魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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今回は説明の回です。

先に謝っておきます。
すみませんm(__)m
上手く説明できてるか自信ないです‥‥‥‥




第四十話

 僕等がヴィヴィオと遊びに出かけてから、三日たったある日。

 僕ははやてに呼び出されて、はやての部屋まで来ていた。

 そこには、なのはとフェイトもいて、今後の話をされた。

 内容はいくつかあったんだけど、まず一つ目は

 

 「戦闘機人?」

 

 この前、扇と一緒に襲ってきた女二人の話だった。

 

 「そう。戦闘機人。この前襲ってきたのは戦闘機人で間違いないとの事や」

 

 「明久君にも分かりやすく説明すると、戦闘機人っていうのは、人体に身体能力を強化するための機械部品をインプラントした存在の総称で、いわゆるサイボーグの事」

 

 うん。大丈夫。分かる所だけ抑えていれば今の所問題ない。

 要は戦闘機人っていうのサイボーグって事だね。

 

 「これは倫理的な問題で禁止されてるんだけど、非合法組織。つまりスカリエッティみたいな人は、この戦闘機人開発に手を出してるんだ」

 

 「それで、戦闘機人技術を完成させたのはスカリエッティなんや。つまり、これからスカリエッティが追いかけてるレリックを、私等六課が追いかけてたら、次はガジェットやなくて戦闘機人と戦う事になると思う」

 

 「それは、きつそうだね‥‥‥‥」

 

 はやての予想では、僕等はこれから戦闘機人と戦う事になるそうだ。

 もうガジェットごときには皆、手こずる事はないだろうけど、戦闘機人と戦うのはそれなりにキツイと思う。

 しかも、相手にはまだ扇がいる。

 あの時、捕まえられてたら大分楽だったんだろうけど、残念ながら取り逃がしてしまった。

 この前は圧勝できたから、次会う時も扇が強くなっていたとしても、そう簡単に負ける事はないだろうけど、厄介な事に変わりはない。

 

 「で、こっから重要機密が多聞に含まれるから、大まかな説明になっちゃうんだけど」

 

 フェイトは一度、言葉を止めてから、信じられない事を告白する。 

 

 「実は、管理局地上本部の壊滅と管理局システムの崩壊が起こる可能性があって、その事件にジェイル・スカリエッティが関係してくる可能性があるんだ」

 

 「しかも最悪な事に、本局では警戒強化はしてるんやけど、地上本部では全く警戒されてないんよ」

 

 ‥‥‥‥は? 地上本部が壊滅するかもしれないって、言ってるのに何の警戒もしてない? 頭悪いの? そこのトップの人は?

 

 「地上の実質的トップである、レジアス・ゲイズ中将はこの可能性を全く信じてないらしくて、何も特別な事はしないんだって」

 

 少しでも可能性があるなら、それは警戒するべきだと思うんだけどな‥‥‥‥‥やっぱり、ソイツはバカに違いないな。

 

 「それと、これはまだ、なのはちゃんとフェイトちゃんにも言ってへんかった事で、今日連絡が入ったんやけど、『公開意見陳述会』が狙われる可能性が高いそうや」

 

 公開意見陳述会。

 僕も詳しくは知らないけど、地上本部では今、魔法を使わない兵器を運用できるようにしようとする動きがあって、それに対する意見交換会。みたいな感じの奴だ。

 

 「はやて、そのいい方だと、ほぼ確実に地上本部は襲われるみたいないい方だね?」

 

 「まぁ実際、起こるかどうは分からんけど、テロが起こる可能性があるっちゅんは事実やし、管理局崩壊なんて言う、事が事だけに万全を喫したいからな、起こるのを前提にせんと、何かあってからやと遅いやろ?」

 

 ああ。そっか。可能性がある程度じゃなくて、起こるの前提にして構えてれば、それだけ対処も迅速にできるって事か。

 

 「なら、その日は全員でテロを阻止するために動くって事だね?」

 

 テロが起こると言う仮定なら、全員でテロを阻止。それが仕事なんだろう。

 僕はそう思ってたんだけど‥‥‥‥‥

 

 「それは私もそうしたいんやけどな。‥‥‥‥けど、この前査察があったのは知ってるやろう?」

 

 「まぁ、僕もその場にいたからね」

 

 確かあの査察は何事もなく終わったはずだけど、どうかしたんだろうか?

