまだ欲しい人材が居るな。プレゼントマイク、13号、あとリカバリーガールも使えるな。
「皮算用かも知れないが、夢を見るも悪くは無い。彼等の名は─────
─────
to be continued・・・
オバホ「何だッ!?何が起きているッ!?」
ウォルター「襲撃だッ!襲撃が起きているッ!」
~キャラクター紹介~
触出背納
中々にエグい事してるとひけらかした化物主人公。
因みに新しく組み上げようとしている部隊も、勿論他のアニメネタ。此所から8割SFに向かっていく予定。
緑谷出久
カウンセラー兼セラピストな現代忍者。
壊理ちゃん絶対救うマン。距離の取り方も上手いので、一応順調ではある。
治崎廻/オーバーホール
今回の犠牲者。
個性は手で触れたモノを自由に分解・再構築する《オーバーホール》。コレが馬鹿みたいなゼノモーフ情報網に引っ掛かったのが拙かった。
因みに情報の出所は、八斎會を警戒していた他のヤクザである。
ドク&マックス
優秀過ぎる腹心。
このとんでもない資金の源は、主にマネートレード。他にも牡蠣の養殖、日雇いバイト、その他諸々の金策を組んでいる。
壊理
チート個性幼女。
酷い虐待を受けていた為、PTSDの疑いがある。癒しに特化した出久ママのお陰で、少しだけ安定はした。
轟君を轟ちゃんにするの、ぶっちゃけアリ?
-
アリ。やっちまえ。
-
流石に自重しろバカ。ダメに決まってんだろ
-
まずは薔薇を咲かせてからだ。