魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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今回はそんなに間隔あけずに投稿できました!

そんなわけで本編をどうぞ!


第十二話

 僕が皆に手料理をご馳走してから一週間が過ぎた頃、僕達フォワードの新人組は、なのはに言われて、いつものように訓練を終えた後、デバイスルームに集まっていた。

 今回この部屋を訪れたのは、皆のデバイスを訓練用から実戦用へと変えるためだそうだ。

 僕のデバイスは、僕自身の体に問題があり、かなり強力なデバイスを使う必要があったから、皆とは違い、既に実戦用を使っているため今回の僕は見学だ。

 

 「はい、これが皆の新デバイスだよ」

 

 まだ、なのはは来ていなかったが、シャーリーに先に始めておいてという連絡が入り、皆にそれぞれの新デバイスを渡していく。

 

 「わぁー、これが僕達の新しいデバイスですか‥‥‥」

 

 「うん! 設計主任わたし! 協力、なのはさん、フェイトさんにレイジングハートさんとリィン曹長でーす!」

 

 皆の新デバイスは、持ち主の前に浮いている。

 スバルの前にあるデバイスは、青い宝石のようなデバイスで、ティアナの前にあるのは赤いXの周りに円があり、その真ん中に縦線の入った白いカードのデバイスだ。

 

 「ストラーダとケリュケイオンは変化なしかな?」

 

 「うん。そうなのかな?」

 

 エリオのデバイスは紫色の腕時計でキャロのデバイスは桃色の宝石がついたブレスレッドだ。

 二人の言う通り、確かに変化は見られないみたいだけど

 

 「違いまーす! 変化がないのは見た目だけです!」

 

 エリオとキャロが首をかしげていると、リインが出てきて叫び出す。

 

 「リイン? どういう事? 僕も二人のデバイスは特に変わってるように見えなよ?」

 

 「はい。言葉の通り見た目は変わってないですけど、性能は、しっかりと上がってるです! エリオとキャロは、ちゃんとしたデバイスを使った経験がありませんでしたから、慣れるために最低限の出力しか出ないように設定してあったです」

 

 「あ、あれで最低限?」

 

 「ほ、ほんとに?」

 

 二人は驚きを隠せないようだ。

 けど、二人が驚くのも仕方がないと思う。

 二人が今まで使っていたデバイスも充分凄い性能だと思っていたのに、それが最低限だなんて言われたら誰だって驚くだろう。

 

 「本当は明久さんのデバイスも最低限に抑えたかったんですけど、明久さんってリンカーコアがなかったり、体内からドラゴンの魔力が検出されたりしたじゃないですか? だから、これは余計な事をせずに最初から全開の機能にした方が良いという事で、明久さんの分だけできなかったんですよね」

 

 「ああ、そういえば吉井は元龍の子孫なんでしたっけ?」

 

 うぐっ! 思い出したくない事を!

 

 「そうだよー。その関係上、明久さんのデバイスは皆のとは違って、最初から全開の性能だったんだよ」

 

 「でもシャーリーさん、元龍の子孫とデバイスってどんな関係があったんですか?」

 

 「あー、それは明久さんには説明したんだけど、元龍の力って強すぎるのね? で、その力を上手くコントロールできない明久さんが、本気の本気、もうマジモードって位に魔力を放出しちゃうと、性能ダウンしてるデバイスじゃ、その力に耐えられない可能性があったんだよ」

 

 へぇーそんな理由があったんだ。

 

 さっきシャーリーが、僕にはもう説明してくれてたって言ってたけど、まるで覚えてなかったや。

 

 覚えてたのは僕のデバイスが皆のデバイスとは違って、既にフルパワー性能が使えるって事だけだ。

 「明久さん、その様子だとまた忘れてたですね? ダメですよ? ちゃんと教えた事は覚えておいてもらわないと困るんですからね?」

 「なんで分かったの!? 僕まだ何も言ってないよ!? リインって相手の心まで読めるの!?」

 

 「そんな特技は持ってないです! 明久さんは直ぐに顔にでるから分かりやすいだけです!」

 

 「バカな! そんなはずは――」

 

 「いや、吉井? あんたは結構分かりやすいわよ?」

 

 「私でもアキは分かりやすいと思うよ? エリオとキャロもアキの事は分かりやすいんじゃない?」

 

