今日も行きましょー。
文字数約1万3000字です。
「エンハンス・アーマネント」
そう呟けば笠木のものだった気が光輝の剣目掛け吸収されていく。今の所発散されている全ての気を回収した後、光定とその後ろにいるボロボロな自衛隊員達と世界中で笠木のボスモンスター達と戦っていた人達の気を感じ取りながら言った
「トランスファー・ヒューマン・ユニット・デュラビリティ、ライト・トュ・ワールド!」
長い気分的な台詞を光輝が言った瞬間、先程笠木から剣へ吸収した気を今度はそれらの気を空へ放った。
全員がなんだ?と思ったのも束の間、日本、そしてアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの戦場に同じ変化が起きた。光の雨が降ってきたのだ。
愛美が外を見てみると同じ雨が降っていて近所の人達も家から出てその雨を見ていた。その雨へ愛美は少し触れてみたが濡れなかった。水ではない。
なら何だろうと愛美が思えばテレビから声が聞こえそっちを見る。そうすれば何と先程までボロボロだった自衛隊員達、光定達が自分達の足で立ち始めたのだ。
アメリカの方を見るとこちらも同じく傷だらけの兵士たちが起き始めていた。と言うより探してみたらアメリカにいた光輝がもう消えていた。
「これは・・・どういう事でしょう・・・ボロボロだった自衛隊員達の傷がなくなって立っています!」
そしてリポーターは他のクルー達にビルから降りるよと言って走り出して光輝達の元へ向かう。カメラが雑に揺れまくって真っ暗な所を慌ただしく移動している。恐らく階段を下っているのだろう。リポーター達の荒い息遣いが聞こえる。
「皆さん、遅くなってすいませんでした。」
リポーター達がビルから降りれば光輝が最初笠木と戦っていた人達に頭を下げていた。曰く自分がもっと早く来ていたら痛い目に合わなかったのにと。だが自衛隊員達は根が良い人ばかりなのか許して行った。
光輝は許しを貰った後、光始めた。その光が晴れた時、光輝は元の黒髪黒眼に戻っていた。そして少し手のひらを見つめ微笑んだのだった。
そしてリポーター達が光輝に突撃する
「こ、光輝君ですよね!?」
光輝は少しその勢いに気圧され
「そ、そうですけど・・・」
「どうやって生き残ったんですか?と言うより笠木をどうやって倒したんですか!?」
「あ、あの・・・取り敢えず後でいいですか?」
リポーター達に少し呆れた視線を向けながら光定に聞いた
「それで笠木をあんなにしときましたけどどうします?」
そう言って後ろを向く。相変わらず無様な格好で氷漬けにされている笠木がそこにいる。笠木を日本の司法で捌くとしたら間違いなく死刑だろう。だけれども一応聞いておいた
「先ずは警視庁に連れてく事になるだろうが・・・」
そこで笠木は微妙な視線を笠木に向ける。それで光輝は疑問符を出したが何でそんな視線なのか分かり言った
「・・・?あ〜、大丈夫ですよ。俺か俺と実力が近い奴がぶっ壊さない限り笠木は永遠とあのままです。」
「そ、そうか。」
「·····と言うより喋れないのに警視庁って連れていくものなんですか?」
それもそうである。笠木は喋るどころか呼吸も正直しているのかパッと見怪しい所だ。まあ光輝からすればもうどうでもいいのだが。気自体は感じているから死なない限り大丈夫だろうと思ってる。と言うより笠木の時間はもう既に止まっている。
「まぁ·····取り敢えず送検はしないとダメだからね」
「ああ、それもそうですね。」
久しぶりすぎて逆にどんな会話をしたらいいのか分からなくなるやつである。光輝は5年間全く会わなかったと言う後ろめたさがあるから余計にだ。そんな光輝の思いに気がついたのか光定は多くは言わず言うべき事だけ言った
「本当に・・・よく帰って来たね。」
「·····今まで会いに行かなくてすいませんでした。」
「何を言ってる。君はきちんと帰ってきて笠木を倒したんだ。賞賛を拒否するのは良いが君が謝罪をするのは違うぞ。」
「・・・ありがとうございます。」
