Warrior beyond despair   作:レオ2

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おはようございます。
今日も行きましょー!


5年前のその後

「ん……」

 

 何か久しぶりに感じる鼻で感じる匂いが愛美を刺激する。眼を開ければ家の1階の天井が見える。それで現実に戻って来た事を認識した。隣では本体の光輝が起き上がりアミュスフィアを取っていた。いつの間にか離されてた手を名残惜しそうに見た後、愛美もアミュスフィアを丁寧に取った。伸ばしていた髪が衝撃で揺れる。

 

「うー背中痛い」

 

 そう言いながら愛美は上体を起こす。

 

「まぁ……普通フルダイブする場所ってベットの上が殆どだからな」

 

「·····分かってるのなら教えなさいよ」

 

「ごめん。気持ちの方が先走ってた」

 

 愛美は光輝を観察する。自分と同じくカーペットの上でダイブしてた筈なのに疲れている様子は無い。……ついでにあの時は赤かったのに今は普通だ。やはり光輝に余裕があるのが悔しい。

 普通に背を伸ばしてる。そして残していた影分身に言った。

 

「お疲れ、咲良の相手ありがとう」

 

「おー! じゃあ俺消えるわ」

 

 自分同士で会話して影分身は分身を解除した。言っては悪いが少し面白い光景だった。

 影分身が消えると影分身の記憶が本体の光輝に引き継がれそのいつの間にか面倒くさい事になってた事に額に手を当てる。

 愛美は父親に

 

「凄く楽しかった!」

 

 そう興奮した様子で嬉々としてALOでの出来事を光輝への告白以外の事を語っていた。·····そして願っていた事も叶い新しい夢も持てた。

 恐らく光輝生存不明から見せた笑顔で1番のその表情を見ながら父親は聞く。

 咲良もその話を羨ましそうに聞いて少し面倒くさい事に虚ろな目になっている光輝に言った。

 

「お兄ちゃん私もフルダイブしたい!」

 

 光輝は虚ろな目を瞬時に消して咲良に返した

 

「いや、無理。アミュスフィアのレーティングは13歳以上だからな。自己責任ならやってもいいしやってる子達もいたけど危ないから止めとけ」

 

「うー! やりたいー!」

 

 咲良がフルダイブをしようと思ってレーティングを待つのなら後5年はかかる。そんなのは待っていられないのが人の性だろう。

 光輝は咲良の頭に手を起き優しく言った。

 

「まぁ、全部の戦いが終わったら安全装置を強化して10歳程度まではレーティング下げれるの作るからそれまで待っててくれ」

 

「·····ちょっと待って、光輝が作るの?」

 

「そのつもり。実を言うともう概ね設計は固まってるんだけど単純にまとまった時間が無いのとまだ違う奴を作りたいのもある」

 

 そんな光輝の言葉に愛美は唖然としていた。

 確かに愛美は今日フルダイブを体験し一日の半分すらいた訳では無かったのにもう愛美はあの世界に魅了された。正直言うと光輝の事を抜きにしたらまた直ぐに行きたいと思っている程だ。

 だが……あの景色を作る為の機械を光輝が作ると言われてもぶっ飛びすぎて少し困惑中。何ならもう地盤は固まってるという。愛美は周りを見ると普通に咲良以外唖然としていて自分だけじゃなくて良かったと思った。

 ·····そこで愛美は楓と美咲が料理しているのを見て

 

「も、もう作り始めてたの!?」

 

「愛美は夢中でゲームしてたからね。料理はしてるから光輝君と遊んでたら?」

 

「わ、私も料理するの!」

 

 そう言ってキッチンに入り場所を開けてもらい野菜を切り始めていた。光輝はそんな愛美をリビングから意外な目で見ていた。愛美はその視線に気が付き頬を赤くしながら聞いた

 

「な、何よ」

 

「俺が知ってる愛美はお菓子作りは得意でも料理はそんなにだった記憶があるんだけど……」

 

 愛美は光輝の祖母と母親から光輝と一緒によくお菓子作りをしていた時の事だ。だがぶっちゃけ料理はそこまでだった記憶が光輝にはある。

 愛美は心外と言う声で返す

 

「失礼ね! わ、私だって料理位出来るようになってるわよ」

 

「光輝君に食べてもらう為にね」

 

「ち、違うわよ!」

 

 そう美咲がからかうように愛美の耳元で言って愛美真っ赤になりながらそれを思いっきり否定する。……半分は正解。光輝に食べて貰いたいが為に愛美は料理をするようになった。もう半分は本当に女の子だから出来る様になりたいと言う思いもあった。

 まぁ女は料理出来ないとダメなんてルールは無いから出来なくても良いと思うが愛美はそうではなかったらしい。

 仮に愛美が出来なくても光輝が出来るが。

 楓と美咲は楽しそうに愛美をからかい愛美はもう恥ずかしすぎて偶に切る大きさを間違えた。そしてそのやり取りを見ていた光輝に愛美はずっと見られていたら可笑しくなるので

 

「こ、光輝は主役なんだから出来るまであっち行って!」

 

「……あれ? 俺何にもやってないのに」

 

「良いから!」

 

「これが理不尽というやつです」

 

