地球エリア 荒野
悟空の猛攻撃によって起きた爆発で起きた煙が辺りを包む。悟空は超サイヤ人2を解除せずにフューのいた場所を睨んでいた。
逃げ道を塞いだ上での攻撃、致命傷は無理かもしれないが無傷ではないはずだ。
「痛いなぁ」
そんなフューの声が聞こえた瞬間紫色のオーラと共に煙が晴れた。そこには超サイヤ人の様に髪の毛を逆立たせその身に纏う気を上昇させているフューだった。悟空はそれを見ながら言った
「やっぱそう簡単には行かねえか」
フューは「ぺっ!」と血を吐いた。やはりノーダメージと言う訳では無かった。フューの服は所々破れている。悟空を見据えた後、口を開いた
「やるねえ。まさかこんなに強くなっているとは」
監獄惑星の時に一度戦ったがあの時は悟空に結構な疲労があったとは言え超サイヤ人4の悟空とベジータ相手にフューは善戦した。しかし今は超サイヤ人2の悟空に押されている。悟空は自分が強くなった理由を教えず言った
「陰でこそこそ見てるだけのおめぇじゃ分かんねえだろうな」
「陰でこそこそするのが好きなんだけどね」
そう軽口を叩きあい二人は睨めっこした後フューがふっと笑い言った。
「孫悟空、君はシーラスが連れていた青年について知っているかい?」
悟空は構えを解かずに聞いた
「それがどうした?」
フューも臨戦態勢を崩さずに続けた。
「彼は君やトランクス達がいた世界の者じゃないよ」
「何だって……?」
それに悟空は眼を見開き思わず聞き返した。その青年については光輝から聞かされている。何故か光輝と同じ眼や祖父の真剣に似ている真剣を持つ青年。普段から仮面を被っているから素顔は見たことが無いと光輝は言っていた。
『そんな奴がいんならオラも戦ってみてえなぁ』
しかしそれを聞いた光輝の顔が優れていなかったので理由を悟空が聞けば
『すいません。エゴなのは分かってます。だけど……あいつとの戦いは俺に任せてもらえませんか? あいつとは俺が戦わないといけない……そんな気がするんです』
『何故だ。何故お前はそう思う?』
そうベジータが光輝に聞いた。光輝は難しそうな顔になりつつも答えた。
『それは……はっきり言って自分でもよく分かんないです。でも……』
それ以降光輝は考え事をするように黙ってしまったのをよく覚えている。そんな光輝が自分で戦いたいと言わせるほどの存在が自分たちの世界の者ではないと聞き悟空はそれを見定めようとしている。
「僕もこの世界に来て何もしていなかった訳じゃないからね。色んな世界を見て来た僕でも彼の存在は初めて見た。そこから出される結論がそれさ」
「……そんな事を何でオラに?」
「別に。ここまで善戦したご褒美さ」
そう言って真っ黒な真剣を構えた。悟空も構え激突した。フューは真剣を先程とは違う次元のスピードで振るう。悟空はそのスピードに眼を見開きギリギリ上体を逸らして躱した。咄嗟に足を蹴り上げバク転すると同時に攻撃するがフューは先程よりも簡単にバックステップで躱した。
「はあっ!」
そう叫びフューは再び悟空に迫る。悟空はフューの追撃を飛ぶ事で躱しそのまま空を飛ぶ。フューはそれを見て先程と同じ暗黒魔界の紋章を真剣で作りそれを悟空に向けて放つ。悟空は咄嗟に腰だめに両手をやりかめはめ波で相殺した。
「こっちだよ!」
相殺した悟空の後ろからフューが真剣を振るう。しかし悟空はそれを頭を下げる事で回避しそれだけではなく回し蹴りを放つ。フューは真剣を持ってない方の手でそれを受け止めた。そして振るった真剣をもう一度振るった。悟空は額に指を当て瞬間移動でそれを躱すだけではなくフューの背後を取った。悟空は右ストレートを放つがフューも後ろの空気の乱れで瞬間移動が分かったのかストレートを放たれたのと同時に後ろを向きそれをガードした。フューは飛ばされ悟空と距離を取った。
「―はっ!」
悟空は距離を取ったフューに気合砲を放った。フューは「チっ!」と舌打ちをした後更に上昇しそれを躱す。だが目の前には悟空がもう既に迫っていた。
(僕の動きを読んだのか!?)
