魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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第十九話

 僕は今、医務室にてシャマルの治療を受けていた。

 

 「もう〜、どうやったら訓練でこんな大怪我するの? シグナムが付いていながら何やってるのよ?」

 

 シャマルの言う通り、僕は割と真面目に大怪我していた。

 僕が大怪我した理由は単純明快。

 自分から思いっきり壁へと突っ込んで行き、そのまま壁と衝突したからだ。

 

 「それは、その‥‥‥何というか、吉井が私の想像を遥かに超えてバカだったとしか言いようが‥‥‥」

 

 「明久君がバカなのは今や、六課のメンバーなら誰でも知ってる事でしょ? 今更何言ってるのよ?」

 

 酷い言われようだ。

 いくらなんでも、六課の皆が僕の事を、バカだと認識しているなんて、聞いただけで涙が出そうになる。

 

 「‥‥‥すまん、シャマル。私がまだ甘かったようだ」

 

 僕の事で遂にシグナムが謝ってしまった。

 止めて! そこでシグナムが謝ると、僕が本当にバカだと皆が思ってる事になっちゃうから!

 

 「まぁ、明久君がちゃんと気をつけてれば何も問題はなかったんだけどね?」

 

 「うっ。‥‥‥それは、その‥‥‥大変申し訳ありませんでした‥‥‥」

 

 『マスター、ザボルグからも気をつけろと言われていたんですから、もう少し注意して下さい。流石に今回は擁護のしようがありませんよ?』

 

 ドラグーンが僕を擁護してくれたことなんてあったけ?

 

 「それで、その‥‥‥シャマル、吉井のケガの具合はどうなんだ?」

 

 僕がドラグーンの言った事に対して、過去の記憶を辿っていると、シグナムがシャマルに僕のケガの具合を聞き始める。

 

 「うーん、骨に異常は見当たらないけど、全身打撲してるし、特に酷いところなんか色が紫に変わってて、何で骨が無事なのか不思議なくらいのケガだけど、全治三日〜五日位かしら?」

 こんなに全身ボロボロなのに三日程で治るなんて‥‥‥

 見た目ほどケガは酷くないって事なのかな? いや、でも実際体はあちこち痛いんだけどなぁ‥‥‥

 

 「普通なら一週間以上はかかると思うけど、明久君の回復速度は異常なくらい早いから、それくらいの期間で治ると思うわ」

 

 「ふむ。それも元龍の力が関係しているのか?」

 

 「それは分からないけど‥‥‥少なくとも私は、明久君より回復速度が早い子は未だかつて見た事ないわ」

 

 ‥‥‥ケガの治りが早いのも元龍の影響って‥‥‥もしかして、体が頑丈なのも元龍のおかげだったりするのかな?

 

 「まぁ、元龍の影響だろうと何だろうと、ケガが早く治るのはいい事だ。早く治して早く戻ってこい。今日の訓練での決着は、お前が元気になってから改めてつけるとしよう」

 

 「ありがとう。‥‥‥けどいいの? 決着をつけるって事は、本気でやるって事でしょ? それなら僕はドラゴンドライブを使ってもいいって事になるんだよ?」

 

 まだ、素の状態じゃシグナムに勝つことはできないけど、ドラゴンドライブを使えれば、シグナムに勝つことも、そう難しい事じゃない。

 

 「無論だ。本気でやらねば訓練の意味がない。それに吉井、お前はドラゴンドライブを使えば私に勝てると思っているようだが、私はそう簡単に負けはしないぞ?」

 

 「別に簡単に勝てると思ってるわけじゃないよ。けど、ドラゴンドライブならシグナムに絶対に勝てないって事もないでしょ?」

 

 「ふ、言うようになったじゃないか。まぁ、お前の言う通りかどうかは、お前のケガが治ってから試すとしよう」

 

 そう言ってシグナムは部屋から出て行った。

 多分自主練でもしに行ったんだろう。

 

 「さてっと、じゃあ僕も部屋に戻ってようかな?」

 

 僕はそれなりのケガをしているとは言え、別に一日中ベッドにいないといけない訳ではない。だから、自由に出歩いても何ら問題ないので椅子から立ち上がって、部屋に戻る事にする。

 

 「部屋に戻るなら、氷もちゃんと持って行ってね? 全身打撲だから、全部の痛いところを冷やすのは無理だと思うけど、特に痛い所はしっかりと冷やすようにしてね?」

 

 とシャマルに注意を受けてから、部屋へと戻る事にした。

 

 

 

 僕が部屋に戻るとそこには

 

 「おお、アキ君待っとたで。何や全治三日〜五日のケガしたらしいな」

 

 「お見舞いにきてあげたですよー」

 

 はやてとリィンが部屋の前で僕の事を待っていた。

 

 「アキ君はいつも訓練ばっかで、事務仕事はいつもしてないし、ケガしたアキ君が暇を持て余さんように、私自らお見舞いに来たったで〜」

 

 「明久さんが暇にならないようにお土産も持ってきたですよー」

 

 そう言ってリィンははやての持っている袋を指さす。

 結構な大きさの袋だけど、何が入ってるんだろうか?