 とかふざけた事を言いながら光輝は咲良や櫂達の元に行く。

 そして櫂と弘樹とで喋り出す。弘樹は大手の外資系企業で働いている。それも医療メーカーのだ。だから櫂とは案外話があっていたのだ。

 光輝は弘樹の働いている所を初めて知り普通に驚いていた。小一の時の光輝はあまり弘樹とは特に接点が無かった。働いてる所を知らないのはある意味必然である。

 それで丁度いいやとなり光輝はオーグマーを取り出した

 

「こ、光輝君、それは?」

 

 光輝はオーグマーを装着して起動させながら答える。オーグマーが起動し光輝の目の前にALOであるようなホロウインドが何個か出てくる。

 

「オーグマーってものでそのアミュスフィアがVRならこのオーグマーはARです」

 

 そう言いながら光輝は虚空に手を出し櫂達からすれば少しよく分からない手の動きをしていたがそれはただ櫂の家のネットに繋げているだけである。

 

「AR……拡張現実?」

 

「そう。気持ち悪い事言うと人の脳にアクセスして直接俺に映像やら画像を見せてるんです」

 

 そう言いながら光輝は今まで作ってた資料のコピーを作り2人に聞いた

 

「えーと、2人のメールアドレス教えてください」

 

 その言葉に櫂と弘樹はスマホを取り出しそれぞれメールアドレスを光輝に教え光輝はタブを分けながらそれらの添付先にそのメールアドレスを入れて櫂と弘樹に手でスライドした。

 そうすると櫂と弘樹のスマホに着信が入り光輝からである。2人は取り敢えず開けてみて……気になっている咲良とかを置いてけぼりにして熟読し始めた。

 それを見た光輝は隣の咲良に声をかける

 

「何か熟読し始めたね」

 

「そうだね〜。お兄ちゃん私もそれ付けたーい!」

 

「まぁ良いよ」

 

 光輝はオーグマーを取り外す。光輝の景色が普通に戻った。そして咲良に後ろを向かせ付けた。少し調節して咲良のサイズになった時

 

「うわぁー! 何これ〜っ! すごーぃ!」

 

 今咲良の目の前には咲良には意味分からない事が書かれている事が羅列されているだろう。咲良が驚いたのはそんな事では無くその虚空だった場所に近未来的な奴が出てきた事にだろう。

 光輝も初めてオーグマーを付けた時は驚いた。

 そんな事を思っていたら櫂達が熟読し終え咲良をニコニコ見てた光輝に聞いた

 

「光輝君、これの臨床データはあるのかい?」

 

 光輝は椅子に座り直しながら返す

 

「いやーそれがもし出来た時は2代目になるんですよ。まだ俺も作ってないし設計図もそっちには書いてないでしょ?」

 

 それに2人は確かにとなった。光輝が送った資料には大まかなデータしか書かれていない。それでも2人が思わず熟読する位凄かったのだ。

 

「それに……初代のそれ·····メデュキュボイドは終末医療だったし……」

 

「·····そうか」

 

「まあ、初代の方なら概ね成功だったと思いますよ。使ってた本人があるのとないとで全然違うって言ってましたし」

 

 ユウキに光輝は聞いたことがありその時の事だ。光輝が2人を見るとその人に直接聞きたいという顔になっているのを見て

 

「えーと、一応向こうも学生だしALOでしか違う世界の人と会わせるなって時の界王神様に言われてるから難しいですよ」

 

 そう言われ2人はあからさまに落ち込んだ。光輝は苦笑いしながらそのメデュキュボイドVer.2.0や普通のメデュキュボイドの利点を話した

 

「それが出来たらフルダイブしている人が動かせる人形とかカメラとかで病気とかで入院生活をしなくちゃいけない人も学校とか職場に行けるし良いかな〜と」

 

「良い所じゃないよ。それを革命って言うんだよ」

 

 そう大袈裟に櫂に言われ光輝はまた苦笑いしながら言った

 

「俺はキリト達の世界でそう言うの学んで基礎設計とかは自分とキリトだけど発想は向こうから持ってきたものが殆どだからなぁ·····」

 

 先ず自分が普通に生きていたらフルダイブを作ろうともしなかったと思う。

 フルダイブを作りたいと思ったのはALOを始めてからだった。SAO、ALOで俺は色んな体験や冒険、そして俺を受け入れてくれる仲間達に出会えた。

 だから俺は自分がそうだったように、誰かが誰かと出会う場所を作りたかった。かけがえない仲間達を見つける為の場所を。

 俺はヒースクリフに言った。デスゲームは許せないがそのおかげでお姉ちゃんやキリト達にも出会えたから。今度は俺がそんな場所を作りたい。

 だから必死に勉強したし民生品の方のフルダイブマシンの設計も半ば終わっている。過去でお父さんに言われたアドバイスも取り入れた。ブルマさんの指導の元作ったSTLの技術も取り入れている。·····今度は違う問題が出てくるがどの道作るのはシーラス達との戦いが終わってからだ。

 

「その技術を勉強して理解したのは光輝君なんだ。謙遜する事は無いよ」

 

「そ、そうかな?」

 

 と光輝は少し照れた。そんな事を思っていたら櫂のスマホにメールが来て

 

「あ、光輝君。光定さんが準備出来たそうだよ」

 