でなければ先回りの様にここに来ることは出来ないスピードだ。フューは悟空を迎え撃ちながら内心で言った
(この孫悟空、僕の知っているどの孫悟空よりも強い!)
フューは生まれが特殊なだけに小さなころから色んな歴史を見て来た。そんなフューですら目の前にいる悟空は色眼鏡なしで強いと思った。そんな事を一瞬でも考えてしまったからか悟空の左ストレートがフューの鳩尾に決まった
「ガはっ!」
肺にあった空気が一気に無理やり吐き出されフューの動きが一瞬止まる。それを見逃す悟空ではなくフューの顎にアッパーを噛ましフューを上空に吹き飛ばした。それだけではなくフューにすぐさま追いつきフューを下にハンマーナックルで叩き落した。
「かめはめ……波──っ!!」
悟空は追撃するようにフューを叩きをとした場所目掛けかめはめ波を放ち、爆発。
「……」
悟空はその爆発地点を見た後その目の前で降りた。黙々と煙が上がっている中フューは先程よりも傷だらけで立っていた。悟空は追撃せず肩で息をし始めているフューを見つめている。フューは眼の前の超サイヤ人2の悟空を見た後
「アハハ! 本当に君は強いね。僕これでも強さには自信があったんだけどね。まさか超サイヤ人4どころか超サイヤ人3にもすることが出来ないんなんて」
それは自分の弱さではなく強くなっている悟空へのある意味での称賛だった。ただ何も考えなしでこんな事を考える訳では無く内心で言った
(この孫悟空を”あの時代”の孫悟空が最後まで一人じゃ勝てなかったあいつにぶつけたらどうなるんだろう)
どこか興奮した様子のフューを見て悟空はまた碌でもないこと考えている分かり構えた。だけどフューは持っていた真剣を腰に直した。その意図はもう戦うつもりはないと言う事。そしてフューは明後日の方角から感じる気を見てニヤリと笑う。
「どうやって君がそこまで強くなったのか……気になるね」
「……強くなっていくあいつを見てたらよ、オラも負けられねぇ、強くなったあいつオラはまた超える。そうしたらあいつはもっと強くなる」
その悟空の脳裏には二つの双剣を背に自らの色違いの恰好をしている光輝の姿を思い出していた。悟空は光輝がタイムパトロールになる前の歴史を知っている。光輝の世界はドラゴンボールなんてないから光輝の家族は帰ってこない。悟空達は仮に死んでしまっても敵を討つことさえ出来たら皆生き返る事が出来た。
だが光輝は小1という年から大切なものを奪われそれでも戦う事を選んだ。それも当時は地球人だった光輝がだ。悟飯は4歳から命を懸けた実戦をやっていたから比べたら悟飯の方が辛そうに見えるが悟飯にはピッコロやクリリン達のような頼れる人がいた。
だが光輝は精神的には頼れる人はいたかもしれないが殆ど頼らず生きていた。おまけに修業に関しても殆ど独学でやるしかなく師匠なんていなかった。学校と家での行き来すら修業にしてしまうほどあの時の光輝は強くならなければならないという強迫観念に囚われていた。流石の悟空も見ていて何とも言えない気持ちになった。
そんな光輝がかけがえない仲間と別れを告げタイムパトロールとして自らの目の前に来た日から光輝はどんどん強くなっていった。サイヤ人なった事もあるが光輝の成長速度が速い。そんな光輝に悟空がワクワクしないわけなく悟空も光輝を見て更に強くなると思ってきた。
「あいつ? ベジータ君のことかな?」
だがフューはどうやら光輝の事は知らないようだ。悟空は不敵な笑みを向けながら言った
「おめえが知らねえスゲぇ奴だ」