 凄い気になる。

 リィンが僕が暇にならないようにって言ったから、恐らく遊び道具だと思うけど‥‥‥まぁ、袋の中身は多いに気になるけど、まずは二人をそのままにしておくわけにはいかない。

 

 「そっか。ありがとう、二人とも。立ち話もなんだし上がってよ」

 

 そう言って僕は部屋の中へと二人を招き入れる。

 

 「「お邪魔しまーす」」

 

 「何もない部屋だけど、ゆっくりしてってよ」

 

 僕はそう言って、座布団をしき二人に適当に座ってもらう。

 

 「それで、さっきから気になってたんだけど、二人は何を持ってきてくれたの? あっ、オレンジジュースでいい?」

 

 「ありがとう。私は何でもいいよ?」

 

 「リィンも何でもいいですよー!」

 

 僕は二人にオレンジジュースを出して、二人と一緒に座る。

 

 「さて、じゃあジュースも出してもろうたし、アキ君も気になってるみたいやから、この袋の中身のお披露目といこうか?」

 

 「はいです!」

 

 そう言ってはやては袋の中の物を取り出して

 

 「ジャーン!! 三日前に発売された、最大四人プレイのできるテレビゲームや!!」

 

 「聞いて驚くです! 何とこのゲーム、限定10000台しか発売されてない超プレミアの最新ゲーム機なんです!」

 

 二人はどうだと言わんばかりに自慢げにゲーム機を見せてくる。

 

 「‥‥‥え? このゲームって三日前に発売されたの?」

 

 「そうやで? アキ君、前ゲームが好きって言ってたやろ? んで、一回対戦しようって言ってたのに、まだ一回も対戦してなかったから、これはいい機会やと思って最新のゲーム機を持ってきたんよ」

 

 「どうです? 驚いて声もでないですか?」

 

 「うん。驚いたよ。二人が思ってるのとは違う意味で‥‥‥」

 

 二人が持ってきたゲームは、僕のいた世界では何年か前に発売されたWiiだった。

 魔法が存在して、デバイスなんてものがある世界なのに、ゲーム機の発展の遅さに驚きだ。

 

 「驚いてくれたようで何よりです。それじゃ、早速ゲームを始めるですよー」

そう言ってリィンが取り出したのはマリオカート、大乱、Wiiスポーツ、太鼓等、僕が今まで散々やってきたゲームばかりだった。

 

 「‥‥‥何から始めるの?」

 

 正直、今更感が半端じゃないけど、折角持ってきてくれたんだから、とりあえず一通りやってみる事にする。

 

 「そら、やっぱりWiiの醍醐味は体を動かすゲームやからな、まずはWiiスポーツからや!」

 

 「はやてちゃん、大人気ないです。これってはやてちゃんが一昨日と昨日ずっとやってたゲームで、はやてちゃんの得意ゲームの一つですよ? 初心者の明久相手にイキナリ本気でやるですか?」

 

 ‥‥‥たった二日やり込んだゲームで、何年もやり込んでる僕と戦う気なの?

 少しは手加減した方がいいのかな‥‥‥?

 なんて僕が考えていると

 

 「ふっ。リィン、いい事を教えといたる。ライオンはウサギを狩るのにも全力を尽くすもんなんや!」

 

 「はやてちゃん、それ言葉を変えると、ただの弱いものイジメですよ?」

 

 「さぁーリィン。早く準備するで! 早く手伝ってや!」

 

 そう言ってはやてはテキパキと線を接続して、早々に準備を完了させて、電源を入れてゲームを起動させる。

 

 「まずはテニスで勝負やアキ君!」

 

 ‥‥‥手加減はするものじゃないって、はやてが言ったんだし、今回は手加減なしでやるとしよう‥‥‥

 こうして、はやてとリィンにとっての悪夢が始まった。

 

 

 

 数分後。

 

