魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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今回でサウンドステージは終わりです。

そのため、一気に終わらせようと書いた結果、文字数が1万を超えました。

自分にしては1万字を超える量を書いたのは初めてなので、結構本気で疲れました。
しかも、内容はそこまで重要じゃないし‥‥‥むしろ閑話っぽいし‥‥‥‥

なので、読まなくても大して本編に影響もありませんし、1万字超えて長いので読まなくても‥‥‥‥‥嘘です。
できれば読んでください。
ホント、1万字書くのしんどかったんで‥‥‥‥

というわけで、本編へどうぞ!!





第三十一話

 僕は今、ロビーにて横になっていた。

 僕はエリオのおかげで、サウナから脱出できて、長時間サウナにいたせいで、へばってしまい。ロビーに出るなり倒れ込むように横になったのだ。

 鉄人は僕達と同じタイミングでお風呂から上がり、僕が横になってる間にエリオに事情説明をして再度謝ってから帰って行った。

 

 

明久達が出て直ぐに、なのは達も風呂から上がってきて、明久の姿を見て少し驚いていたようだが、皆がエリオから事情を聞くと、アリサと美由紀がなのはの、すずかとエイミィがフェイトの、それぞれ明久の方へと向かって2人の背中を押していた。

 

 「ほら、なのは、フェイト。”大事な人”が倒れてるんだから、しっかり看病してあげなさいよ」

 

 「そうそう。しっかり”大事な人”を看病してあげなって」

 

 「「ちょ!? ”大事な人”って何言ってるの!?」」

 

 「え~? 明久君はなのはちゃんとフェイトちゃんの”大事な”部下でしょ~?」

 

 「そうそう。上司として、部下のお世話はちゃんとしないとだよ?」

 

 「「ぁう‥‥‥‥」」

 

 ん? なんか騒がしいな‥‥‥

 確か、僕は鉄人にサウナで拷問された後、横になってたはずだけど‥‥‥。ああ。そっか寝ちゃったのか。

 僕はどうやらお風呂から上がって、横になっていたら寝てしまったようだ。

 僕はその事を徐々に理解できるようになり、意識が戻ってきたのが、自分でも分かった。

 そして同時に頭がなにやら柔らかい物の上にある事にも気がつく。

 なんだろう、この感触‥‥‥? 凄い気持ちいんだけど‥‥‥‥

 僕がこの気持ちのいい物の正体を知るために、重たくなっていた瞼を開けると

 

 「フェイト!? それになのはも!? なにしてるの!?」

 

 一番最初に目に入ったのはフェイトの顔だった。続いて、視線を少しずらすと、なのはの顔も目に入る。

 なんだこの状況!? どうして僕が目を覚ますといきなり二人の顔が、こんな近くにあるんだ!?

 

 「あ、起きた? 明久君?」

 

 「え、エリオから話は聞いたよ? そ、そのた、大変だったみたいだね?」

 

 二人は僕を団扇で扇ぎながら、僕に話しかけてくるのだが

 

 「え、あ、いや、その。はい」

 

 僕は会話どころではなく、内心(もしかしたら表面上でも)慌てふためいていた。

 ‥‥‥‥だってしょうがないじゃん!? 目が覚めたらイキナリ美少女が二人って、なんだよこの状況!? 僕がこんな事されたのは、実の姉に貞操を奪われそうになった時の姉さんにだけだよ!! そんな僕にこの状況でどうしろと!?

 と、ここで僕は重要な事を思い出す。

 

 「あれ? ちょっと待って。二人が僕を見下ろす形で見えるって事は、僕の体は今横になってるわけだから、僕の頭の下に感じるこの感触は‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ぶっ!!」

 

 「「明久(君!?)」」

 

 僕は自分の置かれている状況を理解すると同時に大量の鼻血を吹きだし、周りに血の海を作り出した。

 僕が置かれている状況。それは、お風呂上りで、シャンプーの匂いがするなのはとフェイトに団扇で扇がれ、看病されている事に加えて、シャンプーのいい匂いがするフェイトに膝枕されていた。

 こんな夢みたいな状況を僕が理解して、平静を保ってられるはずがなく、

 