 「えっと、はい‥‥‥すみません」

 

 「その‥‥‥ごめんなさい」

 

 「あはははは。明久さん、味方なしですね」

 

 満場一致で僕は分かりやすい人間だと言われてしまった。

 そんなに僕は分かりやすいんだろうか? いや、そんな事はないはずだ! 僕がその気になればポーカーフェイス位簡単に

 

 「あんた何でいきなり変顔なんかしてるのよ? バカだバカだとは思ってたけど、あんたバカを更に越えたバカなの?」

 

 「ぷっ、あははははは。アキ〜、いきなり変な顔しないでよ〜笑っちゃうじゃない〜」

 

 ‥‥‥なんでポーカーフェイスを意識したら笑われるんだ? もしかして僕ってポーカーフェイス苦手なの? こんなに笑われるなんて‥‥‥

 こんな事なら秀吉に表情の作り方とか色々教えてもらっとけば良かった。

 

 「ごめんごめん。お待たせーって、皆楽しそうだけど、何かあったの?」

 

 僕がポーカーフェイスについて考えていると、なのはが部屋へと入ってくる。

 

 「あ、なのはさん。いや、何かっていうか明久さんの表情がですね?」

 

 シャーリーがなのはに先ほどまでの会話を教えて、なのはも加えて、ここにいる女性陣で楽しそうに会話する。

 いや、まぁ、皆が楽しそうにしてるのはいいんだけど、その内容が僕の事であるので、僕としては複雑な気分だ。

 

 「あ、あの皆さん! そろそろ話を戻しませんか? 吉井さんが凄く複雑そうなんで」

 

 「エリオ‥‥‥それが分かったって事はつまり、また僕が分かり易かったって事だよ?」

 

 「あ! い、いえ、そういうわけでは‥‥‥」

 

 「いいんだエリオ。それ以上は言わなくても大丈夫だよ。というより、それ以上言うと僕は耐えられない」

 

 「‥‥‥すみません」

 

 ははは。こんな小さい子にまで気を遣われちゃったよ。‥‥‥泣いてもいいかな?

 

 「あーごめんごめん、明久君も泣かないで? もうちゃんと本題に戻るから。ね?」

 

 「‥‥‥お願いします」

 

 エリオのおかげで女性陣の会話は終了し、本題へと戻る事になったが、僕のだした犠牲は少なくはなかった。

 主に、エリオに対する威厳など

 

 「シャーリー、どこまで話したの?」

 

 「ちょうど機能説明をする前までですね」

 

 「そっか、もう直ぐに使える状態なんだよね?」

 

 「はいなのです!」

 

 なのはの問いにはリインが元気良く返事をする。

 

 「まず最初に、その子達は皆。明久さんのを除く四人のデバイスだけど、何段階かに分けて出力リミッターをかけてるのね? 一番最初の段階だと、そんなにビックリするほどの出力はでないから、まずはそれで慣れていってね」

 

 ふむふむ。シャーリーが説明してくれるがイマイチ良く分からない。が、僕もバカじゃない。こういう時の対処法は幾つかしっかりと学習している。

 

 まず、もっと簡単に説明してくれるようにお願いする。次にスルーする。そして最後に分かったフリをする。この三つだ。

 この場合は、二番を選択するのが妥当だろう。

 という事で分からない話はスルーだ。

 僕が方針を決めている間にも話は進んで行き

 

 「皆がそれぞれの出力をきちんと扱えるようになったら、私やフェイト隊長、リインやシャーリーの判断でリミットを解除していって、最終的には皆フルパワーの出力を扱えるようにする」

 

 「ちょうど一緒に成長していく感じですね」

 

 うん。全く理解できなかった。

 

 「明久君に分かりやすく言うと、デバイスが皆のレベルに合わせて成長するって事ね」

 

 「あ、なるほど」

 

 なのはが簡単に説明してくれる。

 そんな簡単に説明できるなら最初からそうしてくれればいいのに

 

 「吉井、アンタ体だけじゃなくて頭ももう少し鍛えなさい。じゃなきゃ、アンタはその内、子どもにバカ呼ばわりされるわよ? バカなお兄ちゃんとかって」

 

 「何故それを知っている!?」

 

 何故ティアナがその呼び方を知ってるんだ!?

