今回で初任務は終わりです!
まとめて書きたかったんで、今回はいつもよりもちょっと長めです!
それでも一万字は超えてませんが
さて、前回出てきた新キャラは一体誰なのか!?
それでは本編をどうぞ!
俺は異世界から呼び出した雷炎龍、吉井明久と戦い、奴の前に立っている。
ようは、戦いに勝ったのだ。
「まぁ、戦いっていうには、随分一方的だったがな」
俺は独り言をボソッと呟き落胆する。
正直、ここまで弱いとは思っていなかった。
最初は視覚からの攻撃を避けた事もあり、それなりに期待したのだが、実際本格的に戦うと、なんて事はない奴だった。
こいつには俺の動きすら見えていなかったようだからな。
最初のリニアレールの上での攻撃を避けれたのはマグレだったんだろう。
あの時、俺はリニアレールの内部に小さな竜巻を作り、屋根ごと奴を切り刻むつもりだった。
結果は失敗に終わったが‥‥‥
その後の攻撃は、俺が自分に風を纏って、奴の側を通っただけの攻撃、手のひらから風の渦を奴に向けて放つ攻撃。
それしかやっていない。
「この程度の力しかないなら、生かしておく価値もないな」
俺は人差し指に風を集めて、奴に向けて風を放とうとした時
「ハーケンセイバー!!」
空から雷を纏い高速回転している円形状の物が飛んでくる。
俺はそれを確認すると、攻撃する目標を変え雷の円形状の物に向け人差し指を振る。
俺の指から風の斬撃が放たれ、雷の攻撃に当たり攻撃を相殺する。
「動かないで!!」
声がした時には俺は既に背後を取られた後で、雷を纏った刃を突きつけられていた。
「いやー、速いなアンタ。しかもかなりの美人だ。アンタ何者? そんな物騒な物持ってないで、俺とデートでもしない? アンタにはそんな武器よりも、オシャレな服とかカバンとか持ってる方が似合うと思うよ?」
俺の背後を取った点からいっても、コイツは一般人じゃない。俺は様子を探ろうと、ヘラヘラと笑い、相手に話しかける。
「私は時空管理局、機動六課のフェイト・T・ハラオウンです。あなたを公務執行妨害の罪で拘束します」
「あー、やっぱり管理局の人間だったか。それじゃ仕方がないな。デートは諦めよう。俺、管理局嫌いだし」
このフェイトとか言う奴は、予想通り管理局の人間だった。
今コイツを倒すのは簡単だが、チンタラしてたらコイツ以外の増援も来るかもしれねぇな‥‥‥‥。
多分、もうガジェットとか言うあのロボも今頃全滅してるだろうしな。‥‥‥ここらが潮時か
「よー、管理局。悪いが俺は帰らせてもらうぜ」
「動くなと忠告はしました。逃がすと思いますか? 貴方には聞かないといけない事が複数あります。それに何より、仲間を傷つけられましたから、絶対に逃がしません」
ニヤッ
俺は思わずニヤけてしまう。
「何がおかしいんですか?」
「悪い、悪い別におかしいわけじゃねーんだわ。ただ、この程度で俺を捕まえられたと本気で思ったのか?」
俺は喋っていた間に溜めていた魔力を解放して
ギューン!
という音と共に自分の周りに竜巻を起こさせる。
「きゃっ!!」
その衝撃にやられ管理局の女は俺の周りから吹っ飛ばされる。
「俺を本気で拘束したけりゃ、俺の事を戦闘不能にさせるべきだったな!」
あんな距離でまともに食らったんだ、飛ばされた衝撃で受け身も取れないだろうから、あの女もこれで終わりだろ。
ほんと呆気ない連中ばっかりで嫌になるぜ。
「さて、さっさとあの無価値な無能を殺して帰るとするか」
って、うん? あの野郎がいない? まさかさっきの竜巻でどっかに吹っ飛ばされたのか?