 「死して尚、一遍の悔いなし」

 

 「持って!! ちゃんと悔いを持って!」

 

 「こんなので悔いないとかダメだよ明久!」

 

 ‥‥‥二人とも、そうは言っても僕はもうダメだ。最後に幸せな気持ちになれて僕は‥‥‥最高の気分だよ。

 

 「「明久(君)―――――!!」」

 

 これを最後に僕の意識は完全に途切れたのだった。

 

 

 

 「‥‥‥‥これ、なんの茶番だ?」

 

 「というか、この血で汚した所、誰が掃除するのかしら‥‥‥?」

 

 「‥‥‥‥まぁ、あれだ」

 

 「なのはさんやフェイトさんは明久さんの鼻血が付いちゃってますから、もう一度お風呂、掃除は無理そうですね‥‥‥シャマルも明久さんの治療を‥‥‥一応しなきゃですしね‥‥‥」

 

 ヴィータ、シャマル、シグナム、リインの4人は、明久の出した血の処理を誰がするのか心配していた。

 鼻血をだしただけなら、大した治療はいらないが、今回の明久の場合は、鼻血をだして気絶までしてしまったのだから、治療をしないわけにもいかない。よってシャマルも掃除はできそうになかった。

 

 「はぁー。つー事はアタシ達が掃除か‥‥‥」

 

 「まぁ、身内の処理くらいはせんとな」

 

 「フォワードの皆も呼んで、手伝ってもらう事にするです‥‥‥」

 

 こうして、明久が意識を失っている間に、六課のメンバ-に多大な迷惑をかけることとなった。

 

 

     ☆

 

 

 僕が目を覚ますと、そこは銭湯に行く前にいたコテージだった。

 

 「あれ? ‥‥‥どうして僕はここにいるんだ? それに皆はどこだ?」

 

 僕が周りを見渡すと、誰も近くにはおらず、僕は一人だった。

 

 「とりあえず、皆を探してみるか‥‥‥‥」

 

 僕は、とりあえず皆を探してみる事にして部屋を出ると直ぐに、複数の笑い声が聞こえてくる。

 なんだ。皆で集まってたのか‥‥‥

 僕は皆の声のする方に向かい、声のした扉を開けると

 

 「あ、明久君。目は覚めた?」

 

 「さっきはビックリしたよ~。いきなり鼻血だして倒れちゃうんだもん」

 

 アリサさんとすずかさんが真っ先に僕に気づき声をかけてくれる。

 

 「あ、それはその、迷惑かけちゃてすみません‥‥‥」

 

 ここは文月学園じゃないんだから、あれはまずかった。

 ”向こう”でなら、何をやっても大概の事は問題ないんだけど、”こっち”では鼻血を出して倒れるなんて本当迷惑かけちゃったな‥‥‥

 というか、僕。”向こう”にいた時よりも大量出血したような気がするけど、なんでだろう?

 もしかして、保健体育の参考書を最近見れてないから、色々溜まってるんだろうか?

 なんて、どうでもいい事を考えていると

 

 「あれ? そう言えば、皆はどこに行ったんです? エリオ達もいないみたいですけど‥‥‥?」

 

 六課のメンバーが全員いない事に気が付いた。

 

 「ああ。なのはちゃん達なら、お仕事に行ったわよ?」

 

 「仕事?」

 

 「なんか、ロストロギアが見つかったって言ってたな」

 

 僕が、いったい皆してどこに行ったんだろうか?

 なんて思ってたら、エイミィさんとアルフが、皆がどこに行ったか教えてくれた。

 そっか。そう言えば、今回ここに来た理由ってロストロギアを確保するためだっけ? ロストロギアが見つかったなら、そりゃ皆ロストロギア確保に向かうよね‥‥‥‥‥‥って

 

 「僕も行かなきゃ!!」

 

 僕は何を暢気なことを言ってるんだ!

 ロストロギアが見つかったなら、僕だって機動六課の一員なんだから仕事しなくちゃいけないのに!