その言葉にフューはムッとした表情になった。フューは色んな歴史を見て来たから戦士についての情報量は多いと自負している。だがそんなフューを目の前に悟空はそう言い切ったのだ。少し自信を砕かれフューがむっとするのはしょうがない。
しかしこの状況は大分まずい。今の悟空にフューは勝てない。なら逃げるだけだろうが悟空には瞬間移動がある。いろんな歴史が融合してしまったせいでお得意の次元移動も出来ない。だけどフューには逃げる算段があった。それは……
「孫悟空、もう一つ良いことを教えてあげよう」
悟空は構えを解かず目で先を促した。フューは明後日の方角を指差した
「あっちにはもうボロボロの廃墟がある。そこの気を探ってみてよ」
悟空は訝しげになりながらもフューからも戦意が感じないのを見て眼を閉じてフューに言われた方角を探った。フューは近いと言ったが軽く100キロは離れている。悟空たちからしたら近いが。そしてそこから2つの気を感じた。そのうちの一つは悟空が知っている気……いやよく感じたら2つとも知っている気だった。片方の気は今にも亡くなってしまいそうなほどに気が弱くなっていく
そして勢いよく眼を見開いた
「フュー……おめぇ!」
しかしフューは降参ポーズをしながら言った
「おっと! これも僕じゃないよ。本当にこれは偶々さ。それよりもいいの? こんな所にいて」
どこかにやりと笑いながら言っているフューに攻撃を仕掛けたい所だが優先順位が変わった。何故なら気がピンピンしている方がもう一人の方に止めを刺そうとしているのが分かったからだ。
悟空はそれ以上何も言わず額に指を当てて瞬間移動した。目の前から去った悟空を見届けたフューは言った
「とは言え、多分孫悟空は戦わず撤退を選ぶかな」
☆
地球エリア 何百個もある廃墟の内の一つ
そこでは一人の青年がうつ伏せで倒れていた。先程までは金髪になり戦っていたのだがとうとう金髪……超サイヤ人になる体力すら無くなってしまった。そんな青年……孫悟飯を敵……漆黒の道着を身にまとい青年の父親と全く同じ顔をした疫病神は踏みつけた
「ガァ!」
体の何箇所がもう既に折られている。それ故にこの踏みつけすら想像絶する痛みになるのだ。しかし青年は怒りの視線を敵に向ける。敵はその怒りの視線を心地そうに受け止めニヤリとしながら口を開いた
「トランクスの師孫悟飯、お前も神による裁きを受けるが良い」
そんな勝手な言い分、そして父親と同じ顔で言われているという事に地に這いつくばりながらも言った
「お前に……お前なんかに俺は負けない……!」
骨を折られもう戦闘不可能までに追い詰められていてもその瞳に宿る戦意までは失っていなかった。その瞳に敵は悟飯の弟子であるトランクスと重なった。自らの進化のために生かしておいてやっている罪悪人。敵……敵が元いた時代のトランクスたちが名付けた名前「ゴクウブラック」はその口元を歪ませ悟飯を蹴っ飛ばした。
悟飯は避けることも出来ずに吹き飛ばされた。悟飯は紙くずのように地面に倒れた。
(く……くそ。俺にもっと力があれば……)
唯一握れる拳を握りしめる。そして悟飯は倒れながらもブラックに視線を向けた。そんな時、こんなアングルをどこかで見たと思った。そして直ぐに思い出した。自分が死ぬ1日前に出会った不思議な男の子。どこか自分に似た雰囲気を感じ取った。悟飯には見たこともない技を使い一緒に戦ってくれた……。自らの最後の気を分け与えた少年。
『君は……生きろ。生きて……君のやるべきことを……やり遂げるんだ……それが俺の最後の願いだ』
そう言い残し自分は死んだ。だけどもそこで意識が完全になくなったわけじゃない。次に目を覚ましたのは父親の孫悟空から伝えられていたあの世だった。死んだ事で隻腕だった腕が両腕に戻っていた。そして閻魔大王に出会い……強烈な地震が悟飯を襲いワームホールに飲み込まれていったのだ。
