魔法少女まどか☆マギカ〜魔法少女と落ちこぼれ魔法使い〜 作:光三
「僕と契約して魔法少女になってほしいんだ」
「は?(どういうこと?)」
私の前に突然現れた謎過ぎる生物。名前は、キュウべえというらしい。
「魔法少女になったらどうなるの?」
「魔法少女になったら君の願いをなんでも1つ叶えてあげるよ」
「へぇ………で、デメリットはあるの?」
「うん。魔法少女になると『ソウルジェム』という物が生成される。そして、それを生成された者は『魔女』と戦う使命が課されるんだ」
「(は?『魔女』がどうして悪者みたいになってるの?あ!そういえば、2年前こんな話を聞いた気がする。『概念世界』と『並行世界』の関係性について。確か、『概念世界』のコピーである『並行世界』は、『概念世界』の法則と『並行世界』独自の法則が混ざり合うって、つまり、『魔女』はこの世界では魔獣のようなものということ?)」
「『魔女』ってどういう存在なの?」
「『魔法少女』が『希望』を振りまく存在なのだとすれば『魔女』は『絶望』を振りまく存在だよ」
「(あれ?何か思ってた答えと違う、どういうこと?それにこの『ソウルジェム』確か英語だったっけ?日本語に訳すと『魂の宝石』って意味なんだけど………まだ、何が何だかわからないなぁ)」
「ごめんね、私魔法少女にはなれないよ。叶えてほしい願いごともとくにないしね」
「残念だよアリス・ネクレリオン」
「ごめんね、キュウべえちゃん」
「別に構わないよ」
気づくとキュウべえはもういなくなっていた。
「(『魔法少女』と『魔法使い』、『魔女』と『魔女』何か似てるなぁ。でも、私は『魔女』を目指す『魔法使い』だから魔法少女にならなくてもいいしね)」
どこか疑問に思いつつ、謎の存在が言っていたことについて調べるアリスだった。
ところで、今現在アリスは『無詠唱魔法』を使える。もしも、今ここで『魔女』に遭遇したとしても充分戦えるだろう。今のアリスは、もう落ちこぼれの魔法使いではない。しかし、彼女はそうは思わないだろう。なぜなら、最終的な目標は『魔女』になることなのだから。
突然だがここで1つの疑問が生じる。それは、『知性種族』が語る物語をもとに創造された『並行世界』なのか、『概念世界』のコピーである『並行世界』なのかということだ。後者の場合は実に単純で、ただの厄介事に巻き込まれただけだ。前者の場合は、物語であるという性質上絶対に『主人公』と『仲間』と『キーパーソン』が存在する筈である。それぞれは、必ずしも1人(1つ)とは限らない。この物語の主人公はアリス・ネクレリオンであるが、この世界本来の主人公もいるはずだ。
「(『キーパーソン』は、今出会ったキュウべえとかいう謎の存在とこの世界に来る前に出会った謎の存在か………あの子、『システム』っぽいけど『感情』があった気がする。一方で、キュウべえの方は全く感情がなかったように思う。多分だけど『魔法少女』を創り出す為の『システム』?なのかな?)」
ふと、アリスは疑問に思った。
「(そういえば、キュウべえは何で創り出されたんだろう?)」
そう、当然の疑問である。『システム』は、何者かの意思が介在しないと創り出されることは絶対にない。必要だと思うから創り出されるのだから。
「(『魔法少女』ってどんな存在なんだろう?願いを1つ叶える代わりに『ソウルジェム』という宝石を与えられ、『魔女』と戦う使命を課される少女?何でそもそも少女である必要があるの?『人間』の女の子の方が多感だから魔法を発動させやすいから?うーん情報がなさ過ぎてわからないよ〜)」
アリスは、頭を抱えたのだった。
その時だった、声をかけられたのは。顔をあげると女の子がいた。
「あの、大丈夫かしら」
「あっ、すみません大丈夫です」
その時だった、アリスが異常を感じたのは。
「(突然、魔素が密集して………っ!?空間に異常な揺らぎが!)」
「「あなた、今すぐここから逃げて!」」
「へ?あなたは何者なんですか?」
アリスは、若干驚きを交えた声で質問した。
「これは、私のセリフだけど………まずはこの状況をどうにかしないといけないわね」
すると、彼女は指にはめていた『卵型の宝石』が埋め込まれている指輪に触れた。すると、突然周囲に魔力を纏い始め、それはやがて彼女の身体を包み込んだ。余りの眩しさにアリスは、目を塞いだ。アリスが目を開けると、先程とは違う服装の凄まじい量の魔力を纏っている『人間』が立っていた。
「ごめん、巻きこむつもりはなかったのよ。でも、見られたから説明しないといけないわね………私は、
「あなた、『魔法少女』だったんですか?偶然ですね……実は、私『魔法少女』を探していてこの変容した空間を出たら『魔法少女』について聞かせてもらえませんか?それから、キュウべえという謎の生命体についても……」
「あなた、キュウべえが見えるの!?わかったわ、教えてあげる」
「ありがとうございます、巴さん」
「ううん、マミでいいわよ」
「じゃあ、マミさん。これからよろしくお願いします。私の名前は、アリス・ネクレリオンです。アリスでいいですよ」
「アリスは、外国の人かな?」
この時、この瞬間、アリスには幾つかの選択肢が存在している。1つは、マミが言っていたように外国から来た子供を装う。2つ目は、異世界から来たということを素直に言う。
「違います。私は、異世界から来た『魔法使い』で2つ目的があってきました。1つ目は、この世界を見守る『神』みたいな人?から依頼を受けたから。2つ目は、………『魔女』になる為です」
「何ですって!?」