そう言って少し頭を下げ礼をし終えた光輝の表情は少しスッキリした顔なのだった。そして今度は少し楽しそうな表情をしながら
「で、あの傑作表情の笠木は今から運ぶんですか?」
「そうだ・・・と言いたいが·····冷たいだろあれどう見ても」
確かに氷氷とずっと言ってるから忘れがちだが触ったら普通に冷たい。普通に火傷するだろう。光輝はそれもそうかと思い手のひらを出した。そうすればそこに何故か軍手が出てきた。
「ん〜車で運びます?」
「いやいや当然の様に話を進めようとするな」
それもそうである。いきなり軍手を出してその説明を思いっきり省いたのだ。
「別に説明しても良いですけど多分30分くらい意味分からない説明聞きたいでs·····」
そこで光輝はピタッと止まった。その場にいる誰もが訝しげな視線を光輝に向けた時光輝は「キッ!」と後ろを振り向き軍手を消しながら強力な気弾を笠木の少し上空に放った。
その速さはここにいる全員が見えないスピードだったがその気弾は何者かに上へ弾き飛ばされた。光輝の気弾の大爆発が起きて漸く光定達も何が起こったのか分かったのだ。
「そいつを連れて行こうとしてどう言うつもりだ!」
光輝はその笠木の上に・・・いや、今笠木の隣に降り立った人物に言う。その人物を見た時、リポーターは軽い悲鳴をあげる。その顔に被っている仮面が不気味だったからだろう。そこに居たのはあの仮面の男だった。光輝は瞬時に他の気も探るがシーラスはいない。
「勘違いするな。今回は貴様と戦いに来た訳では無い、西沢光輝。」
そう男は初めて光輝の名を呼び笠木の氷漬けにされている顔辺りを触れながら気を出して無理矢理氷をぶっ壊した。無様だった笠木の顔が復活し仮面の男に言う。
「お、おい!さっさと僕を助けろ!」
そんな事を言っている間に光輝は後ろにいる光定達に叫ぶ。
「全員出来るだけ下がれ!」
有無を言わさない口調に光定達は思わず頷き回復した体で全力で離れる。·····そしてクルーの意地か何かなのかカメラだけはしっかりと光輝達を映していた。
そして光輝は・・・
「はぁあああ!!」
そう叫び光輝は金髪碧眼に変化した。先程とは派手に変化した光輝に光定達は思わず足を止め見た。光輝は足元から体を包むように金色のオーラを纏いその髪は重力に逆らい逆立っている。そんな現象は普通ならば有り得ない。だけれど・・・知っている人は知っている現象・・・金髪になった光輝の後ろ姿しか見えていないが·····愛美はその時、アニメで何度も見たあの姿が光輝と重なったのを見て・・・
「超·····サイヤ人」
そう呟いた。
臨戦態勢の光輝を見て少し鬱陶しそうに男は見た後、次に笠木に言った
「言っておくが、俺は貴様を助けに来た訳でも無い。」
「は?」
「何を言っている?シーラスが言ってなかったのか?『我々の共同戦線もここまでだ』ってな」
その言葉に笠木は眼を見開く。今まで仲の差はあれど一応仲間だった男に言われ·····一気に恐怖が震え上がってきた。
「お、おい!お前・・・まさか」
笠木の心底恐怖した声を聞いた仮面の中の顔はニヤッと笑った気がした。その瞬間、腰にある真剣を笠木の顔面に突き刺そうとした。
だけれど寸前で光輝が割って入り真剣を剣で止める。
「・・・俺は貴様と戦いに来た訳では無いと言った筈だが?」
「こいつにはもう戦う力も自由も無い。俺的にこいつは死ぬよりも生きてプライドをズタズタにする方がスッキリするんだが?」
その言葉を聞いた仮面の男は愉快そうに笑い始める
「ハハハ!!確かにな!·····だがな、やはりそいつは俺が殺す!」
そう叫び黒と紫のオーラを吹きあがらせる。それに伴い光輝が押され始めるが光輝は更に気合いを入れて超サイヤ人2に変身する。そうすれば再び拮抗し金のオーラと黒と紫のオーラが押し合いを始める。
「ちっ!」
男は舌打ちしその場から姿を消す。光輝は直ぐに男が向かった上空に飛び上がり空中戦を繰り広げる。いくつもの剣劇の最中光輝が思ったのは
(こいつやっぱり強くなってる!)
