魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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予告通り、今回からアニメの本編に戻ります!

今回はホテル・アグスタ、アニメの話数で言えば7話ですね。

それでは本編をどうぞ!


本編 ホテル・アグスタ~
第三十二話


 派遣任務から帰ってきてから数日後。

 僕達は今、ミッドチルダ上空をヴァイスさんの操縦するヘリで飛んでいた。

 ヘリに乗っているのは、部隊長であるはやて、スターズ、ライトニングの両隊長のなのはとフェイト、それにフォワード組である僕達5人に加えて、シャマル、リインそしてザフィーラだ。

 今回、何故僕等がヘリに乗っているかと言うと

 

 「ほんなら、改めてここまでの流れと、今日の任務のおさらいや」

 

 まぁ、要するにまた任務で駆り出されたというわけだ。

 ホント、六課にいると忙しいな。派遣任務から帰ってきたら訓練。

 で、しばらくしたらまた任務。

 はやて達はこの忙しさで倒れたりしないんだろうか?

 なんて僕が考えてる間にも、はやては話を続けていて、皆真剣に話を聞いていた。

 

 「これまで謎やった、ガジェットドローンの製作者、およびレリックの収集者は現状ではこの男、違法研究で広域指名手配されてる次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティの線を中心に捜査を進める」

 

 そう言って、はやてはモニターをだし、ジェイル・スカリエッティと思われる男の写真を見せる。

 モニターに映し出されたのは、紫の髪で長髪の男だった。

 

 「こっちの捜査は主に私が進めるんだけど、皆も一応覚えておいてね?」

 

 「「「はい!」」」

 

 ‥‥‥‥どうやら、ジェイル・スカリエッティの捜査はフェイトがするみたいだけど、一応僕もこの男の顔を覚えないといけないようだ。

 人の顔を、それも男の顔を覚えるのなんて苦手なんだけどな‥‥‥

 僕がジェイル・スカリエッティの顔を必死で覚えようとしてる時に

 

 「で、今日これから向かう先はここ。ホテル・アグスタ!」

 

 リインはモニターを切り替え、ホテルの写真を映し出す。どうやら皆の中では、この話は終わりで、もう既に次の話に入っているようだ。

 あぁ! 僕まだ覚えきれてなかったのに!

 

 「骨董美術品オークィションの会場警備と人員警護。それが今日のお仕事ね」

 

 「取引許可がいくつも出品されるので、その反応をレリックと誤認したガジェットが出てきちゃう可能性が高い。との事で、私達が警備に呼ばれたです」

 

 「現場には昨夜から、シグナム副隊長とヴィータ副隊長の他、数名の隊員が張ってくれてる」

 

 なるほど、だからシグナムとヴィータがこの場にいないのか‥‥‥てっきり今日は休みなのかと思ったよ。

 

 「私達は建物の中の警備に回るから、前線は副隊長達の指示に従ってね? 後、明久君は私達と一緒に中の警備に回ってもらう事になってるから、皆とは別行動ね?」

 

 何故か僕は1人だけ皆とは別行動を言い渡され、中の警備に回される。

 もしかして、前の初出動では1人で扇と戦ってボコられたし、派遣任務では気絶してたから戦闘に参加してないしで、まだ真面に任務できてないから、今回は隊長達の目の届く範囲にいろって事なのかな?

 

 「明久は、この前のリニアレールの任務で、これは裏も何も取れてないけど、おそらくジェイル・スカリエッティの仲間と思われる扇風月に命を狙われたから、今回はガードの意味も込めて私達と一緒にいてもらうね?」

 

 どうやら、フェイトの話してくれた理由によると、僕の予想は当たらずとも遠からずって感じだったようだ。

 

 まぁ、要するに

 

 「もし、今回もまた扇が現れてもいいように、アキ君は常に私等3人のうちの誰かと一緒に行動してもらうって事やから、くれぐれも単独行動はせんように」

 

 と言う事らしい。 

 ホント、僕って信用ないんだね‥‥‥‥

 

 

   ☆

 

 

 僕達は到着すると直ぐに、はやて、なのは、フェイト、僕の4人以外はシグナム達と合流しに行き、僕は”箱”を四ケース持ちながら、更衣室の前に来ていた。

 なんでも、ホテルに入るには、それなりの格好をしないといけないようで、今僕が持ってるこの”箱”には僕達の仕事着が入ってるそうだ。

 因みに、この”箱”は持たされたわけではなく、自主的に持っている。

 流石の僕でも、女性の荷物を持つくらいの気は使える。

 決して、ティアナやシャマルに荷物を持ってあげたら? なんて言われたから持ってるわけじゃない。

 ‥‥‥本当に最初から僕が持つつもりだったよ!!

