愛美inALOです。
唐突に恋愛要素入れてくる奴は僕です
では暇つぶしにどぞ
後今回は愛美視点が偶にあります。
そう書かれた所から慣れていなければ酔ってしまいそうな虹色の場所を突き抜けていき私は気づいたら暗い所にいた。そんな私の目の前がいきなり光だし緊張が走る。
「アルヴヘイムオンラインにようこそ」
機械的な女性の声のアナウンスがどこからか聞こえた。そう思っていたら目の前にパソコンのキーボードの様なものが出てきた。但し実体は無く今の世界の技術では見た事がないホロキーボードだ。
「先ずはプレイヤーネームを教えてください」
そうアナウンスが聞こえ私は考える。
ここで考えた名前はこれからも使って行くことになると思ったからだ。
それに普通のゲームと違ってこの名前はよく呼ばれる名前になる筈。
―――光輝のプレイヤーネーム教えて貰っとくんだったなぁ
と折角帰ってきたのにあの返事を教えて貰えなかった光輝の事を思う。
正直光輝がドラゴンボールの世界やNARUTOの世界に行っていた事にはまだ実感が湧かない。だが光輝は舞空術やドラゴンボールの戦士達がよくやる気を纏う事を普通にしていた。更には影分身も。
本当に光輝の事を全然知らない事に愛美は少し落ち込む。プレイヤーネームを打つ為のホロキーボードを見ながら愛美は思案し手を出した。たった3文字のアルファベットを打ってエンターキーを押す。
「Emiさんですね。次は種族を選びましょう。」
そうすると私の目の前に今度は女性のモデル達が出てきて目の前にはシルフと呼ばれる種族の説明とモデルさんが出た。
SAOの原作の設定道理なら確かシルフは主人公のキリトの妹、リーファの種族でシルフの特徴としては耳が他の種族に比べて良い事だった筈。
右に手をスライドさせると今度はサラマンダーと呼ばれる種族が出てきた。全体的に赤く攻撃力が高い事が特徴。これも原作と同じならクラインの種族だった筈。
「どうしよう·····光輝を待たせてるし・・・」
愛美は色んな種族があるのを見て悩み始める。
ALOには種族が9つある。どの種族も一長一短で悩むのは当然だった。
光輝に関しては最初レインと同じ鍛治妖精レプラコーンにしようと思ったが茅場のSAOクリア報酬によって光輝専用種族のアルフになった。
愛美は悩みに悩み
「よし、これにしよ!」
そう言って選択したのは水妖精のウンディーネだった。ウンディーネは後方支援向けの種族。でもアスナとかはデスゲームの経験で前衛にもバリバリ出ていたから絶対に後方支援という訳では無いと思ったの。
出てきた注意書きを見てみると原作と同じくアバターの容姿はランダムみたい。どうか可愛いアバターでありますようにと願いながらOKボタンを押す。
「決まりましたか?今から貴方を種族の領土に送ります。では、楽しんでください。健闘を祈ります」
そう聞こえた直後、愛美は光に包まれ思わず目を閉じる。
数秒経ち愛美は恐る恐る眼を開けた。
「わぁ···」
愛美は言葉をそこまでしか出せなかった。アメリカにも日本でも見た事の無い景色がそこにあった。
現実離れをしている人達の往来、ウンディーネのイメージは青色か水色だったが他の種族の人達も楽しそうに歩いている。
愛美は自分の手を動かしてみる。今はフルダイブ·····つまり現実の愛美は光輝の隣で寝ている筈なのに手を思った通りに動かせる。手触りも全て現実と同じに感じる。
愛美は自分の格好を見る。水色を基調とした初期装備だ。そして後ろを見てみると思わずビクッとした。そこに光輝のものしか見た事が無かった西洋風のロングソードがあったからだ。
そして次に目線を動かしてみる。自分の斜め左上には自分のHPが表示されてその隣にEmiと書かれている。
恐らく光輝以外で自分だけが初めてフルダイブを経験しているという事に愛美は感動し始めてしまった。しかし何時までも感傷には浸れない。
「あっ、光輝探さないと・・・」
そこで気がついた。私光輝のプレイヤーネームを聞いていない。というより中に入ったら待っててと聞いてるだけでどこで待ち合わせなのか聞いていない。
「どうしよう·····」
そこで急速に心細くなった。初めての世界で一人ぼっちなのだ。そう思うのも仕方が無い。
「そこのお嬢ちゃん」
その言葉に愛美はビクンとし後ろを見た。そこには如何にもチャラそうな男が3人いた。勿論愛美の知り合いではない。と言うよりこの世界に知り合いは光輝以外にはいない。何故なら光輝以外は愛美からすれば全員異世界人だし。
「な、何ですか?」
