捕食少女の闘争アカデミア   作:エターナルドーパント

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「背納ちゃんおっそろしい事するなぁ。あ、前回背納ちゃんが言ってた俺ちゃんはライアン・レイノルズの方だから。デッドプール2ね。そっちも宜しくゥ」
『お前、俺の作品ならともかく原作は色々危ないんじゃねぇか?』
「ダイジョブダイジョブ、クレーム対応すんのは俺ちゃんじゃなくて作者だから」
『おいコラ』


第8話 化物の戦場

マスコミ襲撃事件の翌日。

ネットではドク達の目論見通りにテレビ局や関係者が大炎上しており、逮捕された記者達は軒並み路頭に迷う事がほぼ確定していた。

朝、背納は何時もより早く登校し、ファーストズーグの異能持ち精鋭部隊・・・通称クイーン直属親衛隊と共に、面白半分で誹謗中傷を書き込みまくるネットイナゴの底知れぬ悪意を観察している。

「いやはや、人間の悪意ってのは本当に面白いなぁ~♪端から見てる分には」

誹謗中傷の羅列を眺めながら、背納は嘲笑混じりに呟いた。

彼女は人間の本質である悪意に興味が尽きない。悪意が進化を促し、進化が悪意を生むのだ。

「思考を放棄した時、人間は猿以下に堕ちる。此処テストに出るよ、覚えといてね?」

直属親衛隊のメンバーは、背納の言葉にしっかりと頷く。

「クイーン、何故こんな奴等の為に戦うのです?」

「ふむ。良い質問だねルーク」

ターボモーフ・・・ルーク・ヴァレンタインの質問に、背納はにっこりと微笑んで答える。

「極論してしまえば、ルーク。ボクには、目的など存在しないからだ」

「と言うと?」

「ボクは目的を目指して戦いに身を投じるんじゃあ無い。()()()()()()んだ。

よく言うだろ?《目的の為に手段を選ばない狂人》とか。でもね、ボクにとってはそんなもの、何の狂気でも無い。当然の行動さ。

本物のどうしようも無い狂気とは・・・()()()()()()()()()()()()連中の事を言うんだよ。尤も、流石のボクも其処までなり振り構わず振る舞えないから、現状は()()()()()()()()()()()()()状態だがね。

答えになったかな?」

「面白い闘争哲学を聞けて嬉しいです」

「それは良かった」

(そう言えば、何か敵が襲撃するイベントあったよなぁ。いつだっけねぇ?)

 

 

―――――

――――

―――

――

(背納サイド)

 

(うぅ~んむ・・・不幸中の幸いと言うか、何と言うか)

賑やかなバスの中で、コスチュームを着たボクは少々唸る。

揺らぎ掛けの前世の記憶では、確かこのバスの行き先で敵が侵入して来るシナリオ・・・だったはず。

15年も前だし、何より今生で一回()()()()()()()せいもあってか、酷く知識が曖昧だ。

(何で重要な記憶から消えていくかねぇ・・・その癖HELLSINGとかドリフターズとか、あとガオガイガーなんかは鮮明に覚えてたし。いや、コイツらはこの世界にもあったから比較は出来ないか)

兎に角、ボクは薄ボンヤリとだが此処からの展開を知っている。確かバラバラに飛ばされるんだっけね。はてさて、何処に行く事となるやら・・・

「つか触出!今日連れて来たあいつ等の事、早く紹介してくれよー!」

「んあっ、ゴメンゴメン。ちょっち考え事してた~。

じゃ、要望通りに紹介しますかね」

それぞれ自分の苗床となった相手と話していた直属親衛隊を、ちょいちょいと近くに招く。

「まずは飯田君の子。ターボモーフのルーク・ヴァレンタイン。飯田君と違って、エキゾーストパイプが脚だけじゃなく背中や腕にも生えてるね。お陰で馬力もスピードも精密性もグンと上がってる」

