Warrior beyond despair   作:レオ2

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おはようございます。
悟飯VSセルです。と言ってもこのセルはゴルフリ程強くは無いのであっさり終わる。


闇を貫く黄金の嵐

 金色の気を纏った存在と、どこか神々しい白銀の気を纏った人間が激突した瞬間世界が弾けた。

 

「……」

 

「……」

 

 ぶつかった両者は表情を変えずに目にもとまらぬ乱撃戦を始める。消えては現れ消えては現れを繰り返す。

 片方の金色の気を纏い笑みを浮かべる者、正反対の渋々という顔で迎え撃つ者。

 両者はどちらにも傾かない状況に示し合わせた訳ではないが一定の距離を取った

 

「まさかこれほど早く復讐出来る時がくるとはなぁ」

 

 笑みを浮かべていた人造人間、セルが拳を握りながら興奮を抑えきれない声色で話す。その矛先である相手、孫悟飯はセルを睨みつける

 

「そんな事で光輝君をあんな目にあわせたのか」

 

 暗に復讐なら光輝を狙うのではなく自分に最初からやれと言ったのだ。だがセルは不敵な笑みを崩さなかった。

 

「ふふふ。あの小僧か、私の丁度いいウォーミングアップになった。その点では感謝している」

 

 全く感謝してなさげな声色と共に恭しく一礼する。どこかワザとっぽさがあるのは否めなかった。悟飯は何も言わずに再び構えた。

 セルもこれ以上は話すつもりは無いのか腰だめに拳を置く

 

「はああああああっ!!」

 

 セルが気合を入れるのと同時に先程光輝と戦ってた時とは桁違いの気を吹き荒れさせた。悟飯もそれを見て少し警戒した顔になる。

 一方、セルはそんな変わらない姿の悟飯に問いかける

 

「孫悟飯、貴様超サイヤ人にはならないのか?」

 

 今の悟飯は超サイヤ人ではなく老界王神によって引き上げられた力を解き放っている潜在能力を解放した状態だった。だがこのセルは悟飯に殺されかけた時にこの世界に来たセルなのでその事は知らない。

 

「必要になったらなるさ」

 

 その言葉にセルは笑みを崩し悟飯を睨みつける。今の言葉は聞きようによったら「超サイヤ人にならなくても十分だ」と言っているように聞こえる。

 だが事実そうでただの(・・・)超サイヤ人なら今の悟飯にはなる必要はない。寧ろ今の形態の方が燃費は良いし簡単に力を引き出せる。悟飯は別に嘘は言っていない。それをセルがどうとらえるかは別だが。

 セルはそれを舐められていると取ったのか次の瞬間には悟飯の眼前に踏み込んでいた。もし悟飯が光輝なら光輝はあっさりと吹き飛ばされ……いや最悪体を貫く勢いの手刀に本当に貫かれていたかもしれない。

 だが悟飯はそのスピードにキッチリと反応した

 

「ちっ!」

 

 セルは舌打ちをして蹴りを放ち悟飯はそれを右腕でガード、反撃を加えるがセルもそれをガードする。

 一進一退の攻防を光輝は上体を起こし壁にもたれ2人の戦いを見ていた

 

「ははっ、悟飯さん本当に強いな」

 

 光輝は医療忍術で自分の血が出ている個所を抑えながらそう呟いた。

 

「気だけ見れば殆ど互角だ。だけど悟飯さんが若干押している」

 

 光輝がそう言った直後セルの頬に悟飯の拳が刺さる。セルは反撃に右ストレートを放ったが悟飯はそれを躱しつつ逆に背負い投げの要領でセルを地面へと投げた。

 だが直ぐにセルは己の気を吹き上がらせ悟飯に迫る

 

「ただ……セルの野郎がブウみたいに吸収したものの技を使う、みたいな能力が無くて助かった部分もあるな」

 

 セルが使う技は全て採取した細胞の技だ。かめはめ波や気円斬、デスビーム……これらだけでも脅威っちゃ脅威だがそこにもしヒルデガーンの消える能力を会得したら厄介極まりない。

 

「ヒルデガーンは図体が出かかったから攻撃を当てやすかったのもあるしな」

 

 それをスピードを出しやすい人間サイズで使われたらどうなっていたか分からない。それが光輝の正直の感想だ。

 セルは生まれはクソッタレだが戦闘センスに関しては採取した細胞の持ち主たちが並ではない戦士たちなのでまだある。

 

「俺もまだまだだな」

 

 光輝はそう言って自分の額を抑える。未だに頭痛がしている

 