「ニュービーなら俺達が遊び方をレクチャーしてやるよ」
「分かりやすく教えてあげるから来なよ」
「お前何良い奴ぶってんだよ!」
そんな男三人衆からは下心が見えている。愛美はある種あの時の笠木に似ている雰囲気を出している3人から1歩下がる
「あの・・・私、人待ってるので」
「そんな事言わずにさぁ楽しくやろうよ」
そう言って1歩前に進む。
目の前の3人、言ってる事は気持ち悪いが装備はいいものなのかそれなりに強そうと考えられる。そんな3人に今来たばかりで戦いのたの字も知らない愛美が勝てる訳ない。そしてあの時の笠木を思い出してしまい思わず
「来ないで!」
そう叫ぶ。そうしたら目の前の3人はあからさまに不機嫌の顔になった。
「はあっ!?俺達は優しく教えようとしてあげただけじゃねえか!」
「これはお仕置きが必要ですね。」
そうやはり下心丸出しの顔で言って更に愛美に近づき逃げようとしたその腕を無理矢理掴んだ。
「離して!」
愛美はそう言いながら周りを見る。だが周りは面倒事に巻き込まれたくないのか遠目に見ているだけだ。その視線に愛美は自分の髪と眼で虐められていた時の周りの視線を思い出した。そして人はそういう生き物ということも思い出した。
「さぁ行こうよ〜」
そう言って愛美を無理やり引っ張る。愛美の初期ステータスでは敵う筈もなく引っ張られる。
初めて来たこの世界にワクワクする筈だったのに・・・
「・・・こうき」
「あっ?」
「光輝早く来てっ!」
愛美がそう叫んだ瞬間、愛美と男達の間に無理矢理割り込んだ人影が男達を吹き飛ばした。それとほぼ同時にもう1人の人影が愛美をその場所から離した。
「・・・え?」
愛美は少し理解が追いつかず男達を吹き飛ばした人を見る。後ろから見えるのは蒼色の羽織·····その背中には蒼色と赤色の双剣。
男達は吹き飛びから回復した後、急いで立ち上がり見た。
「お、お前は·····何でこんな所に」
「嘘だろ·····」
「お前らの困惑なんざ俺からすればどうでも良い。俺の大切な人を傷つけようとした報いを受ける覚悟はあるな?」
そう言いながら目の前の人は右足を後ろに下げ右の拳を引いて構える。私は心配で声をかけようとしたら·····
「大丈夫よ、見てて」
そう言われ私は初めてもう1人の人に向いた。そして·····驚愕で声が出なかった。基本的な姿は一緒な筈なのにアバターでもその人が美人だと思わせる優しげな瞳。
「アスナ·····さん」
私は途中までつい何時ものように呼び捨てをする所だったけど何とか止まってさん付けにした。
私の驚愕はほっとかれ男達は目の前の・・・多分光輝に吠える
「お、怖気付くな!ここはウンディーネ領だ!アルフのこいつは俺達にダメージは与えられない!」
「そ、そうだ!それにこいつを倒したら俺達の名がALO中に広まるぜ!」
「それだけじゃなねえ!見たことも無いようなレアアイテムも持ってる筈だ!」
ALOでは種族によって領がある。シルフならシルフ領、サラマンダーならサラマンダー領と分かれている。
そしてその領の種族はその領にいる間は圏内となり再び外に行かない限りは基本ダメージを負う事はない。目の前の3人はウンディーネなのでこのウンディーネ領ではダメージを受ける事はない。
そしてウンディーネでは無い光輝はこの場でもダメージを受ける。
つまりこの男3人は自分達はダメージを受けないが光輝にはダメージを与えられるという勝ちたいだけなら最高の状況なのだ。
そうと分かれば3人は自分達の武器を持つ。1人は斧、1人は短剣、1人はスタッフだ。
「死ねぇぇえ!」
3人の中で1番軽装備の短剣使いがライトエフェクトを伴いながら光輝に迫る。短剣2連撃ソードスキル《ラビット・バイト》だ。ソードスキルによりアバターが加速する。愛美は思わず悲鳴を上げる
だが光輝は短剣が到達する直前にその短剣を持っている腕を掴み軌道を逸らし強力な膝蹴りをかます。
「かハッ·····!」
ソードスキルは一撃目にも関わらず光輝が容赦なく攻撃したのでモーションが終わり技後硬直になる。しかしどの道光輝が地面へ倒したので光輝は追撃はせず次を見る。
今度は斧使いがその重そうな斧を光輝の真上から振り下ろしていた。
光輝は最小限の動きで横にズレてその攻撃を躱す。
そして隙だらけの腹部に拳を練り込ませる。
唸り声を上げながら斧の男はその胴体を晒す。だが意地か何かなのかそれ以上の後退はせず斧を離した左の拳を光輝に向ける。
光輝は左の拳が握られたのを見た瞬間に片手を地面へつけ前転の要領で後ろ蹴りを斧使いに放つ