ルークのエキゾーストパイプは多いだけじゃなく、関節があって角度調節が利くのも特徴だね。

「次、ビートモーフのヤン・ヴァレンタイン。近~中距離で戦えるマルチレンジタイプで、エコーロケーションも出来るから索敵レーダーとしても優秀な子だね。勿論ステゴロも強いよ」

「あんたがアタシの母親か。宜しくな♪」

「えっと、うん、宜しく。さっきから思ってたけど、意外とフレンドリーなんだね」

どうやらヤンは響香ちゃんと打ち解けたらしい。

「次、エレキモーフのゾーリン・ブリッツ。側頭部や脇腹、手足に走る蛍光色のイナズマ形のライン模様が特徴だね。

前も言った通り、全身の筋肉が発電蓄電細胞になっていて、どっかのカボーン君みたく動けば動く程パフォーマンスが上がるタイプだ」

「あ゙ッ?」

ハイハイ、カボーン君がガン飛ばしてくるけど無視だ無視。

「えーっと、俺みたく使いすぎでアホになっちゃうって事は・・・」

「単に貴様の使い方に無駄が多過ぎるからだろう。どうせ放電をインパクト時のみに集中すれば良いモノを、バカスカ放電しまくってるんじゃないか?」

「うぐっ・・・」

「ハァ、こんなのが私の母親か・・・」

「ハイハイ、ゾーリン?あんまりいじめないの。

次、アシッドモーフのトバルカイン・アルハンブラ。酸液の最大粘度がゼリー直前で、これを鋭く投げ付けて攻撃する。アダ名は伊達女だよ」

「どうも。ご紹介に(あずか)った通り、わたくしがトバルカイン・アルハンブラです。お母様共々、お見知り置きを」

そう言い、紳士的に一礼するトバルカイン。やっぱ伊達女だね。間違いない。

「まだ基礎教育が終わってないから連れてこれてないけど、ビームの子はリップヴァーン・ウィンクルって名前に決めたよ」

「知ってたけど、全員名前がミレニアムの主要戦力なんだね」

「そーそ」

しかも、性格までそれによってきてるからね。名は体を成すって言うけど、ボクの場合はイメージで人格情報をインストールしてるのかな?

 

―――

――

 

「え~、USJ(嘘の災害・事故)ルームの説明が終わりましたので、まず使用する前に私から小言が~1つ、2つ、3つ、4つ・・・」

でっかいドームの中で小言を増やしているのは、プロヒーローの13号。個性はブラックホールだ。

 

「フラッシュバン・・・頸動脈、は守られてる。ひっくり返し肩を極めて破壊しつつ、顎を掴んで海老反りで背骨を破壊・・・これだな」

 

出久は小言を聞きながら殺し方のシミュレーションしてる。ボクが教育して染み込ませた癖だ。優秀で何より。

「私の個性、ブラックホールは、あらゆるものを吸い込んでチリにしてしまいます。容易く人を殺せるとても危険な個性ですが、私はそれを使って災害救助等を行ってきました。

なので、どんな力であっても人を傷付け得る事、逆に救い得る事を忘れないで下さいね!」

「この場に全身凶器の殺人兵器が5体もいるから説得力が違うよね」

「アハハ・・・ッ!!」

ボクの呟きに、乾いた笑いを漏らす出久だったが、次の瞬間。その眼が鋭く吊り上がり、瞬時にソウルイーターを装着して思考を戦闘者モードに切り替えた。

「何か来たね?」

「んあ?何だ~?入試みたくもう始まってるってパターンか?」

実践経験の無い上鳴君は呑気言ってるが、ボクと出久、そしてイレイザーヘッドも感じ取ったらしい。この項が粟立つ殺気を・・・

「13号ッ!!生徒を護れッ!!あれは―――――(ヴィラン)だッ!!」

ボクは左股関節にマウントしているレイザーディスクを手に取り、出久は肩甲骨を回してストレッチを開始。直属親衛隊達も、各々の異能を待機状態程度に発動させてキープする。

「ヴィ、(ヴィラン)ンンンン!?いや、アホだろ!?ここ雄英だぞ!?」

「いやいや、だからこそでしょ。優秀な敵を育成する機関、施設があるなら、そこを狙わない訳が無い。ヒーローを志すなら、こうやって悪意を向けられる事にも馴れなきゃねぇ?」

