僕が扇に向かって突撃すると、扇は直ぐに自分のデバイスである、死神の大鎌みたいな武器を構えた。
僕はそこに両手の剣を使って、攻撃を叩きこんで鍔ぜりあいになる。
お互いに魔力は使わずに純粋な力のみでの、鍔ぜりあいだった。
「どうした? 本気でこないのか?」
「そっちこそ。この前みたいに最初からユニゾンを使ってないじゃない」
僕と扇はお互いに睨み合いながら、短い会話をしていた。
「そんな事したら、一瞬でかたがついちまうじゃねえか」
「終わらせる気はないの?」
「下の連中があまりにも弱すぎて、ストレス溜まってんだ。少しくらい遊ばせろ」
「そんなに遊びたいなら、一人で遊んで‥‥‥ろ!!」
僕は剣を握る力を強め、扇の大鎌を弾いて、後ろへといったん下がる。
どうやら、扇は前々回の対戦の反省を全くしておらず、再びバトルマニアと化していた。
以前、その悪癖のせいで僕にボコボコにされたのをもう忘れたらしい。
「純粋な力は互角か‥‥‥‥‥‥ならスピードでは俺を上回れるか?」
そう言って扇は高速飛行をして、あちこち動き回りだした。
所謂、高速移動と言う奴だ。
扇のそのスピードは言うだけあって、確かに速かった。だが
「あんまり舐めてもらったら困るよ! スピードは僕の方が上だ!!」
僕は高速移動する扇を完璧に捉えて、一気に距離を詰めて斬りかかる。
「っと! 流石にやるな。じゃあ、そろそろ少し本気を出すとするか」
扇は僕の剣を紙一重で躱して、右手の人差し指と中指に風を纏って、腕を振るってきた。
瞬間、剣を振り切った僕に向かって、風の刃が飛んでくる。
僕はその風の刃に焦るなんて事はなく、二刀の剣で完璧に扇の攻撃を防ぎきった。
「うーん。やっぱ、この程度じゃ、お前にはもう効かない‥‥‥‥‥‥」
その姿を見た扇は愚痴でも垂れるかのように、ブツブツと呟いていた。
「この攻撃結構好きだったんだけどな‥‥‥‥‥‥少しずつ皮膚を切り裂いて、血をじわじわと出させられるから‥‥‥‥‥」
まぁ正直、あの程度の攻撃を、それ単体で放たれたところで怖さなんて微塵もない。
威力も数も大した事はないんだから、落ち着いて対処すれば何ら問題ない。
「仕方ねえな。ちょっち本気でも‥‥‥‥見せてやらぁ!!」
扇が叫ぶと、今度は指ではなく右腕すべてに風を纏いだした。
‥‥‥‥‥流石にあれは直撃したらマズイ気がするな‥‥‥‥‥
そんな僕の思考なんて、まるで無視して扇は容赦なく右腕を振るってきた。
「おらぁ!! 避けれるもんなら、避けてみやがれ!!」
刹那、さっきとは比べ物にならない巨大な刃が複数、僕に向かって飛んでくる。
「くっ! 数が多すぎる! これじゃ防ぎきれない!」
扇の風の刃の量が多すぎるため、全てを弾くのは不可能だと判断した僕は、直ぐにそれらの攻撃を回避する事に専念する。
途中、一発だけ避け損ねて剣で防いで弾く事になったが、直撃するのは何とか避けられた。
だが、問題なのはこの威力だ。
僕が避けた攻撃は地上へ向かって、飛んでいったのだが、扇の攻撃が当たった場所は大きな切り口が、遥か上空でも視認できる程の威力だった。
「どうだ? 一箇所に魔力を集めれば、素の状態でもこれくらいの力にはなるんだ。お前は遠慮なんかせずに本気で掛かってきていいんだぜ?」
扇は完全に僕を舐めていた。
今のは要するに、自分は素で戦うけど、僕はドラゴンドライブを使っても良いんだぞ?
と、こういう事だろう。
ここまで舐められて、黙ってるのは癪だ。
こっちだって、封印を解いてパワーアップしてるんだ。
ドライブを使わなくても、今の状況くらい何とかしてみせる!