「たく、いちいち面倒くさい奴だな」
俺はおそらく飛ばされて、空のどっかで彷徨っているであろう雷炎龍の子孫を探していると、それっぽいのを見つける。
「さて、ちゃっちゃと終わらせるか」
俺は野郎の始末をするために竜巻の中へと飛び出して行く。
「うっ、ここは?」
僕が目を覚ますと、そこは瓦礫の山だった。
「そうか、僕は不審者に襲われて気を失ったんだ」
少しづつ意識が覚醒して行き、先ほど起こった事も思い出し始める。
「アイツは一体何者なんだ? 僕の同類とか言ってたけど、どういう意味なんだ?」
僕がさっきの風使いの事を考えていると
ギューン!
と、デカイ音と共に竜巻が急にできたの目撃した。
「な、なんじゃこりゃ―――!!」
僕はまだ完全には起きていない頭を必死で動かし、この状況が何なのか考える。
えーと、確か、僕が起きる→竜巻が起こる。
意味が分からない。これで僕に何が分かると?
こんな状況で何らかの情報を手に入れられるって、どんな天才だよ。
‥‥‥‥ん? 天才?
天才→天災→災害→学校休み→暴風警報→風
「あああぁぁぁぁああ!!! 風の魔法を使ってきた不審者―――!!」
僕はこの現象を起こせるであろう人物を思い出す。
「これは、アイツの仕業か! って、ん? なんでアイツは今更魔法なんか使ってるんだ? それよりも何で僕はまだ生きてるんだ?」
ついさっきまで僕と戦っていたはずなのに、何故か少し離れた位置で竜巻が起こってるのも変だし、なにより、未だに僕が生きているのも変だ。
さっきまで僕は気絶していたわけだから、幾らでも僕を殺すチャンスはあったはずだ。
それなのに僕はまだ生きている。
これはひょっとして
「誰かが戦ってる?」
僕がそこまでの結論に至ると、上空で金色の何かが竜巻とは反対の方向へと飛ばされている物が目に入る。
あれは
「フェイト?」
そうか戦ってたのはフェイトだったのか、そういえば最後に通信をした時、フェイトが援護に来てくれるって言ってたっけ?
という事は間違いなく今飛ばされているのはフェイトという事だ。
いやー、謎が解けて一安心
「って、フェイトが飛ばされてる!?」
僕は今更ながらにフェイトが危機的状況である事に気がつく。
僕は残っている魔力を飛ぶ事に集中させ地面を強く蹴って、空を飛ぶ。
空を飛んだ僕は直ぐにフェイトに向かって飛んでいくが
「くっ! 風が強くて思うように進めない!」
まだ完全に空を飛ぶことに慣れていない僕は、真っ直ぐに飛ぶことができない。
そのせいでフェイトとの距離は中々近づかない。
「ち、くしょおおぉぉぉおお! いうことを聞けぇぇええ!! 僕のからだぁぁぁあああ!!」
僕が風のせいで自分の体の制御が上手くできずにイラついて、叫び声を上げた時だった。
「あれ? 真っ直ぐ飛べてる?」
急に僕は自分の体が風に煽られて制御できないという感覚がなくなったのだ。
「もしかして風が止んだ? いや、フェイトはまだ飛ばされたまんまだし、まだ竜巻は収まってはいない。‥‥‥まぁいいか。動きやすくなったんだから気にしなくて」
僕はそのままフェイトに向かって一直線に飛んでいく。
なんだかスピードも上がったようで直ぐにフェイトに追いつく事ができて、フェイトを受け止めて、その場で停止する。
「あれ? 止まった?」
フェイトはまだ状況を飲み込めていないようだ。
「大丈夫? フェイト?」
とりあえず意識はあるようだし大丈夫だと思うけど、念のため無事を確認する。
「え? あ、うん。大丈夫。‥‥‥って明久!?」
ようやく少し余裕が戻ったのかいつもの感じに戻るフェイト。
「うん。途中で目が覚めて、フェイトが見えたから追いかけてきたんだ」
「そ、それはありがとう。だ、だけど、この態勢はちょっと恥ずかしいんだけど‥‥‥」
フェイトが言うこの態勢とはお姫様抱っこの事だ。
「へ? なんで?」
「そんな理由まで私に聞かないで!!」
怒られてしまった。まぁフェイトが恥ずかしいというなら降ろす事も、やぶさかではないが
「結構風強いけど大丈夫?」
風がかなり強いのでフェイトがまた飛ばされないか心配だ。
「平気だよ。最初から飛ばされるんじゃなくて、ただ飛ぶだけなら問題ないよ」
