魔法少女リリカルなのは バカの参戦    作:セイイチ

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第五十話

 秀吉と姫路さんから署名を貰った後、僕は雄二とムッツリーニの待つ教室へと行き、二人と合流していた。

 僕が二人と合流すると

 

 「お前なんで五体満足で帰ってきたんだ? つまらんな」

 

 「‥‥‥‥‥‥‥あの時の姫路の様子から、腕の一本や二本は使い物にならなくなっていると思っていた。ホントに面白くない」

 

 開口一番にこんな事を言ってくる。

 野郎。やっぱり僕を見捨てた理由は僕が傷つくのを面白がって見るためだったんだな?

 いつか倍返ししてやるから覚えてろ‥‥‥‥‥

 

 「で? その様子だと二人に勝ったのか?」

 

 「うーん‥‥‥‥‥勝ったと言えば勝ったけど、勝負自体は引き分け?」

 

 「召喚獣勝負は結果的にはそうじゃが、あのまま続けてもおそらく明久が勝っておったじゃろうし、明久の勝ちで良いのではないか?」

 

 「そうですね‥‥‥‥‥‥あのまま続けても明久君には勝てなかったと思いますし、明久君の勝ちで良いと思いますよ?」

 

 そうかな? あの時、僕に残されてた手段はヒット&アウェイしかなかったから、姫路さんが落ち着いて僕を攻撃していたら、最終的には僕は負けてたような気がするんだけど‥‥‥‥‥‥

 

 「まぁなんにせよ、秀吉と姫路も明久に協力する事にしたんだろう? なら後は島田だけだな。ムッツリーニ、島田の今の居場所は分かるか?」

 

 雄二は自分から言い出したくせに、勝敗の事はあまりに気になっていないらしく、あっさりと話題を変えて、美波の居場所をムッツリーニに調べさせる。

 ったく、興味がないなら最初から聞かなければいいのに‥‥‥‥‥‥

 

 「‥‥‥‥‥‥‥‥現在、島田は学内にはいないと思われる」

 

 ムッツリーニは既に美波の居場所を探してくれていたようで、雄二の質問に即答する。

 そっか、美波はもう家に帰っちゃったのか‥‥‥‥‥‥

 今日一日で美波以外のFクラスのメンバーの署名は貰えたから、この勢いに乗りたかったんだけど、居場所が分からないんじゃどうしようもない。

 さすがのムッツリーニでも学外まで把握できないだろうし、今日は諦めるしかないか‥‥‥‥‥‥

 

 「‥‥‥‥‥‥‥現在は島田の妹と商店街で買い物をしている模様」

 

 どうやら僕はムッツリーニを甘く見てたらしい。

 まさか学外まで把握してるとは思わなかった‥‥‥‥‥‥

 

 「商店街か‥‥‥‥‥‥今から行っても、俺達が着く頃には島田は既に家に帰ってるだろうな。‥‥‥‥‥‥‥仕方がない。家におしかけるのもどうかと思うし、今日はもう解散するか」

 

 「校内の様子だけでなく商店街の様子まで把握しておるのはスルーなんじゃな‥‥‥‥‥‥‥」

 

 それは僕も思ったけど、良く考えたらムッツリーニだしこれくらいで突っ込んでたらいけないような気がしたんだよね。

 とまぁ、そんなわけで今日の所はこれで解散となった。んだけど

 

 「おい、明久。久しぶりにゲームでもやらないか?」

 

 僕が真っ直ぐ家に帰ろうとしたら、突然雄二が遊びに誘ってくる。

 

 「え? 今から? もうじき日が暮れるよ?」

 

 「ん? 何か都合でもあるのか? あ! もしかして玲さんが帰ってくるとか、そんな感じか?」

 

 「いや、特に都合とかはないけど‥‥‥‥‥」

 