 

 「ほなアキ君、着替えたらホテルのロビーで待ち合わせやからな?」

 

 「うん。了解。それじゃ‥‥‥はい。これが皆の着替えだよ」

 

 僕は”箱”に書いてある僕の名前以外の物を、はやて達に渡して僕は1人、男性用更衣室に入り”箱”の中を開けて中に入っている服を確認する。

 

 「‥‥‥それなりの格好って言われて、まぁ何となく予想はしてたけど、僕みたいな高校生がこんな”黒スーツ”なんて着て似合うのかな? なんだか、凄い背伸びしてる感じになる気がする‥‥‥‥しかも、このヘアワックスって僕につけろって事なの‥‥‥?」

 

 僕はとりあえず、スーツと一緒に入っていたヘアワックスを使い、髪をセットしてから、ホテルのロビーへと向かった。

 

   ☆

 

 

 私、八神はやては、なのはちゃんとフェイトちゃんと一緒にドレスを着て、ホテルのロビーにて、未だに来ていないアキ君を待っていた。

 因みに私達のドレスは、私は水色のドレスで、なのはちゃんは赤とピンクを、フェイトちゃんは紫を基調としたドレスを身に纏っている。

 うん。二人とも綺麗にドレス着れてるし、これならアキ君に見せても全然大丈夫‥‥‥どころか2人に見惚れてアキ君が倒れんか心配やな‥‥‥‥‥

 アキ君は一度、フェイトちゃんの膝枕で大量出血を経験してるしな‥‥‥‥

 

 「明久君、遅いね?」

 

 「うん‥‥‥‥何かあったのかな‥‥‥」

 

 「う~ん。まぁ大丈夫やろ。多分準備に色々(・・)手間取ってるんやろう」

 

 なのはちゃんとフェイトちゃんはアキ君が来るのが遅いで、少し心配しているみたいやけど、私は特に心配はしてない。

 確かに、ヘリの中でも言ったように、風龍の子孫である扇風月がこの機会にアキ君に接触してくる可能性は充分にあると思う。

 けど、まだ会場の外でも問題が起こったわけやないし、オークションが始まったわけでもないから、接触してくるにしても、もう少ししてからやと思うしな。

 それに、アキ君が準備に時間が掛かってる理由は多分‥‥‥‥

 

 「ごめーん皆! 思ったより準備に手間取っちゃた!」

 

 と言う、アキ君の声が後ろから聞こえて、私達が後ろを振り返るとそこには

 

 「「っっ!?」」

 

 「あ、アキ君!? え? ホンマにアキ君‥‥‥なんか!?」

 

 髪をオールバックにして完璧に黒スーツを着こなしていて、なんというか、こう言ったら失礼なんやろうけど、普段のバカっぽさは欠片もなく、まるで別人のような雰囲気を纏ったアキ君の姿やった。

 

 「え? そうだけど‥‥‥あ、もしかして、どこか変になってる所とかあった?」

 

 「全然そんな事ないよ。ちゃんと着こなせてるよ? 髪もバッチリやしな。ちゃんと男前になってるし、似合ってるよ?」

 

 現にアキ君に恋をしてる二人は当然のようにアキ君に見惚れてるし、正直、私も今のアキ君を見た時はドキッとしたしな。

 確かにこの黒スーツを用意したのも、ヘアーワックスを箱に入れて、しっかり準備したのも私やけど、まさか、ここまで劇的に変わるとは思いもせんかった。

 ホンマは、なのはちゃんとフェイトちゃんを悶えさせて、二人が少しでもアキ君に積極的になれるようにと思ってやったのに、まさか私までドキドキさせられるとは‥‥‥‥‥‥全く、この天然さんは油断も隙もあらへんな。

 

 「そ、そうかな? な、なんだか真正面からそう言われると照れるね」

 

 アキ君はそう言って、顔を赤くして頬を掻く。

 ダァー! 止めいその顔! そんな顔は私に見せんと、なのはちゃんとフェイトちゃんの二人に見せんかい!! 私までドキドキしてまうやろ! 

