魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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前回は二話連続投稿しましたが、今回は一話のみです。

前回の最後は元龍同士の会話で終わりましたが、今回は明久が精神世界から帰ってきてからの話になります。

後、新作を書くかどうかのアンケートを活動報告にて行なっているので、時間のある方は一度見てくださるとありがたいです。

それでは本編をどうぞ!!


第十八話

 僕が精神世界から帰ってきて目を開けると、そこではシグナムとヴァイスさんが他の皆の訓練を見ていた。

 僕が精神世界に行った時はヴァイスさんはいなかったんだけど、僕が向こうに行ってからこっちに来たのかな?

 僕は二人に、僕が帰ってきたのを伝えようとした時、シグナムが先に気づいて声をかけてきた。

 

 「ん? 吉井、もう精神世界での用は済んだのか?」

 

 「うん。思ったよりも、ザボルグとテスタロスに会うまでに時間がかかちゃったけど、加護はしっかりともらってきたよ」

 

 二人に会ってからは早かったんだけど、二人に会うまでの入口探しに時間がかかりすぎたが、何とか力を貰う事はできた。

 それに、僕から話しかけたら、これからは直ぐに話せるみたいだし、今回精神世界に行った事での収穫は大きいと思う。

 

 「ん? シグナム姉さん、明久は俺が来るよりも大分前から精神世界に行ってたんですかい?」

 

 「いや、お前が来るほんのちょっと前だ」

 

 「じゃあ明久が精神世界に行ってた時間は一時間もなかったんじゃ?」

 

 「え? 僕多分だけど向こうに三時間は居たと思うんだけど?」

 

 入り口探しに三時間位はかけてたと思う。

 それなのに一時間しか経ってないなんて、どうなっての?

 

 「ドラグーンが言うには、精神世界とこっちとでは、時間の進み方が違うんだそうだ。向こうの方が何倍も早いらしい」

 

 へぇー、そうなのか。知らなかったなー。

 ってドラグーン! そういう事はシグナムだけじゃなくて僕にも教えといてよ!

 

 「へぇー、なら明久はこれからどうすんですかい? 連中の訓練に途中参加ですかい?」

 

 げぇ!? 冗談じゃない!

 こっちでは一時間程しか時間が経ってなくても、僕は実質三時間以上、精神世界に行ってたっていうのに、これから訓練に合流しろなんて拷問じゃないか

 

 「いや、吉井の個別訓練は午後からだ。午前中は何かと疲れてるだろうから休憩だと、高町が言っていた」

 

 ほっ。ありがとう、なのは。僕のことを気遣ってくれて。

 おかげで今日一日はゆっくり過ごせそうだよ。

 午後から訓練があるとは言え、いつもよりは楽だろう。何せ半日しかないんだから。

 僕にとっては休日と言っても良い一日になりそうだ。

 なんて思っていたのだが

 

 「午後からは私との実戦での訓練だ。吉井は実戦で飛べるようになったからな。きっと実戦での訓練が一番効果的だという、なのはとヴィータの共通見解だ」

 

 前言撤回!!

 休日なんてとんでもない!

 地獄の一日だ!

 

 「というわけで吉井、午前中はしっかりと休息を取るように。午後からはビシバシ鍛えてやるぞ」

 

 「ははは。‥‥‥お手柔らかに‥‥‥」

 

 僕、今日という一日を無事に乗り越えられるかな?

 僕は今から不安な気持ちでいっぱいになりながら食堂に向かい、少し早めの食事をとって仮眠を取ることにした。

 全ては今日一日を生き延びるために‥‥‥

 

 

 

 

 午後になり、僕はシグナムと二人で室内訓練所に来ていた。

 他の皆も午前中の訓練だけでヘロヘロになっていたけど、午後も引き続き個別訓練をするそうで、それぞれ自分の訓練を行っている。

 

 「さて、では始めるとしよう。まずはお前が前回と比べて、どれほど強くなってるか試させてもらう」

 

 「えーっと、多分そんなに変わってないと思うから、最初は物凄く手加減してくれると嬉しいんだけど‥‥‥」

 

 じゃないと僕は、今日という一日を一生忘れらない思い出として残ってしまう気がするから。勿論トラウマとして

 

 「高町の訓練を受けていて成長してないなんて事があるわけないだろう。お前に自覚がなくとも、お前はしっかりと成長してるから気にするな」

 

 それは無理な相談だ。誰だって自分の命がかかってるのに、それを気にしないなんてできるわけない。

 というか、この感じは、シグナムちょっと本気になってない?

