魔法少女まどか☆マギカ〜魔法少女と落ちこぼれ魔法使い〜 作:光三
「あんな、化け物みたいになりたいだなんてふざけないで!!」
マミは、アリスの突然の発言に衝撃を受け、激昂してしまった。
「勘違いですよ、マミさん」
「へ?どういうこと?」
「それより、この変容した空間からいい加減に出ませんか?なんか、物凄い『魔物』?みたいなやつが近づいてきてるし………」
「そ、そうね。取り敢えず、すべてはこの『結界』を抜けてからね」
「自分も手伝いますよ。なにせ、私は『魔女』を目指す『魔法使い』ですから」
「(魔女を目指す?どういうことなの?アリスの世界の『魔女』とこの世界の『魔女』は存在から違うということ?)」
様々な疑問を抱えつつ、マミはマスケット銃を発現させ、『使い魔』を次々と屠っていく。彼女は、ふとアリスの方をみた。すると、魔力を纏い『使い魔』に攻撃を加えていくアリスの姿があった。
「えい、ソイヤー!」
気の抜けそうな、可愛らしい掛け声とは裏腹に次々と『使い魔』を倒すアリス。その姿を見てマミは、『凄く戦い慣れている』と感じた。
「マミさん、少しいいですか?」
「何?」
「この魔物さっきまでのより一回り大きくないですか?」
「説明は後でするわ。それにこれを倒したら終わりのようだし……」
「そうなんですか、わかりました」
マミは、その場から駆け出して空中に飛び上がった後マスケット銃を巨大化させた。
〔ティロ・フィナーレ〕
『凄い』とアリスが感じたその時、変容した空間が元の空間に戻った。
「(あれが、親玉だったのかな?)」
「アリスさん、約束覚えてる?」
「勿論です、全てお話します」
〜巴 マミの家〜
アリスは、マミの家に入る前に保険をかけていた。キュウべえを中に入れない為だ。別に聞かれても構わないのだが、なんとなくそうしなければならないとアリスは感じた。
「それで、何が聞きたいですか?」
「そうね、取り敢えず『異世界』についてかな?」
「そうですね、取り敢えず異世界といっても大きく分けて2つに分類されます。って、ノート取るんですか?」
「だって、未知のことを知りたいと思うのは当然のことでしょう?」
「ふふ、そうですね。マミさん。よーし、気合い入ってきたー!頑張っておしえるぞー!!」
「(楽しそうね、アリス。良かった)」
「異世界は、『概念世界』と『並行世界』に分けられるんです」
「『並行世界』というのは、何となくわかるけど『概念世界』というのは聞いたことがないわね」
「『概念世界』というのは『神族』という『感情』を持った『システム』によって創造される世界のことです」
「『システム』?異世界なのに随分と機械的なのね」
「私も、始めは異世界とか聞いた時面喰らいましたよ。『システム』とか機械的なその他諸々何故か教科書に書かれてありますからね。魔法使いの養成をする学園なのに……」
「(確かにそうね、何か人為的な感じがするわね)」
「『神族』と『神』は同じ存在よね?」
「違いますよ」
「どういうこと?『神族』というのは、『神』という存在を『種族』という『カテゴリー』に分類した時につけられた『種族名』でしょう?」
「私も、そう思いました。けど、違いました。『神』というのは『システム』にしか過ぎず、機械でしかありません。『神族』というのは、『神』の『システム』を持ち、『知性種族』のように『感情』を持った『種族』です」
「(『知性種族』?もしかして、『魔女』というのは……)」
「『知性種族』……ということは他にもいるってこと?」
「うん、そうだよ。『神族』、『魔女族』、『人族』、『亜人族』みたいな感じで……他にもいるかもしれないけど」
「もしかして、アリスさん。『魔女族』になりたいってことだったの?」
「はい、『人族』から『魔女族』に『種族進化』する為に『概念世界』アムヌネジアからこの『並行世界』にやって来ました」
「『種族進化』する?そんなことが出来るの?」
「はい、色々と条件はありますけど、一番確実なこの方法をとることにしました」
「(一番確実な方法?他にも方法があってそれが上手くいきそうにないから代替案としてこの方法を選んだのかしら?)」
「この世界って『並行世界』だったのね。そういえば『並行世界』というのは『概念世界』の可能性の世界なのかな?」
「はい。『概念世界』のコピー、そして『知的種族』が書いた物語が『並行世界』となりえます」
「物語が新たな世界を創造する?」
「『並行世界』は、『概念世界』のあらゆる可能性が内包された世界のことです。その特性の為、『並行世界』は無限に存在します」
「なるほどね……(だとするなら、この世界は……)」
「でも、運命は変えることが出来ます。この世界が例え物語で語られたものだったとしても、あなたはあなたです。創られた存在だからといって『絶望』する必要はありません!」
「ふぇ?そ、そうね。そんなに気にしてるように見えた?」
「はい。でも、私がいます。私がいますから、いまは泣いていいですよ……マミさん」
「………………うっ、うっ、ぐすっ………ごめんなさい、アリスさん」