 

 「実はあの査察は、地上本部トップのレジアス中将が送ってきた査察やったんやけど、今朝一枚の手紙が私宛に送られてきたんや。で、その中身なんやけど‥‥‥‥‥」

 

 「‥‥‥‥どうしたの? はやて?」

 

 はやては凄い話しにくそうに一度口を閉じてから、一呼吸置いて再び口を開いた。

 

 「『嘱託魔導師の”公開意見陳述会”の護衛を禁ずる。この護衛は正規局員のみで行うのを原則とする』との事で、アキ君の参加は拒否されてしまった‥‥‥」

 

 へ? 拒否? なんで?

 と僕が首を傾げていると、なのはも同じことを思ったらしく

 

 「なんで!? なんで嘱託魔導師はダメなの!?」

 

 はやてに凄い勢いで迫って行くが、答えたのははやてだけではなく、はやてとフェイトだった

 

 「聞いた事がある。レジアス中将は魔導師のレアスキル持ちが嫌いだって。明久は元龍だから、レアスキルなんてレベルじゃない。超が何個付くかも分からないレアスキル持ちだから、拒否してきたんじゃないかな?」

 

 「それもあるやろうな。けど、表面上の理由は『既に充分な警備が敷かれているのに、民間協力者を無暗に使うものではない。尚、充分な警備かどうかは”こちら”が判断するものとする』こういう事になっとる。こう言われた以上、ウチもアキ君を何の事故も起こってないのに連れ出す事はできひんねん」

 

 「じゃあ、僕はその日は‥‥‥」

 

 「六課にて出動待機や。何か起こったら、直ぐに飛んできてもらう」

 

 だったら最初から現場に居させてくれと思うんだけど、それはレジアスとか言うオッサンのせいで、無理ならしい。

 くそ、面倒な事言いやがって! そのオッサン、ババア長より性質が悪いな。いつかぶん殴ってやる!

 

 「とまぁ、お話はこれだけや。えらい長い話になったけど、要は」

 

 「これからの戦闘は戦闘機人で、テロが起こると思われる『公開意見陳述会』には僕は参加できないけど、六課で待機して、何かあればすぐに出動。って事だよね?」

 

 「正解や。アキ君にしては凄い理解力やな。どないしたんや?」

 

 「まぁ、ちょっとね? コツを掴んだんだよ」

 

 分かる部分だけ聞いて、分からない所は切り捨てる。

 これなら僕も理解できるからね!

 

 「まぁ、そんな訳やから、公開日まで後一週間。ここを抑えたら、この事件は一気に解決に向かうと思う。ここが正念場や。皆大変やろうけどよろしく頼むよ?」

 

 「うん!」

 

 「任せて!」

 

 「まぁ、できるだけ頑張るよ」

 

 僕等がはやてに返事をして、この会合は終了となる。

 ったく。ホント、レジアスとか言うオッサンのせいで面倒な事になったもんだ‥‥‥‥

 

 

      ☆

 

 

 僕が、はやて達から、とんでもない話を聞いた翌日。

 この日もいつもと変わらず、訓練をする事になっている僕達フォワード陣は、いつものように整列して、なのは達隊長陣の話を聞いていた。

 

 「さて、今日の朝練の前に連絡事項です。陸士108部隊の、ギンガ・ナカジマ陸曹が、今日からしばらく六課へ出向となります」

 

 「はい。108部隊。ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくお願いします!」

 

 「「「よろしくお願いします!!」」」

 

 ギンガさん。

 確か、この前の出動の時、フォワード陣と一緒にレリック確保に協力してくれた人だよね? スバルのお姉さんの。

 と言う事は、僕以外の皆はギンガさんと面識があるって事か。

 

 「それから、もう一人」

 

 「どうもー」

 

 「十年前から隊長陣のデバイスを見て下さってる、本局技術部の精密技術官」

 

 「マリエル・アテンザです」

 

 へぇー、あの隊長陣のデバイスを‥‥‥‥シャーリーに負けないくらい凄い人なのかな?