「うわっ!!」
その一撃により斧は手から離れ前方に吹き飛んだ。だがその斧使いは吹き飛ばされていながらもにやりと笑う。
その理由はスタッフ使い·····まあ要は魔法使いの3人目の仲間が氷の魔法を使って5個の氷の玉を作っていたからだ。
「これで終わりだーーっ!」
そう叫びそれら5個の弾丸を放った。ALOの魔法は拳銃などに比べたら遅いがそれでも一般人では中々反応が出来ない。昔のALOが魔法使い一強だったのがそれだ。
今はアップデートなどで武器使いの人も増えているが遠距離攻撃を出来るという魔法はやはり今でも根強く残っている。
「光輝!」
愛美は魔法の事は未だに分かってはいないが光輝に迫るその攻撃を見て思わず叫ぶ。光輝はそんな自分を心配してくれている愛美の声が嬉しいと思いつつも弾丸の軌道と核を見極めソードスキル発動の為の構えをとる。
唸るように体を丸めてから動き出す。その光輝の両手はソードスキルの証のオレンジ色の光が発光している
1つ目は右の拳右から左に撃ち抜きぶっ潰す
2つ目はその左に撃ち抜いた腕を再び戻して肘打ちでぶっ潰す。
3つ目は左手でぶっ潰しながら一回転する
4つ目はその一回転の威力を利用した回し蹴りでぶっ潰す
5つ目は自分の右の拳を引いて掌底でぶっ潰す。
「う·····嘘だろ」
そう魔法使いが思わず漏らす。それも当然だ。ALOの魔法は先に書いた通り早い。そしてその魔法をぶっ壊すのは至難の業。
魔法の中心には必ず核がある。光輝やった魔法ぶっ壊す技はシステム外スキル《
しかしこのコアとそのコアを壊すために適切なソードスキルを放たれてから選択しなければならない。それが超絶技巧の技で今の所スペルブラストを使えるのは光輝とキリトしかいない。
因みに今光輝がやったのは体術のオリジナルソードスキルで悟空の「超龍撃拳」という技だ。
「くそーーーっ!」
そう立ち上がっていた短剣使いが後ろから光輝に迫るが光輝は横にズレて肘打ちをして短剣使いはそれを顔面に受け斧使いの所まで吹き飛んだ。
今の攻防両者ダメージは受けていないがどちらが強いかなんて明白だった。
「これ以上やっても意味は無い。さっさとどっか行くんだな。俺の気は済んだ」
そう光輝は3人に言う。3人は立ち上がり更に攻撃をしようとしたがそこで周りの視線に気がついた。ALOはMMOだ。だからNPCなど以外は人がいる。今の騒ぎで自分達の評判の事を考え
「く…くそ、覚えてろ!」
そうリーダー格であろう斧使いが叫び残りの2人とどこかに行った。そんな安定の捨てセリフを吐いて逃げて行った3人を見送った後、光輝は振り向こうとした·····
だが振り向いた瞬間、愛美が光輝に飛び込んできた
「ちょっ!?え、愛美?」
「·····怖かった」
ただそれだけを言った。それもそうである。ある種笠木と重なるようなねっとりとした言い方だったのだから。
初めて来たVRMMO、愛美は心の中では皆良い人に違いないと思っていた。少なくともアニメのSAOやALOはそうだったから。
だが違った。来てそうそうあんな奴らから下心丸出しで詰められ腕を捕まれ連れて行かれかけ·····
愛美が恐怖するのは当然だった。まあ滅多にいない部類の奴らがたまたまと言えばそうかもしれないがそう言う問題ではない。
光輝はまたぎこちなく愛美を抱き返しその綺麗な水色の髪を撫でる
「俺も名前とか待ち合わせ場所言ってなかった。ごめん。」
「·····うん。許す」
そのまま2人は少し抱き合っていたのだが光輝が流石に·····という顔になり言った。
「その愛美·····そろそろ」
「もうちょっと・・・」
「いや周りにめちゃ見られてるから!」
その言葉に愛美は弾かれた様に周りを見た。そうすれば確かに周りは暖かい目で・・・偶に光輝に向けて嫉妬の視線を向けている。
アスナを見ると微笑んでいて愛美は恥ずかしくなりばっと離れた。その顔は真っ赤だ。愛美が恥ずかしさで何も言えなくなっているのを他所に光輝はアスナに言った。
「アスナさん、ついてきてくれてありがとうございました。」
「うんうん。大丈夫だよ。それに·····」
アスナはそこで愛美に向く。それはどこか楽しそうな顔で言う
「女の子のVRMMOプレイヤーが増えるのは私も嬉しいからね。」
その後、3人はウンディーネ領のショップを見に行く。取り敢えず困らない程に愛美の装備を見に来たのだ。その道中愛美は光輝に聞いた
「でも何で2人は私がウンディーネにするって分かってたの?」