「分かりました」

 

 光輝は立ち上がり瞬間移動の為に額に手を当てる。ここに来る前に覚えておいた光定の気を感じ取り光輝は瞬間移動をした。

 そうすると光定と光定の妻の目の前に唐突に出現する。光定と妻·····美智瑠は唖然としているが

 

「迎えに来ましたーっ! ·····あれ? 大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ」

 

「美智瑠さん、お久しぶりです」

 

「久しぶり、光輝君」

 

 その後光輝は飛雷神のマーキングを部屋のドアの所に施し光定と美智瑠は光輝の瞬間移動で櫂家に出てきた。

 そうすると丁度パーティーメニューが出来ていた。光輝は咲良にオーグマーを返してもらいつつ愛美に主役のタスキをかけられ1番奥のテーブルに座らされた。

 そして光輝以外の8人のクラッカーが鳴り響き

 

「「光輝君、おかえり──っ!」」

 

 となったのである。

 光輝は少し微笑みながら言った。

 

「うん。皆ありがとう。それに……ただいま」

 

 その後、参加者はワイワイと料理を取りながら談笑し始める。パーティーも割と進み光輝もコロッケを食べてたら隣にいた愛美が骨付き肉を光輝の皿に置いた。光輝はコロッケを食べ終えて愛美を不思議そうな顔で見た。

 

「わ、私が味付けしたの」

 

 光輝はそれに少し驚きながらキッチンペーパーで巻きながらがぶりと大きな口で食べた。愛美は味付けが大丈夫だったか不安なので光輝をじっと見る。光輝はお肉をよく噛んで食べている。少し遅いと思った愛美は痺れを切らして聞こうとしたら光輝がお肉を飲み込んで言った。

 

「うん! 美味しいよ! 愛美本当に上手くなったね」

 

「と、当然よ!」

 

 愛美はそう言いながら自分が作った野菜炒めも光輝の皿に乗せた。

 光輝は俺に選択権無いのねと苦笑いしながらそれも食べる。光輝好みの味で光輝も♪♪ というマークがゲームなら見える。

 愛美は美味しいと言って貰えたのが嬉しいのかどんどん光輝の皿に自分の作ったものを乗せる。光輝も美味しそうにそれをニコニコで食べて感想を愛美に言っている。その様子は光輝は意識していないが完全にカップルのそれで·····

 

「え、愛美。いつの間にそんなに仲良くなったの?」

 

 と美咲は流石に意外すぎてそう聞いた。小一の愛美はこんなに積極的だった記憶は無い。

 愛美はその言葉を聞き頬を赤くしながら光輝に言った。

 

「そ、その·····こ、光輝が言いなさいよ!」

 

「え!? お、俺!?」

 

「さっきは私から言ったでしょ!」

 

「そ、それはそうだけど·····」

 

 と言った光輝の顔が櫂達には見た事の無い程真っ赤になっていく。いつの間にか皆食べてる手を止めて光輝を見ていた。それが余計に光輝を赤くする。その隣の愛美も真っ赤だが。光輝は箸を置いて·····面々に言った。

 

「その·····俺と愛美が····つ、付き合う事になりました」

 

 と光輝は最早心臓が爆発すると思った。比喩ではなく真面目に。

 

(悟空さんの楽観的な思考が今は欲しい)

 

 悟空さんならこんな状況でも例えばチチさんの友達とかに「オラ、チチと結婚すっぞ!」とか普通にドキドキすること無く言いそう。ベジータさんとかどうしたんだろうか? 

 兎に角今だけ悟空さんのあの性格が欲しい。

 

 光輝がそう宣言したら数秒時が止まった。誰も何も反応せずただ真っ赤な光輝と愛美を交互に見ていた。

 

「「え────っ!!」」

 

 と美咲と弘樹、楓の声が思い切り重なって櫂家に轟いた。櫂達もまさか今日一日で!? という顔だ。光輝はそう言う顔で見られて恥ずかしくて顔を手で覆うとしたがテーブルの下から愛美の手が光輝の手に重なった。

 感じる筈無いのに2人は互いの心臓の鼓動が聞こえる気がした。

 真っ先に復活したのは美咲だった

 

「え、嘘! 何時!? どうして!?」

 

「お、お母さん落ち着いて」

 

 と愛美は言うが美咲は止まらず

 

「だって昨日の今日よ!? 流石にまだ時間かかるって思ってたのに!」

 

 美咲はいつかは愛美と光輝はくっつくだろうなぁ〜と光輝の帰還から思っていたがまさか今日言ってくるなんて予想外にも程があるだろう。誰も予想出来なかった。愛美は美咲や弘樹に少し恥ずかしながら言った。

 

「ちょっと·····ALOの中でいっぱい色んな事があって……それで」

 

「いや短縮しすぎよ」

 

 と速攻でツッコまれる。愛美は苦笑いしながらも嬉しそうに言った

 

「でも本当だもん」

 

 ねっ? と愛美は光輝を見て光輝は小1に戻った様に恥ずかしながら頷いた。

 それでやっと美咲は席に着いた。今度は楓がウキウキで聞いた

 

「でも実際どんな感じで?」

 

「ふ……普通に」

 

「本当に~?」

 

