Warrior beyond despair   作:レオ2

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加筆しましたm(*_ _)m


その後と別れ 改

 ⚫⚫病院 光輝の個室 夜8時頃にて

 

「光輝!」

 

「愛美!」

 

 そんな声が病院の廊下に響いて走って来たのは光輝の家族と愛美の母と父だった。病院の距離はどちらも同じくらいだから途中で合流したのだろう。愛美の両親が愛美の肩に手を置いて聞いた

 

「愛美! 大丈夫? 怪我はない?」

 

「愛美、無事か?」

 

「わたしは、大丈夫。でも、光輝が」

 

 そう言って横で寝ている光輝を見る。それと同時に体は罪悪感でいっぱいになり光輝の家族に頭を下げた。

 

「ごめんなさい! わたしが、私が高台になんて行かなかったら、こんな事にならなかったんです! 全部私が悪いんです。ごめんなさい! ごめん……なさい」

 

 光輝の言う通り思い出作りに拘らなきゃ光輝はこんなボロボロな状態にならなかった。愛美が思い出作りをした事により今こんな状態になっている。それに愛美が自分を責めるのは当然だった。

 

「今回は本っ当に娘が迷惑かけました。すいません!」

 

 愛美の母と父も頭を下げた。 

 

「皆さん顔をあげてください」

 

 光輝の母が愛美としゃがんで視線を合わせた。愛美の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。愛美がこんなに泣いたのはいじめられた時以来である。

 

「こらこら、可愛い顔が台無しよ? ……確かにね、愛美ちゃんがあそこに行かなきゃ光輝はまだ人からしか聞いてないけど酷い怪我なんて負わなかったかもしれない。でもね、それでも私は愛美ちゃんを責める気はないよ?」

 

「えっ……、な‥んで?」

 

 どう考えても自分が悪いのに何で責めないの? と愛美はなった。

 

「だってそれでも立ち向かうって決めたのは光輝自身でしょ? それに光輝だって怪我を負ったのは自分の力不足だったってきっと言うはずよ? あの子は誰かさんのせいでそう言う性格になっちゃったからね」

 

 そう言ってジト目でおじいちゃんを見た。実際光輝は割と祖父の性格が移った。光輝がおじいちゃんっ子なのもあったのだろう。祖父は苦笑いでその視線を受ける。母は視線を愛美に戻し言った。

 

「そりゃあまあ、もし愛美ちゃんが反省してなかったら叱るつもりだったけどね。でも愛美ちゃんはそんな事する子じゃないって皆知ってるから」

 

 愛美は光輝の家族の顔を見た。皆怒った顔はしてなかった。今度は違う罪悪感でいっぱいになり小一らしく泣いた

 

「ごめん‥なさい。ごめんなさい。うわぁぁぁぁん!」

 

 光輝母はそんな愛美を抱きしめた。愛美も思わず手を回して泣いた。自分の好きな人が目の前でボロボロになって倒れていたのだ。血の気が引いたのは間違いない。だがそれ以上に光輝の家族の方が傷つくはずなのに光輝の家族の方が落ち着いてるのを見て自分が子供の気がしたのだ。……実際子供なのだが。そんな愛美の背中をポンポンしながら言った。

 

「大丈夫、大丈夫だから。光輝が強いのは知ってるでしょ?」

 

「あ、あい」

 

「ちゃんと元気になってひょっこり戻ってくるわよ」

 

「あい」

 

「だから、これからも光輝と仲良くしてあげてね?」

 

 母が懸念していたのは今回ので愛美が光輝に顔合わせれなくなって友達をやめてしまうかもしれないということだった。それは愛美と光輝の精神的にもやめて欲しかったから言ったのだ。だがその言葉を聞いて愛美はしゃっくりしながら答える。

 

「無理、なんです」

 

「え、どうして?」

 

 困惑した声で母は聞いた。まさか本当に友達を辞めるつもりかと。だが答えは想像の斜め上に行った。

 

