肉体ごと吹っ飛ばしてやったボージャックがいた所を俺は見ていた。さっきまであいつが出してたプレッシャー、威圧感が消え去りまた静かになった。
(俺はまた人を殺したな)
とどこか他人事の様に思った。別にボージャックやらブロリーみたいにやばい思考を持っている訳では無い。これでも少しは人殺しって罪悪感は持っている。それでもこの世界には……殺してでも止めなければならない奴がいる。もしそんな奴らにも慕ってくれている家族や友人がいるのなら俺はそんな人達の怨念も背負う覚悟はある。敵が悪い奴だったから俺は正しいなんて思わない。そんな人達からすれば俺もその悪い奴も人殺しって意味じゃ大差無いからな。
(ただ……前よりも少し楽に思えるのは愛美のおかげなのかな)
愛美と手を繋いだ手を見ながらそう思う。愛美が隣にいるってハッキリ言ってくれたから俺はきっとまだ戦えるんだ。この未知の世界でも俺は戦える。
「ふぅ〜はぁ……」
深呼吸した後、俺は変身を解かずにキャベ達を見る。キャベ達は何か眼が丸になっている。さっきまで自分達をボコボコにしてた奴らを俺が一瞬で倒しちゃったから状況整理が追いついてないのかな? とか思いながら俺は3人の目の前に降り立って聞いた
「一応聞いときます。俺と戦いますか? 俺としては別に貴方方と戦うメリットが無いから戦う必要は無いと思うんですが」
それを聞いたキャベ達は3人して顔を見合わせ黒髪のボサボサヘアー……カリフラが何か一瞬戦いたいみたいな顔をしたがキャベが抑えながら言った。
「いえ、戦いません。助けて下さりありがとうございました」
「いや、困ったらお互い様だし……というより問答無用で襲ってくるあいつらの方が色んな意味で可笑しいからなぁ」
と思ったらいきなり割り込んであいつらをぶっ倒した俺も人の事言えなかったな。そう思いながら俺は超サイヤ人を解いた。カリフラが聞いてきた
「あんたはこの星の奴なのか?」
「うーん……そうでもあるしそうでも無いと言える」
「なんだそりゃあ!」
だって俺は確かに地球出身だけどそれは違う次元の地球であって第2の故郷もやっぱりキリトたちの次元の地球だからこの世界の地球とはタイムパトロール以外で余り関わった事が無いし。オマケにもう地球人ですら無いと言う。俺の地球人としての力は未だに良く分からない赤眼と蒼眼、そしてリコレクションブレイブ位だろう。
そう言えば愛美達がいる世界でサイヤ人って言ったら結構知られていたな……そこで俺は思い出した
「そう言えば皆さんってサイヤ人で合ってますか?」
「は、はい。僕達はサイヤ人です」
そう聞いて俺はまたサイヤ人三人衆を見た。体格が俺の知っているサイヤ人達よりも少しヒョロいと言うかなんと言うか……でも気的にはナッパとかターレス辺りなら余裕で超えている。でも歳が近いだろうセルと戦った辺りの悟飯さんよりも体格がなっていない……
「ベジータさんって知ってる?」
サイヤ人なら惑星の名前にも付けられた人の名前を知っているのかなと思って聞いたのだが……
「ベジータさん……ですか」
「知るかよそんな奴! ……ッ!」
「姐さん!」
と言ったカリフラが肩の傷を抑え少し膝を着きケールが心配そうに肩を貸そうとする。しかしカリフラは見えていないのかはたまたわざとなのかは分からないが使わなかった。
ベジータさんを知らないのかぁ……もしかしてこの人達って
「第6宇宙のサイヤ人か」
成程、通りで体格が第7宇宙のサイヤ人と反対な特徴な気がした。
さっきから言っている第6宇宙やら第7宇宙と言うのは悟空さん達の世界では宇宙が12個あるらしい。俺も何を言っているのか全く分からんがつまり俺や愛美がいる世界とキリト達がいる世界が違うように悟空さん達の所は宇宙が隔てられているんだとか。
因みにこれはウイスさんから教えて貰った。
「あなたは……」
そう聞かれてそう言えば名前名乗ってなかったと思い返した
「西沢光輝、第7宇宙のサイヤ人だ」