種族は9つ、つまり領も9つあって場所によるが全部遠い。愛美を助けに来るまでの時間から逆算して来るのなら1つに絞らないと遅くなる前に着けなかった筈だ。
「ああそれは1つ目は愛美はウンディーネを選びそうと俺が個人的に思ったのとこれも理由」
そう言いながら光輝はメニューを開き何やら操作した後、私に見せた。それは何かの掲示板らしくそこにはウンディーネの3人組が1人のニュービーを囲んで連れて行こうとしてるっていう書き込みがあった。それで納得した。
「それを俺が見てフレンドリストの中でウンディーネ領に近い人達に理由を説明して向かってもらって俺も向かった。」
「それで到着したのがほぼ同時だったって訳」
「なるほど·····」
そして3人が来たのは武器屋さんだ。光輝やキリト達はリズベット武具店かレインが作った武器を使っている。だがそれらの武器を装備するにはそれなりに装備レベルを上げなければならない。だからさっき始めたばかりの愛美には先ず武器屋からスタートしてもらおうというわけだ。
「でも私お金なんて·····」
来たばかりだからお金が無いのは当然。
「その位俺が出すよ。俺が誘ったんだから」
「光輝君、この前もデュエル大会優勝してユルドいっぱい貰ってたもんね」
「いやあれはアリスさんとかに出ろ!って言われたからなんですが」
(何で·····こんなに仲が良さそうなの)
アスナと光輝は愛美と光輝が喋るよりも打ち解けているように見える。それが何でなのか愛美には分からなかった。そして心が少し重たくなり
チクッ
そんな音がした気がした。
そんな愛美の心情は光輝には分からずアスナに確認にで聞いた
「と言うよりアスナさん。結婚の準備は良いんですか?」
「けっ·····こん?」
と愛美は唐突に出てきたそのワードに素っ頓狂な声でリピートした。愛美がアスナを見るとアスナも少し照れているのか頬を染めながら言った
「う、うん。準備は順調よ。お父さんもお母さんも認めてくれてるし。」
「えっと·····その、結婚するんですか?」
「ええ。今度ね。」
「おめでとうございます!」
愛美も女の子、恋愛の話は好きだ。結婚にだって憧れた事がある。
アスナはそんな愛美のお祝いにも頬を染めながら返す。
「ふふっ、ありがとう。」
そうとびきりの笑顔で言った。3人は武器屋に入り光輝は取り敢えず聞いた
「それで、愛美。どんな武器使いたい?」
その言葉を聞きながら私は店に並んでいる武器達を見る。だが正直それらの一長一短が分からず結局光輝に聞いた
「その、違いってやっぱりあるの?」
「まあそりゃああるよ。例えば俺が使っている片手剣は基本はオールラウンダーで相手への一撃のダメージは安定している。」
「私が使ってる細剣は素早さと正確さを重視していて一撃一撃は片手剣には及ばないかな。その代わりそのダメージ差は手数で賄うのが基本だね。」
「短剣は扱いやすいし手数がある。ただリーチが短いから相手の懐に入り込む度胸がないと無理」
「斧は破壊力は凄まじいけど取り扱いは難しいかな。でも慣れたら強力にはなるよ。」
「曲刀は殆ど一撃必殺、攻撃に重視しているから防御は少し不得意。発展系の刀も同じ」
「槍はリーチは魔法以外では1番あるけどこれも取り扱いが難しいね。でも慣れたら強力」
「後弓があるけど殆ど後方支援向け。それに狙いを定めるのも自力でしないといけないから初心者にはおすすめしない。·····初心者なのに200メートル先を撃ち抜いたえぐい人ならいたけどあれはあの人が可笑しいだけだからやっぱりおすすめしない」
そんなスラスラと出てくる2人の解説に愛美は頭がこんがらがって来た。そして脳内で2人が言った事を纏める。地頭は良いので直ぐに纏まる。
そして悩みに悩み·····
「その・・・片手剣にする」
ここにあるもの全て現実離れのものだがやはり愛美は使うのならよくゲームでも使っていた剣が良いと思ったのだ。·····自分が動いて使うのは初めてだが。
光輝は反対せずに片手剣の場所に愛美を連れていく。そして1つずつ振ってみて感触を確かめて1つ選んだ。光輝がその剣を買い愛美に渡した。
「わぁ」
愛美はその初めて持つ武器に思わず詠嘆した。ずっしりと重い訳では無く振り回す分には丁度いい重さ、掴む場所にはまるでずっと使っていたようにフィットした。
そんな感動し始めた愛美をアスナは少し微笑ましく見る。SAO時代、初めて愛剣を手に入れた時の自分の反応にそっくりだったからだ。
「じゃあ次は装備か」
そう言って隣にある武具屋に行こうとした光輝をアスナが止めた