戦闘力という意味では無い。確かにそれも上がってるが光輝が言ったのはその戦闘スキルの方だ。前までは素人感があったが今は光輝に少し押されている程度で前までよりも善戦している。それも蒼眼と赤眼を使わずにだ。
そして斬り合いを少ししてキリがないと思ったのか男は一旦距離を取った。これにも光輝は少し驚いた。3回戦った男ならばキリが無くても無理矢理こじ開けようと更に攻めてきただろうに・・・と思ったのだ。
「お前…やっぱりただもんじゃないな。敵じゃなかったら良いライバルになれたのに」
そう少し残念そうにいう。だが男は舌打ちして返す
「お前は相変わらず甘いな。だが、今の俺では貴様に勝てない、それは認める」
その言葉に光輝は呆けた顔を見せる。前のこいつならば意地でも自分が劣っていることを認めなかっただろうに今は認めているのに驚いたのだ。しかしその胸の中にある感情はそれだけではない。光輝もそれが分かっているのか構えは解かず聞く
「だが俺は必ず貴様を超えて貴様を殺し俺は俺の世界を作る」
その言葉の真意を光輝は聞こうと口を開きかけたとき、男は空いている左手を光定達の元へ向けた。光輝は直ぐにやろうとしていることに気が付き光定達の元へ向かったのとほぼ同時に男は真っ黒な気弾を放った。
光輝はぎりぎり光定達の元にたどり着き空いている左手でその気弾を真上に弾いた。
「きゃああああ!!」
リポーターが上に弾かれた気弾の爆発と爆風で悲鳴をあげる。
光輝はリポーターの悲鳴を無視し上ではなく笠木の方を見る。見たのとほぼ同時に
「ぎゃあああああ!!!」
そんな叫び声が笠木からあげられた。笠木は氷ごと四肢を切り落とされていたのだ。その日本では中々お目にかかれない光景にリポーターはおろかテレビで日本側を見ている人達も悲鳴をあげる。愛美も咄嗟に咲良を抱きかかえ見えなくした。
今の笠木に再生能力はもうない。笠木はもう殆どの気は蒼薔薇に吸われたのだから。
光輝は男の元に行こうとしたがそれに気が付いた男は光輝たちの所に更に気弾が放たれその数に光輝は舌打ちして右の剣を鞘につっこみ爆魔障壁でそれらの気弾を塞いだ。
だが笠木は
「し、死にたくない!助けてくれ!」
そう男に懇願するが男は無慈悲に笠木を完全に消すのに十分のエネルギーを溜め
「あの時もお前をこうやって殺したっけな…今度はお前の肉体ごと消すがな。あばよ」
その言葉と共に男はそのエネルギー波を放ち笠木の命乞いも虚しく
「ぐわあああああ!!」
笠木の最後の言葉はそれだった。
笠木がいた場所は爆発に包まれた後、黙々と煙が上がっていた。男は煙には目もくれず光輝の方を見る。そして光輝を指さし宣言した
「次に会うのは決着の時だ。俺は必ず貴様を超え俺の望むものを手に入れる。それまで誰にも殺されるな。貴様を殺すのは俺の役だからな。」
そう不吉の事をいって男は消えた。
光輝は大体予想がつくが念のため気を探る。予想道理この世界から離れていて男の気は無くなっていた。
光輝はため息をついて剣を上空に投げる。剣は最高点まで浮いた後、回転しながら落ちていき光輝は見ることなく体を斜めにした。そうすると回転しながら落ちてきた剣は空いてた方の鞘にチャキーンと音を鳴らしながら入った。それと同時に光輝は超サイヤ人を解いた。
「ほんとに…あいつは誰なんだ」
考るほど男の事が分からなくなる。
そのまま光輝は5秒ほど考えたが分かるはずもなく考えるのを諦め後ろにいた光定達に謝った。
「すいません、また怖い目に合わせてしまって」
謝る内容が子供同士の喧嘩見たいだが光輝は至極まじめだ。代表として光定が答えた
「光輝君の方が大分怖い目な気がするが…また守ってもらってすまない」
「別に戦うのは怖くない。俺はきっと何かを護る為に生まれてきたんだし。一番怖いのは力が足りなくて大切な人達が殺されること。だから謝らないでください。どちらかというと多分俺はこれから大分怒られる運命な気がしますが」
そう苦笑いで言う。これから光輝は櫂の家に行くつもりだ。本当なら笠木を倒したら意地でも時の巣に帰ろうと思っていたが時の界王神からいつの間にメールが来ていて「帰ってきてもご飯ないわよ」という遠回しに帰れと言ってきたのだ。今までそんな事言ってきたことは無かったから直ぐに気が付いた。
光定はそんな事情を知った訳ではないが光輝が帰るつもりなのは分かったのか微笑みながら言った。