と自分で言うからに大丈夫なんだろう。
僕がフェイトの意思を尊重し、フェイトを離すと
「わっ! た、確かにかなり風が強いね‥‥‥こんなに風が強いのに明久は大丈夫なの?」
フェイトは今にも自分が飛んでしまいそうなのに、僕の心配をしてくれる。
「僕は大丈夫だよ。途中から慣れたのか、全く問題なく飛べるようになったからね」
フェイトを助ける時に何故か、僕は空を飛ぶのが上手くなり、今は自由に飛び回る事ができる。
飛ぶ事に意識を集中しなくても飛べるようになってるから、これからは戦闘中でも空を飛べるだろう。
「へぇー、凄いね。じゃあその羽根は自由に飛べるようになったから出てきたの?」
僕が自分の成長に驚いていると、フェイトの口からおかしな言葉が聞こえてくる。
「え? 羽根? 何言ってんの? フェイト?」
「何って‥‥‥明久の背中に生えてる羽根の事だよ?」
僕はフェイトが何を言ってるのか分からず、首を傾げながら、「羽根ってなんの事?」と、自分の背中へと手をまわしていく。
すると、そこにはフェイトの言う通り、羽根らしき物があった。
「な、なんだこりゃ―――!!」
僕が叫ぶと風は止み無風の状態へとなった。
あれ? 何で急に風が止んだりするんだ?
「それはドラゴンユニゾン!? しかも部分変化だと!? ドラゴンとまともに会話もできないお前がなんで!?」
さっきの風使いが僕等の方に飛んできて、わけも分からない事を叫んでくる。
「あのさ、ドラゴンユニゾンって何?」
わけが分からなかったから、とりあえず答えてくれるか分からないけど質問してみる
「は? テメェ、ドラゴンユニゾンを知らないってのか? それでも元龍の子孫なのか?」
「うるさいな。最近なんだよ。それ知ったの」
「ああ、そう言えばお前は魔法の存在を知ったのもコッチの世界に来てからだったな。まぁいい。お前に興味が湧いた。知らないってんなら教えてやるよ。とりあえず元龍の伝承は知ってるか?」
あれ? 何だ、凄い態度悪いから教えてくれないのかと思ったけど、教えてくれるのか。
けど興味が湧いたってどういう意味だ?
もし変な意味なら遠慮願いたい。僕はノーマルであって、アブノーマルでは決してないから。
とは言え、教えてくれるって言うなら素直に教えてもらおう。
「それは聞いた。僕が聞きたいのはさっき言ったドラゴンユニゾン? の事だよ」
「‥‥‥先に言っておくが、あの伝承は全て本物だ。それを分かった上で話しを聞け」
「分かった」
「元龍っていうのは、もう既に全員滅んでるが力を宿し、それを自在に扱える者には加護が与えられる。その加護は全部で三つある。一つはドラゴンドライブと言って、自分の身体能力をドラゴンの魔力で強制的に上げる技だ。これはドラゴンと会話できる位強い奴なら誰でもできる初歩的な加護だ」
「じゃあ、それは僕でも出来るの?」
「さっきも言ったが、ドラゴンと会話出来ればな」
と言う事は、会話さえ出来れば、僕はまだ強くなれるって事か。
「で、二つ目がドラゴンユニゾン。体をドラゴンのように変える技だ。普段はドラゴンの力を百パーセント出す事なんて不可能だが、このモードになれば百パーセントの力を出す事ができる。但し、常に暴走と隣り合わせだがな。‥‥‥暴走した奴の末路は分かるか?」
「己の力を自覚し正しきことに力を使わなかった者は死ぬ。確かそんな伝承があったような気がするけど‥‥‥それの事?」
僕の代わりにフェイトが風使いの質問に答える。
「ご名答。正しきことっていうのは、自分の理性を上手くコントロールしろって事らしいぞ?」
「それってどういう」
「あの伝承の最後の部分はドラゴンユニゾンの事を言ってんだよ。自覚するってのは、当然知らずに使えば、いずれ暴走して死ぬ。暴走は自分の理性をコントロールできる奴はしない。つまりは理性を保つ事すらできないくせにドラゴンユニゾンなんて使うと死ぬって事だ。‥‥‥‥まぁ、近年の記録じゃ、ドラゴンユニゾンをできるレベルの子孫は存在していなかったらしいがな」
「じゃあ僕の背中に生えてるこの羽根は何なの?」
僕はドラゴンドライブとやらもできないし、ドラゴンと喋る事すらできないのに、ドラゴンユニゾンなんて出来ないって事でしょ?