 僕は急いで、皆の元へ向かおうとしたんだけど

 

 「もう今さら行っても遅いと思うぞ?」

 

 「なのはちゃん達がロストロギア封印に向かったのは、スーパー銭湯を出てすぐだったから、多分今から行っても解決しちゃってるんじゃないかな? なのはちゃん達、優秀だし」

 

 アルフとエイミィさんは、もう事件は片付いてるだろうと言ってくる。なのは達が優秀だからと。

 それを言われた僕も、なのは達の優秀さを思い出し

 

 「‥‥‥‥僕も終わってる気がします」

 

 今から行っても、無駄骨にしかならない気が凄くした。

 

 「なのはってそんなに優秀なんだ‥‥‥ならさ、皆一度はここに帰ってくるって言ってたから、明久君はここで待ってたら?」

 

 え? マジですか? そんな事が許されるんですか?

 

 「そうそう。私達も明久君に聞きたい事があるからさ」

 

 美由紀さんに続き、アリサさんまでここに居ろと言ってくれる。

 これは、もうあれだ。神様か何かが僕にここに居ろって言ってるんだな。

 

 「え? そうですか? 皆さんがそこまで言ってくれるなら、ここにいさせてもらおうかな? いや、今さら行くの面倒くさいとか思ってるわけじゃないですよ?」

 

 僕は、美由紀さんとアリサさんの言葉に甘える事にして、皆が戻ってくるまでここに居させてもらう事にした。

 

 「明久、顔の表情と言ってる事がビックリするくらい違うぞ?」

 

 「わぁー、ホントだ。顔にはしっかり『行くの面倒くさい! 行かなくて良くなってラッキー!』ってしっかり書いてあるね」

 

 「ホント、こんな分かりやすい人、初めて見たよ」

 

 おっと。またもや顔に出てたのか。いかんいかん。

 ティアナ曰く、僕はポーカーフェイスが下手みたいだから、ここは無心にならなくちゃ。

 僕はアルフとエイミィさん、すずかさんに言われて直ぐに、無心になる。

 

 「まぁ今のは見なかった事にしてあげましょう?」

 

 「そうだね。ここで、明久君に現場に向かわれたら、話ができなくなるしね~」

 

 アリサさんと美由紀さんは本当にいい人だな。

 なんだか、この二人とは凄く仲良くなれると思う。

 

 「コホン。それじゃ、なのは達が帰ってくるまでに色々聞いちゃいましょうか? 準備はいい? 明久君?」

 

 「僕に答えられる事なら、なんでも答えますよ~」

 

 「それじゃ、質問タイム開始!」

 

 こうして、アリサさんの掛け声で、僕への質問タイムが始まった。

 まぁ、どうせ聞かれる事なんて、僕は異世界の人間だから、”向こう”での生活の事なんだろうな~なんて思って気楽に聞いてたんだけど

 

 「はい! ぶっちゃけ今、明久君は彼女いますか?」

 

 「ぐはっ!! ち、違うんです! ただタイミングが悪いだけで、決して僕がモテないから、一度も彼女ができなかったわけじゃ――」 

 

 「はい。今どころか、年齢=彼女いない歴ってことね。次の質問行ってみよう!!」

 

 「僕の言い分はスルーなの!? そして何で皆嬉しそうな顔してるの!?」

 

 五人とも、僕に彼女がいない事が分かると凄い嬉しそうな顔をしていた。

 なんで嬉しそうなの!? 僕は彼女欲しいんだから、皆してそんな嬉しそうな顔しないでよ!

 と、五人は僕の精一杯の叫びを軽くスルーしながら、次の質問へと入って行く。

 

 「じゃ、六課のメンバーで可愛いなとか、美人だなって思う人はいますか?」

 

 「え? そんなの皆、綺麗だし、可愛いし、美人だと思いますよ? というか、それは皆さんもですけど‥‥‥」

 

 僕は思った事をそのまま言ったのだが

 

 「お、おお。これが、あの二人がやられた攻撃か‥‥‥‥」

 

 「なんだか、凄いストレートだね」

 

 「これは、あれだね。計算とかじゃなくて素で言ってるタイプの人だね」

 

 「どうしよう? 旦那がいるのにときめいちゃった‥‥‥」

 

 「エイミィ、そこまでにしとけよ? カレルとリエラが泣くぞ?」

 

 「もうー、アルフってば、冗談でしょ?」

 

 皆は僕を無視して話し出してしまった。

 あれ? 僕なんか変な事言ったかな? というか、アリサさん、僕別に誰も攻撃なんてしてませんけど?