それにどうやら三人衆は驚愕している。まさか同じサイヤ人だとは思わなかったんだろう。俺はカリフラに近づく。それを見たケールが凄く睨んでくる。怖い。降参ポーズしながら言った
「怪しい事はなんもしないって。した瞬間に消し飛ばしてくれたらいいから。君だってその人が怪我負ってるのは本望じゃないだろ」
ケールは光輝を見た後少し道を開けた。お礼を言いながら光輝は肩を怪我しているカリフラに手を当てた。そこから黄緑色の光が出てくる。
(仙豆は温存しないとだからな)
光輝は仙豆を一つだけ持っている。自分で治せない怪我が出た時用にいる。カリフラの怪我が治っていくのを見ながら光輝は全部の戦い終わったら仙豆も作ってみようかなとか思い始めた。そう思ってたらカリフラの傷が治った
「すっげーじゃねえか。こんなことも出来んのかよ」
「ソロじゃ必須スキルだし」
ってゲーム脳の考えになってしまっていた。俺はこの時、ケールから送られる嫉妬の視線に気が付いた。別に怪我治しただけなんだけど……
「じゃあ俺朝ご飯中だったのでこれで……」
と言って戻ろうとしたら勢いよく腕を掴まれた。何事と思ったのもつかの間、カリフラがめちゃくちゃ見て来た。しかも血眼になって
「ん?」
「今なんつった?」
「朝ご飯?」
それと同時に誰かが腹の音をならしたんだったとさ
★
俺の目の前では絶賛三人のサイヤ人が魚だったり肉を食らっていた。キャベとケールは小食だけどカリフラは割かし大食いだ。聞けば昨日この世界に来た時からまともな物は食べていないという。確かにそれは腹減るよな。
(愛美のご飯、美味しかったなぁ)
と約1週間前まで食べてた愛美のご飯を思い出す。俺も大概料理出来る方だと思うんだけど愛美の料理も美味しかった。聞いたら小2からお母さんの手伝いを初めて色々教えて貰ったんだとか。俺、料理は殆ど独学だからレパートリーだけ増えて味は余り進歩してないのかもしれない。ちょっとショック。
「ぷはぁーっ! 食った食った!」
そうカリフラがお腹をポンポンと叩く。大分急ごしらえだったのに美味かったのか。まあ喜んでもらえたなら良いか。材料が集まればカレーでも作ろうか。
(にしても、カリフラって悟空さんと何か仲良くなれそう)
さっき俺と戦いたそうな顔をしたのを思い出したらそう思った。悟空さんはサイヤ人の特徴なのか結構バトルジャンキーだ。強い人いれば直ぐに戦いたそうな顔する。その顔とカリフラのあの顔が似てる。性格は大分違うけど。
……と言うよりケールがまだ俺を睨んでくるんだが。
「そうだ、なぁあんたがさっきなった金髪のやつあるじゃねえか」
「ああ、超サイヤ人?」
「超サイヤ人……ですか」
とキャベがリピートして俺は3人の自己防衛の為に教えた。第7宇宙ではベジータさん曰く1000年に1度現れる伝説の存在何だとか。……でも俺が知ってる限り結構皆なってると言うよりならないと話にならないみたいな所あるんだけど。
「すっげーっじゃねえか! なあ、どうやったらなれるんだ!?」
「うーん……これは感情的な問題だし……」
超サイヤ人になるには穏やかな心と戦闘力、そして怒りでなれる。俺の時はバーダックさんになり方を教えて貰ってその後もバーダックさんに手伝ってもらって漸く自由になれた。やり方は愛美やキリト達が笠木に殺される所を想像してやった。想像とは言えあのやり方はもうやりたくないってのが本音だったりする。
「あ、でも悟天さんとかトランクスさんは怒り無しでもなってたなぁ」
悟飯さん曰く「兄ちゃん僕もそれなっていい?」って言ってあっさりと変身したんだとか。オマケに何時から変身出来る様になったのか忘れてると言う。超サイヤ人になるのが怒りってのが前提ならそんなショックな事を忘れるとは考えにくい。なら怒り無しでなった事になるだろう。怒り以外のなり方を考えていたらカリフラが立ち上がる
「なあ、ごちゃごちゃ考えるより戦ってみた方が早いんじゃねえか?」