 

 「地上でのご用事があるとの事で、しばらく六課に滞在していただく事になった」

 

 「デバイス整備を見て下さりも、するそうなので」

 

 「気軽に声を掛けてね?」

 

 「「「はい!!」」」

 

 凄い人で、いい人でもありそうだ。

 六課って基本的に良い人が集まるよね?

 地上本部と違って‥‥‥‥

 

 「おーし! じゃあ紹介が済んだ所で、さっそく今日も朝練入っとくか」

 

 「「「はい!」」」

 

 二人の紹介が済むと直ぐに、ヴィータの声が響き渡り僕達の朝練が始まる。

 因みに

 

 「エリオ、キャロ集まって」

 

 「「はい!」」

 

 エリオとキャロはフェイトの下に

 

 「ティアナは今日もアタシとやるぞ」

 

 「はい!」

 

 「突撃型の捌き方。第六章!」

 

 「お願いします!」

 

 ティアナはヴィータに

 

 「吉井。今日もお前は私とだ。いつものように前半は素の状態で、後半からはドラゴンドライブを使用してのトレーニングだ」

 

 「了解」

 

 僕はいつもと変わらない訓練だ。

 だからスバルもいつも通り、なのはの特訓かな?

 と思ってたんだけど

 

 「ギンガ、スバルと一対一で軽く模擬戦して、スバルの成長、確かめて見てくれないかな?」

 

 スバルは初っ端から、ギンガさんと模擬戦をするそうだ。

 それを聞いたシグナムは

 

 「吉井。訓練は、あの二人の模擬戦を見てからにしよう」

 

 と、言い出したので、僕等は皆で二人の模擬戦を見る事となった。 

 

 ‥‥‥‥‥‥

 

 二人の模擬戦は、二人とも同じようなデバイスのため、魔力弾を打ち合うとか、そういう戦いではなく、打撃戦だった。

 最初はスバルが一方的に押されてるように見えたんだけど

 

 「なるほど。悪くない」

 

 「はい」

 

 「ああ。二人とも中々だ」

 

 シグナム、なのは、ヴィータにこんな事を言わせる程、いい勝負をしていた。

 まぁ、結果だけ見ればギンガさんの勝ちだったんだけど、僕が見ててもスバルはもう少しで勝てたと思う。

 スバルはバリアを上手く使えてたし、ウィングロードを展開してからも良く戦っていた。

 ただ、今回はギンガさんの方が経験豊富な分、軍配が上がったんだろう。

 また模擬戦をすれば、次はまた、どっちが勝ってもおかしくないと思う。

 現に、模擬戦後のなのはとの会話で

 

 「どう? スバルの成長は?」

 

 「ビックリしました。攻防の切り替えが凄くスムーズで、威力も段違いで」

 

 「合格?」

 

 「はい! もの凄く!」

 

 と、ギンガさんもスバルの成長に満足してたしね?

 この後、僕等は再び、なのはに集合をかけられて、整列したんだけど、その時に

 

 「せっかくだから、ギンガも入れたチーム戦。やってみよっか?」

 

 突然これだ。

 要するに、チーム戦とは

 

 「フォワードチーム六人対、前線隊長四人チーム」

 

 と言う事だ。

 

 「え?」

 

 いきなりこんな事を言われたギンガさんは、驚きのあまり、目が点になっている。

 気持ちは凄く分かりますよ、ギンガさん!

 僕も最初、それを聞いた時は、自分の耳を疑いましたもん!