しかも、ドラゴンユニゾンできる人は最近ではいないって言ってたし、だったら尚更
「僕の背中の羽根は何なの?」
背中の羽根が気になる。どっから現れたんだお前は
「‥‥‥どっからどう見ても、ドラゴンユニゾンの部分変化だな。後、それがドラゴンユニゾンなら、それ翼だぞ」
「あ、そう言われてみれば、そうだね。って、そうじゃなくて! さっきユニゾンを使える人はいないって言ったのは、君じゃないか! 一体どうなってるの!?」
「だから! それを聞いてるのは俺だ! お前一体何者だ?」
「そんな事言われても、僕はただの高校生、あ、今は六課の一嘱託魔道士だった」
「‥‥‥どうなってやがるんだ? マジで」
うーん。そんな真剣に悩まれても僕は自分の事をそんな特別だとは思えないんだけどな‥‥‥
「意外と部分変化は誰でも出来たりするとか?」
「部分変化が簡単だ? それなら誰もこんな話ししねぇよ」
うーん。じゃあこれは一体どうゆう事なんだろう?
「あのー、それは今考えても仕方ないと思うんですけど。それより、三つ目の力の事を教えてくれませんか?」
と、フェイトが僕らの思考中断させて、話しを本筋に戻そうと提案する。
「おっと、それもそうだな。こほん。で、三つ目の加護の事だけどな、これは良く分かってねぇんだよ」
「「は?」」
何を言い出すんだ、こいつは? 自分から説明をかって出てきて起きながら、良く分かってない?
説明できてないじゃん。
「いやな? 名前はドラゴンフォースつって、三つの中で一番最強の加護なんだが、開花させた者は、かつて一人しかいなかったと聞いてる。分かってるのはそれ位だ」
「何それ? 迷信?」
「知るか。そんなの自分で考えろ! てか、お前ともう一回戦いたくなってきたけど、何かそんな雰囲気じゃなくなってきたな。続きはまた今度にするか。つーわけで、俺はもう帰るぜ。お前等といると、何か無駄に疲れるしな」
風使いは説明を終えると、急に帰ろうとしだした。
「ちょ、ちょっと待ってよ! 本部まで一緒に来て、もう少し詳しく色々教えてよ!」
扇がいれば、もっと色々な事が分かると思う。それに一応、扇は逮捕対象者だし。
だから、僕は扇に六課まで来てもらおうと思ったんだけど
「は? お前何勘違いしてんの? 俺はお前らの仲間じゃねぇんだぞ?」
はっきりと、拒否されてしまう。
「なっ! じゃあどうしてさっきは色々教えてくれたの?」
「お前に興味が湧いたから殺すのは止めにしたし、色々教えてやっただけで、仲間になった覚えはない。どうしてもってんなら力づくでやってみな」
さっき僕はコイツに完敗した。恐らくフェイトもさっき竜巻のせいで飛ばされていたから、敗北に近い形でコイツとは一戦交えた後なんだろう。
それでも、二人掛かりなら倒せるか?