「ああ、覚悟はしていた方が良いかもしれないな!」
正直光定は光輝の変化に驚いた。笠木と二回目の戦いの時まで光輝ははっきり言って暗かった。唯一笑っていたのは咲良と遊ぶ時ぐらいでそれも心の底からではなかった。毎日見ていたわけではないが基本どうやって強くなるかしか考えていなかった印象だ。それこそ夜こっそり怒られる可能性も考慮せずに修行に言っていたほどだ。
だが今は苦笑いだがしっかりと笑い怒られる事も分かっている。
そんな事を考えていたら
「……やっぱり怖いからちょっと残骸処理してから行こうかな」
怒られた時の事を想像したのか少し引き伸ばしたくてそう言った。まあ実際先ほどまでの戦いで渋谷の一部は崩れ去っていてその残骸があちこちにある。早く渋谷を復活するためにそうする事は間違いではない。寧ろ正解まであるがその光輝の正直さに現場は
「「ハハハハハハハハハ!!!」」
光定も自衛隊員達も大笑いになった。先程までの緊張感が一気に無くなったのだからこうもなりたくなる。先程まで戦っていた厳し気の表情だった光輝とのギャップもあって余計に面白かったのだ。それからさっき戦うのは怖くないって言ったのに怒られるのは怖いと思っている言ったのも面白かったのだろう。
因みにこの様子は普通に世界に発信されているのでテレビの前の日本語が分かる人も笑っている。愛美も笑っていた。
「ふふ、光輝…結構変わったのかと思ったけど…そんなことも無かったな」
笠木との因縁を持つきっかけの高台へ愛美が光輝を誘った時、光輝は何かあった時愛美の母親に怒られるのが嫌で拒否してた事を思い出した。
「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか」
と恥ずかしさなのか赤くなりながら抗議した。その言葉にようやく光定達は止まった。まだ笑っている人たちはいるが少数なので光輝は今度こそ軍手を出しながら言った。
「車って持ってきてますか?」
そう後ろの人達に聞く。そうすれば武器を持ってくるので持って来ていたと言って取りに行った。リポーター達は完全に置いてけぼりを貰っていつ光輝に話しかけようかと思っている。その光輝は車を持ってきてもらう間にそこら辺の岩などの残骸に近づきながら軍手をはめる。光輝についてきていた光定がただの疑問で聞く
「光輝君、なんで軍手なんか持っているんだ?」
光輝は残骸を持ち上げ光定の質問に答える
「ああ、俺の仲間の引っ越しを手伝った事があってその時に」
それは絶剣こと紺野木綿季が退院した後、嘗ての家から大事なものを倉橋の家に持って行く時、仲間の中で1番暇で尚且つ引越し作業最強の光輝にお呼びがかかり手伝った時だ。影分身で普通に作業出来るから木綿季は大いに助かった。
後それからクラインと美葉が同棲する事になった時も手伝った。と言うよりほぼ光輝しか手伝わなかった。引越し業者?光輝の仲間に必要ないです。因みにキリトとアスナも新婚の暁に二人暮しするがその時も光輝を予約済みだ。
そして荷台付きの車がやってきて光輝はそのまま乗せた。その後光輝は適当に残骸を回収しまくり車に乗せていく。自衛隊の人達も手伝い、渋谷に散らかっていた残骸が無くなっていく。光輝がいるので次々に残骸は無くなって行き
「後は我々がやっておく。光輝君、色々聞きたい事はあるが君は行くべき所があるだろ?」
「…はい。それじゃあ後はをお願いします。」
リポーターは光輝がどこか行く前に質問をしようとダッシュしたが光輝はそれに気が付かず明後日の方角を見て飛び始めた。光輝が残骸を運んでは消え運んでは消えを繰り返していたので質問の暇が無かったのだ。光輝が残骸処理するというシュールな所は映していたが。
「…早すぎるわよ」
リポーターの思わずという声が虚しく響いただけだった。光輝は舞空術でどこかに飛んで行ってしまったのだった。それをリポーター達は唖然と見送った後我に返り
「こ、光輝君のおかげで今度こそ・・・世界は救われました!し、しかしその光輝君はまたどこかへ飛んでいってしまいました!」
リポーターがそう言ったら今頃日本・・・世界中の人々が沸き立っている事だろうが愛美の心も沸き立ち始める。先程までの会話から次に光輝が来るのは…そう思った時、インターホンがなった。
(早くない!?)