「この弱点も……早く治さないと」

 

 強い力は何かと引き換えて得るもの、それは分かっているが引き換えるものを最小にするのは当然だ。

 というより光輝の場合、この瞳との付き合いは長いのに未だに弱点の治し方が分からないのが何よりも怪しいと思う。

 

「クソ──ーっ!!」

 

 セルは光輝を相手にしていた時よりも余裕の表情を無くし悟飯に迫るが悟飯はそれを顔色を変えずに迎え撃つ。

 金と白、2つの気が何度もぶつかり合う。

 

「セル、自分の能力に過信している内は絶対に悟飯さんには勝てないぞ」

 

 光輝がそう呟くのと同時にセルは吹き飛ばされる。それを悟飯は追いかけセルを更に吹き飛ばす。

 目まぐるしく動き光輝は余り追いかける事は出来ていないが悟飯が負ける訳ないと信頼しているので焦りを覚えていない。

 

(どちらかというと俺が焦ってるんだと思うけどな)

 

 連戦だから……というのは光輝にとって慰めにならない。

 ナルト達の世界で仮面の男に言った通り自分の戦いは勝たなければならない戦い、連戦だからしょうがないと割り切るのは簡単だ。

 だが自分の命は既に自分だけのものじゃない。仲間や家族、大切な人に愛する人が今の光輝にはいる。だから死ぬわけにはいかない。死んでもいいと思っていたSAO前半期とは違う。

 

「このまま何もなかったら悟飯さんが勝てる……か」

 

 光輝の言う通り戦闘力は今は同じくらい、だが悟飯は既にセルの動きを見切り始めている。子供の頃とは違う。甘さも迷いも今の悟飯にはない。超一星龍と戦った後から悟飯は愚直までにその腕を磨いてきた。それにより得た戦闘経験は細胞を得、それを使って戦う事しかやっていないセルにはないものだ。

 

「はっ!」

 

 悟飯の声と共にアッパーがセルに決まり上空に吹き飛ぶ。

 

「くっ!」

 

 セルが苦渋の声を上げ悟飯に気功波を放つ。悟飯も気功波を放ち相殺、それだけではなくもう片方の手で気功波を放ちセルはそれに飲み込まれる。

 

「クソおおおおっ!!」

 

 そんな叫びが聞こえた瞬間爆発する。

 光輝は空中で起こった爆発を見て何となく

 

「汚い花火だな」

 

 って昔のベジータさんが言ってた気がする。

 それにしてもやっぱり悟飯さん強いな。あの時俺と2人係でも勝てなかったのが懐かしいな。

 

「……俺はまたこんな所で燻っているのか」

 

 光輝は自分の拳を握る。本当は自分がセルを倒したかった。自分の言葉の証明の為には自分が勝たなくてはならなかった。それなのに悟飯頼みになった事が何よりも悔しかった。

 超サイヤ人3の先の力……愛美に自分でそんな力を身に着けたいと言った事は本気だ。

 実は光輝は一度、超サイヤ人ゴッドにならないか? と悟空やトランクスに言われたことがある。その時になり方を知った。だけれども愛美に言った事を悟空達に言った。

 悟空もその気持ちが分かったのか「分かった」と言ってその話は無くなった。

 

「お前じゃ俺には勝てないぞ、セル」

 

 悟飯の声が聞こえ光輝は上空を見た。そこでは肩を上下に揺らし息を切らしているセルがいる。セルをここで逃がすという選択肢はない。

 セルがやられたまま逃がされたら何をするかなんて分かり切っている。他の戦士達と戦い糧を得た後に吸収しパワーアップする。

 そうなったら手が付けられないかもしれない。それは流石に阻止せねばならなかった。

 

「ふっ、それはどうかな?」

 

 セルは不敵に笑い両手を顔に持っていく

 

「太陽……!?」

 

 拳! と言葉を続けようとしたら悟飯が目の前から消えた。セルが背後に気配を感じた時には遅かった。いや、敵だから別に遅い方がいいのだが。

 セルは倒壊している建物群に突撃した。

 

「お前のずる賢さは知っているからな。そうはさせない」

 

 悟飯がセルに聞こえるか怪しい声量で言えば建物が爆発した。その中心にはやはりセルがいた。先程よりも息を切らし悟飯を睨みつけていた。

 完全に実力差が出始めた。

 互いに無言で睨みあう。だから2人ともそれが近づいてくるのに気が付かなった。

 

「……! 悟飯さん!」

 