「光輝君、女の子の装備は私が見た方が良いと思うよ」
光輝はその言葉に疑問符を浮かべる。
一方愛美は装備が服のことだと気が付き赤くなる。例えアバターと言えども着替えの瞬間を見せるのは恥ずかしい。フィッティングによって愛美のアバターは顔と髪以外は現実と同じになっているから余計にだ。
光輝は別にそのことに気が付いた訳ではないが女性同士の方が良いかとなり頷きながら愛美に向く。
「それもそうですね。愛美も良い?」
「え、あ、はい。」
愛美は未だにアスナにどんな態度で接したらいいのか分からない。今までフィクションの人達と思っていたのに直接会ったらそうなってしまうだろう。それから愛美が会っているアスナは愛美が知っているアスナよりも年上って事が分かる。でなければ結婚というワードは出てこないだろう。
ため口の訳にもいかずどうしようと思いながら愛美はアスナについていく。
私とアスナ・・・さんがお店に入ったら沢山のお洋服やこれまた現実離れしている鎧等があった。ここにあるのは基本装備だというのにその存在感は凄かった。店に入るとアスナさんが綺麗な水色の髪を靡かせながら振り向いて聞いてきた。
「えっと愛美ちゃんだったわね。愛美ちゃんはどんな服が良い?」
そう言われ私は店を見渡す。金属装備から皮装備まで一通り揃っているように感じる。
でも私がゲームのキャラクターに何かを装備させる時は見た目なんか重視してなくて性能が高いものを装備させてた。大概の私がやっていたゲームがMMOじゃなくて一人用RPGで私以外には分からないし画面上のキャラクター達も何か変わる訳じゃなくてステータスだけが変わる仕様だったから。
でも今から選ぶ装備は正真正銘ここにいる私が装備する。装備したら私のアバターに反映されステータスだけじゃなくて私の格好も変わる。
私だって女の子だもん。いくら性能がよくてもダサい服は嫌だ。・・・光輝にも見せることにもなっちゃうし。
「愛美ちゃんのアバターも可愛いから悩んじゃうわね」
「あっ、私まだ自分のアバター確認してない…」
「そうなの?じゃあこっち来て」
そう言われて私はアスナさんについて行くと鏡があって鏡の前に立った。
そうすると目の前に現れたのは自分で言うのはナルシストの様に見えるから避けたいけれどそれを差し引いても「可愛い」か「美人」のどちらかには入っている顔だちだった。
そんな時、武具屋の扉が開いてアスナがそっちを見ればパーッと明るい顔になったのを見て愛美はそっちを見て…口を驚きで開けてしまった。
「やっほ〜アスナ!」
そう言って来たのはインプと呼ばれる闇妖精の美少女で髪の毛は紫色、服も紫色が主でその腰にある剣も紫色。名前はユウキ、今尚絶剣と呼ばれる少女、但し愛美が知っているユウキは15歳の筈だがそれよりも大人びている事から2歳位は歳が経っていると考えられる。そしてもう1人
「アスナさんこんにちは!いや、義姉さんって言った方が良いですか?」
「も、もうリーファちゃん」
金色のポニーテールの髪で主に緑色の服を着ている。その腰に持っている剣は片手剣なのか両手剣なのか分からないがとても様になっている。
名前はリーファ、キリトの義理の妹。でも幼い頃から一緒に育ってきたので妹と言ってもいい。だから今度キリトと結婚するアスナはリーファからすればお義姉ちゃんという訳だ。
「アスナその子は?」
そう聞いてきたのは猫妖精のケットシーで猫耳としっぽを持って後ろの腰に大きな弓を携えている。
名前はシノン、元々GGOのプレイヤーだったがある時を境にALOにもよく来るようになった。但しホームは未だにGGOだ。
そんな原作でしか見た事のない様な人達の度重なる登場に愛美は空いた口が塞がらない。そんな愛美の心情は知らないだろうがアスナが紹介する
「こちらは愛美ちゃん。光輝君が元々住んでいた世界の友達·····いやガールフレンドよ。」
その少しイタズラしたような表情で言ったアスナに愛美は真っ赤になりながら叫ぶ
「がががガールフレンドじゃないです!」
だがその顔はどう見ても全否定する様な顔では無い。それからアスナのイタズラに乗ったのかユウキは笑顔で言う
「へー!光輝にこんな可愛いガールフレンドいたんだ!」
愛美は慌ててまた否定しようとするがそれよりも早くリーファが
「光輝君も幸せものだな〜」
3人が愛美を弄り始めた頃、武具屋の外で待っている光輝は
「はっクション!」
武具屋に入って行ったユウキとリーファさんとシノンさんを見送ってから何かいきなりくしゃみをしたくなった。何でだ?