「ザボルグ! 封印されていた力とやらを今こそ解放するんだ!」
僕は扇に反撃するために、ザボルグに封印されていた力を解放してもらおうとしたんだけど
『むーりー。今日はやる気でーなーいー』
ザボルグはダラダラだった。
しかも口調まで変わってしまっている。
「ええっ!? こんな時にどうしてそうなるの!?」
今まで、ザボルグがこんな事になった事は一度もない。
しかも、さっきまでは普通だったのに‥‥‥‥‥
いったいザボルグに何があったと言うんだ!?
「どうしようテスタロス!? ザボルグが変に――」
『本日の営業は終了しましたー。またのご利用をお待ちしておりまーす』
「――なってるのはザボルグだけじゃなかった! テスタロスまで変になってる!?」
まさかテスタロスまで、こんな状態になっているとは思いもしなかったよ!
なんでこうなった!?
「無視とは良い根性だ。その状態でやれるってんなら、手加減しねえぞ!!」
僕が二人の豹変ぶりに困惑していると、扇は僕が遊んでいると思ったらしく憤慨して襲いかかってきた。
最初遊んでたのは自分のくせに、なんて横暴なんだ!
しかも僕は遊んでたわけじゃなくて、困っていると言うのに!
とは言え、素の状態であろうとも扇が加減せずに本気で攻撃してくるなら、僕は扇の攻撃から逃げ回るしかない。
でないと、一瞬で殺されてしまう。
僕は必死で逃げながら、二人を元に戻そうと努力した。
「ちょ、二人とも!? そんな事言わずに助けてよ!! このままだと僕が大変な目に!」
『もうー。知らないよー。自分でどうにかしてー』
『私達には関係ないしー』
「あるよ!! 僕が死んだら二人はまた深い眠りについちゃうんでしょ!?」
確か、以前ザボルグがそんな事を言っていた気がする。
それを思い出してくれたら、少しはやる気を出してくれるかとも思ったんだけど
『それならそれで、一生寝て過ごせるじゃない。さいこー』
『Zzz』
ダメだ! 効果がない!
ザボルグに至ってはもう寝てるし!
『ザボルグも寝た事だし、私も寝えようっと』
「待って! お願いだから、力を貸し――」
『Zzz』
「寝るの速いよ!! 最後まで話は聞けよ!!」
ザボルグに続いて、テスタロスまで爆睡してしまった。
僕の力の源である”元龍”二人が離脱してしまえば、僕が扇に勝つなんて不可能だ。
なにせ扇には裏ワザが二個も残っているんだから‥‥‥‥‥
こうなったら
「ドラグーン助けて!! 二人がおかしくなったんだ!」
最後の砦、ドラグーンに頼るしかない!
『マスター、この状況で私にできる事はありませんよ?』
「分かってるよ! けど、今はそんな事を言ってる場合じゃないんだ! 二人を元に戻す方法を一緒に考えてよ! 僕は回避するので手一杯で、中々考えが浮かばないんだよ!」
『余裕があっても、浮かばないと思いますが?』
うるさい。
それは実際にやってみないと分からないから、黙っててほしい。
『まぁ、二人がこうなった原因は分かるんですけどね?』
「分かるの!? だったら、もったいぶらずに早く教えてって、あぶなっ!!」
僕がドラグーンと喋ってる間にも、扇の攻撃が止む事はなく、容赦なく僕を襲い続けてきたせいか、僕は段々回避が危うくなってきていた。
おそらく、直に攻撃の全てを避ける事はできなくなるだろう。
『聞いても意味はないと思いますよ? 原因が分かっても対処法なんてないんですから』
「それでも、っと! 知らなきゃ、わぁっ! どうしようもないで、しょ――――――おおぉ!?」
ヤバイ! もう限界! 遂に攻撃が掠うようになってきた!
と言うか、もしかしてドラグーンわざと焦らしてない!?