 

 「お前とこうして、再び剣を交える事ができるとは嬉しい限りだ。高町には感謝しないとな」

 

 やっぱり! この人訓練の事なんて気にせず、戦える事にワクワクしてるよ!

 

 「ちょっ!? ちょっと待って! シグナム一度落ち着くんだ! これは訓練なんだからもう少し」

 

 「大丈夫だ。ちゃんと分かっている」

 

 ほっ。良かった。いくらシグナムが戦闘マニアでも、僕の言いたい事は分かってたようだ。

 

 「本気でやらねば訓練にはならんからな。今回は本気で行くぞ吉井!」

 

 「そうそう。僕とシグナムとじゃ力が違いすぎるんだから、ちゃんと手加減をしてくれないと、って本気でくる!?」

 

 全然分かってないじゃないか!! むしろ僕の言いたい事と真逆だよ!!

 僕は一瞬自分の耳を疑ったほどだ。

 

 「では、行くぞ!」

 

 そう言ってシグナムは地面を蹴って僕に向かって突っ込んでくる。

 

 「少しは話を聞いて―――!!」

 

 僕は叫びながら空中へと飛んでシグナムと距離をとる。

 

 「あれ?」

 

 僕は飛びながら、ふと違和感を感じていた。

 シグナムの動きが、この前よりハッキリと見える?

 前回の模擬戦でシグナムと戦った時は、ギリギリで認識できる感じだったのに、今はかなりハッキリと見えていた。

 しかも、避けるので精一杯だと思って空を飛んだのに、実際に避けてみると、かなり余裕のある避け方をしていたような気がする。

 

 「吉井、少し逃げるのが早いんじゃないか? もう少し相手の動きを見てから動かなければ、お前より早い相手の場合、逆に回り込まれてしまうぞ?」

 

 どうやら気のせいではなく、本当に余裕があったみたいだ。

 これはもしかして、僕は本当に強くなってるのか?

 確かに少しは強くなってると思ってはいたが、まさかシグナムの動きが見切れる程強くなっているとは思いもしなかった。

 

 「吉井、どうやらお前は私の予想を超えていたようだ。今回は魔法もフル活用して、私も実戦のつもりでやらせてもらう事にする。それにあったって、お前に一言言っておく事にする。‥‥‥死にたくなければ気を緩めるな」

 

 そう言ってシグナムが僕の視界から消える。

 

 「え?」

 

 僕はシグナムを見失った事により一瞬固まってしまう。

 

 『マスター! 上です!!』

 

 ドラグーンの声で我に返った僕は、反射的に両手の剣を頭の上でクロスしていた。

 その瞬間に

 

 ガキィィン!!

 

 という音と共に両手が痺れそうになるほどの衝撃を受ける。

 シグナムは今の一瞬で僕よりも高く飛び、僕の死角から剣をふるってきたのだ。

 何とか僕は剣を盾にして、それを防ぐ事ができたけど、これはちょっとマズイ!

 僕は剣を弾き、今の僕にできる全力の速度でシグナムから離れる。

 

 「はぁ、はぁ、はぁ。シグナムって本気を出したらこんなに速かったの?」

 

 僕は息を整えながらシグナムに話しかける。

 

 「前回も本気で戦っていたが、今回はお前が扇と同等の力を得ていた場合、私が能力限定をしていては、お前の相手にもならない可能性があったから、一時的に能力の限定を解除してもらっている分、前回よりも速く感じたのだろう。まぁ、許可はこの部屋でのみだが‥‥‥。それよりも吉井、気を抜くなと言っただろう。今のはお前が気を抜いたから私を見失うような事になるんだぞ?」

 

 この部屋限定での、能力の限定解除なんてできるんだ‥‥‥

 以前なのはから、隊長達は全員能力限定をしてるって聞いてたけど、まさか限定解除したらここまで強くなるなんて思ってもいなかった。

 とはいえ今はそんな事を言ってる場合じゃないな。

 とにかく、今は早く息を整えなきゃ。

 僕は息を整える時間を作るために、シグナムと会話して時間稼ぎをすることにする。

 

 「気を抜いたつもりはなかったんだけど?」

 

 「一瞬、私の動きを見切れて喜び、油断したろ? それが気を抜いたということだ。戦場では一瞬たりとも気を抜くな。確実に勝った後でもだ」

 

 「勝った後も? なんで? 勝負に勝ったら一息くらいついてもいいんじゃないの?」

 

 ずっと気を張ってたら、それこそ気が滅入って、途中で集中力がきれるんじゃないだろうか?