 姉さんが帰って来るとかそんな話も聞いてない。

 まぁ、姉さんは帰ってくる時に連絡なんて一切よこさないし、帰ってくるかは分からないだけど‥‥‥‥‥‥‥

 三か月前にアメリカに行ったきり帰ってきてないらしいから、もうじき帰ってくると思うけど、また”向こう”に行く時に姉さんがいたら説明しないといけないし、姉さんの手料理も食べさせられるだろうから、しばらく帰って来なくても構わない。と言うか、帰ってきてほしくないんだけど‥‥‥‥‥‥

 

 「なら遊ぼうぜ。俺ん家、今日は母さんが高校の時の同窓会があるらしくて、家に居ないからな。今日は俺ん家でも問題ない」

 

 「では今日は雄二の家に行くとするかのう」

 

 「‥‥‥‥‥‥‥‥雄二の家は久しぶり」

 

 秀吉とムッツリーニは遊ぶ気満々のようだ。

 そう言えば、僕が”向こう”に行く前は良く学校の帰りに皆で誰かの家に行って遊んでったけ?

 最近そう言う事をしてないからすっかり忘れてた。

 ‥‥‥‥‥よし。

 

 「僕がいなかった間に新しいゲームを補充してたんだろうね? 言っておくけど”向こう”で暇な時はゲームをして過ごしてたから、僕の腕が落ちてるなんて事はないからね?」

 

 最もやっていたゲームは昔僕がやりこんでいたゲームばかりだったから、最新のゲームに関しては凄い久しぶりなんだけどね。

 

 「あほか。俺はお前と違って、生活費を趣味に費やしたりはしねえから、新しいゲームが出たからって次々買うわけじゃねぇんだよ」

 

 「と言いつつ、本当は学園長の研究を手伝ったり、霧島から逃げていたり、他クラスに試召戦争を仕掛けられんように手を打ったりと、色々な所で走り回っていたせいでゲームなんてする時間がなかっただけなんじゃがな」

 

 「‥‥‥‥‥‥‥霧島の件以外は明久のため。本当に素直じゃない」

 

 「は? 何言ってやがる。ババアの手伝いをしたのは、確かにこのバカを元に戻す為だったが、それはコイツがいないせいでFFF団の矛先が俺にばかり向くのを防ぐためだ。試召戦争は設備ダウンを防ぐためだしな」

 

 そっか雄二は僕のためにババアの手伝いまでしてくれてたのか‥‥‥‥‥‥‥それに雄二はクラスの設備なんて気にしない奴だ。

 これも多分、僕がいない間に設備ダウンをさせないために頑張ってくれたって事なんだろう。

 ここまでしてくれたんだから、お礼くらい言ってやるか‥‥‥‥‥‥

 

 「雄二、ありがとう」 

 

 「「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」」

 

 僕が雄二にお礼を言うと、何故か雄二と秀吉とムッツリーニの三人は無言で固まっていた。

 因みに姫路さんはもう帰宅してるから、ここにいるのは僕達四人だけだ。

 

 「どうしたの3人とも?」

 

 僕は急に固まった3人を声をかける。

 

 「い、いや。お前が俺に対して急に礼なんて言うから驚いてんだよ。お前、ありがとうなんて言葉知ってたのか?」

 

 「逆にどうして僕がお礼の言葉を知らないと思ってたの? それくらい知ってて当然でしょ?」

 

 それともなにか? 雄二は僕の事をお礼も言えない、ダメな奴だと思ってたのか?

 

 「あんなに礼儀しらずだった明久がお礼を言えるとは‥‥‥‥‥‥‥こりゃ今晩は嵐だな」

 

 どうやら雄二の中での僕の評価は最低だったようだ。

 と言うか、礼儀知らずは雄二にだけは言われたくない。僕と似たような物なんだから‥‥‥‥‥‥

 ヤバイ。雄二と同レベルって、自分で言ってて涙が出そうになる。

 

 「‥‥‥‥‥で? 秀吉達も驚いたって事は、秀吉達も僕の事を同じように見てたの?」

 