『じゃあ、マスターもそろそろ危なそうなんで言いますけど』
やっぱりか! やっぱり僕がやられそうなのを分かってて、焦らしてたんだな!?
『簡潔に言うと、お二人がこうなったのはマスターが封印を解こうと団子を食べてからこうなりました。なので、おそらく封印を解く際に想像を超える力が戻ったため、一時的にこうなられたのだと思います』
つまり、二人が復活した時に完全に封印が解けるって事? それっておかしくないかな?
僕が先程放った砲撃は、今までよりも威力がかなり上がっていた。
と言う事は、既に封印が解かれてるって事じゃないの?
『それは戻った力の一部ではないかと思われます。だいたい、少し考えれば分かる事なんですけど、封印されていたのはザボルグとテスタロスの二人分ですよ? しかもわざわざ封印を解くためのアイテムまであるのに、長年封印されたままだったんですよ? この程度の力しかないなんて普通にあり得ないでしょ?』
言われてみれば確かにその通りだ。
初代が封印した時に大した力でないなら、その時解除してしまえば良かったんだ。
自分の力を少々弱めた所で、この二人の力は充分過ぎる程に強い。
力を悪用されたくなかったにしても、少し封印しただけじゃ無意味なんだから‥‥‥‥‥‥
『それと、封印のアイテムを貰った時に言われたでしょ? 『これは力を目覚めさせた子孫が
凄い説得力だ。今の話を聞いたら、間違っている気が微塵もしないや。
こういう事に直ぐに気づくデバイスだから、こういう事に気づかない主をバカにしたりするのかな?
だとすると複雑な気分だ。
ドsだけど頼もしい相棒だと、欠陥品なのか優秀なのか良く分からない。
優しいし、頼もしい相棒にはできなかったんだろうか?
『そんなわけでお二人が復活するまで、ドライブも使えませんので、頑張って下さい。マスター』
え? ドライブも使えないの‥‥‥‥‥‥‥?
『普通の魔法はお二人の力を源にしているとは、マスター自身の力なので問題なく使えますが、ドライブは無理です。あれはあくまでドラゴンの力の一部をお二人がマスターに貸しているに過ぎない力なのでマスター一人で使うのは無理です』
ごめん。
簡単に言って
『要は、元々ドラゴンではないマスターが一人でドラゴンの力を扱うのは無理。最低でもザボルグかテスタロス、どちらか一方がマスターに力を貸してくれないと、ドライブは使えません』
もっと!
究極的に簡単に!
『ドラゴンじゃないマスターがドラゴンの力を一人で使うのは無理です!』
と言う事は、ドライブは僕の力じゃないの?
『だからそうですって! ドライブを使うための条件は!?』
自分の力の源であるドラゴンに会う事?
『正解! つまり、ドラゴンに力を貸してもらえるようにするために、一度会う必要があったんでしょうね』
つまり、ドライブと言うのは人である僕にドラゴンの力を足す事によって使えると。
って事は僕はドラゴンじゃなかったんだね?
『ドラゴンの血は入ってますが人です。因みに通常の魔法は、あくまでもドラゴンの血が少しでもあれば使えます。極端な話、マスターから血を貰えれば、魔力を持っている人ならマスターの通常魔法ならコピーできると言う事です』
じゃあ、ドライブって言うのはザボルグたちが居て、初めて使える技だったんだ‥‥‥‥‥‥
『まぁ”加護”と言うくらいですからね。”加護”してくれる相手が居て初めて使えるんでしょう‥‥‥‥‥‥』
じゃあ、”加護”に含まれてるユニゾンもフォースも二人がいないと使えないのかな?