あの3人は俺が最初ウンディーネ領の近くにいた人達を呼びかけた時にたまたま近くにいて一足遅かったけど来てくれた。俺が暇だったからお礼がてらメールして今の状況も書いたら来た。
愛美…どんな装備してくるのかな〜。アバターの愛美も·····可愛かった。何となーく現実の愛美にも見えたし。
·····初体験なのに嫌な思いさせちゃったな。楽しめるかな?
と愛美の事を色々心配して30分程経った。流石に遅くないかとか光輝が思い始めたらやっと武具屋の扉が開いて5人が出てきた。圧倒的な女子比率の中光輝は普通に近づいて行って·····止まった。
「そ、その…どうかな?」
と愛美は少し照れながら言った。
愛美は買った剣は腰に吊るし、蒼色の布装備で一種のワンピースの様にも見える。腰辺りにはベルトがあってそれが腰と腰より下の境界線を示している。そして腰からはそのワンピースっぽい布が2つに分かれて蒼色のズボンを履いてあった。
所々にはピンク色のラインも入っていて愛美にはとても似合っている。
そして先程までただ下げていただけのロングヘアの一部を頭辺りで纏めて薔薇の形にしていた。
「うん。似合ってるよ。」
光輝は数秒愛美を見た後漸くそれだけを口にした。
愛美はその返事にパーッと明るい表情になって
「うん。ありがとう!」
★★★★★
「わわわ!」
愛美はそう思わず言いながら倒れる。愛美の目の前にはイノシシ型のモンスターがいる。
今は愛美の初めての戦いをしているのだ。
「愛美、怖いのなら後回しにしようか?」
と2回ほどイノシシに吹き飛ばされた愛美を見て心配になった光輝が聞く。因みにこの光輝の発言を聞いた外野は
((愛美ちゃんには甘いわね))
光輝は基本やれば何とかなると考えるタイプ。回数さえ重ねればと言う奴。勿論相手によって考え方は変えるが基本はそのタイプだ。
しかし愛美は首を振りながら立つ。
「大丈夫、もうちょっとだけお願い」
「·····分かった。」
そう言いながら光輝はそこら辺に転がっている石を手に取り投擲のスキルモーションを起こしながらその石をイノシシに投げた。
その石はイノシシにぶち当たりイノシシは光輝を標的に突撃し始める
「こいつは基本こんな突進しかして来ない。だから落ち着いて動きをよく見て躱す」
光輝はイノシシを躱し、その横腹を勢いよく蹴ってイノシシを愛美の方向に向けた。愛美に突撃し始めるイノシシを見ながら光輝は言う
「どんな攻撃もよく見れば大概は躱せる。後は度胸の問題。」
光輝の解説を聞きながら愛美は先程光輝に買って貰った剣を両手で握り深呼吸しながらイノシシをよく見る。先程まではどこか現実と違いすぎて怖かった。だから思わず眼を閉じてしまっていたが今度はきちんと目を逸らさずイノシシの動きをよく見る。
そうすると先程とは感覚が違いイノシシの動きがよく見える。
(ほんとだ、真っ直ぐにしか来ない)
愛美はそのイノシシが自らの所に来た瞬間、左足を後ろに回転させ体を横向きにしたのと同時に目の前にはイノシシがやって来て剣を上段に振り下ろした。
そうするとイノシシに縦に綺麗に入り赤色のダメージエフェクトが出てきた。イノシシの体力が減っていき元々体術ダメージが入りやすい光輝の攻撃の分も合わさりHPが無くなった。
イノシシは青く輝き消滅した。
それとほぼ同時に愛美にファンファーレがなりニュービーらしく少なかったHPが上がった。それだけではなく片手剣の熟練度が1から2に上がった。
「やった!」
何はともあれ初のバトルで勝利を収めた愛美は思わずそう喜ぶ。
光輝の仮想世界での最初のバトルはキリトと出会った後に出現したオオカミだった。その時光輝は剣は使えなかったので無理矢理倒したが愛美程喜んだ訳では無かった。それどころかゲームなのに痛みがあるとかそもそも未来に来ちゃったんじゃないか説で色々落ち込んでいたから喜ぶ要素が無かったのだ。