 

 「人は自分が勝ったと思った時に一番油断する。そこで不意をつかれたら、それだけで命を落とす事になりかねん」

 

 「‥‥‥それは確かに一瞬たりとも気を抜けないね」

 

 どうやら、僕の認識は甘いようだ。

 やっぱりその辺りは実戦経験が大事なんだろう。

 

 「と、まぁそういうわけで、そろそろ息は整ったか?」

 

 シグナムは僕が時間稼ぎをしているのに気づきながら、僕の息が整うの待ってくれていたようだ。

 はは。僕の考えることなんてお見通しってわけか‥‥‥。

 まぁ、それでも作戦通り息を整えるのには成功した。

 後は、この後どうするかだ。

 僕は未だ、次の方針をどうするか考えいたんだけど、今度はシグナムも待つつもりはないようで、直ぐに動き出してきた。

 

 「次は油断せずに対処しろ。次の攻撃も本気で打ち込むからな」

 

 「言われなくったって、もう気を抜いたりなんてしないよ! というか、抜く余裕なんてないよ!」

 

 「それならば良い。では、参る!!」

 

 シグナムは再び僕に攻撃を入れるために、最速の速さで僕に近づいてくる。

 僕はシグナムの動きに集中して、今度こそ見失わないように全力を尽くす。

 まずは、シグナムの事を見失わないように集中するんだ!

 対処法なんてものは、相手の動きが見えない内は考えたってしょうがない!

 

 「‥‥‥見えた!」

 

 僕はシグナムの動きを捉えて防御の後カウンターを入れようと考えていたのだが

 

 「なっ!?」

 

 シグナムの動きを捉える事ができても、体は対応できず、シグナムの攻撃を防ぐので精一杯になり、カウンターを入れるどころではなかった。

 

 「ちょっ! 速過ぎでしょ!?」

 僕はいつまで経っても反撃できないまま、ひたすら防御し続けていた。

 

 当然、全てを防ぐ事は出来ないから、僕の体には少しずつ傷がついていく。

 

 『マスター、このままではジリ貧です。何とか反撃して下さい!』

 

 「それができれば苦労はしないよ!!」

 

 僕はドラグーンに叫びながらも、ずっと防御に徹する。

 確かにドラグーンの言うとおり、このままではマズイ。そんな事は僕でも分かる。だけど、反撃しようにも僕にそんな余裕はない。

 

 「せめて、身体能力がもう少し高ければ、どうにかなったかもしれなのに!」

 

 シグナムの動きを捉える事は一応できてるんだ。後は反撃できるだけの身体能力があれば‥‥‥

 

 『マスター! 何をトンチンカンな事を!! マスターには既に元龍の加護が与えられています! 今のマスターならドラゴンドライブなら意図的に使えるはずです!』

 

 「あっ!! 忘れてた! えっと、どうやったらドラゴンドライブを発動できるの!?」

 

 『知らないんですか!?』

 

 「使ったことないんだから知るわけないでしょ!?」

 

 『じゃあ何で力の使い方を聞いてないんですか!?』

 

 「うぐっ! それは、その‥‥‥」

 

 純粋に忘れてたなんて、とてもじゃないけど言えない。

 

 『どうせただ忘れてただけというのは、想像がつきますが、少しはしっかりして下さい!』

 

 「何で分かったの!? ていうか、最近ドラグーン、僕に対して言い過ぎじゃない?」

 

 『それは失礼しました。ですが、そんな事よりもこの状況を早く打開して下さい。今から元龍達の意識と接続します。その間、マスターのサポートはできないので、何とか自力で避けて下さい』

 

 「正直かなり厳しいけど分かった!」

 

 幾らシグナムの動きが見えると言っても、完全には見えているわけでなく、ドラグーンのサポート有りで避けていたに過ぎない。

 

 ここでドラグーン抜きで、しかもザボルグ達と話しながらって言うのは、正直に言うと厳しいなんてものじゃない。とはいえ、このまま何もしないわけにはいかない。

 僕は少しのダメージは覚悟して、ドラグーンのサポートなしで応戦する。

 ドラグーンのサポートがなくなって一分ほど経ち、ようやくザボルグと話しが出来るようになる。

 

 『‥‥‥小僧、まさか一日も経たない内に、また話す事になるとは思わなかったぞ?』

 

 「安心して! 僕も同んなじ気持ちだから!」

 

 僕だって、午前中に別れた相手に、こんなすぐに用事ができるとは思っても見なかったよ。

 

 「それで、ザボルグ。どうやったらドラゴンドライブが使えるの!? 見ての通り僕は今物凄いピンチだから早く教えて欲しいんだけど!」

 