全く、皆人の悪意を甘く見過ぎだよ。ヒーローなんて、家族ごと敵の標的になるに決まってるのに・・・

「突然の訪問、失礼いたします。我々は(ヴィラン)連合、私は黒霧と申します。本日は、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたく、馳せ参じた次第。

しかし・・・どうやら、我々の持つ予定とは少々異なっているようです。オールマイトは、今どちらに?」

「さぁ?校長室とかで寝惚けてんじゃない?

つか、分かった。昨日ボクが地獄への片道乗車券渡してやったあのマスゴミ共、唆したのお前らだな?で、警備がそっちに集中してる間に予定表でも盗んだんだろ。見たとこ、黒霧さんは転移系っぽいしさ」

取り敢えず、出久に通信機代わりの発信器渡しとこう。

「チッ、本校舎に通信が繋がらん。妨害電波か・・・上鳴、お前も試せ!」

「う、ウッス!」

(ジャマーか・・・直属親衛隊、応答せよ)

(トバルカイン、ロンザギ ガシバゲン)

(ルーク、ゴゴス グシシン)

(ヤン、ビボゲデラグゼ)

(ゾーリン、バンゾショグボグ)

どうやら、ゼノの生体通信には効かないらしい。

「ハァ、オールマイト居ねぇのかよ・・・ガキ殺したら来るかなァ?」

黒霧の隣に立ってた男の呟きに、爆豪と切島君が飛び出す。

「その前にテメェ等が死ぬたァ思わなかったのかァ!?」

 

―ヒョヒュヒュヒュッ ガガンッ―

 

それに便乗してボクはレイザーディスクを投げ付け、出久はポケットから出したマキビシをワンフォーオールを込めた親指で弾いて射出する撒菱指弾(マキビシシダン)を2発放った。

「ギャアッ!?」「がッ!?」「ぐあッ!?」「うがッ!?」

出久の撒菱指弾は一人ずつ仕止め、そしてボクのレイザーディスクは2人の肩口を一気に斬り裂く。そしてブーメラン軌道で戻って来たレイザーディスクをキャッチし、刃を収納してマウント。

まずは小手調べ程度に見切りやすい飛び道具を放ってみたが・・・あの慌て具合から見るに、どうやら大半は対応すら出来ない雑魚チンピラらしい。

因みに、出久のマキビシの先端には唐辛子の辛味成分であるカプサイシンを溶かした油が塗布されているとの事。効き目は抜群で、撒菱指弾を受けたチンピラは体内深くに捩じ込まれたカプサイシンが引き起こす焼けた火箸で肉を抉り回されるような激痛に躍り狂いのたうち回っていた。しかも刺にカエシが付いてて抜けないようになってる。もし踏んづけようものなら地獄でタップダンスする羽目になるな。

「お前ら、勝手な事を!」

「あんたの許可取る前に向こうがボク等の(タマ)獲りに来るよ」

突っ込んだ爆豪達を見やれば、どうやら初撃は外されたらしい。

「いやはや、危ない危ない。卵と言えど、流石に雄英の生徒は優秀だ。だから―――

 

―――散らして、嬲り殺す」

 

その言葉と同時に、黒い靄がボク等の足元を舐める。そしてあっという間に闇色のドームを作り出し、頭上までスッポリと覆ってしまった。

「うおっと!?」

直後、地面が消える。浮遊感の中、何とか尻尾で姿勢を制御しつつ、横に見えた壁を蹴って着地。

同時に、周囲を確認すると、周囲はかなり高温。ピットがチリチリ焼けて痛みを感じる。

恐らく、説明にあった火災ゾーンだろう。周囲には・・・人の気配多数。十中八九敵。1人に対し、最低でも5~6人で囲むつもりか。でも・・・

「個性の情報は持ってないっぽいね」

もし持ってれば、立体起動が真髄のボクをこんな立体物の多い所には飛ばす筈がない。恐らく、取っ掛かりが何も無い水難ゾーン辺りに飛ばされるだろう。

「だったら、相当なアドバンテージが出来た訳だ。

さぁてと・・・狩り、開始♪」

 