 「な、なんでや?」

 

 「一回たりとも明久に勝てないです‥‥‥」

 

 テニスでは1ポイントも取らせず全勝し、野球では一点も与えずにパーフェクト数回、ボーリングではオール三百点、ゴルフではボギーなしのホールインワン数回、ボクシングも全試合K.O勝ち。

 僕は文字通り二人を圧勝して、無敗記録を更新していた。

 

 「あかん! このまま負けっぱなしで終わるわけにはいかん! リィン、次のゲームや! このゲームはアキ君が強すぎる、一時戦略的撤退や!」

 

 「はいです! 次は大乱にするです! これなら従来のゲーム同様、指を使ってするゲームですから、私達も慣れているです!」

 

 「よし! ほんなら大乱やるで!」

 

 大乱か‥‥‥懐かしいな。

 当然、僕は大乱も嫌という程やり込んでいるから、負ける気は全然しない。

 

 「覚悟しいやアキ君。大乱は昔のゲーム機でもあったから、私もリィンも十分やり込んでるんや。さっきみたいに簡単に勝てると思わんことや!」

 

 「明久さん、覚悟するです! 私とはやてちゃんを本気にさせた事を後悔するです!」

 

 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

 僕は大乱でも二人に圧勝していた。

 何回か戦ったけど、トータルで僕は二回しか死んでいない。

 最初の一回目で感覚を取り戻すのに時間がかかり、二人にそれぞれ一回ずつ殺されてしまっただけだった。

 二人がチームを組んで1対2でやっても、最初の一回しか僕を殺す事はできなかった。

 

 「‥‥‥‥‥‥‥‥リィン次のゲームや‥‥‥」

 

 「‥‥‥‥‥‥‥‥はいです‥‥‥」

 

 「えっと、手加減とかした方がいいかな‥‥‥?」

 

 あまりにも必死で勝とうとする二人を見てると、可哀想になってきて、思わず手加減してしまいそうになるのだが

 

 「断固拒否や!!」

 

 「ちょっとでも手を抜いたりしたら、これから明久とは口を聞かないですよ!?」

 

 二人に拒否されて、僕は手加減をせず全勝してしまった。

 

 「次や! 次のゲームは絶対に勝ってみせる! 今までのは練習や! 本番はこれからやで!」

 

 「そうです! 私達はエンジンがかかるのが遅いだけなんです! これからが本番です!」

 

 そう言って次のゲームに手を出すリィン。

 

 「ゲーマーとして、一勝もせずに終わるわけにはいかん。次こそ、次こそは勝ってみせる」

 

 小声でブツブツと呟くはやて。

 

 「‥‥‥ゲーム機を変えない事には二人に勝機はないと思うんだけど?」

 

 「「うるさい! このゲーム機で勝つんや(です)!!」」

 

 二人に話を聞いてもらえない僕。

 僕達三人は、グリフィス君がはやてを呼びに来るまで、永遠とゲームをし続けていた。

 因みにだが、僕は二人に一度も負けることなくゲームを終了した。

 まぁ、やり込んだ時間が違うから、勝って当然だったんだけど。

 

 「あー、やっぱりゲームをやり過ぎると目が痛いや」

 

 僕はゲームのし過ぎで痛くなった目を休ませるために、目を瞑ってその場で寝転がる。

 

 「‥‥‥そういえば、こっちの世界に来てから、ゆっくりする時間が取れなかったから、こうして遊んだの随分と久しぶりに感じるな‥‥‥」

 

 僕は昔のこと、昔と言っても雄二達と遊んでた時の事を思い出していた。

 今思えば、雄二と二人で鉄人から逃げ回ったりしたのもいい思い出だ。

 

 「‥‥‥皆今頃どうしてるのかな?」

 

 僕はそう呟いたのを最後に意識が遠くなっていった。

 

 

 

 




いかがでしたか?

今回は、はやてとリィンがお見舞いに来て、ゲームをする話でした!
wiiは作者が持ってるゲームで一番最初に目についたから出しました。特に意図はありません。

さて、前回のあとがきにて、サウンドトラックはカットすると言ってましたが、温泉だけでもできないか? という意見をもらったので、温泉だけでも挑戦する事にしました。

それに当たって予定を少し変更して、次回はホテル・アグスタではなく、温泉に行く前の話をしようと思います。

予告としては、はやてがお見舞いに行ったので、折角なので、なのはやフェイトにもお見舞いに行ってもらうかと思ってます。

それでは今回はこの辺りで
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