そこまで考えた時、自分の不甲斐なさを感じた。自分で取りたかった仲間たちの敵を自分の弟子に任してしまった事。後悔はしていない。だが……自分の手で敵を討ちたかったと言えばそうだと言う。
「くっ!」
今目の前にいる敵から未来を守るために一人で戦わせてしまったこと。だが……
「ふっ、無様だな。貴様はトランクスよりも弱い。これでは私が強くなる事が出来ないではないか」
そう言いながら手のひらを満身創痍の悟飯へ向けエネルギーを溜める。悟飯は立ち上がろうとするがもうほとんど力が出ず動けない。ブラックは悟飯を見据え不敵な笑みで言った
「終わりだ、孫悟飯」
その言葉とともにブラックの手からエネルギー波が放たれた。悟飯は自分の死を再び覚悟した。煙と爆発に包まれた。傍から見れば生きるのは不可能だと思ってしまう爆発だ。
「……!?」
しかしそこでブラックは訝しげな顔になった。今悟飯以外の気が割り込んだ気が……
「……!」
そう思った時、悟飯を包み込んだ煙の中から先程戦った悟飯とは桁違いのエネルギー波が放たれてきた。ブラックは咄嗟に上空に飛び上がりそのエネルギー波を躱した。
「なっ!? 今のは……」
先程放たれたエネルギー波は先程の悟飯よりも強い気の持ち主を見ようとキッと眼をそちらに向けた。煙が晴れた場所にいたのは
「お前は……」
ブラックがそう呟いた直後、そのブラックの眼前に先程のエネルギー波を放った人物が一瞬で踏み込んだ。ブラックはそのスピードに反応出来ずにその腹部に強烈な右スレートが突き刺さった。その威力はさっきまで戦っていた悟飯よりも重く鋭かった。
「ぐぁ!?」
思わずそんな唸り声が出て来た。しかしそれだけではなくブラックはいつの間にか吹き飛ばされていた。ブラックは倒壊しているビルに突っ込んだ。そしてブラックを吹き飛ばした本人は倒れている悟飯の目の前に着地した。悟飯は霞んでいた視線を上に向けた。真っ先に視界に飛び込んできたのは真紅の羽織だった。そして頭部を見ると金髪で逆立っていた。その背中には悟飯に見覚えがある武器があった。赤色の棒状の武器
(如意棒……)
その事実に眼を見開き一所懸命目を凝らそうとする。それとほとんど同時にブラックがビルから出て来た。そして自分を吹き飛ばした人物を驚愕の眼で見た。そして悟飯とブラックは殆ど同時に言った
「父……さん」
「孫……悟空」
悟空は後ろにいる悟飯を安心させるように微笑み、ブラックには殺気がこもった視線を送った。
「おめえがブラックか」
その言葉にブラックは口元を笑みに変えた。
「ふ……ふはは! 丁度いい。私もこの体で君と戦ってみたかったのですよ」
そう叫びブラックは髪を金髪に逆立たせ今の悟空と同じ姿になった。超サイヤ人の時よりも髪は逆立ち稲妻が走る。それを見た悟飯は刮目する
(なんだこの変身は……ただの超サイヤ人じゃない)
そして悟空の方もよく見れば今のブラックと同じ姿だ。やる気満々なブラックを見据えながら悟空は言った
「わりぃが今はおめえに構ってる場合じゃねえんだ」
そう言いながら悟空は満身創痍の悟飯に近づき肩を貸した。つまり今から撤退すると言う事。
「逃がさん!」
ブラックはせっかくの得物をみすみす逃がすかと言わんばかりに悟空と悟飯の元に突撃した。悟空は悟飯に言った。
「悟飯、眼を閉じろ」
悟飯は悟空を信じ眼を閉じた。悟空は両手を目の前に広げた。
「太陽拳!!」
「なっ!?」