(NOサイド)

 

「さぁてと~?どーこだ~?ヒーローの卵ちゃんよぉ~♪」

「お兄さんらと、気持ちイイ事しよぉぜ~♪」

5人組の異形型のチンピラが、獣欲駄々漏れの言動を振り撒いて火災ゾーンを闊歩する。

雄英の生徒は毎年顔も身体も上玉な女が揃う。金で雇われた時にそう吹き込まれ、無垢な少女を輪姦(まわ)して楽しむ事に眼が眩んでいるのだ。

「・・・」

しかし、それを聞き心中穏やかざる者が1人。何を隠そう背納である。

過去に性的な虐待で一度人格が崩壊した経験を持つ彼女にとって、あのレイプ願望集団は度し難く腸が煮え繰り返る存在なのだ。

(心は熱く、脳は冷たく。害虫発見、狩り開始)

先程までは、闘争と苦痛、暴力の応酬を楽しむ気でいた背納。しかし、彼女は別の行動を選択する。

闘争から、狩り・・・否、()()へ。

「ひゅぅ・・・ッ!!」

「ッ!?」

まず、手首から伸ばしたフックショットのワイヤーを、一番後ろにいた2対4本の腕を持つ男の首に巻き付け締め上げる。気道を完全に潰し、呻き声さえ上げさせず裏路地に引き摺り込んだ。

「シッ」

 

―ごちゅっ―

 

「ッ~!?~ッ!!」

そして肩からウェイヴを伝えて体勢を落とさせ、開いた股座に一片の躊躇も無く膝を叩き込む。

肉が潰れる生々しい音と共に、敵の睾丸は完全に破壊。あまりの激痛に血混じりの尿を垂れ流し、発声を赦されない喉をかき毟って踞った。

「シッー!」

更に即頭部にはガントレット越しの右裏拳を打ち付け、完全に沈黙させる。

「標的、残り4。狩り、続行・・・」

壁を登りつつ再び集団の背後を取る。どうやら、最後尾が消えた事に気付いていないらしい。

次の標的は、蟹に似た甲殻類型。鋭い爪を観察しつつシミターブレイドを展開し、首の甲殻の隙間から声帯を貫いた。

「ッ!?~ッ!?」

同時に肩にウェイヴを掛け、左後ろの通路に引き摺り込む。

「おい、どうしたッ!?」

しかし、流石に仲間に気付かれた。蟹は喉笛を斬られた事に混乱しており、まともに動けない。

背納は即座に腕を捻り、レイザーディスクの刃を展開。そのまま股下まで持っていき、相手の生殖器目掛けて膝で蹴り上げた。

「丁度タンクが欲しかったんだ。素体になれ」

そして切り裂いた喉笛からインナーマウスを無理矢理突っ込み、胚を産み付ける。

それすらも一瞬で済ませ、フックショットを上に打ち上げて離脱。仲間が到着する頃には、そこに背納の姿は無い。

「な、何つームゴい真似しやがるッ!!お前ら気を付けろッ!!」

リーダー格のライオン型が猛り、仲間のタコ型の男、猫のマスクを着けた男が周囲を警戒する。

 

―ヒョヒュヒュヒュッ ジャクッ―

 