その瞳には闘争心の火が見えていた。確かに超サイヤ人になりたいのもあるんだろう。それでも1番は……
(本当、悟空さんに似てるな)
そう言いながら光輝も立ち上がって頷き残りのサイヤ人達にも言った
「良いよ、3人纏めてかかって来い!」
その言葉にカリフラはニヤリと、キャベは緊張の趣で、ケールは戸惑っている顔で光輝を見てカリフラとキャベは光輝に突撃したのだった。
★★★★★
「やああああッッ!!」
蒼色を基調とした片手剣が紫色の剣士に振り下ろされる。紫色の剣士……絶剣ことユウキは紫色の剣を横に構え受け止め逸らした。火花が2人を照らす。体勢を取り直した蒼髪のウンディーネ……愛美にユウキは剣を振るう。愛美は咄嗟に思いっきり足を踏み込み回し蹴りを放つ。ユウキはそれに少し驚きつつ後退して躱した。
「危ない危ない、光輝みたいな事してくるんだね」
光輝は剣を使っていても普通に打撃もやってくる。何ならユウキは打撃だけで完封された過去があるからか仲間内では1番か2番位打撃の対応が上手い。因みにキリト達元攻略組も打撃だけで完封された事があるので武器を持ってないから油断なんて事はもうしていない。本当に戦いは剣だけではない。色んな戦い方があって技がある。それをあの攻略組と光輝の戦いで思い知らされた。
「光輝の小さい時の修行をずっと見てましたからイメージがそれになっちゃったんだと思います」
愛美は小一の時よく光輝と武蔵の修行模様を見ていた。空手とも柔道ともましてや剣道とも違う修行で楽しそうな光輝の顔が愛美は好きだ。麗華からは「修行を見るのが好きって変わってるわね」と言われた事があるがあれは光輝を見るのが好きなのであり修行模様だけは微妙な所だ。……今思い出せば麗華は愛美の光輝の気持ちに気がついてたかもしれないが。
「そっか、本当によく見てるんだね」
そう笑って言ってきたユウキに愛美は赤面する。
世間的に初恋は叶う方が珍しいと言われている。大概が散るのがオチだ。しかし愛美はその珍しいに入ってる。光輝も同じ。光輝に関してはよく愛美の事をレインに言っていた。その時だけ年相応の反応をしていた。
「2人ともおやつ出来たわよー!」
とログハウスから顔を出したのはアスナである。ユウキと愛美は「はーい!」と元気よく言って剣を直してログハウスに入る。アスナは結婚準備や大学の合間にダイブしている。
おやつのケーキを食べながら愛美は
(こっちだといくら食べても現実じゃ太らないのが良いよね)
と女の子の悩みを普通に解決してくれるALOに微笑んでいた。ただ、現実で食べた訳じゃないからどの道少しは考えてしまうが。最も愛美自身は現実でも普通にスタイルも良い。ダイエットを考える程ではない。そこでアスナを見ていて最近思っていた疑問を聞いた
「そう言えばまだ大学生なのに結婚なんて御両親がよく許してくれましたね」
アスナは「あー」という顔をして言った
「それはキリト君と光輝君が新しいフルダイブマシン作ってるのが1番の理由かな」
曰くキリトと光輝が作っていると言っても今の所は2人だけで作っている……と言うより設計等立てている。しかしそれを売ろうと思えば問題が結構ある。光輝の世界の方の目処は愛美の父親の会社か光輝が自分で立ち上げたら良いがキリトはまだ大学生。オマケにVRMMOの大会の実績ならめちゃくちゃあるが現実側だとまだ無い。そこで出てくるのはアスナ……正確にはアスナの父親が元々CEOをしていた「レクト」という会社だ。レクトは家電用品の大企業で今はユーミルという会社に委託されているこのALOも元々はレクトが作った……と言ってもSAOのデータ移植も割とあるから微妙だがアミュスフィアは正真正銘このレクトの製品だ。