 

 「ほら、なのはちゃんとフェイトちゃんもアキ君の格好に感想言うたり」

 

 「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」

 

 あかん。二人ともまだ、アキ君に見惚れてる。

 この二人をここまでするなんて、我ながら凄いもんを生産したもんやで‥‥‥‥‥

 

 「あのー、なのは? フェイト? そんな言葉にならない程、僕似合ってないかな‥‥‥?」

 

 ああ! ほら、二人が早く返事したれへんから、アキ君が段々落ち込んできたやんか!

 と、内心私が焦ってると

 

 「はっ! いや、その違うの明久君! その、‥‥‥似合ってるよ」

 

 「う、うん。私もとても似合ってると思うよ?」

 二人はようやく回復したようで、アキ君の格好が似合ってると伝える。

 ってそれだけかい! もっと積極的になんかないんか!? 派遣任務の言った帰りにアリサちゃんとすずかちゃんの二人に言われた事忘れたんか2人とも!?

 

 実は、なのはとフェイトは派遣任務の帰りに、アリサとすずかから、アドバイスを受けていた。

 内容は

 

 『なのは、フェイト良く聞きなさい?』

 

 『私達は、さっき明久君と喋ってて、皆で思ったのは明久君は鈍感って事なの』

 

 『あの子はビックリするくらい鈍感。っていうかそれもあるんだろうけど、勘違いが激しいのよ』

 

 『だから、なのはちゃん達のちょっとしたアピールくらいじゃ、ほとんど効果は得られないと思うの』

 

 『というか、アピールされてる事にすら気がつかない可能性があるわ』

 

 『けど、今は明久君の方が諦めてるけど、明久君の意識さえ変えられたら脈は大いにあると思うの』

 

 『だからまず二人がするべきなのは』

 

 『『積極的に行って、いち早く誤解を解くべし!! 後、ごり押しもあの子には効果的だと思う!』』

 

 こんな内容を二人は、アリサちゃんとすずかちゃんから話されてるんやから、もっと積極的にいかな!

 

 「あ、ありがとう二人とも。皆も、そのドレス似合ってるね。いつも美人だけど、今日は三割増しで綺麗に見えるよ」

 

 「「っ!! あ、ありがとう‥‥‥‥」」

 

 ダァー! なんでアキ君の方が積極的に見えんねん! それと、今日のアキ君は六割増しでカッコいいからその口説き文句は嫌味に近いで!

 はぁはぁはぁ。‥‥‥‥なんで私は内心でここまで突っ込んでるんや? なんか、仕事始める前にかなり疲れたわ‥‥‥‥‥

 もう今回はこの目論見は止めよう。多分しばらくは進展させるのは無理そうやわ‥‥‥

 

 

      ☆

 

 

 建物の中の警備をする事になっていた僕達が、仕事着に着替えてから、はやてが受付でIDカードを見せた後、僕等は会場の警備の確認なんかをしていた。

 もちろん、僕は単独行動は禁止されてるので、今はなのはとはやて、二人と一緒にいる。

 

 「会場内の警備は流石に頑丈っと」

 

 「一般的なトラブルには充分に対処できるだろうね」

 

 「外は六課の子達が固めてるし、入り口には防災用の非常シャッターもある。ガジェットがここまで入ってくるって言うんはなさそうやしな」

 

 「うん。油断はできないけど、少し安心」

 

 「まぁ、どっちにしても私達の出番は、ホンマの非常事態だけや」

 

 ほう。それは良いことを聞いた。

 はやてとなのはの話では非常事態にならない限り、僕の出番はないらしい。

 なら、今回の任務、僕は楽をできるって事だ。

 やったね!

 なんて思ってたんだけど

 

 「けど、ガジェットがここまで入って来る事はなくても」

 

 「うん。扇が入ってくる可能性は捨てきれないね」

 

 なんて、僕にとっては不穏でしかない事を話し合う2人。

 

 止めてよ! 扇みたいな戦闘狂がこんな所に現れるなんて、そんなの悪夢じゃないか!