愛美はそう思った瞬間立ち上がりつつ楓よりも早く玄関まで走り相手も確かめずに玄関の扉を勢いよく開けた。そして目の前の人物を見る。普通の観点から見れば異様な姿である。蒼の羽織に赤のインナー、黒のズボンに圧倒的な存在感を放っている蒼赤の双剣。
「えっ・・・?」
相手の声はそんな素っ頓狂な声だ。
しかし相手の瞳は黒色の優しげな瞳だ。
そして相手は・・・
「え·····み?」
少し声が掠れているが確かにそう言った。愛美は口元に手を当てる。その蒼色の瞳から綺麗な涙が垂れ始める。自分の事を忘れていなかったと言う安心、光定以外で帰ってきてから名前を呼んでもらった嬉しさ。そして・・・
「こう・・・き」
愛美はそう呟き歩を進め・・・その距離をダッシュで詰めて光輝に飛び込んだ。光輝はいきなりだったが流石の反応速度で愛美を受け止める。
「ちょっ!?え、愛美!?」
「こう・・・き」
最後に会ったのは高台の上、笠木に殺されかけていたという最悪な状況だった。光輝が最後に愛美を見たのは膝枕をしてくれた時の泣き顔が最後だった。あの時の身長は愛美の方が高かったが今は光輝の方が高くなりそれが時が経った事を知らせる。そして驚愕の顔をしている光輝に愛美は言った。
「おかえり・・・光輝」
光輝もその言葉に優しげな表情となり愛美をぎこちなく抱き返しながら言った。
「ただいま・・・愛美」
「・・・うん」
そのまま2人は3秒ほど抱き合っていたが・・・
「お兄ちゃん!!」
「光輝君!」
今度は咲良と楓が光輝に突撃してきて流石に光輝も3人同時の抱擁何て受けきれる訳なく
「ちょっ!?無理ですよ!」
と言う光輝の叫びを2人は無視して愛美の横から抱きつく。咲良に関してはもう大泣きしまくっている。
その後、光輝は3分間ほど抱きつかれ櫂にも少し抱擁された。流石に愛美の両親はそこまではしていなかったが挨拶もした。
★★★★★
その日、櫂の家の前に大量のマスコミが来たが光定達が何とか押しとどめ職権も乱用し何とか静かになった。ただ光輝にとっては問題が出てきたが今は良いだろう。
そして櫂家では・・・
「「光輝君、お帰りなさい!」」
勢いよくクラッカーがなりそのクラッカーを向けられていた光輝は少し耳が痛いと思ってしまった。テーブルが2つくっつけられ1番奥にいる光輝に向けてそれらのクラッカーは発射されたのだ。そのクラッカーの数は8つだから光輝の耳が痛くなるのはしょうがない気もする。
こうなっている理由は先程の4年ぶりの邂逅まで遡る。
光輝は抱擁を受けた後、4年ぶりの・・・光輝からすれば6年半ぶりの櫂家に足を踏み入れた。懐かしさで少し泣きかけたが何とか止まった。取り敢えず皆でテーブルについたところ、光輝の時計に連絡が入ったのだ。
「はい。光輝です」
光輝が他の人の視線を集めながら慌てて出ると
「やっほー光輝君。無事に笠木は倒せたようね。」
その言葉と共にホログラムとして出てきたのは時の界王神だった。そのホログラムに一同は驚いて思わず光輝を見たがもう光輝の中ではこれが普通だから何でそんなに驚いてるんだろう?とか思いながら返す
「まぁ笠木に負けたらベジータさんに物理的にあの世行きにされますからね」
そんなので家族の後は追いたくない。時の界王神はその言葉に確かにと笑いながら言った
「まぁそれはそれとして、これで1つ不安は降りたわね。シーラス達の情報を引き出せなかった・・・て言うより知らなかったのは痛いけど」
「あいつは完全に利用されただけでしょうしね。と言うよりシーラスの奴悪を滅ぼすなんて言っておいて悪に頼るってどういう事だよ」
「·····えぇ、そうね」
光輝の言葉に時の界王神は思慮をする顔になった事に光輝は気が付き聞いた
「ん?どうかしました?」
「いえ、何でもないわ。それよりも・・・」
そこで言葉を止めて時の界王神はぐるっとテーブルにいる人達を見渡す。時の界王神の容貌は地球人離れしていて肌もピンク出し背が小さいし・・・だから咲良は
「このお姉さん身長低いね。」
と隣にいた愛美に思わず呟いたが時の界王神は地獄耳なのか咲良の方に向き
「失礼ね、成長期が終わっちゃったのよ」
「次いでに言うのなら時の界王神様ってお姉さんって年齢じゃ・・・」
「光輝君、貴方はそれ以上に失礼ね」
「え?」
と光輝は変な事を言ったのかなと思い少し考え始める。時の界王神の年齢は7万5000歳以上と聞いているから本当の事を言おうとしただけなのだが何故かそれが失礼と言われる。光輝に女心を分かれと言うのはまだ早かったらしい。
まぁ光輝の興味はそんな事では無く7万5000歳以上生きているのにフラクトライトがよくキャパオーバーしないなと思う事である。
「さて、光輝君。貴方折角帰ったんだから1週間の休暇を言い渡すわ」