アミュスフィアが発売から今までメデュキュボイド以外のフルダイブマシンはない。そこでアミュスフィア以外のフルダイブマシン、それもアミュスフィアを超え嘗てのナーヴギアをも上回らんとするスペックのフルダイブマシンを娘の彼氏であるキリトが作ってる。大学生なので就職はまだ少し先だがレクトとしてはキリトは欲しい人材になる。しかしキリト自身就職先はもう決めてるしでそれは無理。ならせめて技術を売り込まれる為に、そして本人達は望んでいるので大学生ながら学生結婚することになったのだ。
「まあ、キリト君が就職したい所では民生品としては販売できないのもあると思うんだけど」
キリトが就職したい会社は「ラース」と呼ばれる所だ。ラースは正式名称、海洋研究開発機構と呼ばれ表向きは海洋資源の研究と開発に主だった事業を行っている事になっていた。
過去形なのは今は違う事がキリト達の世界では発表されているからだ。ラースはアリスやユージオの様なボトムアップ型AIの開発、そのAI達を兵士にする事を目的にした企業だ。最も今はそんな考えは表には出されていないが。その為、防衛省の管轄であり税金で動いている。そんな所から民生品のフルダイブマシンを発売するのは非常に不味い。国の為にある組織であり一般人が遊ぶ為のものを開発する場所ではないからだ。
「そっか……そう言えば光輝もキリトさんと開発中って言ってたっけ」
違う世界で同じものを普及させるのはそれはそれで一体感があり何か良いと愛美は思う。愛美は今の所やりたい事はない。ただ、光輝をずっと支えてあげたいと思っている。それは最初は心の面だけだったかもしれないがそういう事なら自分には光輝の為に出来る事がある。
(光輝はちゃんと帰ってきたらそのフルダイブマシンかメデュキュボイドに一直線だと思う。メデュキュボイドの方はお父さんの会社で良いとしてフルダイブマシンの時は頼れる所がない)
光輝は笠木との戦いまで帰ってこなかった。だから知り合いなんて愛美達しかいない。そんな光輝がこっちの世界でそんなフルダイブマシンを開発して売りたいと言うならきっと色々障害がある。
例えば経営や経理。光輝がどう思っているかは分からないが自分の手で開発して遊んでる人達の笑顔が見たいのなら光輝は自分で会社なりを立ち上げなければならない。しかし光輝は全くもって素人。なら……自分がそういう所をサポート出来るんじゃないか、そう思ったのだ。
(でも……光輝って社長の柄じゃないんだよなぁ……)
まあそれは本当に全部の戦いが終わって光輝が帰ってきてから話し合って自分の将来の夢を決めたいと思う。少なくとも専業主婦は嫌だ。確かに家庭を守って光輝を支える意味ならそれも良い。専業主婦の母を見てきたからその有難みはよく分かっている。でもそれだと何だか金銭的には光輝にばっかり頼ってるみたいで愛美は嫌なのだ。
愛美の疑問が一段落した所で愛美は聞いた
「そう言えば……まだあの裂け目はそっちの世界にもあるんですか?」
アスナはお茶をお嬢様らしく行儀よく飲み頷いた。
愛美のいる世界に現れた裂け目、愛美達は知らないが時の界王神は色んな歴史が無理やりくっつけられた弊害だと考えている。ジグソーパズルのピースが1つ無いだけでジグソーパズルが成り立たないのと同じだ。
そしてそれは愛美達のいる世界だけでは無くキリト達の世界にも同じ裂け目が現れ世間は大騒ぎなんだとか。
「楓さんとかにもあれが光輝関連なんじゃないのか? って電話が来てるみたいです。私も……光輝が関わってると思う」
マスコミが約束があるのにも関わらず何度も櫂家に突撃仕掛けたんだとか。因みにネット上では光輝についての論争が苛烈化している。あの裂け目は光輝が関わってると思う派とまだ分からないと思う派。
アスナは頷いて言った
「こっちの世界でも光輝君が関わってるんじゃないかって話されてるよ」
ユウキが少し怒りっぽく言った
「光輝を悪者っぽく言って全部光輝のせいにしようとしているのが腹立つ」
帰還者学校、グリームアイズとイルファング・ザ・コボルドロード襲撃事件で光輝の名はまた世界に広まった。CGでもなんでもない本物の戦士としての力を振るい圧倒的な力で2体のフロアボスを葬った。それが圧倒的過ぎるのが問題で愛美の世界にもあるが光輝が危険だと言い張る過激派が裂け目も光輝のせいだと言い張っているのだ。