 こうして会話している間も、シグナムは攻撃の手を緩めたりせずに、僕に襲いかかっている。

 

 『‥‥‥小僧、やはりお前‥‥‥弱すぎるな‥‥‥』

 

 「うるさいな!! 分かってるよ! そんな事! だから早くドラゴンドライブの使い方教えてって言ってるんだよ!」

 

 僕が弱いと思うなら早くドラゴンドライブの使い方教えてよ! このままじゃ僕がボコボコにやられるのは目に見えてる。

 この状況を打破するにはドラゴンドライブを使って身体能力を上げる必要がある。

 

 『‥‥‥はぁー。頭が悪くて、力も弱い宿主を持つと苦労する‥‥‥。いいか? 始めて使うくせに上手くやろうなんて考えるなよ? 全身に魔力を走らせて、それを一気に外に放出する感じだ。加護を受け取ったお前なら、それでできるはずだ』

 

 「そんな簡単に!?」

 

 『そうだ。それと小僧、使用する時は気をつけろよ? 何せ二体もの元龍が協力してのドラゴンドライブだ。しかも我は雷の龍だ。貴様の予想なんぞ遥かに上回ると思っていろ』

 

 そう言って、ザボルグは引っ込んで行き、会話は強制終了された。

 もう少し詳しく聞きたかったんだけど仕方がない。

 

 (ドラグーン、何とかして少しの間だけでも僕が魔力を練る時間作れないかな?)

 

 僕はここにきて始めて、心の中でドラグーンに声をかけて見た。

 今までは、気にもしなかったんだけど、今回ばかりは作戦を知られるわけにはいかないので、挑戦して見たのだ。

 

 『(‥‥‥一か八かで良ければ、一つだけ。但し、成功するかどうかは五分五分です)』

 

 僕の試みは成功したようで、見事に心での会話に成功する。そして、僕はドラグーンの作戦を聞き

 

 (分かった。やってみるよ)

 

 それを実行する事にする。

 正直成功率は五分もないと思うけど、一瞬でも隙を作らないと、ドラゴンドライブは使えない。

 僕は覚悟を決めてシグナムを睨めつける。

 

 「どうした? 吉井? さっきから防戦一方だな。おまけにドラグーンとブツブツ話していたかと思えば、今度は黙り込んで。何か作でも閃いたか?」

 

 「まぁね。僕にも色々あるんだよ。それから、ここから逆転するからね!!」

 

 そう言って僕はシグナムが剣を引くタイミングで僕達二人の頭上に雷を落とす。

 シグナムは剣と鞘の両方を使って僕に攻撃してきていた。

 実力ではシグナムの方が何倍も上だから、僕が全ての攻撃を捌いて、魔力を練る隙を作るのはほとんど不可能だ。

 では、どうやって魔力を練るための時間を作るか?

 その質問に対してドラグーンが出した答えは簡単だ。

 一瞬でもシグナムに目くらましをさせて、僕の事を見失わせて、その間に僕が自らシグナムから離れて魔力を練れば良い。

 そのため、僕はシグナムにも直撃するように僕の真上に雷を落として目くらましさせる必要があった。

 だが、ここで更に問題がでてくる。

 先ほども言った通り、シグナムは剣と鞘の両方で攻撃してきいる。そして、僕にはシグナムにカウンターを入れる余裕はない。

 そんな僕が攻撃を受けながら魔法を使うとどうなるか?

 当然、僕はシグナムの剣が引いていった瞬間に魔法を発動したという事は、もう一方の手にある鞘での攻撃をまともに受ける事になる。

 

 「ガハッ!!」

 

 僕は真面に攻撃を受けた事により、自然とシグナムとの距離を取ることになる。

 僕は飛ばされながら、シグナムがしっかりと雷に当たった事を確認して、空中で無理やり態勢を整えて両手から炎を噴射しながら、更にシグナムとの距離をあけようと加速しながら飛んで行く。

 これでシグナムは一瞬だけ、けれど確実に僕の事を見失っただろう。

 僕はシグナムと、ある程度の距離を取った後、地面へ足をつける。

 

 「はぁ、はぁ、はぁ。これだけ距離があれば大丈夫‥‥はぁ、はぁ」

 

 あれだけの事を一変にやったら、体力をごっそりと奪われてしまい、僕の息は上がっていた。

 

 『マスター、お疲れの所申し訳ありませんが、シグナムさんなら直ぐに追いついてきます。急いで下さい』

 

 全く、人使いの荒いデバイスだな。

 こっちはシグナムの攻撃を受け続け、真面にシグナムの攻撃を受けて、それに加えて魔法を連発して、疲れが極限に達しそうだっていうのに‥‥‥‥。しょうがない最後のひと踏ん張りといきますか!