「ちょっと待ってください。何時シーラス達が動くのか分からないんですよ!?」
「それは心配無いわ。魔人ブウを倒した今、ブウ以上の存在は限られる。時間には余裕が出来るわ。それに貴方そこから逃げられるの?」
「え?」
光輝が素っ頓狂な声を上げ周りを見ると隣にいた愛美が光輝の腕を掴む。そして眼で「逃がさない」と言っているのを感じて光輝はある種の恐怖を感じた。周りを見ると愛美の両親以外はジト目で見ている。
「まっ、そう言う訳で光輝君はゆっくり休みなさい。じゃーね〜!」
と言って通信が切れた。光輝は相変わらず慌ただしい時の界王神に少しぼーっとしたが楓が手を勢いよく叩いた事で我に返った。
「じゃっ、今日はうんとお祝いしないと!」
その言葉に咲良はウキウキの表情となった。
「うん!お祝いしよう!」
「そうと決まれば買い物よ!笠木のおかげで今日は空いている筈!」
笠木がご丁寧に世界征服宣言をしていたので東京の人達は東京以外の場所まで逃げた人が何人もいる。ショッピングモールが開店しているのかは分からないが行く価値はある筈。
そして愛美達古原一家に向き御一緒しませんか?と言って両親は正直遠慮しかけたのだが愛美の為に参加を決めた。
知らない間にとんとんと進む話のスピードに光輝はSAOの仲間達を思い出していた。第74層でSランク食材のラグーラビットを捕まえた時、キリトと月夜の黒猫団の皆と騒いで光輝とレインのホームでディアベルやヒースクリフやその他沢山の人達を急に呼んでパーティーした時の事を光輝はよく覚えている。それから散歩に行ったキリトとアスナについてこうとしたらレインに止められたのも。
正直今は皆と会う回数は少くなった。何時でもフリーの光輝と違い皆働いたり学校に行ったりアイドル活動等・・・。だけど光輝は別に寂しいと思ったことは無い。笠木に言った通り何時だって家族やあの時は言わなかったが仲間とも心の中で繋がっているからだ。それを忘れない限り3つ目の武装完全支配術が出来なくなる事は無い。
「あ、お手伝いします」
愛美はそう言って立ち上がったから光輝も
「あ、じゃあ俺も手伝・・・」
「主役が準備を手伝うお祝い何て無いわよ」
そう愛美にジト目で見られ光輝は小一に戻ったようにたじろぐ。過去も今も愛美には弱いのだ。愛美は光輝の前では強気だ。そして光輝はたじろぐ事が多かった。今もそれは変わらなかった。そして光輝は改めて愛美をじっと見る。
透き通るような蒼色の腰まである髪、ずっと見ていたら吸い込まれそうになる蒼眼、そして恐らく男がすれ違った時、9割は振り向いてしまうだろう美貌。これでまだ中学2年生だと言うのだ。愛美は光輝がじっと見ていた事に気が付き
「な、なに?」
光輝はそれで自分が愛美をずっと見ていた事に気が付き慌てて目を逸らしながら言う
「な、な、何でもない」
正直この場にいた咲良と愛美以外は全員思った。
(何この甘い空間)
嘗ては自分達も出していただろうその空間を今度は自分達が当てられている。だが櫂家の2人は正直安心している。光輝がいた2年間、正直光輝が心の底から笑ったり照れた事は無かった。家では出来るだけ笑顔を作ろうとしていたがそれが逆にぎこちなさに歯車をかけていた。3歳だった咲良にはその違いがよく分かってなさげだったが大人の2人には分かっていた。だから目の前の光輝が本当の光輝何だと。楓は立ち上がった愛美と咲良に言った
「2人は光輝君を見張ってて。また知らない間にどこかに行かれたら堪らないもの」
その言葉と共に楓は愛美にウインクする。それで愛美の頬が一気に赤くなり何かを言い返そうとしたが確かに光輝が抜け出さないとは限らない。そう自分に言い聞かせ
「じゃあ・・・お言葉に甘えて。」
その後、愛美の両親も買い物に着いてく事になった。櫂も運転手として4人はそのまま櫂家を出て車に乗ってあのショッピングモールへと向かった。取り残された光輝と愛美、そして咲良は少しの間静かだったが咲良が光輝に言う
「お兄ちゃん何時までそんな格好してるの?」
光輝は未だに道着を着ている。双剣はテーブルに立てかけている。
「え?ああ忘れてた。」
そう言って光輝は眼を閉じる。そうすれば光輝の道着が上書きされるように最初出現した時に着ていた服へと変化した。ついでに双剣も直した。
「ねえ光輝。それどうなってるの?」
光輝は何か当たり前のように服を着替えた。もうキリト達の目の前では何回か同じ事をしているから驚かれないが愛美はほぼ初見なのでこの反応は当然である。咲良は
「お兄ちゃん魔法使いみたい!」
「えーと・・・魔法では無いけど。えっと先ずは服の分子を分解して」
「やっぱり大丈夫。」
「え?そうなの?」