 

 「まぁ、それもあくまで可能性のお話だから、そんなに嫌そうな顔しなくてもいいよ? 明久君。扇が現れないって可能性も充分あるんだから」

 

 どうやら、嫌だと思った気持ちが顔にまで出ていたようだ。

 別にアイツの相手をするのは面倒くさいけど、来るなら来るで僕としては構わないんだけどね? 僕もあれから強くなってるし、簡単に負けるような事はないと思ってるから。

 ただ‥‥‥できれば、僕は楽がしたいから、現れないで欲しいと言うのが本音だ。せっかく楽できる日なのにアイツのせいで、しんどい1日になるとかできれば勘弁してもらいたい。

 

 「まぁ、それもそうだね。来ないかもしれないんだし気を張ってても仕方ないよね」

 

 「そういう事。油断するのは勿論ダメだけど、適度にリラックスもしとかないと体がもたないよ?」

 

 「それもそうだね。それじゃ僕は」

 

 「明久君は単独行動禁止って言われてるでしょ? ダメだよ1人で勝手に散歩なんか行ったら」

 

 ‥‥‥‥‥どうしてだろう? 僕は未だに何も言ってないのに、僕の発言が先読みされたのは‥‥‥‥

 

 「ははは。アキ君はもう既にお疲れみたいやな」

 

 「まぁ、僕は何をするわけでもなく、ただ皆の後ろを付いて回ってるだけだしね」

 

 正直、ずっと誰かの後を付いて行くだけって、かなり面白くないんだよね‥‥‥‥

 僕が付いて行く先々で、僕よりも優秀な3人がテキパキ仕事を終わらせちゃうから、ホントにただ後ろを付いて回ってるだけなんて、面白くもなんともない。

 しかも、僕は楽がしたいのに、3人とも仕事熱心だから、常に動き回ってるし‥‥‥

 

 「ほんなら、なのはちゃんかフェイトちゃんと一緒にやったら散歩に行ってきてもええよ? こっちはしばらく大丈夫そうやから10分くらいなら構わんよ?」

 

 「本当に!? やった! じゃ、なのは一緒に行こうよ!」

 

 なんでか分からないけど、部隊長自らの許可が出た。これならちょっと出かけるくらいなら許されるよね! というわけで、なのはを誘ったんだけど

 

 「え? わ、私? 私はいいよ。フェイトちゃんを誘って行ってきなよ」

 

 軽く断られてしまう。

 しまった! なのはとフェイトの仕事好きを忘れてた! しかも、なのははフェイトよりも仕事が好きなんだった!

 僕は断られてから、なのはが重度の仕事好きだと言うのを思い出す。

 良く考えたら、仕事好きのなのはが、仕事を中断してまで散歩に付き合ってくれるわけがなかった。 

 けど

 

 「お願い! なのは!」

 

 はやてにはしっかりと10分と時間を決められてしまっているので、今からフェイトを探しに行くのも時間がロスしてしまうから、できればこのまま、なのはと一緒に行きたい。

 だから、僕はなのはにお願いしてでも、一緒に来てもらおうとお願いする。

 

 「時間が勿体ないから、一緒に来て下さい!」

 

 「ええ~別にフェイトちゃんに念話で呼びかけたら、直ぐじゃない」

 

 「けど、合流するまでに時間が少し掛かるし‥‥‥」

 

 僕の必死の願いが通じたのだろうか? 僕がここまで言ってお願いすると

 

 「もー、しょうがないなー、10分だけだからね?」

 

 なのはがOKしてくれる。

 

 「うん! 分かってるって!」

 

 「‥‥‥ホントに分かってるのかな‥‥‥‥」

 

 まだ、なのは少し不満そうではあったけど‥‥‥‥

 まぁ、何はともあれ10分間だけとは言え、休憩を貰えたんだ。ゆっくりと休ませてもらおう。

 こうして、僕となのはは10分間喋りながら散歩をして、ゆっくり休ませてもらったのだが

 

 「よう、雷炎龍。久しぶりだな」

 

 僕達の目の前に突如扇が現れて、休憩の直後さっきまでとは違って不穏な空気が僕等を包み込んでいた。

 

 

 

 

 

 




はい。というわけで今回はここまでです。

最後にイキナリ出てきた戦闘狂の扇さん。
中途半端なとこで終わりましたが、すみません。
疲れたので、一旦ここで切ります。

まぁ、あれだけ”扇””扇”言って前振りしてたら、扇が出てくる事は分かり切ってたんですけどね。

なのはとの休憩時間中の会話は、すみません。内容思いつかなかったです。
扇と会うのに、隊長全員でというのは、どうかと思ったんで、なのはと明久を2人きりにする必要があったんです。
なので、2人の10分の散歩での会話は、特に重要でもない他愛もない話をしてたと思って下さい。

それでは今回はこの辺りで
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