 しばらく僕を放置して騒いでいた五人は、突然、何かを思い出したかのようにハッとして、僕に向き直る。

 その、あんまり真剣な顔で見られたら、ちょっと怖いんですが‥‥‥

 

 「明久君!」

 

 「はい!」

 

 「明久君は、さっき生まれてから一度も彼女できた事ないって言ったわよね?」

 

 ‥‥‥なに? アリサさんは僕を虐めたいの? あんまり大きな声でそんな事言わないでくれませんか? 

 「なら、彼女ほしいと思わないの?」

 

 「欲しいですよ!! 僕だって彼女欲しいですよ! けど、何故か僕はモテないからしょうがないじゃないですか!! アリサさんとかなら直ぐに彼氏できるんでしょうけど‥‥‥」

 

 彼女が欲しいと思って、直ぐにできるなら僕はもうとっくの前に付き合ってる。

 アリサさん達みたいな美人と違って、僕みたいなモテない男は彼女が欲しいと思っても、中々彼女なんてできないんだよ!

 

 「あら? 私も彼氏とか作った事ないけど?」

 

 「え? アリサさん‥‥‥まさか、女の子が好きなんですか?」

 

 「違うわよ!! たまたま、近くにいい男の子がいなかっただけよ」

 

 ふむ。つまりアリサさんも付き合った事ないと? と言う事は、自分で言ったように今も彼氏はいないと。

 

 「アリサさん、僕なんてどうですか?」

 

 「年下は遠慮させてもらうわ」

 

 「ははは。やっぱりですか? ちくしょう!」

 

 見事に撃沈する僕。まぁ、分かってて言ってみただけなんだけど‥‥‥ホントだよ?

 

 「まったく。そう言う冗談は止めなさいよ? そう言うのは本当に好きな人に言いなさい」

 

 「本当に好きな人?」

 

 はて? 僕の本当に好きな人? 誰だそれ?

 僕はアリサさんに言われて、初めて僕が好きな人は誰なのか真剣に考え始める。

 

 

 僕の好きな人って誰だろう? とりあえず、僕の身近な人を思い出してみよう。

 まずは‥‥‥姉さんだ。僕は姉さんの姿、声を思い出して‥‥‥ないな。何があろうと姉さんはない。僕の好きな人候補から、数秒で外す。

 うん。10秒もいらなかったや。

 

 『アキ君お仕置きが必要なようですね?』

 

 ヒィ――――!! なんか悪寒がした! 止めよう姉さんの事を今考えるのは、命に関わる気がする。

 えっと、次は姫路さんか‥‥‥う~ん。どうなんだろう? 姫路さんの事は、まぁ向こうは覚えてないだろうけど、小学校が一緒だったな。

 昔からおとなしくて優しい子だった。

 今思えば、僕の初恋の人は姫路さんだったように思う。けど、今も好きか? と問われると、多分違うと思う。もちろん、友達としては大事な人だけど。

 次は美波だな。

 美波も好きな人ってわけじゃないと思う。美波は、僕がありのままの自分で話ができて、一緒に遊んでると楽しいし、たまに見せるちょっとした仕草も可愛いと思うけど、好きな人って感じじゃないな。もちろん美波も友達として大事な人だけど。

 霧島さんは雄二のだし、工藤さんは‥‥‥うん。友達だな。

 木下さんは‥‥‥‥僕はどちらかと言うと秀吉の方が‥‥‥‥今、秀吉の腕が、本来なら曲がってはいけない方向に、曲がっているような気がするのは気のせいだろうか?

 清水さんは美波が好きみたいだから、考えるまでもないね。

 玉野さんは‥‥‥‥あり得ない。もし僕が玉野さんが好きなら、僕は女装するのが好きって事に‥‥‥‥考えただけでも恐ろしい。

 ‥‥‥‥‥あれ? 僕の好きな人って誰だ? というか、僕に好きな人なんているのか?