 その呼び方は美波の妹である葉月ちゃんが僕を呼ぶ時の呼び方だ。

 こっちの世界じゃ、こんな話はいっさいしていないから、誰も知らないはずなのに!

 

 「え? 適当に冗談で言っただけなんだけど? え? っていうかもう既に呼ばれたりしたの‥‥‥?」

 

 どうやら僕は墓穴を掘ったようだ。恨むぞ僕の頭。

 

 「‥‥‥‥‥‥」

 

 「「「‥‥‥‥‥‥‥‥」」」

 

 「そ、そういえば、なのはさん達って出力リミッターを掛けてるんですよね? 私達のデバイスみたいに」

 

 無言に耐え兼ねたのか、ティアナが話題転換をしようとなのはに話しかける。

 

 「う、うん、そうだよ。けど私達の場合はデバイスだけじゃなくて自分にも掛けてるんだけどね」

 

 なのはも無理やり過ぎる話題転換にあえて乗り、ティアナの話題にのっかる。

 

 「能力限定って言って魔力の出力リミッターを掛けてるんだ。明久君に分かりやすく言うなら、能力を下げてるって事」

 

 なのはが僕のために分かりやすく説明してくれるおかげで、今の所は話について行くことができた。

 

 「うちの隊長達は皆リミッターつきなんだよ」

 

 へぇ〜フェイトやはやて達もリミッター掛けてるんだ〜。って、ん? あれ?

 

 「なんでそんなの掛けてるの? それをしちゃうと力弱くなっちゃうんでしょ?」

 

 わざわざ自分の力を下げたりしたり、戦力ダウンもいいところだ。

 

 なんでそんな事するのか良く分からない。

 

 「あーそれはですね。明久さんは知らないと思いますけど、部隊ごとに保有できる魔道士ランクの総計って決まってるんですよ」

 

 「へぇーそんな細かい決まりがあったんだ。じゃあ皆がランクを下げてるのは総計を合わせるためなんだね?」

 

 「その通りですー」

 

 「まぁ裏技っちゃ裏技なんだけどね」

 

 なんか皆も色々と苦労してるみたいだ。

 

 「隊長陣は、はやてちゃんの許可で、はやてちゃんは直接の上司であるカリムさんか、部隊の監査役のクロノ提督の許可がないと、リミッターは解除されないし、許可は滅多な事ではおりないんだそうです」

 

 「だから皆には期待してるよ。特に明久君に」

 

 「え? 僕? なんで?」

 

 なんで最近魔法を覚えたばかりの僕に期待? 期待するのは普通魔法を使い慣れてる他のメンバーだと思うんだけど?

 

 「ほら、明久君はレア中のレア、SSS以上の魔力をもってるから」

 「あー、そういえばそうでしたね。明久さんは潜在能力だけでいえば、うちの隊でもトップでしたね。しかも嘱託魔道士扱いだから、隊の保有制限にも掛かりませんもんね」

 

 「そういうこと。分かった? 明久君?」

 

 「要するに僕は制限なしの扱いで大丈夫なポジションにいるけど、力だけは持ってるって事でしょ? この程度の理解で良ければ何とか」

 

 「うん。大体そんな感じでオッケーだよ。後くれぐれも言っておくけど、力を持ってても扱いきれなきゃ何の役にも立たないんだから、訓練はサボらないように」

 

 「うっ、努力します」

 

 僕は何度か訓練からの脱走を試みた事があるんだけど、その度になのはに見つかり、訓練を皆よりも多くやらされていたから、なのははその事について指摘したのだろう。

 とは言っても、最近は一人での脱走は無理だと思って、チャレンジすらしていないのだが、それでもなのはは僕をまだ許してはくれていないようだ。

 

 「吉井って本当にバカよね。なのはさんから逃げられる訳ないのに、何度も逃げようとするんだものね」

 

 「しかも、その度に訓練の量は増え続けてるのに、アキは最後までやり切れるとか、どんだけ! って感じだよね〜」

 

 「いや〜それほどでも〜」

 

 「明久君、本当に反省してるの? してないなら、また訓練量増やすよ?」

 

 「もう二度と脱走しようとしたりしませんから、それだけは許して下さい」

 

 僕はなのはに向かって正座して、両手を地面につけ頭を下げた態勢、いわゆる土下座でなのはの許しを乞う。

 