一気に難しそうな話になった瞬間愛美は遠慮した。確かに愛美は秀才だが自分から興味のない分野に突っ込もうとは思わない。そして愛美は咲良と話し始めた光輝の横顔を観察し始める。何度も思った事だがやはりきちんと面影が残っている。それも男らしくなってだ。レイン達といると子供のように戻るがこれが光輝の基本状態である。·····ここまで思ったら先程の時の界王神の言葉を思い出して思わず光輝に聞いた
「そう言えば光輝、魔人ブウを倒したって言ってなかった!?」
「ん?そうだけど愛美は魔人ブウ知らないだろ?」
と言うより出来るならあまり知って欲しくない。違う世界とは言え地球人を皆殺しにした事があるなど聞いてるだけでも気分が悪くなる。
だが愛美は逆の感情を持った。そして思い出した。光輝はアニメにはあんまり興味が無かったことを・・・
「えっと・・・」
愛美はスマートフォンを取り出しある動画の所まで検索し光輝に見せた。光輝はそれを見た後とんでもない程微妙な表情をした。それはアニメだ。ドラゴンボールと呼ばれるそのアニメの中の魔人ブウとの戦いの場面だった。
「·····なーんか複雑。」
そう呟く。愛美は少し悪い事したかなと思った。例え愛美達からすれば2次元の存在だとしても、光輝からすれば共に戦ってきた人達なのだから。それによって感じる感情は愛美には想像もつかない。だから愛美は咄嗟に謝ろうとした。だけど
「まぁ・・・そんな事もあるか」
「え?」
そんな呆気からんと言った光輝に愛美は思わずそう言った。光輝は愛美に向けて言った
「愛美、この世界が・・・正確にはこの宇宙がどうやって生まれたか知ってる?」
「そ、それは初期宇宙とかビックバンとか·····」
「まぁ確かにそれはある意味で正解。だけどそれはきっかけに過ぎない。本当の根っこの部分を言ったらさっき出てた時の界王神様、それに俺の師匠達が関係している。」
「光輝の・・・お師匠さん達?」
「うん。信じられないかもしれないけどさ、この宇宙は師匠達が守ったトキトキって言う神聖な鳥さんが産んだ卵が孵化して出来た宇宙何だと。」
「·····?」
ちょっと何を言っているのか分からない。光輝もそれが分かっているのか頑張って理解しようとしている愛美をふっと笑う
「あ、笑ったわね!」
「ごめんごめん。まぁ大雑把に言えばこの宇宙はそうやって出来たんだ。テストには出ないだろうからもう言わないよ。」
「·····何よ余裕ぶっちゃって、私の方が年上なの忘れたの!?」
小一の時は基本愛美が光輝を引っ張っていた。だが今は立場が逆転したように感じたのだ。だからせめて自分の方が年上という事を思い出させたかったのだ。だが光輝はこれも余裕を持ってる表情で言う。
「言うの忘れてたけど俺はもう愛美よりも年上だよ。」
「なっ!?何ですって!?」
「俺はもう15歳だよ。2年半、時間が違う場所にいたんだから。」
「2年半・・・もしかして精神と時の部屋?」
「え?それも知ってるの?」
一体アニメの中でどんなにあの世界が描かれたんだろうか?さっきそんな事もあるかと流したがやっぱり気になり始めた。まぁ1年半はナルトさん達の世界なんだが。
そして俺は·····愛美に言った。
「その・・・愛美」
「な、何よ」
「えっと·····げ、ゲームしない?」
瞬間愛美はジト目で光輝を見た。確かに光輝がゲームをしようと言ってきたのは正直驚いた。小一の光輝はゲームに興味が無く愛美がしているのを隣で見ていただけだったからだ。
だが8年ぶりの再会だと言うのにゲームとは・・・もっとお話しをしたいと愛美は純粋に思ったのだ。そしてもう1つ理由がある
「咲良ちゃんの事を忘れてる訳じゃないよね?」
光輝が咲良を見ると何で私を誘わないの!って顔になっている。だが光輝は苦笑しながら言う
「いや、だって咲良はレーティングが足りないし・・・それに心配無いよ。」
そう言って光輝は左右の人差し指と中指を十字に組んだ。その形を見て愛美はまさか!?と顔をした瞬間、椅子に座っていた光輝の隣から煙が出てきた。その煙は直ぐに晴れてそこにはもう1人の光輝がいた。今の技・・・と言うより忍術を同じくアニメで見た事がある愛美は思わず聞く
「光輝もしかしてNARUTOの世界にも行ったの!?」
愛美のその反応からどうやらナルトさん達の物語もアニメ化されているらしい。やはり何か複雑だ。それはもう置いといて俺は早くあの世界を愛美に見せたくて急かす。ホイポイカプセルを出してテーブルの上に投げる。そうして出てきたのは俺が何時も使っているアミュスフィアと新品のアミュスフィアだ。既にあのソフトはダウンロードしてある。
「もしかしてこれ·····アミュスフィア?」
·····どうやらキリト達の世界もアニメ化されている様だ。うん。俺やっぱり泣いていい?