 「ま、まぁ雄二はちと言い過ぎだと思うが、正直明久が雄二に礼を言うなんて驚きじゃったな‥‥‥‥‥‥‥」

 

 「‥‥‥‥‥‥‥本当に今晩は嵐の予感」

 

 ダメだ。二人の評価も僕は低かったみたいだ。

 いったい僕はどれだけ評価が低いんだろうか? 礼くらい僕だって言えるのに‥‥‥‥‥‥‥

 まったく、三人とも冗談が酷いなー。

 

 「あー、今日は止めとくか? 嵐になったらお前等帰りにくいだろう?」

 

 「そうじゃな。さすが嵐の中に突っ込むのは無謀じゃしな」

 

 「‥‥‥‥‥‥嵐の中帰るのは危険」

 

 あれ? 冗談だよね? なんか本当に嵐がくるみたいな会話はわざとだよね?

 

 「よーし、じゃあ今日はこのまま解散ー。おつかれー」

 

 「では、また明日なのじゃ」

 

 「‥‥‥‥‥‥‥おつかれ」

 

 三人はそう言うと、そそくさと本当にそれぞれ家に帰ってしまった。

 まさか本当に嵐が来るって信じるとは‥‥‥‥‥

 

 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥帰ろ‥‥‥‥‥‥」

 

 僕は一人空しく帰路についたのだった‥‥‥‥‥‥

 

 

 

                  この後、本当に嵐が来るとも知らないで‥‥‥‥‥

 

 

 

             ☆

 

 

 「ただい、ま?」

 

 僕は家に帰ってきて玄関の扉を開くと、違和感がある事に気が付いた。

 その違和感とは

 

 「あれ? 今、僕鍵開けたっけ‥‥‥‥‥‥‥?」

 

 僕は鍵を使わずに家に入る事ができたのだ。

 今朝、家を出る時は確実に鍵が閉まっているのを確認したにも関わらずだ。

 そして何よりおかしいのは

 

 「見知らぬ靴が三足もある‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 これまた今朝家を出た時には見当たらなかった靴が三足も玄関口に置いてあった事だ。

 鍵は数億分の一の確率で締め忘れた可能性だってある。

 けど見知らぬ靴が、それも三足もあるなんて事は、どう考えても、たったの数パーセントたりとも僕のミスで起こり得る可能性はない。

 僕のミスでないなら、この現象が起こる可能性なんて物は一つしか思い当たらない。

 

 「おや? 今帰ったのですか? アキ君」

 

 「う、うん。ただいま‥‥‥‥‥‥姉さん‥‥‥‥‥」

 

 僕の不詳の姉である吉井玲が、つまり姉さんが帰ってきたと言う事だ。

 ああ。さようなら。僕の平安な日常。

 まぁ姉さんがいない間、僕もこの家にいなかったから、特に生活が変わるってわけじゃないんだけど。

 って、うん? そう言えば玄関にあった靴は三足だったはず‥‥‥‥‥

 少なくとも後二人、この家に居るって事なんじゃ?

 もしかして、母さんと父さんも帰って来た――

 

 「あ、お邪魔してます。明久君」

 

 「‥‥‥‥‥お邪魔してるわよ。アキ‥‥‥‥‥‥」

 

 わけじゃなく、姫路さんと美波が家に来ていたようだ。

 

 「ああ。いらっしゃい二人とも。何もない家だけどゆっくりしていってよ。‥‥‥‥‥ん?」

 

 あれ? 誰がいるって?

 僕は少し考えてから、もう一度僕よりも先に家にいたメンバーの顔を確認する。

 右から順に、姉さん、姫路さん、美波。

 ふむ。今度は左から確認しよう。

 ええっと。左から順に、美波、姫路さん、姉さん。と

 どうやら僕の見間違いではないらしい。

 

 「み、美波!? どうしてここに!?」

 

 僕は二回の確認で美波がいる事を確認してから驚きの声を上げた。

 最初はあまりにも自然すぎてスルーしちゃったけど、どうして美波がここに!? ムッツリーニの情報では先に帰ったはずじゃ!?