 けど

 

 「あのね? ギン姉。これ時々やるの」

 

 「隊長達、かなり本気で潰しに来ますので」

 

 「まずは地形や幻術を駆使して、何とか逃げ回って」

 

 「どんな手を使っても、決まった攻撃を入れる事ができれば、撃墜になります」

 

 「と言う事で、頑張ってくださいね?」

 

 正直、かなりキツイけど‥‥‥‥‥

 因みに、僕は雷か炎を剣に纏わせて、相手に命中させれば良いんだけど、ドラゴンドライブはチートなので、使用は禁止だ。

 この時点で、僕に対してはどんな手段を使っても、一発入れると言うのは成り立っていないと思う。と伝えると

 

 「明久のどんな手段でも、卑劣なのが多いから禁止だ」

 

 「吉井は正面から戦った方が成長するのが早いからな。小細工は無しの方が良い」

 

 「それに明久君は、これだけ制限があっても、色んな事考えて、色んな手段使えちゃうでしょ?」

 

 「何より、明久のドラゴンドライブは、制限なしのシグナムよりも、実力はともかくスペック的には上だからね。それくらい制限がないと、訓練にならないからね」

 

 と、全員に僕の主張は却下された。

 因みに、シグナムとの本気の模擬戦は勝率は五分五分にまでなっている。

 リミッター付きの皆が相手で、僕だけ本気でフォワード陣とチームを組んだら、まず間違いなく勝てるだろう。

 よって、僕のチートは禁止となっている。

 

 「じゃあ、ギンガへの説明も終わったし、模擬戦行ってみようか?」

 

 「「「はい!!」」」

 

 と、僕がボーっとしてる間に、ギンガさんへの説明は終わったようで、模擬戦が始まるようだ。

 よし! ここからは気合を入れて頑張るぞ!

 

  ‥‥‥‥‥

 

 と、始まる前は僕も気合を入れて頑張ったんだけど

 

 「はい。じゃあ今日はここまで」

 

 「全員、防護服解除」

 

 結局、またもやボロボロに負けてしまった。

 あー、やっぱり皆強すぎる。僕も同じ制限付きのはずなのに、どうして一回も隊長陣に勝てないんだろうか?

 

 「じゃあ、今日はクールダウンしてあがろうか? お疲れ様」

 

 「「「ありがとうございました」」」

 

 や、やっと終わったー。

 まだ、朝だっていうのに、今日はもう既に何もしたくないや‥‥‥‥

 これからクールダウンしなきゃだけど‥‥‥‥

 こうして、僕等はクールダウンして、今日の訓練は終わりを迎えた。

 

 僕等がクールダウンに入って、しばらくしてから

 

 「ママー」

 

 ヴィヴィオの声が聞こえてきて、声の方に振り返ると、そこにはヴィヴィオが、なのは達の方に向かって走っていた。

 どうやら、なのは達を迎えに来たようだ。

 

 「ヴィヴィオー」

 

 「危ないよー。転ばないでね?」

 

 なのはとフェイトも、ヴィヴィオに気づき笑顔を見せる。

 いやー、見ていて和むなー。この光景は。

 ただ、あんなに走って転ばないか心配だけど‥‥‥‥

 まぁ、フェイトが忠告してるし、大丈夫か。

 と、僕が安心してると

 

 「わ」

 

 「「「あ‥‥‥‥‥」」」

 

 ヴィヴィオは盛大に転んでしまった。

 それを見たフェイトは、直ぐにヴィヴィオの下に向かおうとしたんだけど

 

 「あ、たいへ――」

 

 「大丈夫。地面柔らかいし、綺麗に転んだ。ケガはしてないよ」

 

 なのはに止められてしまう。

 いや、あのー、なのはさん? ヴィヴィオまだ子ども、と言うより幼女なんですけど‥‥‥‥‥? 

 厳しすぎやしませんか?

 

 「ヴィヴィオ。大丈夫?」

 

 「うう‥‥‥‥ふぇ‥‥‥」

 

 「ケガしてないよね? 頑張って、自分で立ってみようか?」

 

 厳しっ!? なのはママ凄い厳しいよ!? 訓練も厳しければ、ヴィヴィオにまで凄い厳しいよ!?

 

 「ママ‥‥‥‥‥」

 

 ああ、もう、ほら! ヴィヴィオ泣きそうになってるし!!