いや、恐らく奴はまだ本気を出していない。
今コイツと再び戦えば、間違いなく二人とも殺される。
フェイトも僕と同じ事を考えたのか、動かずにじっとしていた。
「おっと、伝え忘れてたな。俺は、扇 風月。風龍ウェザードの子孫だ。雷炎龍の吉井明久。次会う時にはもう少し強くなってろよ? せめて自分のドラゴンと会話ぐらい出来るようになってろや。その方が戦いは面白い」
そう言って風使いを改め、扇風月は風を吹かせて僕達の前から消え去って行った。
「ふー。捕まえられなかったけど、何とか生きてられたし良かったー。ね? フェイト? って、どうしたの!? フェイト!?」
僕がフェイトに話しかけると、フェイトは涙を零していた。
「どうしたのじゃないよ!! あんな危ない奴と一人で戦おうなんて何考えてるの!?」
「い、いや、それはその‥‥‥エリオ達から扇を遠ざけようと思ったと言うか何というか」
「もう二度とこんな事しないで! 分かってるの!? 明久は一歩間違えば死んでたんだよ!?」
「‥‥ごめん。次からは気をつけるよ」
「ぐすん、約束だよ? 次こんな事したら絶対に許さないから」
「ホントにごめん」
その後も僕は、フェイトが泣いている間、フェイトに謝り続け、ようやく泣き止み、僕の事を許してくれる。
フェイトは自分が泣いた事をエリオとキャロによほど知られたくないのか
「絶対に皆には言ったらダメだからね? 特にエリオやキャロには絶対の絶〜対に、言っちゃダメだからね?」
と何度も口止めをされた。
そんなに心配しなくても皆に言ったりしないのな。
フェイトから堅く口止めされている間に、僕達を迎えにきてくれるはずだったヘリが見えてくる。
「絶対言ったらダメだからね」
「分かってるよ。絶対に言わない」
全く、僕はどんだけ信用がないんだか。
僕は自分の信用のなさに苦笑いするしかない。
ヘリが到着し、ヘリの中へと入ろうとした僕を最初に待ち構えていたのは
「「吉井さ〜ん!!」」
ぐはっ!
エリオとキャロのダイビングヘッドでの抱きつきと言う名の頭突きだった。
扇にボコボコにされた後に、これはキツイな。
「吉井さんが無事で良かったです!」
「私、吉井さんが死んじゃったら、どうしようかと。くすん」
「二人とも‥‥‥ごめんね? 二人を置いて先にリニアレールから降りちゃって。後、心配かけてごめん。けど、何とか死なずに済んだから、もう泣かないでキャロ?」
「くすん。‥‥‥はい」
二人に落ち着きが戻って、もう大丈夫だと思い、ヘリの中へ入った瞬間、僕は空気が冷え切っているのを感じた。
あ、これヤバイ奴だ。って、そんな暢気に言ってる場合じゃない!! ヤバイ!! これは姉さんや姫路さん、美波が本気で怒った時よりも冷たい空気! こんな尋常じゃない空気を発しているのは‥‥‥なのは? いや、なのはだけじゃない! はやてもだ!
『先に言っとくけど、ヘリに乗った時から、この二人はずっとこんな感じだから。責任とって早く何とかしなさいよ?』
『アキー、早く何とかして〜』
どうやらティアナとスバルは皆と違って、怒ったりはしてないみたいだけど、この二人は僕を助けてくれる気はサラサラないみたいで、僕に全て押し付けて、早く何とかしろ! と念話で急かしてくる。
『えーっと‥‥‥どうやって?』
『『そんなの自分で考えなさい(て)!!!』』
この状況でどうしろと? はっきり言って、今の二人は扇に殺されかけた時よりも怖い。
けど、二人を怒らせている理由は、はっきりしてるんだ! とりあえず今は
「すみませんでした!!」
土下座で許しを請う。
ピクッ
はやては僕の土下座に一瞬反応したが、なのはは何の反応もない。
「ねぇ、明久君、もしかして土下座したら何でも許されると思ってる?」
うん。大抵の事は土下座で許されてきたから、何でもとは言わないまでも結構これで許されると思ってる。
まぁ、土下座をしたら許してくれる代わりに皆若干引くんだけど‥‥‥
とは言え、これは大抵の事には入っていない様子で、土下座では許されないようだ。
「いえ、決してそのような事は思っておりません」
さて、これは困った。僕の辞書には土下座以上の謝り方なんて載っていない。