太陽拳……眩い光で相手の視界を殺す技。元々は天津飯の技だ。だがこの技に悟空は何度も助けられてきた。この技は初見殺しの技だ。ブラックも例外ではなく思いっきり眼を見開いて突撃していたのでもろに影響をくらいブラックの視界が一時的に壊れた
「おめえを倒すのはまた今度だ」
悟空はそう言った後瞬間移動をしてその場から消えブラックは悟空達がいた所に激突した。
「くそ、小癪な」
少し時間が経ちようやく視界が戻ってきたブラックはそう悪態をついた。しかしものは考えようだ。この世界にまだ見知らぬ孫悟空がいたと言う事だ。自分の元居た世界には既に世界に戦士と呼べる戦士はトランクスしかいなかった。しかしどういう訳かこの世界は様々な次元の戦士たちがいる。強くなるのにこれ以上の環境はない。
勿論。こんな事態を引き起こした輩は万死に値するが利用できるものは利用するべきだ。そんな時、ブラックは自分の分身の気を感じ見た
「……そいつは誰だ」
ブラックが言った先にいたのは界王神の恰好をし、白髪のモヒカン頭に緑色の肌を持った存在だった。だがブラックが厳し気な視線を向けたのはその後ろから来た男に対してだった。その男は分厚いコートを羽織り薄い金色の髪だ。男は前に出て言った
「俺の名前はハーツ。ブラック……いや第十宇宙の界王神ザマス。俺と共闘する気はないかい?」
ブラックは意味が分からないと言いたげな顔でハーツと自称した男を見据えていたのだった
★
悟飯は久しぶりに夢を見ていた。その夢では死んでしまった仲間たちが皆生きている夢だった。自分は武道は程ほどにして学者になるための勉強をし……それでも父親が修業を付けてくれたりした夢。
そこまで見た時、悟飯はその眼を開けた。目の前に広がっていた景色は先程までいた場所ではなく晴天の空だった。
(俺は……なんでここに)
そう思考しながら上体を起こすと毛布が掛けられていた。まだ本調子じゃない頭を回転させ先程まであった出来事を思い出していた。悟飯は閻魔大王の元に着いた時、件の地震とワームホールに吸い込まれた。まず驚いたのは景色だった。悟飯のいた未来は人造人間のせいで破壊されたところが多かったのに対してこの世界では全てと言う訳でもないが破壊されたところが少なかった。そして次に自分の天使の輪が消えてるのにも戸惑った。自分は生きてるのか死んでるのかよく分からない状態だからだ。
そして幼少期、ピッコロによって鍛えられたサバイバル知識で昨日は過ごした。そして今日、先ずは状況整理の為に世界を回ろうとした。しかしそこで更なる異変に気が付いた。世界が広すぎるのだ。少なくとも地球一周が軽く出来る速度で飛んでいたのに景色は変わらなかったりした。そして決定的なのはこの世界でのナメック星を見た時だ。その時確信した。この世界はどういう訳か色々繋がってしまった世界なのだと。
そして飛んでいた時、奇襲を受けたのだ
「あいつは……」
思い出す。自分の父親と同じ顔にも関わらず邪悪な気を持っていたあの敵を。そして途中で助けてくれた父親はその敵を「ブラック」と言っていた……とそこまで思い出していたら急激に視界が鮮明になって叫んだ
「父さん!」
あの時自分を助けてくれたのは間違いなく自分の父親だった。しかし自分の世界の孫悟空は心臓病で死んだはず。それなのに何で悟空が生きてるのだと考え始めた時
「お、起きたか悟飯」
そのどこか懐かしい声が後ろから聞こえた。悟飯が振り返るとそこにいたのは悟空だった。悟空は自分の知っている亀仙流の道着ではないがその身に纏う気は間違いなく孫悟空そのものだった。
「父……さん」