 

 「うん。なのはママはここに居るから、おいで?」

 

 そう言ってなのはは、しゃがんで目線を低くして、両手を広げてヴィヴィオを迎え入れる態勢を取る。

 が

 

 「ふぇ、ふぇ‥‥‥‥ええ‥‥‥」

 

 ヴィヴィオは遂に涙を零し始めた。

 

 「おいで?」

 

 それなのに、尚、自分の足で立たせて、自らの下へ来させようとするなのは。

 うん。厳しい。凄いスパルタだ。

 確かに、あまり甘やかしすぎるのは良くない。

 なのはの指導方針は決して間違ってはいないだろう‥‥‥‥。

 いないんだけど、それはもう少し大きくなってからでいいと思う。

 今のヴィヴィオにその教育方針は、厳しすぎるよ‥‥‥‥

 

 「なのは、ダメだよ。ヴィヴィオまだ、小っちゃいんだから」

 

 案の定、フェイトは見てられなくなったのか、ヴィヴィオの下へと駆け出していき、ヴィヴィオの事を抱きかかえてしまう。

 

 「フェイトママ‥‥‥‥」

 

 「うん。気を付けてね? ヴィヴィオがケガなんてしたら、なのはママもフェイトママも、きっと泣いちゃうよ?」

 

 「ごめんなさい‥‥‥」

 

 「もー。フェイトママちょっと甘いよー」

 

 「なのはママは厳しすぎです」

 

 全く持って、フェイトの言う通りだ。

 もう少し、なのはは甘やかしても問題ないと思う。

 というか、むしろ甘やかして欲しい。

 

 「ヴィヴィオ? 今度は頑張ろうね?」

 

 「うん‥‥‥‥」

 

 なのはが手を差し出すと、ヴィヴィオはその手を嬉しそうに握って、なのはとフェイトの間で、二人と手を繋いで隊舎へと戻って行く。

 僕等も、その後ろに続いて隊舎へ戻り、楽しくご飯を食べたのだった。

 

 

 

      ☆

 

 

 

 六課で、皆が楽しく過ごしていた頃。

 ある場所では、六課とは真逆の空気流れていた。

 そこでは、一人の男がまるで人体実験をされているかのようにベッドに寝かされ、身体をベッドに縛り付けられていた。

  

 「ぐうああああぁぁぁぁあああ!!」

 

 今、絶叫をあげ、人体実験をされているのは扇風月だ。

 そして、この実験を行っているのが

 

 「やぁ、ドクター竹原」

 

 明久を”この”世界に飛ばした張本人。

 元、文月学園の教頭である竹原だ。

 

 「ん? ああ。ドクタージェイルか。どうかしたのかね?」

 

 そんな竹原に話しかけた、もう一人の男はジェイル・スカリエッティだ。

 

 「ふむ。扇が随分、苦しんでいるようだが、これは何の実験なのかと思ってね」

 

 「ああ。これは別に大した事ではない。ドラゴンの力を活性化させるための薬品を風月に打ち込んだだけだよ」

 

 「それは面白そうな事をやっているね‥‥‥‥どんな効果なんだい?」

 

 人体実験を何の躊躇いもなくやってのける竹原と、人体実験を面白そうな事と言うスカリエッティ。

 どちらも頭がおかしいのは明白だろう。

 

 「なに、大したことはない。ドラゴンの力を活性化させる事によって、風月は次の段階に進むのだよ。ドラゴンユニゾンにね」

 

 「それは、コントロールできないと死ぬのでなかったのかね?」

 

 「死ぬのは人格であって、命そのものではない。仮に風月が人格を失っても、投薬で風月を抑え込めば、風月は私に従順な手ごまになるだけだ。人格を失わなければ、これまで通りと言うわけだ。私に損害は何もない」

 

 「なるほど。で、成功はしそうなのかい?」

 

 「それは最後まで分からんな」

 

 「殺すのだけは止めてくれよ? 彼も大事な戦力なんだ。私のプランのためにね」

 

 そう言って、スカリエッティは笑いながら、自らが製作した戦闘機人達の下へと向かった。

 

 「ああ。そう言えば、もうじき『公開意見陳述会』だったな」

 

 竹原の周りには、扇の絶叫と竹原の独り言だけが響き渡っていた。

 

 

 

 

 管理局地上本部、公開意見陳述会まで、残り7日

 

 

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