だけれど、愛美を見ていたら教えた自分まで少し嬉しくなった。
きっとこれがVRMMOを初めて遊ぶ人が見せる本来の顔なんだろう
「ありがとう光輝!!」
「どういたしまして。それに、初勝利おめでとう、愛美。」
「うん!えへへ」
その後6人は愛美に戦闘を教えた。ソードスキルも初期から使える基本的なものは一通り教え愛美も飲み込みが早いのか直ぐにソードスキルを使える様になって行った。まぁ一行の中に片手剣使いは3人もいるのでそれもあったのだろう。そして最初よりかはスムーズに戦闘が出来る様になって女性メンバーとも打ち解けた時、愛美はやりたかった事を聞いた
「その…空飛びたいです」
ずっと地面での戦闘をしていた。
ALOの目玉機能、空を飛ぶのは愛美も知っている。アニメで見ていた時も楽しそうと思った。そして今、自分がその夢の場所にいるのなら体験したいと思うのは必然。
「そうね、そろそろ休憩しに行く為に良いかもね」
アスナがそう言ってこの中では1番の古参のリーファが教える事になる。先ずは取り敢えずコントローラーを使っての飛行を試す。
「手をこう握って」
そう言って愛美の世界にあるWiiのヌンチャクを握る様にしたのを見て愛美も左手をそうする。そうすると飛行する為のコントローラーが出てくる。
「それを少しづつ持ち上げて」
愛美は言う通りにすると愛美の背中から水色の羽が出てきて徐々に浮かび始める。それを見た面々も羽を出し上昇する。
「あわわ!」
その空中を浮遊するという事が初めての愛美はその足がプラ〜んとするのに慣れてなく少し慌てる。そんな愛美の体ををユウキが支える
「大丈夫、落ち着いて深呼吸。」
「すゥーはぁ〜」
そうすると愛美は冷静になっていき滞空した。そして周りを見ると全員羽は出しているが愛美が使っているコントローラーは使っていない。
(やっぱり難しいんだろうなぁ・・・)
とそこで光輝を見て
「あれ?光輝何で羽無いの!?」
「ん?ああ、俺は厳密にはアスナさんとかやっている随意飛行じゃなくて違う方法で飛んでるからな。俺は現実と同じ様な感じで空飛んでる。」
「それに光輝君は私達と種族が根本的に違うからね」
「まぁ、と言ってもなりたいかと言われたら絶対に嫌だけどね」
アスナが光輝の種族の違いを言ってシノンは苦笑しながら言う。愛美はそれに疑問符を出しまくるが今集中が切れたら真っ逆さまで死なないとは言え怖いものは怖い。
取り敢えず愛美はコントローラーの操縦の仕方をリーファに教えて貰いながら飛び始める。
「わあ〜!」
空を生身で・・・アバターだが飛ぶのが初めての愛美はその風を感じながら飛ぶ事が気持ちいい事を知った。そして飛行をもっともっと早くしたいとも思った。この風と一緒になる様な感覚、きっと今隣にいるリーファはこの感覚が大好きなんだと思った。
だからこそ、少し難しくても挑戦してみたいと思った。隣を遅めの愛美に合わしてくれているリーファに向いて
「あの、リーファさん」
「ん、なに?」
「その…随意飛行を」
「愛美、上!」
教えてくださいと言おうとしたら唐突に後ろを飛んでいた光輝が叫ぶ。
愛美は咄嗟に上を向いた。そうするとでかい鳥型のMOBが愛美に向けて急降下していた。愛美は直ぐに右腰にある剣を取ろうとしたが初めての事で剣を取ろうとしたら左手に持っていたコントローラーを離してしまった。
「・・・へ?」
素っ頓狂な声を愛美が上げたのとほぼ同時、愛美は垂直に落下し始めた。
「きゃあああああああ!!!」
「愛美!そいつは任せます!」
そう残りの4人に言って返事を聞かずに光輝は全速力で垂直落下して下の森に突撃している愛美を追った。
愛美が随意飛行を出来るのなら光輝もこんなに慌てないのだが愛美は今日始めたばかりの正真正銘の初心者。それに今落下中の愛美はその恐怖故か眼を閉じてしまっている。
(クソ!リアルなら普通に追いつけるのに!)