 光輝の叫びに悟飯はそれを咄嗟に躱した。だがセルは疲労のせいかそれを躱すことが出来なかった。

 

「グっ!?」

 

 セルに取りついたそれはまるで寄生するかのように広がった

 

「グアアアアァアッ──!!」

 

 セルに取りついたそれは

 

「ドラゴンボール……?」

 

「いや違う。暗黒ドラゴンボールだ!」

 

 セルが静かになった。瞳は白眼になり生気を感じない。まるでただの操り人形になってしまったかのような状態になった。

 

「暗黒ドラゴンボール……この世界にも来ていたのか」

 

 光輝が思わず呟く。

 暗黒ドラゴンボール……暗黒魔界の王メチカブラが作らせたドラゴンボール。名前は恐ろしいが願いはちゃんと叶えてくれるらしい。

 しかしこのドラゴンボールは普通のドラゴンボールと違って様々な次元に散らばるから今回は除外していた。その認識が甘かったのは今思い知ったが。

 悟飯はセルに注意を向けつつ振り返った。そこには仮面の男がいた。仮面の男と言っても今まで光輝と戦ってきた仮面の男ではない。

 髪を四方八方に伸ばし紅いラインの入った仮面をしている。恰好は漆黒の道着だ。

 

「お前……」

 

 光輝は立ち上がり仮面の男を見上げた。

 

(悟空さん……? いや違う。あんな趣味が悪い仮面をする趣味はない)

 

「さあ、戦うがいい。お前たちの戦いが……私の計画の力となる」

 

「お前は……」

 

 悟飯が呟いた瞬間仮面の男は消えた。暴走状態のセルを残して。

 

「悟飯さんっ!」

 

 光輝が叫んだので我に返り目の前まで迫っていたセルの拳を止めた。しかし先程までは拮抗していたのにもかかわらず悟飯は少し押され吹き飛ばされた

 

「ぐっ!」

 

「ウオオオオオッッ!!!」

 

 知略的なセルとは正反対の雄叫びを上げて悟飯に迫る。悟飯はそれを迎え撃つ。

 

(セルのパワーとスピードが上がってる!?)

 

「ガっ!」

 

 悟飯の腹部にセルの拳が突き刺さり動きが止まる。セルはそれを見逃すことなく拳の嵐を悟飯に叩き込む。

 

「ウオオオオオッ!!」

 

 悟飯の頭部にハンマーナックルを叩き込み悟飯は建物に突っ込んだ

 

「悟飯さん!」

 

 光輝は痛みしかない身体に鞭を打って構える。それを見たセルはニヤリと笑い光輝に接近する。

 

「はっ!」

 

 光輝は気弾をセルに連射し動きを止めようとする。だがセルは攻撃されようとお構いなしに突っ込んでくる。

 その時、光輝の視界がぐらりと揺れた

 

(まだっ!?)

 

 一瞬の頭痛、それは超スピードの戦いの中ではとんでもないデメリットだ。セルも例外ではなくあっという間に光輝との距離を詰めた

 

(まずい!)

 

 セルの手刀が光輝の心臓めがけ突き出されていた。光輝は何とか逸らそうと手を動かすが間に合わない

 その時、セルの背後で轟音と共に光の柱が顕現した。それと共に吹き荒れる莫大な気、辺り一帯を金色に染める程の光。その中から大猿の雄叫びが聞こえる

 セルもそれを感じたのか光輝を貫こうとした手刀のスピードが落ちた。

 

「くっ!」

 

 光輝はそれでも何とか反応し手刀を逸らし躱しつつ距離を取った。そしてその光の嵐を眼に収める。中に人影が見える。

 

(なんて気だ。大きすぎてどの位凄いのかすら分からない)

 

 その人影は瞬きをした瞬間にはセルの目の前に現れていた

 

「え?」

 

 余りの速さに光輝すらこんな言葉が出てきたほどだ。

 そしてその人影は超速の一撃でセルの腹部を貫いた

 

「グアアアアッ?!」

 

「速すぎる……」

 

 その余りに一瞬の攻防に光輝も呆然と呟いた。

 その人影の光が徐々に晴れていくとそこには赤い体毛を纏い、髪も黒髪の状態で伸び瞳は金色に黒の瞳孔という姿になっていた悟飯がセルを貫いていた。

 その貫いた掌には暗黒ドラゴンボールが握られていた

 

(これが……サイヤ人の一つの到達点)

 

 次の瞬間、悟飯は光輝に視認が出来ないスピードで光輝の隣に現れた

 

(超サイヤ人4!)