「大丈夫ですよ、あなたはひとりじゃないです。これから色んな人があなたに関わっていく何故かそんな気がするんです。だから大丈夫ですよ」
その後、マミはひとしきり泣いた。でも、もうひとりではない。異世界から来たアリス・ネクレリオンという『魔法使い』は、確かに巴 マミという『魔法少女』の心を救った。
「もう大丈夫よ、
「まず、キュウべえって何者なんですか?」
「わたしもそれはわからないけど、でも素質のある女の子にはその姿を視認出来て、願いを聞いて『魔法少女』に出来る生き物かな」
「素質のある女の子?」
「わたしもそうだったみたい。交通事故で死にかかっていた時に声をかけられたのよ。『僕と契約して『魔法少女』になってよ』って」
「そうだったんですね……」
「わたしは、『生きたい』という願いを叶えて今日まで生きているの」
「『魔女』ってどういう存在なんですか?」
「『魔女』は、『絶望』を振りまく存在。『魔法少女』かその素質がある人にしか視認出来ないわ。そして、この世界の自殺や原因不明の失踪事件は大体『魔女』の仕業。心の弱っている人間に『魔女の口付け』というものをつけるの」
「大体わかったかも。『魔女の口付け』をくらった人間は、生きることに『絶望』する。だから、自殺や原因不明の失踪事件が起こる」
「そう、普段は現実世界にいないの。『魔女』は、『結界』をつくりだす。そして、『使い魔』という手下を放ち結界に人間を閉じ込める」
「今日の結界は?」
「あれは、使い魔の結界ね。使い魔も成長して『魔女』になるから」
「なるほど。次の質問いいですか?」
「いいわよ」
「『ソウルジェム』ってなんですか?」
「そうね、少し待ってて今取り出すから」
「(ん?取り出す?)」
すると、手の甲から『卵型の宝石』が出てきた。
「これが、『ソウルジェム』ですか……あれ、でも何か濁ってませんか?
「え?そんなに濁ってた?おかしいな、
「察するに、魔力消費によって穢れ?が溜まっていくんですね?」
「そして、『グリーフシード』は魔女の卵。孵化すると魔女を生み出すわ」
「『グリーフシード』は魔女の卵でありながら『魔法少女』の生命線でもあるわけですね」
「『グリーフシード』は『魔女』をたおすことで得られる。あまり『ソウルジェム』に穢れを溜めすぎると、体調不良になるから定期的に『魔女』退治をしなければならないわ」
「(あれ?でも、なんで『ソウルジェム』の穢れを全く違う物質である『グリーフシード』で吸収出来るんだろ?まるで、磁石のN極、S極の関係みたい。でも、これも同じ磁石だからこそ干渉出来るだけ)」
「ああ、もう!『グリーフシード』で『ソウルジェム』になんで干渉出来るんだよ!わからない、くやしい〜!!」
「(ふふ、アリス、わたしと同じことで悔しがってる。でも、本当にそうね。もしかしたら、あの考察あながち間違ってないのかもしれない。それはそれで大問題なんだけど………まぁ、いいか。わたし、もう逃げない。わたしは1人じゃないから、もう何も怖くない!)」
「ちょっといい、アリス。見てほしいものがあるの」
そういうと、マミは部屋から一冊のノートを持ってきた。ノートのタイトルは【魔法少女の考察】であった。マミは、ペラペラとページをめくっていき、あるページを見せた。そこには、信じられないことが書かれてあった。
[『魔法少女』の『ソウルジェム』は、『グリーフシード』によって穢れを取ることが出来る。『魔法少女』は、『希望』を振りまく存在。よって、『ソウルジェム』も『希望』の象徴なのだろう。その一方で『魔女』は、『絶望』を振りまく存在。よって、『魔女』から貰える見返りである『グリーフシード』も『絶望』の象徴なのだろう。『希望』と『絶望』。なんだか、わたしたち人間の『感情』のようだ。四字熟語に『表裏一体』という言葉がある。『希望』を持つほど、『希望』が意味のないことだとわかると『絶望』する。『希望』と『絶望』は『表裏一体』、切っても切り離せないものだ。
そして、『希望』と『絶望』が『表裏一体』というならば、『ソウルジェム』と『グリーフシード』も『表裏一体』なのではないだろうか。つまり何が言いたいかというと、『ソウルジェム』と『グリーフシード』は根本的に同じ物質なのではないだろうか。すると、『魔法少女』と『魔女』の関係も『表裏一体』である。
『魔法少女』は、『ソウルジェム』が完全に穢れ切ると、『魔女』を生み出す。そして、『ソウルジェム』は『グリーフシード』に変質する。無論、これは考察でしかないので本当にそうなのかわからない。]
これを見て、アリスは納得できてしまった。これ以上ないほどの説得力を感じてしまったから。
「正直、反論の余地がない……『魔女』が『魔法少女』の成れの果て……あっ!そういうことだったんだ!!」
「突然どうしたの?アリス」
何だか、マミさんが考察しているという話と、アリスがマミさんに世界のあれやこれやを話すという話でした。長くなる為、前編、後編に分けます。後編では、アリスがマミさんに謎の存在について話をするところから始まります。