 

 「その、商店街で偶然玲さんに会って、ウチもなんだか良く分からない内にアキの家に連れて来られて‥‥‥‥‥」

 

 「あ、あの。私も家に帰る途中で玲さんと美波ちゃんに会って、なんだか良く分からない内に明久君のお家に‥‥‥‥‥‥」

 

 と言う事は二人とも良く分からない内にここに連れて来られたっと。

 僕は二人の話を聞いて迷わず、携帯を取り出して三つのボタンを躊躇なく押した。

 

 ピッポッパッ

 トゥルートゥルー、ガチャ

 

 『もしもしこちら110番です』

 

 「おまわりさん。ここに拉致容疑のかかった被疑者がいます」

 

 僕が迷わず押した番号は1、1、0。

 つまり警察だ。

 姫路さんと美波の二人を拉致した姉。

 いける! これなら姉さんはしばらく警察のお世話になるはずだ。

 実の姉が警察にお世話になるなんて悲しい事だけど、これも僕の快適な生活のためだ。致し方ない。

 

 「あらあらアキ君。こんな所にアキ君の世界史の教科書の中身と、姉さんが隠し撮りした秘蔵コレクションが」

 

 僕が警察に次の言葉を発する前に、世界史の教科書のカバーを被ったエロ本と、姉さんが自分で撮ったと言う僕の女装写真(寝顔+セーラー服、ナース服、メイド服、女子のスク水etc)を僕の目の前に見せてくる姉さん。

 

 「いつでも世界にWEB配信できますよ?」

 

 そういう姉さんの手元にはUSBメモリーとパソコンが用意されている。

 くっ! この姉は本気だっ‥‥‥‥‥‥!

 と言うか、姉さんはどうして僕が着た覚えのない写真を持っているんだ?

 

 『もしもし!? もしもし!? 拉致がどうかしましたか!? もしもし!?』

 

 「‥‥‥‥‥‥‥すみません。良く見たら、知り合いでした」

 

 とは言え、僕自身着た記憶がない写真とは言え、ここに映っているのは間違いなく僕なわけだから、この写真を無視するわけにも行かない。

 こんな物を見せられたら、僕にはこうするしか選択肢はなかった。

 と言うか、ホントに何故姉さんはこんな写真を持っているんだ? 世界史の教科書だって、姉さんにバレないように机の2段目の引き出しに底上げの板を入れて、その下に隠すと言う完璧な隠し場所だったはずなのにっ‥‥‥‥‥‥‥

 

 「まったく。アキ君はそそっかしいですね。姉さんは意味もなくお二人を連れてきたわけではありませんよ?」

 

 「意味があろうとなかろうと、本人の承諾を得ずに連れてきたら立派な拉致なんだよ?」

 

 「話を最後まで聞きなさい。姉さんはお二人に話があって、連れてきたんです。なので、拉致とかではありません」

 

 「けど結局、承諾を得てなんだから、拉致じゃない――」

 

 ボキッ! ←僕の首が曲がる音。

 

 「ぐををを!! 痛い!! 首が凄く痛い! そして何故か景色が斜めになってる!?」

 

 「ちょ、アキ!? 大丈夫!?」

 

 「首が斜めになったまま固まってますよ!?」

 

 え”? それって首の関節外れてるんじゃ‥‥‥‥‥‥‥?

 

 「大丈夫です。死んでしまうような下手な外し方はしていませんので」

 

 あ、そうなんだ。なら安心――

 

 「そのうち痛みに慣れて、意識を失って気づいたら病院のベッドの上。と言う事になるくらいなので、安心して下さい」

 

 できるような状況じゃなかった。

 

 「待つんだ姉さん! それはちっとも大丈夫じゃない! 今すぐ僕の首を元に戻すんだ」

 

 でないと僕は死んでしまう。

 

 「さて、では久しぶりに姉さんが皆さんの分の夕食を作るとしましょうか」

 

 夕‥‥‥食‥‥‥‥だと‥‥‥‥‥。

 それは本格的にマズイ!!