その瞬間悟飯の中で色んな思いがあふれ出て来た。自分の世界の悟空が死に、仲間達が死んでいった。学者と言う夢を捨て無我夢中で一人で修業した。その内ベジータの息子であるトランクスが弟子になった。そして二人で修業し続け人造人間との闘いの日々に明け暮れた。だけど自分はトランクスに地球を託し死んでしまった。本当は自らの手で人造人間達を倒したかった。
悟飯は今までの心労からか涙が出てきてしまった。
「あ……」
悟飯はそれに気が付き拭こうとするが涙が止まる事は無かった。悟空はそんな悟飯を見た後悟飯に近づき小さいころそうしたように抱擁した。
「今までよく頑張ったなぁ。今まで一人で人造人間と戦って……悪かったな。おめえに地球を託す羽目になっちまってよ」
悟空は悟飯が本来余り戦いを好まない性格なのは知っている。それこそラディッツやナッパ、ベジータが来るというきっかけが無ければ戦いとは無縁の人生を送っていたかもしれない。そんな悟飯が仲間たちの仇を討つために独学で修業し続けるのはしんどかっただろうと悟空は思ったのだ。
「父さん……」
「父ちゃんの胸貸してやる。いっぺえ泣いていいんだぞ」
その言葉を聞いた悟飯は涙腺が崩壊してしまった。しばらくの間、二人はそのまま久しぶりの親子の時間を過ごしたのだった。
★
地球エリア サタンホテルにて
悟空と悟飯が邂逅して幾ばくかの時間が過ぎた。光輝はフリーザ軍の残党であるアボ、カドと激突していた。アボはフリーザ軍の戦闘服に赤色の顔が特徴的、カドは青色の顔が特徴的な戦士だった。
「「子供のお遊戯会はおしまいだ!」」
そう叫び、アボとカドは分身をして光輝に突撃した。光輝は宙に浮きあがり迎え撃つ。分身してことにより増えた手数によりアボとカドは押そうとするが光輝は簡単にその攻撃を捌く
(こんな所で影分身修行法が役に立つとはな)
影分身修行法で光輝は1VS多数の修業をしていた。そのおかげか多数の相手の対策法が分かる。単純にSAO時代に攻略組相手に無双したこともあると思うが。そして
(それにこいつらの分身は全員が実体って訳じゃない……なら!)
光輝は眼を閉じつつアボとカドの気を探る。そうすればやはり気を感じるのは八人中二人だった。光輝は左にアッパーした
「ぐあっ!」
そして次にエルボーを右にいるカドにくらわした
「ガはっ!」
その重い一撃に二人は分身を解除させられ地面に落ちた。光輝も二人が落ちた地面に着地する。そして素直に称賛した
「お前らフリーザの部下って割には俺が初めて戦った時のフリーザと同じくらい強いな」
アボとカドは自分たちの攻撃を簡単にいなす光輝を恨めしそうに見る。光輝は称賛もそこまでにして構えた。
「カド、やるぞ!」
このままではまずいと思ったのか二人はスカウターを外し二人で見合わせ言った
「「合体!」」
そう言うと二人の気が合わせられ気が吹き荒れた。光輝は足を地面に踏み込み耐えた。そして目の間に現れた敵は紫色の肌色を持ち光輝の身長の軽く2,3倍になった。
「「これでお前もおしまいだ!」」
これが二人の奥の手らしく自身ににあふれている顔で光輝を見下す。しかし光輝はニヤリと笑い白色の闘気をだす。
「それがお前らの全力か、行くぜ!」
そう叫び光輝は合体した敵に向かったのだった
お疲れ様です。悟空・ゼノと未来悟飯合流。光輝はOVAで登場したアカとカドと激突。
ヒーローズの新ストーリーで仮面はやっぱりブラックと言う事でしたな。でも強くなってる理由は色んな悟空を99人倒したからとかいう大分えぐい理由という。因みに身勝手兆も99人の中にいたらしいです。ブラック強くなりすぎてないか。
ではまた
孫悟空・ゼノとジレンの戦いいる?因みに独断と偏見で書きます
-
いるに決まってるだろ?!
-
まあ,ストーリー関係ないなら別にいいかな