早朝訓練の後、僕等はシャワーを浴びるために一度解散して、もう一度集まる事になっていたのだが、現在集合場所に集まっているのは僕とエリオだけだった。
「遅いなー皆。何してるんだろう?」
エリオは既に待ちくたびれていて、暇そうにしている。
「しょうがないよエリオ。女の子のお風呂は長い物だからね」
「それは分かってるんですけど、暇でしょうがないです」
確かに風呂から上がってから、結構時間が経つけど女子メンバーは一向に来る気配がない。
そのせいで、暇でしょうがないというエリオの気持ちは分からないでもない。
「じゃあ何か話でもしよっか?」
僕は退屈しのぎと、エリオの話しを聞こうと思って提案してみたのだが
「それなら吉井さんの話が聞きたいです! 元の世界では戦闘訓練とかはしてなかったんですよね? それなら普段は何してたんですか?」
「ん? 僕の日常生活? それは‥‥‥」
僕がエリオの方を向いて気軽に答えようとしたら、エリオは目を輝かせながら僕に詰め寄って話を聞こうとしていた。
何? この反応? もしかしてエリオは前から僕の話を聞きたかったのかな?
それならもっと早くに言ってくれれば良かったのに、僕の話なんかでいいならいくらでも話してあげ‥‥‥ダメだ。
まだ純粋なエリオに、僕の日常生活なんて話す事ができない!!
もしそんな事をしたらエリオは穢れてしまう!
エリオにはFFF団や美波の話をする事なんてできるわけがない! ここは慎重に話さなければ! 僕はエリオに話しても大丈夫そうな話を脳内でピックアップする。
「‥‥‥‥‥僕のいた所はちょっと特殊なとこでね、試験召喚獣っていうテストの点で強さが変わる、自分の分身みたいなものをを使って、学校内のクラス設備をランクアップさせるために、試召戦争って言うのをして、頑張ってたかな?」
「試召戦争ですか? なんだか楽しそうですね」
「あはははは。うん、本当に楽しかったよ? バカな事も色々やったしね」
本当にたった一回の試召戦争で色々やったなー。
Dクラス戦では、単位を盾に生徒に交際を申し込んでくる船越先生に偽情報を流したり、(流した偽情報は一刻も早く忘れたいからスルーだ)Bクラス戦では壁を壊したり、根本君が女装したり、(実に気持ち悪い格好だった)Aクラス戦では、バカ雄二が勉強しなかったせいで、僕等の設備がみかん箱になったり。
ホント色々あったなー
「アキー、エリオー。お待たせー」
「ごめんね二人とも待たせちゃったみたいで」
僕がエリオに文月学園での話をしていると皆がお風呂から上がってきた。
「あ、大丈夫だよ? そんなに待ってないし。それにエリオとすっかり話し込んでたから全然問題ないよ?」
話し込んでたと言っても、僕の学園での思い出話をしてただけだから、エリオは退屈だったかもしれないけど‥‥‥
「僕も大丈夫ですよ? 吉井さんの話は面白かったですし」
「へぇ~。吉井の話って面白いんだ?」
「明久君の話か~どんな話だったの?」
良かった。エリオも楽しんでくれてたみたいだ。
エリオの退屈しのぎの為に話してたはずなのに途中から僕が楽しんでエリオが楽しんでなかったら本末転倒になるところだった。
「吉井さんの学校での生活の話ですよ。吉井さんの学校の話がとても面白いんです」
「え~エリオ君だけズルイ~。私も吉井さんの学校の話聞きたいです」
キャロはエリオだけズルイと言って、僕の学校での話を聞きたがってきた
「そんな大した話じゃないよ?」
「それでも聞いてみたいです。ダメですか?」
「ダメなんて事はないよ。キャロが聞きたいならもう一度話すね?」
「ありがとうございます!」
キャロは満面の笑みを浮かべて僕の話を聞く体制に入る。
あ~、何かエリオとキャロの笑顔を見てると癒されるな~。
僕の話なんかで2人が喜んでくれるなら、いくらでも話してあげたくなるな~。もちろん、内容は選ばないといけないけど‥‥‥
「話し込む前に早く食堂行きましょ? 私も吉井の学校生活には興味があるわ」
「そうだね。食堂でフェイトちゃんも待ってる事だし、早く行ってご飯食べながら話そうか?」
あれ? キャロだけじゃなくてティアナやなのはも興味深々? そんなに大した話じゃないからハードル上げられても困るんだけど?
というか
「食堂にフェイトがいるの?」
いつの間にフェイトも加わってたんだろか?