それが光輝に間接的に命を救ってもらったユウキには腹が立つのだ。
「幾ら光輝でもあんな事をするのは難しいし光輝がやる意味も分からない」
そう、別に光輝があの裂け目を作ってなにか意味があるのかと言われても無いとしか言えない。オマケに空間に裂け目を開けてそれを維持し続けるなんて魔人ブウ編の悟空でも出来そうな描写は無かった。一時的ならあるが。光輝も今は超サイヤ人3までなれるから一時的に開けるなら出来ると思う。
「光輝から連絡無いし」
そうしゅんとした愛美にユウキは少し笑いながら言った
「もしかしたら今頃キリトみたいに女の子を引っ掛けてるかもね」
「こ、光輝に限ってそんなこと……」
とそこで止まり小一の時のクラスメイト達の会話を思い出す。
『ねえ、西沢君って何かかっこよくない?』
そこで当時の光輝の隣の席の女の子が
『うん! 村田に全然怯んでなかったし西沢君のお家って道場あるんでしょ? 絶対村田にも勝てたのに全然威張らないし授業終わった後、消しゴム無くした時一緒に探してくれたよ。すっごい優しいし顔もちょっとタイプかも』
そこで朝来るのが割と早い女の子が
『この前学校行ってたら西沢君がランドセル持たずにランニングしてた』
『え? 何時も遅刻ギリギリでしょ?』
『じゃあそのランニングで遅刻ギリギリなのかな?』
そんな会話を聞いたのを思い出し急激に不安になってきた。自分が書いた手紙にも光輝は女子に人気と書いてた事を浮かれて忘れていた。光輝はちゃんと一途に自分の事を思ってくれていたのがそれですっごく嬉しかったのを覚えている。
「だ、大丈夫です! 私もアスナさんを見習ってどんと構えときます!」
アスナはそれに苦笑いするのだった。そしてその光輝と言えば
★★★★★
「だだだだッ!!」
「はあああああッッ!!」
2人のサイヤ人が光輝に打撃の嵐をお見舞う。だが光輝は涼しい顔でそれらを避けていく。オマケに偶に反撃しては吹き飛ばす。今もカリフラが吹き飛ばされキャベの攻撃も止めてカリフラの所まで投げ飛ばした。
「何やってんだよキャベ!」
「す、すいません」
元々仲が良いという訳じゃないので素晴らしく喧嘩腰である。そんなサイヤ人達を見ながら攻撃の機会を伺っているケールに言った
「ケール、お前も遠慮なくかかって来てもいいんだぞ」
「わ、私は……」
ケールってもしかして余り戦い好きじゃないのかな。まあそれはそれで良いんだけどこの世界じゃ割と厳しい所がある。せめて超サイヤ人にはなってもらう位しないと自己防衛出来ないぞ。
そんな事を考えていたらカリフラが復活して聞いてきた
「てめぇコツ位教えろ!」
「んな事言われても俺の場合言葉では出来ない感覚でなれると言うかなんと言うか」
「じゃあなれ!」
「へーい」
光輝は軽く気合いを入れて超サイヤ人に変身する。初めて超サイヤ人になった時はバーダックさんに言われてやっと出来たからな。懐かしいな。今バーダックさんはどこら辺にいるんだろうか、この世界には来てるだろうけど。
「っ! やっぱりすっげぇパワーだ。絶対それをものにしてみせるぜ!」
「やってみろ!」
はっきり言ってカリフラは普通に才能がある。多分経験じゃ俺の方があるだろうが才能は間違いなくカリフラの方がある。
戦い始めて30分位経っているが最初よりも全然持ち堪えてるし何なら強くなってると思う。戦いの中で進化するのがサイヤ人だがそのスピードが割と早い。最初の基本戦闘力ですら第7宇宙の普通のサイヤ人達よりもずっと高いのにそこで終わらない。
(こいつは……凄い奴に出会ったかもな)
間近で超サイヤ人の気を感じつつ戦っているカリフラなら割と早めに超サイヤ人になれるかもな。口は悪いが純粋っちゃ純粋だし。
「どうした! そんなんじゃ超サイヤ人何て2万年早いぞ!」
「うっせーっ!」