 

 と僕がここまで考えた時に

 

 「ねぇ明久君? 六課の中には彼女にしたいなって人はいないの?」

 

 とすずかさんに聞かれる。

 

 六課の皆を僕の彼女に? もしそんな事が可能なら‥‥‥最高だね!

 けど

 

 「ん~。それはないかな?」

 

 それを聞いた五人は僕が見ても分かる位、明らかに暗い顔を見せた。

 ここには、さっきまでの楽しい空気は最早なくなってしまっていた。

 あれ? 僕なんか変な事言ったかな?

 

 「‥‥‥‥それは、どうして? どうしてなのはちゃん達はないの?」

 

 すずかさんは顔を下に向けて、小さな声で僕にそんな事を聞いてくる。

 なんとなく僕は、この小さな声を聞き逃したらいけない気になり、今にも消えてしまいそうな声を必死に聞き取った。

 

 「最初から明久君の好みじゃなかったの? だったら、だったら最初から優しくなんてしないで上げてよ」

 

 「すずか、止めなさい」

 

 「けど!」

 

 途中でアリサさんがすずかさんを止めに入ったが、すずかさんはまだ納得できないようで声を荒げていた。

 僕は何故こうなったのか分からなかったけど、とりあえず聞き取れた質問には答えておこうと思い、口を開く。

 

 「あの~、すずかさん? 何の話ですか? なのは達が好みか好みじゃないかって聞かれたら、皆凄い好みなんですけど‥‥‥‥?」

 

 「「「は?」」」

 

 あれ? なんで皆そんな反応? だってなのは達でしょ? あんなに可愛いんだから、ドストライクに決まってるじゃない。何を呆ける事があるんだろうか?

 

 「いやいや。ちょっと待って明久君」

 

 「さっき明久君は、六課の皆の誰かを好きになる事はないみたいな言い方をしたよね?」

 

 アリサさんと美由紀さんが焦ったようにこんな事を言ってきたが

 

 「え? そんな事しましたっけ?」

 

 僕には全く心当たりがなかった。

 

 「ほら、さっきすずかちゃんが、『六課の中に好きな人はいないの?』って聞いた直ぐ後!」

 

 「ん~? そんな事言ったかな?」

 

 アリサさん達に続いて、エイミィさんまでこんな事を言ってくる。

 こんなに皆に言われると、なんだか段々、知らない内に言ったんじゃないだろうかと不安になるから、人間の心理は不思議だ。 

 

 「言ったよ! さっき私がそれを聞いたら、明久君が『ん~それはないかな?』って言ってたじゃない!」

 

 「え? それ? それなら言ったけど、好みじゃないとか言う意味じゃありませんよ?」

 

 「は? じゃあさっきのはどう言う‥‥‥‥」

 

 「どういうも何も、六課の皆が迷惑ばかりかけてる僕を好きになるなんてあり得ないって意味ですけど‥‥‥‥」

 

 僕がそう言うと、皆ポカンとしていて、この部屋は一度完全に無言になっていた。

 と、そこでエイミィさんが一早く回復して、僕に質問をする。

 

 「えっと、明久君はどうしてそう思うの? 迷惑かけられたって、好きになっちゃう事もあると思うだけど‥‥‥‥」

 

 「仮にそうだとしても、六課の皆は僕の事をそういう対象では見てないと思いますし」

 エリオとキャロは‥‥‥ここでエリオが出てくるのはおかしいけど‥‥‥‥二人は僕の事を兄として見てるから、そんな対象になる事はない。

 ティアナは完全に僕のバカさ加減に呆れ返ってるから恋愛対象になる事はないだろう。まぁ、僕が理解できてない事を、丁寧に説明してくれたりするから、嫌われてはいないと思うけど‥‥‥

 スバルは‥‥‥‥なんというか、恋愛に興味がなさそうだ。それにスバルは、なのはに憧れてるから、なんとなく好きになるなら、僕じゃなくて、なのはになりそうだ。

 二人は女の子同士だから、悲恋になるのは目に見えてるのでそうならない事を祈るばかりだ。

 