「うん。今日の早朝訓練は比較的早く終わったって話したら、一緒に朝ご飯を食べようってなったの。明久君はフェイトちゃんが一緒だと嫌だった?」
「全然そんな事ないよ? ご飯は大勢で食べた方がおいしいしね」
「それなら早く行こうか。フェイトちゃんが待ってるよ?」
それから僕等は食堂に向かい、フェイトと合流してから朝ご飯を食べ始めた。
食事中は僕の学園での話をして大いに盛り上がった。
食事が終わり、だんだん僕等が落ち着いてきた頃、僕は皆から質問攻めを受けていた。
「明久は得意な科目とかはなんだったの?」
「得意科目? やっぱり日本史と世界史かな? テスト前に必死に覚えた教科だし」
この二教科以外はかなり点数が低いんだけど、この二教科はBクラス上位に匹敵する点数だから、得意科目と言っても良いだろう。
調子のいい時はAクラス並みの点を取れる事もある位だしね。
「体育とかは得意じゃなかったの? 明久君」
「そう言えばそうですね。吉井の運動神経なら体育も得意科目になってそうですよね?」
「二人の言う通り、僕は体育の実技ならそれなりだけど、知識がないから得意科目ではなかったよ。副教科で得意な科目は家庭科かな? 料理を作るのは好きだったし」
裁縫とかもそれなりにできるし、家庭科は比較的良い成績だった。
使う機会がなかったから使わなかったけど、もし試召戦争で使ってたら、それなりに点数は高かったと思う。
「よ、吉井って料理できるの? 何か想像できないんだけど‥‥‥」
「できるよ? というか、小さい頃からずっと作ってたし」
「へぇ~凄いね明久は、私なんか小さい頃は冷凍食品しか作れなかったのに」
フェイトに褒められて嬉しいんだけど、なんだか手放しで喜べない自分がいた。
「因みに何が得意料理なの?」
スバルが興味深々に聞いてくる。
‥‥‥あの目は自分も作りたいとか思ってる人の目じゃないな。あれは食べたがってる人の目だ。
「今朝食を食べ終わったばっかなのに、もう吉井の料理が食べたくなったのアンタ?」
「ち、違うよ! アキが作れる料理って何があるのか気になっただけよ!」
「嘘ね。アンタ今、吉井の料理を食べる事しか頭になかったでしょ?」
「そ、そんな事ないよ?」
スバルはそう言いながら目をティアナから逸らす。
いや、スバル? そんな反応すると説得力がないよ?
「そ、それよりアキ! 得意料理は?」
「話を無理やり逸らそうとしてるっていうのは、僕にも分かったけど、あえてそれに乗ってあげるよ。僕の得意料理はパエリアだよ」
「「「パエリア!?」」」
「わっ! ビックリした! 皆して大声出さないでよ! ビックリしたじゃないか!」
僕は皆に抗議するが誰も聞いてくれている人はいないようだ。
「あ、明久君パエリアなんて作れるの?」
「あれって確か特別な道具がいるんじゃなかったけ? しかも作るの難しいし」
なのはとフェイトはパエリアを作った事があるのかな?
なんか二人とも詳しそうだし‥‥‥
「吉井。あんた嘘ついてるんじゃないでしょうね?」
「何でなのさ!? 何で僕がパエリア作れるって言ったら嘘になるの!?」
急にティアナは何を言い出すんだろうか? そんなに僕が料理を作れたら変なのかな?
「だって前に六課のシェフの人にパエリア作れるか聞いたら、道具とかはあるから作ろうと思えば作れるけど、難しい料理だから、できはイマイチになるかもしれないって言われた料理なのよ!? アンタみたいな大雑把な人が作れるなんて、とてもじゃないけど思えないわ」
「失敬な! 僕は大雑把じゃないよ! ティアナがそこまで言うなら今夜、僕が皆に料理を作ってあげるよ」
そろそろ料理を作りたいと思ってたところだし丁度いい。ここで僕の実力を示しておこう。
こうして僕は今夜、晩御飯を作る事になった。
よし! はりきって作るぞ!
「あ、明久君。料理を作ってくれるのは嬉しいけど、訓練をサボらせるわけにはいかないから、昼間の内に隊舎の周りを10周はランニングしてね?」
‥‥‥僕の訓練をサボろうとする計画は一瞬で粉々に崩れていった
今回はここで終了です。
明久は学校の授業を良く脱走しようとするので、今回は訓練から脱走しようとする試み加えてみました!
まぁ授業では鉄人、訓練ではなのはがいるので脱走なんてできないんですけど‥‥‥
感想、評価お待ちしております。
後、もう一方の作品についてのアンケートを活動報告にて行っているので、良ければ見てやってください。