Warrior beyond despair   作:レオ2

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おはようございます。

ヒルデガーン編ですね…光輝はメタ能力がありまくるからブロリーみたいな真っ向勝負系の奴が案外苦手だったりする


勇者の覚悟

 地球エリア 誰もいない街

 

 静かなる街、人を喰うという噂というより実話を聞きそれを調べていた光輝。光輝は情報をくれたアボとカドが教えてくれた場所まで向かっていた最中に奇妙な街を見つけた。何故か服が散乱しており人がいないのにもかかわらず比較的に綺麗な街だった。

 光輝はそこでトランクスから聞いたことがあるコナッツ星の伝説の勇者、タピオンと出会う。出会ったはいいが光輝はタピオンに直ぐに逃げろと言われてしまう。その理由を聞こうとした時、第三者のホイの介入によりタピオンの様子がおかしくなり現れたのは……

 

「ヒルデガーン……だと?」

 

 光輝は眼の前に現れた莫大な気を持っている生物に冷汗を出した。SAOのボスたちよりも大きいし何よりもこの気。光輝はヒルデガーンの気を感じようとした。

 

「んだよこれ」

 

 光輝はヒルデガーンの気を感じ取りそう呟いた。何故ならヒルデガーンの気は確かに本人の気もあるのだがそれとは別に違う気も混ざっている。それもごちゃごちゃにだ。まるで他の人の気を継ぎ足したような気がだ。同じくその気を感じたのかタピオンが苦しげな様子で立ち上がり言った

 

「やはり……あのヒルデガーンは強くなっている」

 

「ここまでだタピオン。貴様にはこの世界でもさんざん邪魔されたからな。ここで終わらせてやる」

 

 そうホイが言った。その言葉を聞いたからか或いは先程まで何か訳あってタピオンの中にいたことを恨みに思っていたのかヒルデガーンがその大きな口を開き火炎砲をタピオン目掛けて放った。タピオンはその火炎砲を避けようとするが体が言う事を聞いてくれず膝を折ってしまう。

 そんなタピオンの目の前に光輝が現れウォーリア・ビヨンド・ディスペアーを掴み勢いよく回転させた

 

「!?」

 

 タピオンはその光景に思わず眼を見開いた。そしてヒルデガーンの火炎砲と光輝の剣がぶつかり合った。タピオンを守るように剣を回転させ火炎砲の威力を分散しつつ光輝と光輝の後ろにいるタピオンに当たらないように軌道を逸らしている。

 

「はあああぁぁ!!」

 

 アインクラッド流防御技「スピニング・シールド」だ。光輝とキリトの得意技でもある。SAOやALOではこのソードスキルでブレスの攻撃を弾くことが出来るようになっている。それを現実に再現したのが今の光輝の強さだ。

 光輝は火炎砲を弾きながらヒルデガーンに叫んだ

 

「どうした! そんなのサスケさんの方がよっぽどえぐい火遁してくるぞ!!」

 

 そう叫び光輝は剣の回転速度を一気に上げた。それにより火炎砲が完全に分散されヒルデガーンは無駄だと思ったのか火炎砲を止めた。周りを炎だらけにしたが光輝とタピオンは無事だ。光輝が一瞬思考しタピオンに叫んだ

 

「俺が時間を稼ぐ! タピオンさんは一旦退却してください!」

 

「だが!」

 

「俺は負けない。後で俺も退却する。行ってください!」

 

 光輝はそう叫び超サイヤ人に変身しヒルデガーンに向かった。ヒルデガーンはその光輝を迎え撃とうとその巨大な拳を振り上げた。しかし光輝はその拳をギリギリで避けつつヒルデガーンの顔まで一気に迫り剣を振るった

 

「なっ!?」

 

 そこで光輝は驚愕の声をだした。なぜならヒルデガーンが煙のように消え気配を消してしまったからだ。と同時にヒルデガーンが光輝の後ろに出現し光輝が気がついたときには吹っ飛ばされていた。

 

「うわああああ!!」

 

「光輝!」

 

 光輝は吹っ飛ばれされながらもヒルデガーンを見据え印を組む。そうしたら光輝の影分身が何人か出現しヒルデガーンに向かった。本体の光輝はその間にタピオンの元に行き肩を貸す。

 

「すまない」

 

「謝んのは後にしてください。先ずは貴方の体力回復が先です」

 

 光輝はそう言ってタピオンを連れてその町から離れて行った。ヒルデガーンの相手をしていた影分身たちは出来るだけ時間稼ぎをするように立ち回りつつヒルデガーンの戦い方を学んでいる。

 ホイの目の前にも影分身光輝が現れ戦闘を開始している。

 

「くそ。邪魔をしよって!」

 

「ヒルデガーンは強いがお前はそうでもないみたいだな。少しばっかり付き合ってもらおうか!」

 

 光輝に肩を貸してもらい移動しているタピオンは苦渋の表情で言う。

 

「だが……はぁ……数だけではヒルデガーンには勝てないぞ」

 