『まぁ、普通に考えればそうでしょうね‥‥‥‥‥‥‥‥ところでマスター? ”あれ”は放っておいていいんですか?』
「ん? あれ? あれって何の‥‥‥‥‥‥‥‥‥まじ?」
僕はドラグーンの言う”あれ”とやらを見た瞬間、言葉を失ってしまった。
僕が見た物、それは
「さっきから俺の事を無視してブツブツ独り言呟きやがって‥‥‥‥‥‥‥‥‥俺の事を無視する遊び相手なんかいらねえ‥‥‥‥‥‥‥もう遊びは止めて、殺す。全てを無に帰す‥‥‥‥‥‥‥」
ガチ切れして、僕よりも高く飛び、上方から僕に向かって両手を向けながら、バカデカイ魔力を練っている扇の姿だった。
どうやら、僕がドラグーンとの話に夢中になっている時に、扇が僕に話しかけていたらしいけど、僕がそれを全部無視したのが気に入らなかったようだ。
‥‥‥‥‥‥‥無視されてキレるって子ども過ぎじゃないかな?
とは言え、子どもみたいなキレっぷりだけど、そのせいで与えられる被害は子どもとは比べ物にならないだろう。
普通に直撃したら、三途の川だって体験できるかもしれない。
なんて暢気に考えてたら
「死にさらせぇぇぇ!! クソ野郎ぉぉぉ!!」
扇は本当に巨大な魔力を放ってきた。
唯一の救いは、この攻撃が風を使った物じゃなくて、規模がおかしいが単なる魔力弾である事ぐらいだろう。
そして、そのバカみたいな規模の魔力弾は僕に向かって飛んできている。
これだけ大きい魔力弾なら、今から逃げても逃げ切れずに直撃するのがオチだろう。
つまり、僕は絶体絶命という奴に遭遇している。
「ちくしょう! なんで今日の僕はこんな目にばっかり合うんだ!?」
今日は朝っぱらから妖怪の顔を見て、鉄人の補習を受けさせれて、精神的に疲れてるって言うのに、”こっち”に来てイキナリ扇とバトル。
挙句の果てには、封印を解くためには必要な事なのかもしれないけど、ザボルグ達の力を借りる事ができず、手加減なんてしてるとは思えない強烈な魔力弾が僕を襲ってくるとか、不幸にも程がある。
とは言え、こうして愚痴っていても仕方がない。
「こうなりゃダメ元だ! 真・二刀流最終奥義!」
僕は迫りくる魔力弾に向かって、二刀の剣を構えて、今僕にできる最高の技をぶつける事にする。
「スターブラスト・インペリアル!!」
技を発動させると、僕の両手の剣が炎を纏い、その炎の上にバチバチと電気が流れだす。
そして僕はその雷と炎を纏った剣のまま、魔力弾の中へと飛び込んでいき、剣を無我夢中で振るった。
最初はスターバーストの十六連撃を繰り出し、十六連撃が終わった時の体勢から無理のない太刀筋で連撃数を増やす。
その数、実に十一連撃。
この十一連撃は無理な太刀筋をせず、動きやすい太刀筋で、ジ・イクリプスを発動しやすい体勢を取るためのものだ。
つまり、十六+十一+二十七連撃で五十四連撃のジ・イクリプスを超える、独自の新しい最終奥義だ。
「うおおおおおおおおおお!!」
僕はこの五十四連撃を見事にやり切り、巨大な魔力弾を完全に切り裂いた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。な、何とかなったかな‥‥‥‥‥?」
ただ、この技の弱点は五十四連撃を一度も休む事無く、剣を振り続けて、尚且つ雷炎もずっと出し続けると言う技の性質上、どうしたってスタミナを使い過ぎてしまう。
体力には自信のある僕でも、一度使うだけでバテバテだ。
しばらくは、スターブラスト・インペリアルは使えないだろう‥‥‥‥‥‥
「あれを防ぐ、か‥‥‥‥‥‥‥‥。なら、これはどうだ?」
そう言って、扇はたった今巨大な魔力弾を放ってきたばかりなのに、直ぐに風で槍のような物を複数個、作り出して空中に浮かせていた。
「今度こそ死ね」
扇がその内の一つを手にして、僕に向かって投げてくると、他の槍も一斉に僕に向かって飛んできた。
「くっ! 数が多い!」
まだ、体力が戻ってないのに、この数の攻撃を全部捌くのは無理だ! まったく手が追い付かない!