とそんなふざけた事を永遠と言ってる訳にも行かないので俺は愛美に聞いた。
「それでその・・・一緒にする?」
愛美は先程までジト目で光輝を見ていたが咲良を見ると既に分身の光輝と遊び始めていた。それなら・・・
「·····うん。教えて」
正直に言うのなら愛美の心臓は今まで以上にドキドキし始めている。光輝に言ったら悪いが本当に2次元だと思っていた世界を体験出来るのかもしれないのだから。
「えっと·····先ずはフィッティングって言って自分が体をぺたぺた触らないと」
光輝としては至極当然の事を言った。アミュスフィアやナーヴギアは光輝が言ったフィッティングと呼ばれるもので自分の体をぺたぺた触り情報を入力する。そうする事でフルダイブ中のアバターの違和感を減らす事が出来る。初期のSAOではフィッティングはするにはしたがアバターは自由に作れたので例えばキリトならば高身長の好青年を茅場のデスゲーム宣言まではなっていた。結局プレイヤーにこれは現実という事を知らせる為に現実の姿になったのだがその際、このフィッティングのデータが使われた。
しかし愛美は今の言葉を聞いて少し頬を赤く染め自分の体を抱きしめながら言った。
「·····光輝のエッチ」
確かに説明だけを聞いてたら「ぺたぺた」とかそんな表現に聞こえたかもしれないが別に光輝はやましいで言った訳では無い。基本的な事を言ったつもりだから
「何で!?」
光輝は本当に意味が分かっていない。異性の体なら何回か触った事はあるにはあるが基本は不可抗力か向こうから突撃が殆どだ。あとついでに言うのなら
「ぺたぺたするのは愛美が自分でするんだよ」
と言うよりちゃんと自分がペたぺたしてって言ったし·····あっ、もしかして
「あ、ごめん、俺関西の方の自分って言ったつもりなんだ」
自分と言うのは人によっては難しい単語である。特に多いのが外国人か或いは幼い頃から長らく外国に住んでいる人にとっては顕著だろう。
関西以外では自分と言うのは「I」だが関西では状況にもよるが「You」になる。因みに東京生まれの光輝がこの使い方を使っている理由はSAOにいた頃よく関西出身のキバオウが言っていたことに起因する。
「それならそうと言いなさいよ」
「ご、ごめん。」
その後、愛美はフィッティングを終わらせ光輝から軽い説明を聞いた後、アミュスフィアのヘッドギアを被る。頭のサイズに調節されたそれはしっかりと愛美の頭にセットされた。
咲良が不思議そうな目線を向けているが愛美の心情はそれどころではない。
アミュスフィアのコードを光輝の持っていたコネクターに繋ぎ愛美はリビングのカーペットの上で横になった。
本体の光輝もアミュスフィアを被って愛美の横になる。そして愛美は不安なのか光輝に言った。
「その·····手繋いでくれる?」
そう言って自分の左手を開く。光輝はその手を見た後ゆっくりと右手で握った。それは光輝と愛美の実質初めて話した保健室までの道のりで繋いだ手と同じ手なのだった。
愛美と光輝は声を合わせ言った。
「「リンク・スタート!」」
お疲れ様です。
笠木の最期と男の成長。
愛美をALOにご招待。
光輝、怒られるのが怖い事をレイン達のおかげで知ったので引き伸ばさせようとする。
光輝が戦場に放ったのは広範囲回復神聖術・リアル版と思ってください。笠木はあれでも何10万、何百万分ものエネルギー持ってましたから回復出来ました。
(*´∇`)ノ ではでは~