 光輝は出来るだけ速足で退却しつつ消されて行っている分身達から還元される経験を得て難しそうな表情をする。光輝達は街を離れ近くの草原までやってきてタピオンを下した。

 

「でしょうね。でも、どんな戦い(ゲーム)も攻略法は必ずあるはずだ」

 

 光輝がそんな事を話している間、先程まで光輝達がいた場所ではホイが本体の光輝達を探していた。ヒルデガーンも先程の光輝が分身だと分かり本能で強いエネルギーを求め探している。

 ホイは空から二人を探すが見つからないので苛立ちの声と共に言った

 

「あいつらどこに行った? ……まあいい。正義感の強いタピオンの事だ。絶対にまたやってくるだろう」

 

 ホイがそう言ったらヒルデガーンは違う場所で行われている戦闘の気を感じ取りそちらに翼を広げた。自らの強さを高めるための得物として。ホイは気が変わったヒルデガーンを見て邪悪な笑みを浮かべながらついて行った。

 一方、光輝はタピオンと話をしていた

 

「俺の元居た時代のヒルデガーンは孫悟空が倒してくれた」

 

「悟空さんが……」

 

 そこで光輝は「ん?」となり待ったをかける

 

「じゃああのヒルデガーンは何なんですか? それにどうしてタピオンさんが元いた時代のヒルデガーンよりも強くなってるんですか?」

 

 タピオンが元居た時代のヒルデガーンが悟空によって倒されたのなら今目の前にいるタピオンに封印されていたのはおかしいのではないかと思ったのだ。タピオンは頷きつつ答えた

 

「一つずつ話そう。俺は悟空さんによってヒルデガーンが倒された後、ブルマさんが作ったタイムマシンに乗り1000年前のコナッツ星に向かおうとした。最後にトランクスにこの剣を渡そうとした時」

 

「歴史が融合し始めた」

 

 タピオンさんは頷く。成程。タピオンさんがこの世界に来た経緯は分かった。だけれどもヒルデガーンがタピオンさんに封印されていた理由がまだ分からない。タピオンさんは苦しそうな表情で続けた

 

「俺がこの世界に来て初めて会ったのは……俺の弟のミノシアだった」

 

 そこでタピオンは思い出していた。この世界には突然やってきた。自分はタイムマシンに乗って1000年前のコナッツ星に向かうはずだったのに突然のワームホールに巻き込まれた。最後に見たコナッツ星よりも緑豊かな草原が広がっていた。先ずは状況を把握しようと動き出し西の都に似た町に辿り着き、そこでタピオンは忘れる筈もない人影を見かけたのだ。自分と同じ髪型で薄いピンクがかった髪色。

 

『ミノ……シア?』

 

 その声にミノシアは同じく振り返り驚いた表情を見た後、少し下がろうとした。何故なら、封印されているヒルデガーンは上半身と下半身が近くにいれば共鳴し封印が解かれてしまうからだ。しかしタピオンはそんな事気にせずにミノシアに近づき抱擁した。

 

『に……兄さん?』

 

『ミノシア……どうしてお前がここに』

 

 タピオンが元居た時代のミノシアはホイやホイの仲間によって殺さている。つまりミノシアにはもう会えないはずだったのだ。しかし現実として目の前にいる。この問いが出てくるのは必然だった。

 

『兄さんこそ……どうしてヒルデガーンがいないの?』

 

 抱擁した時にタピオンの封印の状態を探った時、タピオンの中にヒルデガーンがいない事に気が付いたのだ。だからヒルデガーンが共鳴することなく普通に抱擁出来ているのだ。

 そして二人は少しだけお互いの状況整理の為に話をした。ミノシアはホイ達魔導士によって誰もヒルデガーンの封印を解かないように自らを封印していたオルゴールから無理やり出され魔導士たちに殺されそうになった所で様々な戦士達を巻き込むワームホールに巻き込まれ気が付いたらここにいたのだ。

 そしてタピオンも自分の身に起きたこと話した。自分も封印を解かれてしまった事、ヒルデガーンが復活してしまった事、そのヒルデガーンを倒すのに協力してくれた超戦士たちの事。ミノシアはその話に希望を見出したような表情をする。

 その人たちには迷惑かもしれないがそれでもヒルデガーンを封印に頼らず完全に消し去る戦士達がいる事に希望を見出すのも当然だろう。しかしそうなったら問題がある。それはその肝心の戦士達が今どこにいるのか分からないのだ。

 だけどそれは今は置いておこうとした。今はこの再会が二人にとっては嬉しかったのだ。

 

「弟さん……」

 

 だけどそれが良い出会いだけだったわけじゃないはずだ。もしそのまま平和だったのならこんな苦しそうな表情をしないはずだ。そしてこんな顔をする理由を簡潔に教えてくれた。

 

「俺とミノシアはかつてヒルデガーンの上半身と下半身をそれぞれの体に封印していた」

 

「……え?」

 