カリフラが突き出した拳を抑えそのまま背負い投げをして下の海に投げ飛ばす。後ろから迫るキャベの対応をしつつ復活したカリフラも迎え撃つ。
「はっ!」
気合いを入れて2人を吹き飛ばし再び相対する。2人とも息が切れ切れだがその顔は笑っている。……そろそろ潮時か。
「はぁ……この程度か」
光輝は思いっきり落胆の声と表情を出した。それを聞きカリフラやキャベはピクっとした。光輝は厳しげな顔で言った
「何だ、第6宇宙のサイヤ人はお前らみたいに弱い奴らしかいないのか?」
「なんっ!?」
ビーター時代を思い浮かばせる冷たい嘲笑を交えながら言った。その光輝の変貌ぶりにカリフラとキャベは最初戸惑っていたがそれが自分達をバカにしている事に気が付きピクピクと怒りマークが出ている。
「別の宇宙のサイヤ人がどんだけ強いのかと思えばこの程度なんだな。超サイヤ人にならせたら面白そうと思ってずっと戦ってたけどこれでもまだなれないとか」
「何だとてめぇっ!」
「はっ! 事実だろ? 俺の宇宙のサイヤ人なら10分もありゃあ超サイヤ人になれるのに。惑星サダラのサイヤ人は大した事ない」
それを聞きピクピクしている者が2人。言うまでもなくカリフラとキャベだ。
「ふざけんなよ。あたしが大した事ないだって?」
「僕の事は幾らでも言っても良い……だけど惑星サダラを馬鹿にするのは!」
その瞬間、2人の髪の毛の色が金髪に変色した。その身を包む金色の光がバーナーの様に燃え上がりその戦闘力を大幅に上げ叫んだ
「ふざけんじゃねえ──っ!! 」
「許さな──いっ! 」
こいつら基本戦闘力は最初フリーザと戦った悟空さんよりもずっと強い。なら後はきっかけさえあればなれるのは道理。2人の金色の戦士を見て俺は少し笑い構えた。
「うおりゃあああッッ!!」
「はあああああッッ!!」
2人が同時に迫り俺は2人の攻撃を捌き始める。2人の超サイヤ人は先程とは別人のスピードと動きだ。そして軽く横目でケールを見る。ケールはカリフラを見て若干戸惑っているように見える。
(そんな事してる余裕はねえな!)
「おりゃああっ!」
カリフラの拳を止めてそのままキャベに投げ飛ばした。キャベはそのお人好しな性格でカリフラを受け止め2人共吹き飛ばされた。
初めての変身で息を切らしている2人に俺は思わず少し笑い言った
「やったな、お前ら」
「! てめぇまさかさっきの言葉はわざと!」
「僕達を怒らせる為に……」
「そりゃそうだ。俺はそんな柄じゃない……事もないが進んでするのは気が進まないよ」
光輝が2人を貶したのは2人を怒らせる為であり本音ではない。カリフラは単純に弱いって言えば怒ってくれると思った。キャベは先程ご飯の時に自分の星の話をして星に誇りを持っていたようだから貶したら怒ってくれると思った。
光輝は超サイヤ人を解きつつ微笑んで言った
「おめでとう、それが正真正銘超サイヤ人だ」
それを聞きカリフラとキャベは自分を見て嬉しそうな顔をする。
「因みにさっき言った第7宇宙のサイヤ人が超サイヤ人になるのに10分って話だけどあれも嘘だぞ。ぶっちゃけ永遠になれない人もいるし」
そう笑った。第7宇宙のサイヤ人は気性が荒い人多いし第6宇宙のサイヤ人程基本戦闘力が強い訳じゃない。カリフラも余り穏やかな方ではないけど多分純粋さが勝ったんだろうな。
そう思ってたらカリフラが超サイヤ人の状態ですっごい嬉しそうに近寄ってきた
「よっしゃーッ! お前サンキューな! あたしはまだまだ強くなれるって事を教えてくれて!」
そうバシバシ叩く。
「痛いから止めなさい。まあ、超サイヤ人は通過点に過ぎないしそれで止まったらダメだぞ」
そこで俺はケールに向いた。ケールはその瞳を不安そうに動いている。それを見た訳じゃ無さそうだがカリフラがケールに嬉しそうに言った
「ケール! お前も超サイヤ人になってみろって!」
……少ししか見ていないけど正直ケールに超サイヤ人は難しいんじゃないかと思う。ケールは余り戦いが好きじゃなさそうだし自己肯定感が低い。