ALOでは流石の光輝も限界速度というものに縛られる。今光輝はその限界速度を出しているが垂直落下している愛美の方が微妙に早い。このままでは愛美が地面に激突して最悪HPが無くなってしまう。愛美が爆散してエンドフレイムになる所を想像し光輝は一瞬家族達を思い出し・・・
「死なせない!」
そう叫び限界速度を出しながらオリジナルソードスキルを発動する為の印を高速で結びそれをシステムが認識する。光輝の右手が青白く発光し「チッチッチ」と音がし始める。光輝の元祖オリジナルソードスキル。オリジナルソードスキルとしては有り得ない単発技。だがスピードは桁違いで相手のカウンターを見切れる光輝にしか出来ない技
「千鳥!!」
ソードスキルのシステムアシストによって光輝は限界速度から更に加速した。その速度はあっという間に愛美を追い越し光輝が先に着地した。千鳥を消して技後硬直が光輝を襲うが光輝は意地で体勢を取り直し上を向いて
「きゃああああ!!」
そんな叫び声を上げならがら落ちてきた愛美を光輝は両手を前に広げ受け止めた。受け止めた瞬間、光輝は感覚的に地面に沈み腰が一気に下がった。そして愛美のHPを確認すると少しだけ減っていただけだった。
「愛美、大丈夫?」
愛美は恐る恐る眼を開け光輝の顔を見た。光輝の顔は心配そのものみたいな顔である。
そしてそれを見た愛美は徐々に涙目になっていく。仮想世界では感情の嘘はつけない。泣きたくなくても泣いてしまうし怖い時は恐怖の表情になってしまう。
愛美は光輝の首元に手を回し胸に顔を押し付けた
「え、愛美!?」
いきなりされたそんな事は血の繋がった方の姉とレインにしかされた事がない光輝は真っ赤になる。そして愛美が泣いている事に気がついた。
思えばこの短時間で割と怖い目にはあっている。光輝はもう色々あって怖いとは微塵も思っていないが平凡に暮らしていた愛美が耐えれるとは別問題なのだ。
だから光輝は自分の言える事だけを言った
「・・・小学校の時にさ、言ったでしょ?愛美が危なくなったら絶対助けるって」
その言葉に愛美は埋めていた顔を上げ光輝を見る。やはり眼は濡れているが意地か何かでそれ以上の涙は無かった。
そして光輝の言葉を懐かしそうに聞いて頷いた。
「これからも・・・ちゃんと守るから、さ。」
「·····」
光輝なりに励ましの言葉を探りながら言っていくが愛美からの言葉が無く逆に不安になる光輝なのである。そう思っていたら愛美は再び首元に手を回しまた顔を埋めて聞いた
「・・・ほんとに?」
「·····うん。」
光輝がそう言えば愛美は再び顔を上げ間近に顔がある光輝を見る。
この世界でも光輝の顔は現実と全然変わっていない。その身に纏っているのも現実で着ている道着に限りなく近い。殆ど現実の生き写しだ。だからここにいるのは紛れもない光輝。
「・・・じゃあ·····確かめさせて」
確かめたい・・・私の目の前にいる光輝が・・・私が好きになった光輝なのか。私の好きという気持ちが本物なのか。アバター何て関係ない。どんな姿でもそこにいる人の魂は皆同じなんだから。だから・・・きっとここで思った事は現実でも思う事だから
愛美がそう言って首元に回してた手を少し強め、自分の顔も光輝に近づける。光輝は愛美が何をしようとしているのか殆ど分かっていないが何か確かめたい事があるのだろうかと思い特に気にせずノーアクションである。
・・・だが無反応でいられたのは最初だけで愛美との顔の距離が5cm程になった時、流石の光輝も真っ赤になった。
恐らく誰もが振り返る程の整った顔に美貌、そしてそんな人が自分の顔目掛け目を閉じて接近しているのだ。これが悟空辺りならばまだ無反応でいたかもしれないが光輝は普通に無反応が一瞬にて崩れた。
だけれども何か言う訳にもいかずされるがままに待って愛美との顔の距離がもう殆ど0になり愛美の唇が光輝に触れかけた時・・・
「2人とも大丈夫だった〜?」
とユウキの声が聞こえた瞬間、2人の前に先程の鳥型モンスターを倒した4人が降り立った。そして4人は固まった愛美と光輝、そして愛美が光輝の首に手を回しやたらと光輝の顔の近くに自分の顔を近づけているのを見て・・・
「·····ごめんね、空気読めなくて」
「何か・・・ごめん。」
「本当にすいません」
「うん。・・・本当にごめんね」
そうアスナ、シノン、リーファ、ユウキの順で謝ってきて愛美は初めて自分が何をしようとしていたのか理解した時・・・もう首元から耳まで真っ赤になってる所を想像出来る程愛美は恥ずかしさの限界を超えた。
そして愛美は今漸く気がついた。自分が光輝にお姫様抱っこされている事に。
「こここここ光輝!お、下りる!」
「え?あ、うん。」
光輝はそう言いながらゆっくりと地面に愛美を下ろす。愛美は下ろされる間も恥ずかしすぎてずっと顔を隠していた。下ろされた後も光輝やアスナ達に何を言えば良いのか分からなくなり顔を体育座りした膝の間に埋める。
「うー〜っ!」
愛美がそう唸っている間に光輝は愛美に手をかざし回復魔法のスペルを唱え愛美の減ったHPを回復させた。自分ではあまり使わないが仲間がピンチになった時用に覚えておいたのである。
全力で恥ずかしがっている愛美を見て光輝も微笑むのだった
お疲れさまでした
小1から会って無いくせに愛美さんめちゃくちゃ攻める奴。会って無い分の反動かな?
ちょっと思ったことあるのでアンケートします。物語には関係ないですが。
…あとワンパターンな気もしてる(笑)
ではではまた明日いつも通りの時間に出します。
ではでは