「来週……アメリカに引っ越すんです」

 

 愛美の代わりに母が答えた。その答えに家族全員で「えっ?」ってなり母が心底驚いた顔で聞いた。

 

「そうなんですか!? 光輝からそんな事全然聞いてないですけど」

 

「まだ、言ってなかったんです」

 

 そう申し訳なさそうな顔で言った。

 

「そう、ですか」

 

「はい」

 

 そんな少し気まずい空気になった時に病室のドアがノックされた。光輝の姉の麗華がドアを開けるとそこには光輝の担当になったお医者さん……櫂俊樹が頭を下げ看護師と共に入ってきた。

 

「先生! 光輝は、息子は大丈夫ですか?」

 

 母は事を見ながら聞いた。素人目じゃどこかに異常があるのか分からないのだ。……まあそれでも少しやせていってるのは見れば分かるがそれ以外は分からなかったのだ。櫂はその答えに首を振って言った。

 

「命に別状はありません。しかし……」

 

「しかし? なんですか?」

 

 愛美に振り返り。

 

「笠木のナイフで刺されたら生体エネルギーを奪われるって笠木は言ってたんだよね?」

 

 いきなり話を振られたが愛美は頷いた。

 

「は、はい」

 

「恐らくそれの影響で酷く弱っています。それに光輝君のダメージが大き過ぎていつ目覚めるかは分かりません」

 

 割と何回もぶん殴られたし。櫂から見ても今の光輝の状態は酷かった。痩せてるし所々に痣あったし·····それから何故かおでこにもあったし。まあおでこのは光輝が思いっきり頭突きした時のものだが。

 

「そう、ですか」

 

 酷く落胆した声を出して答える。他の面々も似たような反応だ。沈黙が場を支配した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1週間後 土曜日 ⚫⚫病院 光輝の病室

 

 

 

「……ほら、行ってきなさい。愛美」

 

「うん」

 

 そう母親に言って愛美は護衛の人に頭を下げて病室に入ってく。

 

 

 

「光輝‥」

 

 光輝はまだ目を覚ましていなかった。医者曰くもう少しで目が覚めるかもしれないという事だが今日には目を覚めなかった。愛美はこの1週間ずっとお見舞いに来ていたがとうとう起きなかった。

 

「今日ね、私アメリカに引越しちゃうんだ。お父さんの都合でね。言ってなくてごめんね」

 

 そう聞こえてるか分からないが言った。

 この1週間は色々あったが特に世間が驚いたのは何年も続いてる無差別殺人の犯人が笠木理玖だったという事だろう。天才から一転、殺人鬼の烙印が押された。犯行は恐らく後ろからの一撃ばっかり尚且つ独り身の人しか狙っていなかったのもあり今までは分からなかったのだが愛美の絶望した顔を見たいとかいう心底おぞましい理由でそのジンクスを崩し挙句光輝に見つかって今はとんでもない目にあっている。

 そしてそれさえも上回って世間を恐怖で埋めているのはその笠木理玖の逃亡であろう。そう、捕まえられなかったのだ。逃走が入り組んだ道しか使われず見失ったようである。そして、笠木が持ってる武器にも世間を恐怖を埋めた。何しろ生体エネルギーをとるナイフなんて現代技術では作れないとされているのだ。腐っても天才である。だから自分の殺人が失敗した腹いせにまた光輝か愛美を襲うかもしれないという懸念から護衛が置かれているのである。

 

「……お手紙書いてきたんだ。起きたら読んでね?」

 

 そう言って一通の手紙を置いた。そのまま顔を触る。そして少し余韻に浸っていたら母が声をかけてきた

 

「愛美、そろそろ」

 

「うん、わかった」

 

 ベッドから離れドアに向かって閉める前に言った。

 

「じゃあ、さようなら。光輝。……大好きだよ」

 

 そう、涙と共に言って病室から出て行くのであった。

 

 




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