 「えっと、なんで? なのはちゃんとかフェイトちゃんが、もしかしたら明久君の事を好きになるかもしれないとは思わないの‥‥‥?」

 

 「いや、それはないですよ。なのはとフェイトは既に好きな人がいるみたいですから」

 

 「「「え!? 明久君、なのは(ちゃん)とフェイト(ちゃん)の好きな人知ってるの!?」」」

 

 「知ってると言うか特徴だけなら‥‥‥顔も名前も知らないですけど。あ、けど、なのはの好きな人は特徴もしらないな‥‥‥‥」  

 

 そう言えば、すっかり忘れてたけど、早く二人の好きな人を見つけ出して、処刑しないといけないんだった。

 幼馴染の皆なら相手が誰か知ってるのかな? ついでだし聞いてみよう。

 

 「皆は二人の好きな人って知ってるんですか?」

 

 「ええっと‥‥‥‥知ってると言えば知ってる‥‥‥わね」

 

 「うん。どちらかと言えば、知ってるね‥‥‥‥」 

 

 どうやら、皆知っていたようだ。これなら話は早い。

 

 「本当に!? なら、相手の名前って分かります? 僕、その人にちょっと用事があるんですよ!」

 

 もちろん目的は処刑のためだ。けど、僕は賢いので、わざわざ目的を話すような事はしない。僕はFFF団の連中とは違うからね。

 

 「ええっと、それは‥‥‥(チラッ)」

 

 アリサは一度言葉を切り、すずかの方に視線を向ける。

 すずかはそれだけでアリサが何を言いたいのか理解して、首を小さく動かして頷く。

 

 「例え知ってても、それは教えられないわ」

 

 「私達は親友同士なの、だから親友の秘密をバラしたりなんてできないよ」 

 

 「そう、ですか‥‥‥‥そりゃそうですよね‥‥‥‥」

 

 せっかく二人の想い人を見つけられるチャンスだと思ったのに‥‥‥

 僕は少なからず落胆していた。

 はぁ、いつになったら、処刑できる日が来るんだろう? その人を処刑できるなら、僕はいつ捕まったって構わない覚悟までしてるのに‥‥‥‥

 

 「ま、まぁ今は、その人の事なんてどうでもいいんじゃない? ほら、好きな人なんて直ぐに変わるかもしれないんだしさ?」

 

 「仮に変わったとしても、僕は、その相手を探し続けますけどね?」

 

 二人の好きな人が変わるなら、ターゲットが二人に変わるだけだ。一度でも、あの二人に好かれるなんて、到底許されるものではないからね。

 まぁ、捨てられた方は、刑を軽くしてあげてもいいけどね。

 

 「あ、いや、そういう意味じゃなくて‥‥‥」

 

 「なのはちゃん達の好きな人が、明久君に変わるかもしれないっていう‥‥‥」

 

 「え? ああ。まだ、その話続いてたんですか? すみません。もう終わったものとばかり‥‥‥‥」

 

 てっきりもうその話は終わったっと思っていた。

 

 「ちょっと! 勝手に終わらせないでよ!」 

 

 「そうだよ! まだ私達の中では、何も終わってないんだからね? むしろ、ここからが本番‥‥‥」

 

 「だって、僕が二人に好きになってもらえるなんて絶対にあり得ない事だと‥‥‥。まぁ、あの二人が僕を好きになるなんてあり得ない事ですけど、もしそうなったら嬉しいとは思いますね」

 何故か分からないけど、二人に怒られてしまったので、僕はこの話を続ける事にした。

 けど、なんでアリサさんとすずかさんは‥‥‥‥いや、五人だな。

 この話を続けたいのは二人だけだと思っていたら、他の皆の目も『この話続けろ!』と言ってるように見えた。

 ‥‥‥ホントなんなんだろう? 僕としては、こんなあり得ない話よりも、処刑するために今の二人の好きな人の話がいいんだけどな‥‥‥

 まぁ、この話が終わったら聞いてみるか。 

 なんて僕が思っていたら、

 

 「ただいまー!」

 

 という声が複数聞こえてきた。

 どうやら皆が無事に仕事を終えて帰ってきたようだ。

 ‥‥‥‥あれ? 皆が帰ってきたって事は、この話はもう終わり?