 「ちょっと明久君!? 分かってるならいいから、土下座は止めて!! 私が明久君にさせてるみたいじゃない!」

 

 なのはの許しが出た所で土下座を止め頭を上げる。

 ふぅー何とか生き延びた。

 ただでさえ皆より訓練量が多いの、これ以上増やされるとか冗談じゃない。

 

 「良かったわね吉井。許してもらえて」

 

 「また、アキだけ訓練量増えるとこだったね〜」

 

 「吉井さんって確か今の訓練量って私達の二倍ですよね?」

 

 「僕達が今やってる訓練だけでもかなりキツイのに」

 

 ほんと許してもらえて良かったよ。これ以上増えたら、流石に死ぬ。

 

 「え? 皆今の明久さんの土下座はスルーなんですか?」

 

 「「「「もう何回も見てるから慣れました」」」」

 

 「何回も!? ちょっ!? なのはさん!? そんなに何回も土下座させてるんですか!? 」

 

 そりゃー、脱走を失敗するたびに土下座してたら皆も慣れるだろう。

 

 最初はフェイトに、エリオとキャロの前では教育に悪いからしないようにって、言われてたんだけど、今では二人とも完全に慣れてしまっている。

 きっとフェイトにバレたら怒られるんだろうな‥‥‥

 

 「私がさせてるんじゃないからね!?」

 

 なのはがシャーリーに無実であることを話して、ようやく事態が収拾した時だった。

 

 

 ヴーヴーヴーヴー

 

 

 さっきまでの空気とは打って変わり、緊急警報が鳴り響きだした。

 

 「このアラートって!」

 

 「一級警戒態勢!?」

 

 「グリフィス君!」

 

 『はい! 聖王教会から出動要請です!』

 

 デバイスルームのモニターにグリフィス君が映る。

 

 何があったのか僕が尋ねようとした時

 

 『なのはちゃん、フェイトちゃん、グリフィス君、こちらはやて!』

 

 モニターにはやてが映し出される。

 

 はやては今、聖王教会のカリムという人に会いに行っているため、今はこの隊舎にいないのだ

 

 『状況は?』

 

 続いてフェイトもモニターに映し出される。

 

 それを確認してから、はやては今の状況を話し始める。 『教会調査団で追っていたレリックらしきものが見つかった。場所は、エイリム山岳丘陵地帯。対象は山岳リニアレールで移動中』

 

 『移動中?』

 

 「って事は、まさか!」

 

 『二人の予想通り、ガジェットが内部に侵入してて、車両の制御を奪われとる。リニアレールには少なくとも三十体のガジェットが確認されとる。大型や飛行型の未確認タイプも出てくるかもしらん。いきなりハードな初出動になるけど、なのはちゃん、フェイトちゃん、いけるか?』

 

 「私はいつでも!」

 

 『私も!』

 

 隊長二人の心強い返事。

 

 『スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、アキ君! 皆も準備オッケーか?』

 

 「「「「はい!」」」」

 

 ほんといきなりの発出動だけど、せっかく今まで訓練してきたんだ。こっちの準備は万端だ。

 

 『うん。良いお返事や。シフトはAー3、グリフィス君は隊舎で待機。リインは現場管制』

 

 『「はい!」』

 

 『なのはちゃん、フェイトちゃんは現場指揮!』

 

 「うん!」

 

 はやては次々と皆に指示を出して行く。まるで雄二みたいだ。あいつの指揮で試召戦争を戦ったんだ。あの時は最終的に負けちゃったけど、今回は本当に命が掛かってるんだ。絶対に勝ってみせる!

 

 『よーし、ほんなら、機動六課フォワード部隊、出動!!』

 

 「「「はい!」」」

 

 『了解、皆は先行して。私も車を止めたら直ぐに合流する』

 

 「了解!」

 

 会話が終了して、皆との通信が切れる。

 もう皆自分のやるべき事をやり始めたんだろう。

 僕も初出動で失敗とか、笑い事やらないように気合い入れなきゃ!

こうして僕等の初陣が決まった。

 

 

 

 




今回の話は、ようやく新人組が新デバイスを持ち、初出動しました。

次回はいよいよ戦闘です!(多分、作者の予定通りに行けば)

そんなわけで今回はもう書くことが思いつかないのでこの辺で失礼します。
次回もなるべく早く投稿したいと思います。
では、感想、評価お待ちしております。
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