 封印の事はまだわかる。さっきのタピオンさんとホイのやり取りを見ていたらなんとなくわかる。だがその封印は上半身と下半身に分けられていたのは初耳だ。そして俺が最初に見たヒルデガーンは……最初下半身が出て来た。だけど近くに他の気は無かった。タピオンさんんの場合はどちらかというと共鳴してって感じだったから無理やり剝がされたって感じだったけど……その封印を破る方法がもし共鳴以外にあるのだとしたらそれは……

 

 その考えに至った時、光輝のホイに対する怒気が膨れ上がった。

 

「まさか……あの野郎」

 

 タピオンさんは頷き答えてくれた。

 

 ミノシアと再会したタピオン、だがその平和の時間は長くは続かなかった。再会を喜んでいた二人の背後からミノシアに向けて細長いレーザーのような気弾がミノシアを貫き……

 

「ミノシアは殺され……ヒルデガーンの下半身の封印が解かれた。それだけじゃない。あいつらは……違う世界の俺を殺し上半身のヒルデガーンの封印を既に確保していた」

 

「じゃあ一回はヒルデガーンを完成されてしまったんですか」

 

 だけどそれならタピオンさんからヒルデガーンが出ていた事が説明がつかない。いや……説明は出来る。だけどそれはとてもつらい決断だった筈だ。

 

「タピオンさんがまたヒルデガーンの上半身を封印したんですか?」

 

 そうでなければ一回は封印から逃れたタピオンさんがまたヒルデガーンを封印していた理由にはならない。

 一回はヒルデガーンという呪いから解放されたのにその呪いを自ら再び受ける覚悟は中々出来るものではないはずだ。それも弟さんが目の前で殺された時にだ。これがコナッツ星の勇者か……。だけれど……何でも一人で背負うのが勇者ではない。

 俺も甚だ不本意なのだが俺が元居た世界で俺はシャイニング・ブレイブの名前から「光の勇者」とかリコレクション・ブレイブから「記憶の勇者」とかなんだかんだ勇者とかある人は光の英雄(ヒーロー)とか言ってる人がいるというのを愛美から聞いた。SAOから帰った後も思ったが俺はそんなものに興味はない。

 俺は一人じゃ何も出来ない。生きる理由も戦う理由も……俺の存在の証明も皆俺の大事な人から貰った。それを与えられた意味を探して俺は戦い続ける。

 

 そう心で言いながら。自分を引き取ってくれた櫂家、気にし続けてくれた光定や先生達、SAOやその世界で出会った戦友達、悟空達タイムパトロール、そして……振り返りながら微笑む愛美。

 光輝はそこまで思い浮かべた後、立ち上がりヒルデガーン達が向かった方角の気を感じ取る。ヒルデガーンは別の場所で戦っている戦士達の場所にまで向かったようだ。その気がフリーザ軍の残党っぽい気なので無視している。気を感じながらも光輝は言った

 

「一人じゃ出来ない事も……誰かと一緒なら出来る」

 

 その言葉にタピオンは疑問符を出す。光輝はタピオンに向き直り言った

 

「あいつをこのまま野放しにするわけにはいかない。俺は戦いに行く。あんただけじゃ無理かもしれないが俺達なら出来る、違いますか?」

 

 タピオンは迷いながらも首を振って答える

 

「だが、あいつは……この世界の強者達を吸収し本来の歴史よりもパワーアップを果たしている」

 

 タピオンは一旦退却し悩んだが再び封印する事を選んだ。だがそれが遅かった。強者がはびこんでいるこの世界ではそのスピードが桁外れで予想外だったのだ。

 

「俺が最初封印出来たのは奇跡に近い」

 

 成程、それがヒルデガーンの気の正体か。色んなやつを吸収したからあんな意味分からない気の集まりになっていたのか。だけれどもタピオンさんは何か勘違いをしている。

 

「俺がいつまたあいつを封印するのを手伝うなんて言いました? 俺が……俺達があいつを倒す。そうすればあなたももう苦しまずに済む」

 

「だがそれは簡単な事じゃない」

 

「でしょうね、あの気だけで判断するのなら正直俺の超サイヤ人3じゃ分が悪すぎる。だけど……」

 

 光輝は言葉そこで区切り少し目を閉じて深呼吸をした後タピオンに言った

 

「さっきも言ったはずです。どんな戦い(ゲーム)にも攻略法は必ずあるって」

 

 実際、俺は何となくだがヒルデガーンの攻略法が漠然とだが分かった。後は実戦しかない。イメージトレーニングをしている時間は今はない。このままじゃあいつが他の戦士達を吸収して本格的に手が付けられなくなる。その前に倒さなきゃならねえ。ヒルデガーンに勝てそうな時代の悟空さん達を連れてくる手もあるがそんなのは待ってられない。

 

「弟さんの仇を取りたくないんですか?」

 

 光輝のその言葉を聞きタピオンは少し顔を下げた後、ゆっくりと立ち上がる。その顔は戦意を取り戻した勇者の顔だった

 

 

 




お疲れ様です。
次回はヒルデガーン戦に行く…とは限らない。

ではでは
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