僕は槍の雨みたいな攻撃を必死でガードするが、バリアは直ぐに破られて、剣で捌こうにも手が追い付かないせいで、風の槍に何発か直撃して、その勢いで一気に地面まで叩き落とされてしまった。
「ゲホッ、ゲホッ! ‥‥‥‥‥‥‥ぺっ!」
どうやら僕は口の中を切ったようで、口の中が血の味でいっぱいになった。
さらに地面に叩きつけられた衝撃で頭からも血が出ていた。
体の至る所からも、風の槍が当たった所を中心に複数の個所から、血が出ていた。
「し、死ぬかと思った‥‥‥‥‥‥‥」
僕が両手を地面について、息を整えていると
「流石に頑丈だな。普通はあの高さから落ちたら、即死だぞ? 運が良くても気絶は免れねぇぞ?」
上から扇が降りてきて、目視できる距離まで僕に近づいてきた。
「じゃあ、僕はかなり運が良かったんじゃない?」
今日の僕が運が良いとは全く思えないけど‥‥‥‥‥‥‥
「ふん。やっと真面にしゃべったな‥‥‥‥‥‥」
まだ、僕が無視したのを怒ってるのかな?
言葉に棘がある気がする‥‥‥‥‥
「で? お前はいつになったらドライブを使うんだ? せっかく俺がユニゾンを控えて、ドライブでガチンコ勝負しようって誘ってるのに、それを無視するとはどういうつもりだ?」
どうやら、扇は既にドライブは使っていたようだ。
まぁ、あれだけ強力な攻撃ぶっ放してきたんだから、当然と言えば当然だろう。
「ちょっと色々あってね? しばらくは使えないんだよ‥‥‥‥‥‥‥」
とは言え、ザボルグたちが復活しない限り、僕はドライブを使えない。
扇が既に切り札の一つを使っていて、安心はしたものの、僕の切り札が使えないんじゃ、絶対的に不利なのは間違いない。
扇がドライブを使ってこの力なのに安心したのと同時に、対処する力を持っていない事での焦り。
僕はその両方を同時に感じていた。
「しばらくってどれくらいだ?」
「さぁ? 僕にも分からない‥‥‥‥‥‥‥」
二人が復活するタイミングなんて、僕に分かるはずがない。
戦いの最中にも関わらず、ダルイと言って戦闘拒否しだすくらいだから、僕には見当もつかない。
「なら、お前はいつ強くなるか分からないって事だな?」
「まぁ、そう言う事になるね‥‥‥‥‥‥‥」
「なら、エースオブエースたちと戦った方が面白そうだな」
そう言って、扇は両手を僕に向けて再びを魔力を練りだした。
どうやら、今度はこの近距離で僕に向かってさっきの巨大な魔力弾を撃つつもりのようだ。
今はスターブラスト・インペリアルも使えない。
ドライブも使えないから、魔力でも扇の魔力弾に対抗できない。
おまけに、さっきのダメージが多き過ぎて真面に体も動かない。
「‥‥‥‥くっ! ‥‥‥ここまでなのかよ‥‥‥‥ちくしょうっ‥‥‥‥」
僕は自分の限界を悟るしかなかった。
対策もそれなりに練ったし、”あっち”の世界の皆と死なないと約束もしたし、はやて達に扇は任せろと啖呵を切りもした。
なのに、今の僕は無様にも扇の攻撃になす術もなく、ただただ殺されるのを待つだけだ。
皆の反対を押しきってヴィヴィオを助けに来たのに、約束の一つも守れず、小さな女の子の命一つ救えない。
そんな自分が情けなくて、悔しくて、何よりそんな自分を許せなくて、怒りが抑えきれなかった。
「まぁ、お前とは何だかんだ結構戦ったけど、中々面白かったぜ?」
僕は自分に対してこれ以上ない怒りを持ったまま、扇の放つ魔力弾に呑み込まれたのだった‥‥‥‥‥‥‥
今回出てきた、”スターブラスト・インペリアル”はデビルバッツさん提供の技を少しアレンジして使わせていただきました!
デビルバッツさん、技提供ありがとうございました!
後3話程で完結ですので、もうしばらくお付き合いして下さると幸いです。