 という楓の攻めに二人は少し目を逸らす。それで何か訳ありだと分かり楓は特にそれ以上は聞かず

 

「まっ! その事も気になるけど今はお帰りパーティーだからね。馴れ初めは後の楽しみにとっておいて……光輝君、5年前のあの後の事教えてくれる?」

 

 5年前のあの事の後の事……はやっぱりSAOでの事かな? うーん……説明するのが難しいな。俺は少し悩みながら櫂家のテレビを見て聞いた

 

「あのテレビってBluetoothってありますか?」

 

 何故そんな事を聞くのか分からないが櫂は頷いた。光輝は丁度良いやとなり一番近くにいる咲良にテレビを点けてもらい光輝はまたオーグマーを取り出した。そして自分に装着した後、自分で組んだプログラムを起動させ櫂家のテレビに接続して光輝は眼を閉じた。そうするとテレビの方から画面はまだ暗いが声がし始める。愛美はその声を今日聞いたことがある

 

「もしかして……」

 

 愛美がそう呟けばテレビに明るさが出て来た。それと同時に出てきたのはキリトだ。キリトの顔がドアップで出てきて咲良は反射的に驚いた。

 直ぐに画面はキリトのドアップをやめてキリトと5年前の……光輝からすれば7年半前の光輝が出て来た。

 

「下がれるのはこの位が限界か」

 

 光輝はそう言いながら眼を開ける。愛美は聞いた

 

「もしかしてこれって光輝の記憶?」

 

「うん。このオーグマーには元々一般には公開されてないけど記憶抽出機能みたいなやつがある。説明は長くなるから省くけど俺がそれを任意で出来るプログラムを組んでそれを流してる。まあ本場の方はその記憶事消されるみたいだけどその映像は俺が直接やってるから俺の記憶が無くなることも無い」

 

 光輝の記憶ならば全部光輝目線になるはずだが光輝はそれは少し気持ち悪いかと思い記憶の中で視点を下がらせ光輝の周りが見えるようにした。

 この記憶抽出機能のせいで色々あったが光輝は使い方次第と思っているのでこんなプログラムを組んだ。

 映像の中の光輝はキリトから光輝がいる世界·····アインクラッドの説明を聞いている。画面の光輝は平静を装っているが見るからに動揺しているのが分かる

 

「この時は焦って現実逃避してたなぁ〜」

 

 と光輝はレインと同じ様にのほほーんと言っているがそれは今だから言える事である。本気でこの時は焦っていたし現実逃避もしていたし·····光輝の焦ったランキングがあれば多分この時が1番だろう。

 

「光輝·····本当にアインクラッドにいたんだ……」

 

 最早愛美が持っている”原作”の知識は通じるのか本人も疑問に思っている。皆がテレビに見入っているが光輝は愛美が作ってくれたご飯のお供を食べる。

 ·····そしてよくよく考えたらこの後の展開ってあまりご飯進まないんじゃないか? と思い

 

「えっと、ご飯食べ終わるまで止めようか?」

 

 と言ったら一行は微妙な顔で見てきて言った。

 

「ここまで見せて気にならないと思う?」

 

「うん。思わない」

 

 と言いつつ映像が進む。SAOでの初めての戦闘を終えて光輝がキリトからストレージの入れ方やらを教えアニールブレードを手に入れる為の胚珠を貰って一緒にクエストを受ける為の場所に向かっている場面になっていた。

 その間に皆は残りの料理を食らっていた。

 そしてキリトからソードスキルを教えて貰った後、場面が変わった。アニールブレードを2本背負いトールバーナでご飯を食べている場面だ

 

「この時はあの日から1ヶ月後位かな」

 

 と光輝は言いつつ片付けを始める。楓も手伝おうとしたが光輝が大丈夫と言って映像の方が気になりお言葉に甘えた。

 その間にも映像は続く。光輝のホームシックの様子もバッチリである。

 そしてアルゴとの出会い、その後のボス戦の様子も映っている。ボス戦の時だけ光輝視点になっていたが愛美達はそこら辺の映画よりも大迫力のその戦いに息を飲んでいた。

 

『終わりだ』

 

 画面の中の光輝が双剣を鞘に納めたと同時に言ったら後ろにいたコボルドロードが爆散する。

 画面の光輝はボス討伐報酬を少し見ていたが第三者の声がそれを終わらせた。画面がボス部屋の入口に映しそこには何十人もの人達がいた。そして出てきた人達を見た愛美がいった

 

「ディアベルにキバオウ·····それにヒースクリフ!?」

 

 何でそんなに驚いているのだろうかと光輝は今日彼女になってくれた愛美に思った。

 愛美が驚いたのも無理はない。前者2人は兎も角ヒースクリフは本来第1層から参戦する訳では無く第12層から本格参戦するのだから。

 そしてこの後は攻略組と光輝の対話である。そこでやたらと光輝が攻撃されているのを見て愛美や楓は眉を顰めてる

 

「子供相手にそんな事言えるなんて最低」

 

 と言う愛美の辛辣な意見である。チーターやらベータテスターなら土下座とか何とか·····愛美の怒りゲージは大分溜まっているのを見て洗い物が終わって愛美の隣に座りながら光輝は愛美を怒らすのは止めとこと思ったのだった。