ありまくるのも問題だが無さすぎるのも問題だと思う。自己肯定感が低いって事は何でも他人のせいではなく自分のせいにしてしまう。自分で自分のフラクトライトを傷つける。アンダーワールドで自己喪失を起こしたキリト程にはならんだろうが超サイヤ人は……
(いや、やり方はあるけどこれ知られたら愛美にぶっ殺されそう)
愛美の気が強い性格は余り変わってなかった。それが懐かしく嬉しかったのを覚えている。……あっ、別にそうしなくても行けるな。カリフラに言った
「カリフラ、俺と2人で向こうで話があるんだけど」
と言って少し離れた海上を指さした。カリフラは怪訝そうな顔をした。うん。俺も同じ立場なら同じ顔する。俺は軽くケールに目を向けた。それでカリフラは俺の意図を読み取ったのか知らんが
「良いぜ。超サイヤ人の借りもあるしな」
俺と2人きりとかいう状況に何か焦ったのかケールが
「あ、姐さん。この人と2人きりになるってことですか!」
「ああそうだ。ケール、お前はここで待ってな」
「わ、私もお供します!」
「ああん!? あたしの言う事が聞けないってか!?」
追い討ちかけるようで余り気が進まないけど
「悪いなケール。カリフラを少し借りるぜ」
それを聞いたケールが思いっきり不安そうな瞳になった。キャベにケールを見といてくれと言って俺とカリフラは2人から少し離れた所に来て話した
「悪いな。多分ケールを超サイヤ人にするにはこれが手っ取り早い」
「お前やっぱりそれが目的で……」
ケールは自己肯定感が低い。そしてそれと同時にめちゃくちゃ嫉妬深い性格でもあると思う。俺がカリフラと話す度にそんな嫉妬の視線を向けてくる。それにケールがカリフラを慕っている事はこの少ない時間でもよく分かった。そんなケールにとって大事な人のカリフラが俺のせいで離れたらどうなるのか?
「! もうか」
カリフラと話し始めて30秒も経たない内にケールの気が膨れ始めた。ちらりとケールをみる。……滅茶苦茶な殺気を感じるんだが
「あいつは……私から姐さんを奪った」
「け、ケールさん?」
「私なんてどうせ出来損ないのサイヤ人。姐さんの邪魔になるだけ」
ケールの瞳から涙が出てその体を緑色の気が包み始める。その変化に光輝とカリフラはケールをばっと見た。
「いいぞケール!」
喜んでいるカリフラとは対照的に光輝は自分でやっといてなんだが眼を見開いた。ケールと言えばそんな驚愕している二人を見て何をどう思ったのか光輝が自分を見てにやりと笑っているように見えた。それがケールには「お前の姐さん貰ったよ」みたいに見えた。
そして何より超サイヤ人になれないからカリフラは光輝について行った
「私なんて……私なんて……うわああああああ!!」
「うわあああ!」
その瞬間、ケールの近くにいたキャベが吹き荒れた気によって吹き飛ばされた。光輝は咄嗟にキャベの元に行き受け止めた。
「す、すいません」
「気にするな。俺は割とやばい奴を目覚めさせたな」
「え?」
確かに自己防衛で超サイヤ人になってほしいとは言ったがまさかこれになるとは思わねえだろ普通。緑色の気の奔流が収まった時、ケールがいた所には確かにケールがいた。だけどさっきの女性らしい体格とは裏腹に今はどんな理屈か知らないが筋肉が膨れ上がり身長も伸びた。誰をイメージすればいいのか? それは……
「ニシザワコウキ、まずお前から血祭りにあげてやる」
さっきの気弱そうな人とは180度違う殺気に溢れた声を出しながら俺を指さした
「まさか……第六宇宙のブロリーかよ!」
嘗て光輝を苦しめたあの力が光輝に襲い掛かった
お疲れ様です。偶に愛美の話を入れるスタイル。ぶっちゃけ愛美の師匠はユウキ。
サイヤ人達、背中ゾワゾワでは無く普通に怒りでなる。カリフラは普通にボコボコにした後に煽ればあっさりとなれそう。ケールはアニメと殆ど同じ。相手が光輝になっただけ。
(*´∇`)ノ ではでは~