 そんなぁぁああ!! せっかくのチャンスが――――!!

 

 

 こうして僕は、またもやなのはとフェイトの好きな人の名前を知ることができずに終わったのだった。

 

 

  

    ☆ 

 

 

 

 「そう‥‥‥もう帰っちゃうんだ‥‥‥‥」

 

 「一晩くらい泊まっていけばいいのに‥‥‥ってわけにもいかないのか」

 

 すずかさんとアリサさんは寂しそうに、そんな事を呟く。

 あれから、なのは達が帰ってきて直ぐに、『任務が終わっちゃたから、もう帰らないといけないんだ』と現地の人達に伝え、僕達は荷物を持って次元転送ポート(地球に置いてある方)の前で、お別れをしていた。

 

 「ごめんね?」

 

 「今度は休暇の時に遊びに来るよ」

 

 「うん。待ってるからね?」

 

 「今度は家にも遊びにおいで? カレルとリエラも待ってるから」

 

 「私もな?」

 

 「はい」

 

 皆、それぞれ、それぞれと言っても、六課メンバーの方は、主になのはとフェイトだけだけど、皆お別れをしていた。

 とそこで、不意にアリサさんが

 

 「ところで、なのは、フェイト、後はやても、帰る前に少しだけいい?」

 三人を呼んで、皆から、と言うより僕から少し離れるように、アリサさん、すずかさんとなのは、フェイト、はやての幼馴染五人は僕達と離れた所で、何やら話し込んでいた。

 

 「あの、五人何を話してるんだろう‥‥‥‥」

 

 「さぁ~。アリサさん達は、なのはさん達の幼馴染だから色々と内緒の話とかもあるんじゃない?」 

 

 僕の独り言を聞いていたのか、別に答えを求めて発したわけでは言葉にスバルが答えてくれる。

 

 「それもそっか。せっかく幼馴染の仲良し五人組で話してるんだから、積もる話も色々あるんだろうね」

 

 「そうそう。アキも少しは分かってきたね~」

 

 「何を言うか。僕は前から、それ位は理解できる男だったじゃない?」

 

 「え~、それは自分を美化しすぎじゃな~い? ってティア? せっかく任務解決したのに、なんでご機嫌斜めなの?」

 

 僕達が大した意味のない冗談交じりの会話をしていると、スバルがティアナが不機嫌な事に気が付き、どうしたのか尋ねる。

 

 「いや、今回もアタシどうもイマイチね‥‥‥」

 

 「んな事ないと思うけど‥‥‥」

 

 「ティアナ、僕の前でそんな事言うのって、僕の事責めてるの? いや、もうマジ気絶とかして現場に行けなくてすみませんでした!! 謝りますから、謝りますから、もう許して下さい!!」

 

 「いや、別に吉井を責めてるわけじゃ‥‥‥これは、私自信の話よ。今回の任務、隊長達や副隊長なら、それこそ一瞬だったんだろうなっって」

 

 「いや、ティアナも充分凄いから。隊長陣と比べると確かにそうかもだけど、僕なんかと比べたら全然凄いからね?」

 

 後から聞いた話によると、今回ロストロギアを封印したのはフォワードのメンバーだったとか。

 僕はその場にいなかったから、皆がどんな活躍をしたのか知らないけど、フォワード組が活躍したなら、皆を纏めるティアナがイマイチなんて事は多分ないだろう。

 

 「ティアナがイマイチなら、僕はどうなるのさ? 僕なんて、まだ一度も実践で役に立ってないんだよ? 初出動では扇にボコられてるし‥‥‥今回に関しては、現場にすらいなかったし‥‥‥‥」

 

 「吉井‥‥‥‥プッ。あんたスペック的には六課の中では一番凄いはずなのにね? それこそ隊長達よりも」 

 

「いやいやいや。スペックとか関係ないから! 力任せに魔法使ってもシグナムとかに全然攻撃当たらないし、裏ワザ使わないと戦いにすらならないからね!?」

 