 

 そして画面の中の光輝は光輝からすれば理不尽な事を言われているのに8歳と思えない程毅然として正論を噛ましている。ついでにニュービー達も褒めてる。それでさっきまで罵詈雑言だったのに今度は俺達すげえ〜みたいな事になっている。

 その変貌に愛美は複雑ながらも良しとした。光輝が孤立するよりもマシだと思ったのだ。·····他でもない光輝がそれを許さなかったのだが

 

『俺は1人で戦った方が強いから』

 

 という光輝の攻略組の勧誘を受け拒否した時の答えがそれだ。始める罵詈雑言に愛美は少し気分が悪くなっていく。光輝は愛美の手に自分の手を重ね眼で「大丈夫」と伝えた。愛美は不承不承我慢し続きを見る。

 攻略組約40人VS光輝の様子がテレビに映る。目まぐるしく光輝が動きその様子は正に「無双」だ。10分もしない内に攻略組の殆どがやられ最後の一人で勝利を収めていた。

 

「·····光輝強すぎるよ」

 

「お兄ちゃん強い!」

 

 と愛美と咲良が言う。そして光輝が所謂ビーターの役目を受けていたのを見て愛美は抗議の視線を光輝に向ける。光輝はそれに何で!? となりながらも映像は進み光輝がキリトにコートオブミッドナイトを渡し第2層に向かった所で光輝は一旦映像を止めた

 

「んーっ!」

 

 と言いながら光輝は背伸びしてからオーグマーを取りながら周りを見たら皆愛美と似たような抗議の視線になっている。楓が言った。

 

「光輝君·····もう少し大人を頼りなさいよ」

 

 光輝がビーターになっているのを見て大概が悲しいような気持ちになった。これではあの西沢家の悲劇から何も変わってないでは無いかと。光輝もそれが分かってるのか·····と言うより思い知った本人だからか苦笑いしながら言った。

 

「ま、まぁ俺も自分が馬鹿だったのは後で痛い程思い知ったよ」

 

 と本当にそう思っている顔を見て面々は抗議の視線を止めた。咲良が止まってしまった映像を見て光輝に言った。

 

「お兄ちゃん続き見たい!」

 

「いやSAOの思い出だけでも2年間分あるし要所要所出しても今日全部見ようとしたら夜中になるからダメ」

 

「夏休みだから大丈夫ー!」

 

「だーめ。それに休みだからって生活リズム崩したら学校始まった時に起きれなくなるぞ〜」

 

「お兄ちゃん先生みたいな事言わないでよ〜」

 

 と咲良が言えば少し笑いが起きる。今の時間は9時だ。小3の咲良はもう少しで寝る時間である。ボス戦を丸々映していたのでその分長かったのだ。

 それでも咲良は興奮を抑えきれないみたいな感じで光輝に見たいオーラを出しまくる。光輝はそのオーラに目を逸らす。

 

「じゃあお兄ちゃん一緒に寝よー!」

 

 と自分の知らない間に映像の続きを他の人だけ見させない為なのかそれとも単に光輝と寝たかったのかそう言った。光輝は苦笑いしながらOKする。

 その後、咲良と光輝は交代でお風呂に入り2人は光輝の部屋にやって来た。咲良はルンルン気分である。光輝は部屋に入る前に影分身を出してサッと入れ替わる。分身光輝はそのまま咲良と一緒に寝始める。勿論分身の方は起きているが案の定咲良に逃がさない為なのか張り付かれている。分身光輝は咲良を寝かしつけるまでずっとその体勢なのである。

 一方本体光輝は普通にリビングに戻ってきた。

 

「影分身ってバレたら怖い目にあっても知らないわよ?」

 

「だ、大丈夫だよ。ちゃんと後で本当に行くし」

 

「へー私じゃなくて?」

 

 と愛美は微笑んで見る。それがなんか逆に怖いと思った光輝なのである。少し慌てて言う

 

「えっと、その·····」

 

 何か言おうとしたが言葉が見つからないでいる光輝に愛美は微笑み言った。

 

「もう冗談よ」

 

 それに安堵しながら光輝がテーブルを見ると何やらお酒を用意して光輝と咲良がお風呂に入った辺りから大人組は談笑し始めている。

 そう思っていたら大人組が光輝が戻って来たのに気が付いたのを見て光輝と愛美はテーブルに座った。そして·····光輝は深呼吸して言った。愛美はテーブルの下で光輝と手を繋ぐ。光輝もその手を握り返した。

 

「俺は·····違う世界で5人、歴史を守る為に殺しました」

 

 そこから光輝は愛美に話した事と同じ内容を話した。ナッパ、ターレス、セル、ブロリー、ジャネンバとの戦いとその最後を。

 今度は先程と違って光輝は辛くならなかった。罪悪感はあるが隣にいてくれる愛美のおかげでさっきよりもずっとマシだった。

 櫂達もそれを黙って聞いていた。そして光輝の言葉が終わったら次は愛美が言った。

 

「私·····それでも光輝が好きなの! 私、光輝の隣にいるって……光輝の味方になるって決めたの。光輝が間違った時は私が止める。だから……怒らないであげて」

 