これは初手にして万策尽きたか‥‥‥
『おい、明久! 早く何とかしろ! 操縦席にまで冷たい空気がビンビン伝わってくるぞ!』
と僕が困ってるとヴァイスさんから念話が入る。
『僕も早く何とかしたいですよ! けど土下座でも許してもらえなくて、ピンチなんです! ヴァイスさん、何か他に許してもらえそうな謝り方知りませんか!?』
藁にもすがる思いでヴァイスさんに助けを求めた僕だったが、
『バカ野郎――――! 土下座っていうのは、ここぞっていう時にするもんだ! 普段からポンポンポンポン土下座するから肝心な時に気かねぇんだよぉぉ!』
『そんな事、今さら言われてもしょうがないでしょーが! そんな事はもっと早く言って下さいよ!! 今僕が知りたいのは、二人の怒りを収める方法です!』
『なのはさんと八神部隊長の機嫌を取るだ? お前、そんなの俺に分かると思ってんのか? その二人は普段から滅多なことじゃ怒らない。そんな二人の機嫌の取り方なんか知るわけないだろうが』
ダメだ。この人全く使えない。
この狭いヘリの中で男は僕とヴァイスさんとエリオの三人だけ、しかもエリオはまだ小さ過ぎて、こんな場合どうすればいいかなんて分からないだろう。
そうなれば必然的に頼れるのはヴァイスさんだけだ。でも、まさかのヴァイスさんは全く、役にたたなかった。
僕より年上のくせに、僕より怒られ慣れていないようで、完全に戦力外だ。
「あのー‥‥‥二人とも?」
「なに」
「なんか用か」
「いえ、すみませんでした。‥‥‥あのそれだけ‥‥‥です。はい」
怖っ! 二人とも絶対零度だよ! 返事した時、?を一切感じなかったよ!
もうこれ無理ゲーじゃないかな?
「‥‥‥アキ君」
「はい!」
はやてにイキナリ呼ばれて、背筋を伸ばして元気良く返事。せっかくはやてから話しかけてくれたんだ。ここは大事にしなきゃ!
僕は気を引き締めて、はやての次の言葉を待つと
「ちょっと静かにしてて」
ヒュ〜〜
冷たい風がヘリの中に吹きこむ。
あー、これやっぱり無理ゲーだ。こんなの攻略方なんてないじゃん。
どうやってる謝る以前に喋るの禁止って、もう詰んでるじゃん。
「‥‥‥ホンマに悪いと思ってるなら言葉やなくて態度で示して」
「そうだよね。明久君、訓練サボろうとするくせに、本番では一人で無茶な事して、結果死にかけてくる。これを言葉だけで謝られても、教導官としては許せないよね」
「私も、部隊長として、今回の無茶は許されへんわ」
「「よって、許して欲しければ」」
「これからはマジメに訓練をすると約束すること」
「そして、今後は独断専行せず、通信が繋がっている場合は、キチンと連絡を取ること」
「‥‥‥はい‥‥‥」
僕はただただ黙って素直に頷く。
僕はヘリを降りてからも大人しくしていたが、内心では、まだ少し不満に思っていた。
「独断専行って、言われても、あの場合は仕方なかったと思うんだけど? だって僕、飛んだまま戦えなかったし、あそこで戦えば、エリオとキャロが危険だったし。一体僕にどうしろと?」
僕はブツブツと独り言を言っていたつもりだったが
「だから、飛んであの場所を離れるとこまでは別に良かったのよ。けど、何で飛ぶ方向が、なのはさんやフェイト隊長、八神部隊長のいる隊舎とは遠く離れた場所なのよ? それって一人で戦います。って言ってるようなもんよ? しかも死にかけて帰ってくるとか、そりゃあ隊長達も怒るわよ」
ティアナが聞いていたようだった。
またもや僕は言い返せず、ただ黙るしかなかった。
‥‥‥もう二度と怒られないようにしよう。
六課の皆とはケンカしても勝てる気しないし、何より皆、怒ると怖い。
この事件の後、僕が訓練をサボろうとする事は一度もなかったのは言うまでもない。
いかがでしたか?
前半は風月の視線からの話で、中盤は元龍の事が少し明らかになり、後半は本気で怒られる明久、という展開でした。
いやー書きたいように書いたら、ちょっと文章が変になってたかもしれませんが、そこはすみません。
ちょっと楽しくて何も考えてませんで、思いつくまま、書きたいように書いてしまいました。
以後気をつけるので、今回はご了承をm(__)m
では今回はこの辺りで
感想、評価お待ちしております!