 

 光輝は隣に現れた悟飯を見ながらそう思った。隣にいるからこそ分かるその強さ。

 

「光輝君、これを」

 

 そう言って暗黒ドラゴンボールを光輝に渡す

 

「あ……はい」

 

 光輝は唖然としながらそれを受け取った。内心では「悟飯さん強ええ」としか思っていなかったが。本気で今まで仮面の男と自分がやって来た戦いなんて他のタイムパトロール達から見たら茶番でしかなかったんだなと思ってしまった。

 

「孫……悟はあああああん!!」

 

 その叫びに2人は地上で失われた腹部を再生させながら立ち上がっていたセルを見る。セルは自分の身に何があったのか分かっているのかは分からないが「正気に戻してくれてありがとう」……なんていうキャラではない。

 

「ブルあああああっっ!!」

 

 気を上げながらセルは急上昇した。そのまま悟飯に突っ込むのでもなく光輝と悟飯の高度を追い越し更に上空まで飛び上がり2人を見下ろす

 

「お……俺をコケにしやがって……絶対に許さんぞ!!」

 

 憤怒の表情と声と共に腰だめに気を溜める。

 

「光輝君、下がって」

 

「は……はい」

 

 そう言って光輝は地上に降り立った。上空では悟飯とセルが睨みあっていた。

 

「避けられるものなら避けてみろ!! 貴様は無事でもこの星は木っ端みじんだ!!」

 

「って結局それかい」

 

 どうしてこの世界の敵達って困ったら星事破壊するという短期的な解決法しか思いつかないんだろう。……だけれどもこのままじゃセルがかめはめ波を放ってしまう。本来は止めるべきなんだけど……

 

(……遠い背中だな)

 

 セルの言葉を聞いても一歩も引かない悟飯を見てそう思った。

 

「か~!」

 

 気を始めるセル

 

「め~!」

 

 セルの掌に青色の光が出現する

 

「は~!」

 

 それはとことん巨大化する。

 

「め~!」

 

 鬼気迫る表情と迫力を持って両手を悟飯目掛けて突き出した

 

「波──-ッ!!」

 

 セルの最強最後のかめはめ波が悟飯を襲った。

 悟飯はそれを見上げたまま……小声のはずなのに凛と透き通るような声で呟く

 

「かー」

 

 悟飯に巨大なかめはめ波が迫る。

 

「めー」

 

 悟飯はゆっくりと動き始めた

 

「はー」

 

 腰に両手を当ててそこにはセルと同じ青の光が溢れ出す

 

「めー」

 

 しかしそれも一瞬で悟飯はそれを上空に一気に突き出した

 

波────ッ!! 

 

 悟飯のかめはめ波、最初は心もとない大きさだった。セルのかめはめ波の方が巨大だ。だが直ぐにその認識は甘かったとセルも光輝も思った

 

(ノーモーション!? なのにあの威力って)

 

 ノーモーション、所謂ゲームでいう溜め動作をせずに技を繰り出すこと。別にそれなら光輝でも出来る。ノーモーションはある程度技に慣れたら誰でもできる。

 だが溜め動作が無いために本来の威力は出しにくい。だが悟飯が放ったかめはめ波はそんなのはお構いなしにどんどん巨大になりとうとうセルのかめはめ波を上回った

 

(技の粘度が桁違いだ)

 

「ば……馬鹿な!?」

 

 両者のかめはめ波が激突……そしてまるでハンカチに水が染みるように簡単に悟飯のかめはめ波がセルのかめはめ波を飲み込んだ

 

「終わりだ、セル!」

 

 悟飯がそう叫ぶのと同時に更に気合を入れた。元々巨大だったかめはめ波が更に巨大になりセルを飲み込み始めた。

 先程まで光輝を圧倒していた存在は更なる圧倒的な存在に敗れた

 

「ば……馬鹿なあああああッ──ー!!」

 

 セルの断末魔が辺り一帯に響き渡った

 

 




お疲れ様です。
超サイヤ人4で瞬殺。光輝に圧倒的な力の差を見せる悟飯さん流石っす。

紅き仮面のサイヤ人、裏ボス的な扱いにするのでこの世界でぶつかる事は…多分ない。

レジェンズでシャロットがブラック&ザマスに結局頼っているのは人間の力じゃないかって言ってて凄いスカッとした。

ノーモーションかめはめ波は超サイヤ人2の時の悟飯を思い浮かべてくれたらいいです。

多分明日出せます。

ではでは
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