 ホント、シグナムと模擬戦して、真面に戦えるなんて思ったのは、ドラゴンドライブ使った時だけだし、素の状態では話にならない。多分戦いにすらなっていないと思う。

 しかも、あれから気づいたんだけど、ドラゴンドライブは使った後の疲労感が半端ないから、長時間とか連発とかできないし‥‥‥

 

 「ま、まぁとにかくティアはちゃんと進歩してるよ! 大丈夫!」

 

 「ホント、アンタ達は気楽でいいわね。まぁ、今回はありがとうって言っておくわ」

 

 そう言って笑うティアナの表情には、さっきまでの不機嫌そうな顔の面影はどこにもなかった。 

 うん。せっかく任務も終わったんだから、皆笑顔でいなきゃね!

 

 『『ええええぇぇぇええ!?』』

 

 「わっ! ビックリした! なに今の?」

 

 これで一件落着かと思いきや、いきなり驚きの声を上げている、なのはとフェイトの声が聞こえる。

 いや、驚きの声を上げたいのはこっちなんですけど? 

 と、僕が内心で突っ込んでいると、なのはとフェイトは、僕の方をチラッと見て、顔を真っ赤にして直ぐに視線を外してしまった。

 そんなに大声で叫んじゃったのが恥ずかしかったのかな?

 と、僕が考えてると

 

 「‥‥‥おい、明久」

 

 「あ、ヴィータ。何? どうかしたの?」

 

 ヴィータが僕に声をかけてきた。

 

 「あー、そのなんだ。もうじき出発するから、悪いけど、忘れ物とかないか見てきてくれるか?」

 

 「了解。直ぐに見てくるよ」

 

 僕はヴィータに頼まれたので急いでコテージに戻り、忘れ物がないか確認しに駆け足で行こうとしたら

 

 「ゆっくり確認してきてくれていいぞ」

 

 ヴィータが何やら小声で言ったような気がしたので、立ち止まり何か言ったか確認する。

 

 「え? なんか言った? ごめん、うまく聞き取れなかったや」

 

 「なんでもねぇよ。ただ、そんなに時間がないわけじゃないから、別に少し位なら遅くなっても構わんって言ったんだ」

 

 「あ、なるほどね。了解。じゃあ行ってくるよ」

 

 そう言って僕は1人で、皆の忘れものがないか、各部屋に確認しに行った。

 

 「あれ? こんな広いコテージを僕1人で確認するより、皆で確認した方が早かったんじゃないかな?」

 

 僕の疑問に対する答えは、当然帰ってくる事はなく、ただただシーンとしていた。

 

 僕が全ての部屋を確認してから、皆の元に戻ると皆は(なのは達三人を含めて)準備万端のようで、そのまま帰ることになった。

 

 「それじゃね皆?」

 

 「なのは、フェイト頑張るのよ?」 

 

 「う、うん。できる限りは」

 

 「わ、私も」

 

 すずかさんとアリサさんに声をかけられた二人は、顔を赤くしながら、それに答える。

 いったい二人ともどうしたんだろうか? 風邪かな?

 

 「ほな、私等はもう行くな? じゃあ皆、今度は休暇の時にな」

 

 「あの、お世話になりました」

 

 「うん。待ってる。明久君もまた遊びにおいでね?」

 

 「他の皆もね?」

 

 「「「はい!」」」

 

 こうして僕達の、派遣任務は終わり、僕達の帰る場所である機動六課へと帰ったのだった。

 因みに、ヴァイスさんには事前に連絡がいっていたようで僕達が転送されると、そこではヴァイスさんが既に待っていてくれて、僕達はヘリに乗って機動六課へと帰ったのだ。

 

 

 

 

 

 




えー、まずはお付き合いいただきありがとうございました。

ホント長かった‥‥‥‥最初は2回分に分けようかと思ったんですけど、最初の句切れが良い所(鼻血だす所)は2千字行ってなくて、短すぎたんですよね‥‥‥
 
で、次の句切れ(なのは達が帰ってきたところ)で切ると、次話が中途半端になってしまうので、結果こんだけ長くなってしましました。
ホント、申し訳ないです‥‥‥‥

次回からは、また本編に戻って、話を進めていこうと思います。

それでは今回はこの辺りで
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