 愛美の言葉も終わり場は沈黙した。その間光輝は顔は下げず前を向く。櫂は彼にしては珍しくお酒を飲み光輝を見つめて言った・

 

「正直に言うならまだ現実が全て分かった訳じゃない。だけど光輝君がそうしたのならそうなんだろう」

 

 そうゆっくり言う。本当に全てを理解した訳ではない。櫂がアニメの存在だと思っている敵たちを光輝が倒していた事、更生をさせるのではなく殺すことを選んだ事。光定や櫂は立場上は怒らなければならないが現実離れをして実感がないのと

 

「だけど、君がそんな選択肢を選んだのはそこにいた誰か達を守るため。違うかい?」

 

 光輝は頷いた。

 ナッパは歴史と悟飯とクリリンを守るため

 ターレスはナルト達とあの忍界を守るため

 セルも歴史とあの世界を守るため

 ブロリーも忍界に生きる人々を守るため

 ジャネンバはベジータと悟空を守るため

 

「そして君は黙っていてもいいものを正直に話してくれた。それで僕は十分だ」

 

 そう。別に光輝はこんな事を言う必要は本来無いのだ。どの出来事もこの世界で起こった事では無い。光輝か愛美がいなければどれも分からない事なのだ。光輝はそれでも話した。ちゃんと知っていて欲しいから。

 櫂がそう言って光輝は周りを見渡す。周りも同意見なのか頷く。美咲と弘樹は娘に聞いた

 

「愛美……もし世間にばれた時、生半端な気持ちじゃ光輝君の彼女は務まらないわよ?」

 

「その覚悟はあるのか?」

 

 光輝が殺したのはフィクションのキャラだから……そんな楽観的なことを考えるほど愛美の両親は楽観的ではなかった。確かにもしばれたとしてもそんな人達が大半だろうがそうじゃない人達もいる。殺したのが本当なら光輝も笠木と同じになる! って輩もいるだろう。そして狙われやすいのは光輝の大事な人達。だからこその問。自分達の保身ではなく娘を気にするあたり優しい両親である。

 愛美は両親の言葉を聞いて力強く頷いた。

 

「うん。私……それでも光輝といたい。もう……あんな後悔したくない」

 

 愛美の言葉を両親は聞き今度は光輝に向いて弘樹が言った

 

「光輝君、君がその年で年相応以上に賢いのは今日で分かった。だから多くは言わない。ただ娘を泣かしたら許さなからね」

 

 それは認めの言葉。その胸の中では色んな複雑な想いがあるだろう。だけど……それでも娘の幸せを優先した。自分の目に入れても痛くない程の娘の幸せを。光輝は全てを理解した訳ではないが……それでもどんな思いでこの言葉言ったのは何となく分かった。だから……

 

「はい! ありがとうございます!」

 

 その瞬間、堅かった雰囲気が弱まった。それを光輝も感じてようやく椅子を深くかけた

 そんなあからさまに疲れている光輝に愛美は笑いながら言った。

 

「もう、光輝緊張し過ぎ」

 

「まだボス戦の方がマシの緊張感だった」

 

 愛美や櫂達からすれば先程見た命を懸けたボス戦の方が緊張するんじゃとか思っているが光輝の様子を見る限り光輝は本気でそう思っていそうだ。因みにその理由が

 

「麗華お姉ちゃんが彼女のお父さんと話すのが一番怖いって言ってたし」

 

 それはまだ光輝の家族が生きていた頃に何やら姉達が恋愛映画を見ていて丁度娘さんくださいをしていた場面でお父さん役の人がちゃぶ台を「娘はやらん!」と言ってひっくり返していたのが光輝には印象的でその時麗華に光輝も結婚の時は通る道だよ? って楽しそうに言って光輝は暫くビクビクしていた。

 愛美はそれを聞いて

 

「い、いつの時代よ」

 

「8年前くらい」

 

 そう光輝は普通に言ったが愛美は心配の顔になった。8年前は光輝の運命が変わったと言っても過言ではないのだ。主に悪い意味で。だから愛美はそんな顔をしたのだ。光輝はその表情を見て愛美の考えている事が分かり安心させるように言った

 

「大丈夫だよ。皆はもういないけど思い出は皆俺の中にある。それに俺は一人じゃないって気づかせてくれた人達がいる。それに……愛美や櫂さんたちがいたから二年間生きてSAOやタイムパトロールを戦えたんだ」

 

 5年前よりも明るくなり櫂達から見れば今の光輝はもう肉体的にも精神的にも立派な成長を遂げていた。その成長を見届けたのが自分達じゃないというのは正直少し寂しいがこれで良いんだと胸の中で思った。

 

「あ、愛美も今度一緒にアインクラッドのボスに殴り込みに行く?」

 

「い、行かないわよ! 今日始めたばかりなのに行く訳ないでしょっ!」

 

 確かに成長はしたがバトルジャンキー度は5年前よりも遥かに上がったのが弾の傷だが。

 

「挑戦しない成功なんてないよ。俺が守るし皆にも声をかけるし行けるよ」

 

「う〜·····本当に?」

 

「うん」

 

「じゃあ行く」

 