 

 「待って! 待ってよ、姉さん――! 僕が悪かった! ふざけて姉を犯罪者扱いした僕が全部悪かったから! お願いだから首を元に戻して――!!」

 

 じゃないと致死率100%になってしまう。

 

 「あ、玲さん。私も夕食を作るなら手伝います。食べさせてもらうだけって言うのは悪いですから」

 

 「ノォ――!! ジャスターモーメント――!! 姫路さん! 早まったらダメだ―――――――――!!」

 

 もしここで姫路さんにまで台所に立たれたら、致死率500%を余裕で振り切ってしまう。

 六課でちゃんとした物をおいしく食べる事に慣れてしまった僕では、姉さんと姫路さんの合作料理を口にしようものなら生存する事は不可能だろう。

 しかも今の僕は首が正常じゃな状態なわけだし。

 

 「大丈夫ですよ。明久君。私も明久君がいない間に料理の練習をたくさんしたので、料理は凄く得意になったんですよ? 練習で作った物をFクラスの皆さんに食べてもらったら、『天国にいけるような味だね』って褒めてもらえたんですから♪」

 

 それは比喩ではなく、おそらく本当に天国を敬遠してきたんだと思う。

 って、そんな感想を抱いている場合じゃない!

 このままだと次なる被害者は僕と言う事になってしまう!

 それだけはっ! それだけは何としても阻止せねば!

 

 「美波! 多少強引でも構わない! 僕の首の関節を無理やり戻して!」

 

 「わ、分かった。‥‥‥‥‥‥って無理よ! 肘や肩なら治せるけど、首なんてやった事ないもの!」

 

 普通の女の子は首だけじゃなく肘や肩も治せないと思うけど‥‥‥‥‥‥‥

 それでも今は美波だけが頼りだ。

 このままでは僕だけでなく、美波の命だって危ういんだから、なんとしても美波に頑張ってもらう他ない。

 

 「頑張るんだ美波! 生きて明日を迎えたいなら、ここで頑張るんだ美波! ここで頑張らないでいつ頑張るんだ!!」 

 

 「いくらなんでも大袈裟すぎない‥‥‥‥? それと、間違っても死ぬ気で頑張るのは、ここじゃないと思うわ」

 

 違うんだ美波。

 美波は知らないから無理もないけど、姫路さんの料理も、姉さんの料理も殺人料理なんだよ。

 だからここで頑張らないと、明日を生きて迎えられないと言うのは比喩でも何でもない。現実なんだよ。

 

 「まぁ、アキがそこまで言うならやってみるわ。けど、どうなっても知らないわよ?」

 

 「ありがとう、美波。僕の事は気にせず思いっきりやっちゃって!」

 

 ようやくやる気になってくれた美波に全力でやるようにお願いする僕。

 まさか僕が、美波に全力で関節を触るようにお願いする時が来るとは思いもしなかった。

 いつも美波に関節を掛けられていたのは、無駄ではなかったようだ。

 

 「いくわよ? ‥‥‥‥‥‥えいっ!」

 

 バキッ!!!

 

 「ぐをををををををををっ!!」

 

 痛い! 音もなんだかさっきと違うかったし、姉さんがさっき仕掛けた時よりも数倍痛い!!

 けど、おかげで首は治ったようで、縦に横に自由に動かせるようになった。

 

 「ありがとう、美波! これで助かる希望が見えてきたよ! 姉さん、姫路さん! その料理ちょっと待ったぁぁあ――――――!! 料理だけは何が何でも僕が作るから、二人は手を出さないでぇぇえ―――――!!」

 

 僕は首が治ると、美波に向かって早々にお礼を言って、台所へと走り料理を始めようとエプロンをつけ始めた二人を全力で止めたのだった。

 

 

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