「グアァァァァアッ!?」

飛来したレイザーディスクに肩口を切り裂かれ、タコが大きく怯む。

ライオンが気付いた時、既に背納はタコの懐に飛び込んでいた。

「タコは便利だよね。貰おうか」

丁度鎖骨同士の間。そのポイントに、背納は人工呼吸器のようにインナーマウスを撃ち込む。

肉を突き破ったインナーマウスは食道を抉じ開け、無理矢理胚を送り込んだ。

序でに股間を潰しつつ、タコを蹴っ飛ばす背納。残りは、ライオンと猫だけだ。

「居たぞ!」

「此方だ!」

だが、タコの悲鳴を聞き付けて敵が複数集まって来る。何時もなら大歓迎な背納も、今回ばかりは虫の居所が悪い。

愉悦0、憎悪100で周囲の気配を探知しつつ、誰かが動くと同時にその間合いの内側まで一気に踏み込み、リストブレイドとシミターブレイドで四肢を抉る。

敵の誰かが攻撃を仕掛けようとする度に、背納はその都度出鼻を挫き続ける戦術を展開。《心眼・先の先》という技術である。

ただでさえ人外の柔軟性を持つ背納が、更に関節を自在に外しリーチを伸ばす事で急襲してくる。元からあって無いようなものだった統制は完全に崩壊。そうなれば、後は1対1が人数分あるだけだ。

「シッ!シュッ!ヒュッ!チェアッ!!」

手刀、拳打、掌底、斬撃、刺突・・・一瞬の間があるか無いかのペースで繰り出され続ける多種多様な攻撃の嵐に、周囲は30と数える間も無く死屍累々の地獄絵図と化した。

「ヒュゥ~、ヒュゥ~、シィ~・・・」

そして、最後に残ったのはライオンと猫。

「キシィ~・・・ッ!?」

余裕と狩猟本能で無意識に広角を吊り上げていた背納だったが、小さな違和感に気付く。

呼吸が切れ過ぎているのだ。更に、周囲に何時の間にかジャスミンのような香りが漂っている。

「かっ、ハッ、はぁッぁ・・・!」

気付いた途端に、それは小さな違和感ではなく、大きな動悸と息切れに変わった。

(こ、れは・・・毒?いや違う!痛みも、感覚の麻痺も、筋肉の弛緩も無い!寧ろ・・・身体が活性化して、熱くなってる?それに、この匂い・・・これって・・・ッ!まさか!)

「ハ、ハハハハ!漸く効いて来やがったかァ!」

「よしッ!でかしたぞマスク!」

厭らしく笑う猫の肩を、ライオンがバシッと軽く叩く。

()()()、いっ・・・やっぱり、そうか・・・んぅっ・・・」

炎熱から逃げられる物陰だった事が幸いし、背納は何とか言葉を紡ぐ。

しかし、その頬は紅潮し、肩は荒げた息とは別にピクンピクンと震えていた。

「この、ジャスミンみたいな香り・・・それに、この作用、んっく・・・マスクってアダ名で、キッチリ絞れたっ!」

己の下半身から脊髄を通り、脳に走る甘い電流。それに歯を食い縛りながら、背納は何とか身を起こす。

「ジャコウネコ、だろ?お前・・・」

「フッハハハハ!博学だなぁ嬢ちゃんはよぉ!大当たりだぜ、俺の個性!」

ジャコウネコ。

主に森林地帯に生息する肉食小動物。縄張りを示す分泌物・・・シベットは、香水の原料にもなる。

そしてこのシベット、かのクレオパトラも用いたとされる媚薬である。

因みに猫ではない。

「うっわ、ライオンのライオンキングがえげつない事に・・・大方、女には感度上昇、男には精力増強として働く感じか」

「おぉ~う、イロイロと詳しい嬢ちゃんだなぁ~?もしかして、アッチの経験も豊富かぁ?」

「お生憎様、思い出したくない事しか無いよ」

下世話な軽口の応酬をしつつ、ライオンとジャコウネコは股座をいきり勃たせながら背納にジリジリと近付く。

ライオンとジャコウネコは、自分達の絶対優位を確信していた。故に、気付かない。背納の頬に差していた朱が幾分か引き、息が平常時のそれに戻りかけている事に。

「さぁてと、じゃあお先に戴くぜぇ♪」

「壊さないで下さいよォ?俺も楽しみてぇンですから」

輪王座で身体を支える背納の胸に、ライオンの手が近付く・・・その瞬間だった。

「シッ」

 

―ビキッ―

 

「ごえっ」

ライオンの頭が一瞬激しく揺れて、一瞬で昏倒する。

「ふぃ~、漸く身体が言うこと聞いてきた」

「・・・は?」

軽く息を吐きながら、何ともなさげに立ち上がる背納。それを見て、ジャコウネコは目を円くする。

「な、何で俺の淫魔の麝香(サキュバスマスク)が!?」

「慣れた」

短く答え、背納はジャコウネコの両肩を掴んで左肩に送りのウェイヴ、右肩に引きのウェイヴを掛けて時計回りに反転させた。

「ハァァァァ!

アァリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリィ!!」

 

そして、ウェイヴパンチとエルボーで背面から胃袋、肝臓、腎臓、横隔膜、脊髄、仙骨を何度も打ち据える。

 

―ビキィッ―

 

「アガァ!?」

サヨナラだ(アリーヴェデルチ)

そして最後。仙骨と腰椎の間を、中指を突き出したカーヴィングナックルでフックぎみに打ち抜いた。

脊髄損傷による下半身不随を起こす、凶悪な急所攻撃である。

「惜しかったね。この程度の濃度の媚薬なら、トントンなレベルのをたまにドクが飯に盛ってくるんだ。他の子だったら堕ちてただろうけど・・・相手が悪かったね」

俯せに倒れ伏して動かないジャコウネコにそう言い捨て、背納は火災ゾーンの出口へと駆け出した。

 

to be continued・・・




~キャラクター紹介~

触出背納
化物主人公。
敵は躊躇無く切り裂くし、叩き割るし、潰す。
急所攻撃はプロをも凌ぐレベル。しかもウェイヴの可変で狙ってくるので動きが読めない。
媚薬を盛られるも、普段から盛られ慣れてて早々に動けるようになった。けど実は、媚薬が抜けた訳じゃない。めっちゃムラムラしてるけど、それを闘争心が上回ってる状態。

緑谷出久
現代忍者デクです。ニンニン。
戦闘時には原作の面影が0になる。もう誰だこいつ・・・
今回使ったマキビシは、4面ダイスのような4面体の4つの頂点から返し付きの太い針が突き出した物。指で弾きやすい特注品である。
敵を無力化したいが、毒は使っちゃいけない。なら苦痛で動けないようにすりゃ良いか。そんな発想から、えげつない程に濃縮したカプサイシン油が塗布された。

ルーク・ヴァレンタイン
飯田を苗床として生まれたターボモーフ。マフラーが脚だけでなく背中、腕にも付いており、走行時の安定性、精密性が向上している。
元ネタはHELLSINGのルーク。

ヤン・ヴァレンタイン
耳郎を苗床として生まれたビートモーフ。下腕からイヤホンジャックが伸びており、それを喉に刺す事で特殊声帯を通して心音を爆音化出来る。また、エコーロケーションも可能。
その代わり、インナーマウスが無い。
元ネタはHELLSINGのヤン。

ゾーリン・ブリッツ
上鳴を苗床として生まれたエレキモーフ。身体の各部に放電模様が入っているのが特徴。色も黄色がかって明るい。筋肉の運動によって発電し、それを体内に溜め込んで瞬時に放出する後半追い上げタイプ。その為異能としてはスロースターターだが、それでも身体能力がバカ高いのでカバー出来る。
元ネタはHELLSINGのゾーリン中将。

トバルカイン・アルハンブラ
芦戸を苗床として生まれたアシッドモーフ。
全体的にピンクっぽい色をしており、頭部にはオリジナルのそれと似通った触角がある。
酸液粘度の操作幅が広く、冷えた水飴レベルからサラダ油レベルまで自由自在。但し一度に作れる量はオリジナルに劣る為、少量ずつを手裏剣のように飛ばして攻撃する。
丁寧口調のお嬢様キャラ。オホホ系にしようか悩んでいる。
元ネタはHELLSINGのトバルカイン。

撒菱指弾
刀語にて、蜂の忍者である真庭蜜蜂が使った忍法。
出久はこれをワンフォーオールのパワーで再現した。
因みに針は15㎏以上の圧力を受けると飛び出してくる仕組みなので、ポケットから出す時も手に刺さらない。
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