 と何かゲームの話をしだした2人に何か話題が永遠とゲームに行きそうになったのを見て弘樹が咳をして注意を向けた。光輝も流石に目の前でゲームの話は不味いと遅ながらも思ったのか止めた。櫂は気になってる事があり聞いた。

 

「それで光輝君。これからどうするつもり何だ?」

 

 光輝はそれを聞いてもう一度顔を引きしめ言った

 

「少なくとも·····あの仮面の男、それにあいつの仲間のシーラスって奴との決着がつくまで完全には帰れない」

 

 それに少し納得がいかないのか楓が聞いた。

 

「悟空とかがいるんでしょ? だったら任せたら良いんじゃないのかな?」

 

 光輝はそれで悟空達が何故かアニメになっていたのを思い出し複雑と思いつつも答えた

 

「先ず俺じゃないとダメな理由が歴史の改変が行われている所が大概悟空さん達が戦ってきた敵達の歴史だから。悟空さん達が行ったとしてもしその時代の自分達とかち合ったら色々面倒くさい」

 

「「あー」」

 

 その点光輝ならば悟空達の歴史のどこにもいないので大丈夫なのだ。だからシーラス達はレインやキリト達を殺して光輝を病ませようとしていたのだ。光輝が病んだら時の巣には対抗手段が少なくなるからだ。

 

「2つ目。シーラスは兎も角あの仮面の奴とは·····俺が決着をつけたいから。あいつだけは·····俺が戦いたい」

 

 そう思い詰めるような表情を光輝はする。

 会う度に違和感が増す。次に会うのは何時なのか分からないがそう遠い事でもない気もしている。次は決着の時·····か。その決着の時、どちらが立っているのかは分からない。だけど光輝には負けられない理由が増えた。なら負けない為の修行あるのみだ。

 そんな光輝を見て愛美も思った事を言った。

 

「····私もね。あの仮面の人·····どこかで会った事あるかもしれない」

 

「え?」

 

 と光輝が言えば櫂と楓、そして光定も

 

「僕も何故かそんな気がした」

 

「私も」

 

「俺もだ。あの声が誰かに似ていた……」

 

 何故か3人は会った事あるかもしれないと言い出す始末。だけどその誰かが分からない。皆で唸っていたが分からんから時間の無駄となった。

 そんな事を思っていたらまた櫂が聞いてきた

 

「その答えの時点で分かってるけど学校はどうするんだい?」

 

「あーははは·····サボります」

 

 だろうなと逆に清々しすぎて櫂達は笑った。これで勉強してないのなら兎も角光輝が勉強はしているのはメデュキュボイドの時点でよく分かった。

 

「まぁ·····俺小学校すら卒業してないし」

 

「あ、忘れてた」

 

「でも社会と古文以外は高校レベルだと思うよ!」

 

 と何か気まづくなり光輝は精一杯の抵抗をする。光輝の年齢ならまだ中2、或いは高1だ。何故違うのかと言うとこの世界の戸籍で言えば中2だが光輝は2年半皆よりも歳をとっているのでその分を加算した場合の事だ。

 それを聞いた愛美は少しニヤッとして

 

「じゃあ私が今から英語で話すから返してね?」

 

「い、良いよ」

 

 そこから愛美は本場アメリカの英語を繰り出す。引っ越した当時よりも遥かに……もう次元が違う程の英語を流暢に、綺麗に話す。光輝はそれにすげ〜とか思いながらも光輝も精一杯返した。

 ……精一杯なんぞ生温く愛美よりも少し劣るが普通にアメリカの日常生活も学校生活も遅れるほどだった。

 一通り返した光輝に愛美は更に会話を重ねるが光輝はどれも直ぐに返して……英語のやり取りを3分程こなしたら愛美が唖然としながら

 

「な、何でそんなに出来るの!?」

 

 愛美が引っ越してから得た英語能力を光輝は少し劣るとはいえ普通についてきたのだ。愛美のプライドが少し傷つくのもしょうがないだろう。一方光輝は何でそんなに驚いてんだろう? とか思いながらも理由を言った。

 

「何か学校は行かないと言うより行けないってアスナさんとかお姉ちゃんに言ったら家庭教師みたいな事してくれた。英語は絶対に出来た方が良い! って事で結構やったよ。1番はパーティーに途中で来てた七姉ちゃんがアメリカの確かマサチューセッツ工科大学って所を首席で出てるから七姉ちゃんがよく教えてくれたおかげかな」

 

「そ、そうなんだ。光輝普通にアメリカでも生きていけるよ?」

 

「アメリカはキリト達の世界の方しか行ったことないなぁ·····それも一瞬だったし」

 

 凛子っていうメデュキュボイドの基礎設計をした人を迎えに行った時だ。弘樹が光輝の言葉に唖然としながら呟く

 

「と言うよりマサチューセッツ工科大学を首席卒業って·····」

 

「因みに当時12歳だって。そう考えたら順当に大学に行って卒業してた笠木なんてあんまり大した事ないんだな」

 

 と1人で言って1人で納得する光輝なのである。そこで光輝は思い出した事があり

 

「そう言えば愛美ってアメリカのどこら辺引っ越したの?」

 

「カリフォルニア州よ」

 

「じゃあ今は中3か高1何だ」

 

「うん。中3だよ」

 

 それなら?? となり聞く

 