 

 「はああぁぁぁぁああ!!」

 

 僕はザボルグに言われた通り、魔力を体の隅々まで走らせて、それを一気に放出する。

 その瞬間、さっきまで僕が感じていた疲れは何処かに吹っ飛んでしまった。

 

 『どうやら、上手くいったようですねマスター』

 

 ドラグーンの言うとおり、僕はドラゴンドライブに成功したようで、僕の体には電気が走り、ちらほらと炎を纏っていた。

 

 「みたいだね。なんか今ならシグナムにも勝てるような気がするよ」

 

 と、僕がドラグーンに話していると

 

 「ほう。言うじゃないか吉井。それが新たに得た力か?」

 

 「シグナム‥‥‥。悪いけど、今は本当に負ける気がしないよ。なんか力が溢れてくるんだ」

 

 僕がそう言うとシグナムは地面に降りてきて、剣を構えてくる。

 

 「では、それが事実かどうか試すとしよう」

 

 「望むところだよ」

 

 「ふ、お前が自分からそんな事を言うのは始めてだな」

 

 そりゃそうでしょ。普段は勝てる気なんてまるでしないから、できれば戦いたくなんてないんだもん。

 けど

 

 「今回はちょっと自信あるからね」

 

 そう言って僕も戦闘態勢に入る。

 僕等はお互いに無言で剣を構えて、動き始めるタイミングを見計らう。

 僕は汗をかいていたが、それを拭う事もできずにシグナムを睨目続ける。

 どれくらいこうしていただろうか?

 ふと、唐突に僕の汗が流れて、地面に落ちた時だった。

 

 「はっ!」

 

 「ふっ!」

 

 僕とシグナムは同時に動きだし、相手に向かって突っ込んで行く。

 僕にはシグナムの動きがハッキリと見えているし、体も普段より軽くなって、早く動けると判断して、シグナムの後ろを取ることにする。

 僕の狙いは見事に決まり、僕はシグナムの振るってくる剣を避けシグナムの背後へと回り込む。  勝った!!

 この時、僕は始めて勝利を確信した。

 今まで、模擬戦だろうと、実戦だろうと負け続けてきたけど、遂に僕は勝てると確信した。

 

 「もらったー!! シグナム! かくぼぉへわっ!!」

 

 ‥‥‥僕はシグナムの背後を取ったのは取ったんだけど、勢いをつけすぎて止まる事ができず壁へと盛大に突っ込んでしまった。

 その瞬間、僕のドラゴンドライブの効果が切れたのか、僕は一気に疲労に襲われる事となる。

 

 『‥‥‥マスター、もしかして狙ってます?』

 

 というドラグーンの声に返答せず、僕はただ黙って壁に激突した痛みと今までの疲労のせいで、地面に転がっていた。

 シグナムは僕の行動に呆れてしまい、言葉を失っていた。

 

 

 

 




ドラゴンドライブを使えるようになり、シグナムが限定解除している状態でも、真面に戦える身体能力を手に入れた明久でしたが、最後は自らの不注意で、又もや敗北。
折角勝てそうだったのにもったいない。

まぁ、シグナムと真面に戦える身体能力を手に入れたからって絶対に勝てるってわけじゃないんだけどな!
明「なんでさ!? いい加減僕にも勝利の感動を与えてよ!」
お前は力を手に入れたからといって、何百年も前から戦ってきたシグナムに勝てると思っているのか!!
まぁ、魔法教えてもらってから数ヶ月も経ってないにしては異常なくらい強いけどな。
明「え? そ、そう? いやー僕って天才なのかな?」
おう! お前は天才だ! だからこれからも頑張れよ!
明「えへへ。ありがとう」
‥‥‥本当にチョロイ奴だな。
明「作者なんて嫌いだ!」

というわけで明久に嫌われた作者のセイイチです。
つまらんボケが長くてすみません。
一度こういうのやって見たかったんです。
やった事に後悔はしていません!

今回はドラゴンドライブを明久が使えるようになった話でした。
次次回くらいに、ようやく訓練が終わり、ホテル・アグスタの話しに入れそうです。
これはあくまで予定なので、変更する場合がございますが、もしそうなった場合は目を瞑って頂けると幸いです。
温泉の話は、作者内容をよく覚えていないのでパスします。
本作品では、サウンドトラックの話は全部カットするものと思ってお読み下さい。
もし、期待されていた方には申し訳ありませんm(_ _)m

それでは今回はこの辺で
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