「あれ? 受験生だけどこんなにゆっくりしてていいの?」

 

 と光輝は受験生にとって大分キツイ言葉を平然と投げつける。光輝に悪気がないから余計にタチが悪い。愛美はジト目で光輝を見ながら言った。

 

「私、公立高校だから受験は無いよ。咲良ちゃんも言ってたけど先生みたいな事言わないでよ」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 としゅんとした光輝を見て思わず愛美も微笑む。そして話が一段落落ち着いたら光定が少し酔いのせいなのか赤くなりながら聞いた。

 

「光輝君明日はどうするんだ?」

 

「まぁ、先ずはお墓参りかな。建作さんには今日影分身を行かせましたし·····。その後は面倒くさいけどあの雀ヶ森って人とインタビューだった筈」

 

 そう、光輝はあの雀ヶ森と名乗った女性がインタビューするのなら良いと言ったのだ。出来るのなら記者会見とか言われたが光輝は拒否した。

 どうせ同じ事を言うのなら別に1人でいいだろってなったのだ。

 今頃雀ヶ森がいる報道OVERは明日のインタビューの為に大忙しだ。代わりに他の週刊誌や月刊誌や報道番組の所は歯軋りしているだろう。

 愛美は光輝に

 

「·····と言うより私それ初めて聞いたんだけど?」

 

「あ、そうか。愛美、ALO中だったから知らないのか」

 

 その後、愛美がALOでの体験を楽しそうに話し始める。

 生き生きと話すその姿にはもう光輝が死んだと思って自殺未遂をしようとしていた愛美はいない。そんな楽しそうに話す愛美を見て光輝も自分の事のように嬉しくなる。そして今は何故かタイムパトロールの話になって

 

「え!? タイムパトロールって給料出るの!?」

 

 と楓が驚愕の声を出す。光輝はそれに頷く。

 

「そりゃあ命賭けてるし。一応月給制だけど任務の危険度とかで何かボーナスって言ってプラスしてくれる。それでさっき建作さんにお代渡しに行ったし」

 

 と光輝は言いながら量子変換器から時の巣で貰った通帳を出して楓に見せた。光輝は見てもらっている間にジュースを飲む。建作はやはり歳は取ってしまっていたが元気そうだった。光輝が顔を見せた時、よく帰ってきたと何度も言って光輝を抱きしめ光輝も少し泣いた。

 愛美も給料が気になり楓の後ろからひょこっと覗く。

 

「·····そこら辺の公務員よりも稼いでるわね」

 

 と楓は苦笑いで言った。嬉しいのか複雑なのかが自分でも分からない。この歳でここまで稼いでる事を褒めればいいのかそれとも稼ぎは落としていいから少し安全にして欲しいのか。

 

「いや……もう光輝君は立派になってるんだから私が言うのも野暮ね。無駄遣いもしてないみたいだし自分の事は自分で管理しなさい」

 

 そう言いながら光輝に返した。光輝もお礼を言いつつ受け取って量子変換器に入れる。因みに光輝の量子変換器は超小型化がなされており光輝が持っておくだけでも使えるが光輝は体にインプラントしている。そうする方が色々便利なのだ。キリトが小型センサーを体にインプラントしているのを見て光輝もそうするようになった。

 時間は早く過ぎるもので10時過ぎに古原夫妻は実家へ、光定夫婦は光輝に飛雷神で送られ帰って行った。

 そして櫂家に残った愛美はと言うとお風呂に入った後光輝の部屋に行った。入ると光輝が小3まで使っていた机に触れていた。光輝のベッドでは咲良が寝ている。

 光輝は愛美の蒼色の花柄のパジャマ姿を見ると

 

「か、可愛いよ」

 

 と頬を染めながら言った。愛美は光輝から初めてそう言われ同じく頬を染めながら返す

 

「あ、ありがとう」

 

 ただ一言そう言われただけなのに愛美の心臓の鼓動が高鳴っていく。光輝は愛美が何故この部屋にいるのか考え

 

「·····と言うよりここで寝るの?」

 

「何か問題でも?」

 

「いやそれシングル·····」

 

「皆で固まれば大丈夫!」

 

 と軽くコントをしてから2人は電気を消した後咲良をサンドする形でベッドに入る。やはり割と辛めである。だけれど愛美は逆に何か楽しそうだ。

 愛美の蒼色の瞳が窓から差し込む月の光に反射しているのかよく見える。ずっと見ていたら吸い込まれそうになる。

 光輝は愛美の顔に手を触れる。それに愛美は少しくすぐったそうな顔をする。

 

「その·····明日のお墓参り」

 

「うん。分かってる。一緒に行こ?」

 

 愛美はそう言って光輝に微笑む。この笑顔を守る。そう光輝は改めて誓い愛美のおでことコツンとしながら眠りに落ちたのだった

 

 

 




お疲れ様でした。

文字数だけやたら多い癖に内容薄かったですすいません。
愛美の両親何かあっさりしすぎてる問題は自分でも思ってしまった。
ま、まぁ…愛美を助けた功績+小一光輝のイメージ+光輝がメデュキュボイドVer.2.0の構想をお父さんに先に見せて賢さアピールが良かったという事で。

(*´∇`)ノ ではでは~
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