Warrior beyond despair   作:レオ2

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おはようございます。

新しい戦い勃発。

今だけの設定で光輝はまだ超サイヤ人4になれるのはなれるんですけど気がある程度残ってないと出来ない…っていう設定にしてます。
悟空ゼノとかは黒髪時には尻尾が無いので光輝も通常時は無しです。

勿論、時間が経ったら気が少なかろうが自由にならせる事が出来るようになります。

前言ったと思いますけど覚醒ラッシュです。


光輝よ、神の力を手に入れろ!

 地球エリア 岩場

 

 

 気持ちが晴れる程の晴天の中、光輝は再び世界を飛んでいた。因みにツフル星での戦いから一週間後だ。

 あのベビーとの戦いの後、光輝はあの超サイヤ人4への変身をある程度余裕があれば出来るようになった。これで少しは悟空達に追いつけたかなと思う反面、同じ超サイヤ人4になったからこそ感じる悟空達との差もまた感じてしまう。

 だが光輝はそんなに気に病んではいない。これから強くなっていけばいいのだから。

 

「……やっぱり難しいよな」

 

 光輝は空を飛びながらそう呟いた。現在光輝が頭を悩ませているのは神の気についてだった。この世界に来る前、ウイスに修業をつけてもらっていた時に神の気になる時の条件みたいなものを考えていた

 

「気を表面化させず自分の中で高める。……理屈は分かるんだけど難しいんだよな」

 

 今も飛びながら試してみているがどうしても体外に出てしまう。

 ウイスさん曰くちゃんと素質はあるみたいなんだけど……なまじ気を神の気にする超サイヤ人ゴッドの前に溢れ出す気を体外に放出する超サイヤ人4になったからやりにくくなったんだろうな……嘘です。只の修業不足です。

 

「やっぱり実践でなる方が手っ取り早いんだよな」

 

 超サイヤ人4一本に絞る事も考えたけど俺の最終目標はあくまでも悟空さん達だ。多分……というか絶対に超サイヤ人4だけで勝てる程あの人達は甘くない。

 もっと変身できるバリエーションを増やして尚且つそれを使いこなせないと悟空さん達には勝てない。

 ただ今のままじゃ超サイヤ人ゴッドにもなれないんだよなぁ。

 

「油断してたらあっという間にやられるような……そんな力を持った人と戦えばいけるかもしれないけど」

 

 そんな都合のいい人いないよな。

 でも確かにそんな人が相手だったら俺も気を張り詰めないとダメだしその過程で多分無意識に体内に気をとどめることが出来る……筈。

 

「休憩しようか」

 

 光輝はそう呟き適当な岩場に降り立ち座った。

 量子変換機から水筒をだして飲む。ごくごくと飲み終わった光輝は生き返った~! という顔をしながら水筒をしまった。

 

「——!?」

 

 その時、光輝は何かの視線を感じ立ち上がった。

 

「誰だ!」

 

 光輝が叫ぶ。だがどこからも返事はない。それが臨戦態勢の合図だと仮定し光輝は超サイヤ人に変身した。そしていつもの構えをしながらあたりを警戒する。

 

「……なんだ、この背筋が凍っちまうような視線は」

 

 まるで殺し屋のような……そんな視線を感じる。まあ今のは物の例えだがそれでも一瞬背中がひんやりとしたのは否定できない。

 超サイヤ人4になって俺は生半端な敵ではそんな視線を受けても背筋がひんやりする事にならなかった。だけど……今のはこの一週間戦ってきた有象無象とは訳が違った。

 俺はそこで気を感じ取る事が出来たのでその岩場の方に身体を向けた

 

「そこにいるんだろ?」

 

 大きな岩場、そしてその陰に隠れている誰かに光輝は言った。しかし返事はない。戦うつもりもないのなら光輝はここをさっさと離れるつもりだが……

 

(動かない、どういうつもりだ)

 

 光輝が先程まで座っていた岩場の頂上から光輝を見下ろす人影がいた。光輝は未だに岩陰の方を見ている。その人影の主がゾクッとするほどの低い声で言った

 

「お前を殺しに来た」

 

「——!?」

 

 光輝は自分が実質背後を取られたことに一瞬体がビクンと震えた。声をかけられなければ気が付かなかったかもしれない。しかしここまで培ってきた気概を持って問いかけた

 

「へえ。こんな簡単に背後を取られるとはな……」

 

 少しショックを受ける。自分も相当強くなったつもりだが……上には上がいるものだ。

 

「仕事を始める、こっちを向け」

 

 光輝は別にそれに従ったわけじゃないが勢いよく距離を取って振り向いた。上から自分を見下ろすのは紫色の肌を持った人間。黒っぽいロングコートを着ている。

 その冷徹な赤き瞳が光輝を見下ろしている。

 

「お前は……」

 

 その人物がポケットに手を入れたまま岩から降りてくる。そして右手をポケットから出す。

 

「俺の名前はヒット。お前を殺すよう依頼された、西沢光輝」

 

 光輝は構えながらヒットを観察する。しゃきっとした佇まいからは自分を殺せるという自信が溢れ出しておりそれを証明するかのように

 

(隙がねえ)

 

「……だったらさっき俺の背後を取った時に殺せばよかったものを」

 

「背後に立つことで人は死を覚悟する。背後に立つのはその為だ。そして……」

 

 ヒットは言葉を区切る。その瞳で光輝を射貫く

 

「殺すのは正面から一撃と決めている」

 

「一撃……か」

 

 光輝はそう呟きヒットを見据える。しかし直ぐにその口元を笑みを浮かべ

 

「そう簡単にいくかな? 俺は強いぜ?」

 

 そう言った瞬間、光輝は金色の気を纏いヒットに突撃した。そしてその鋭い右ストレートをヒットの顔面へと放った

 

(捉えた!)

 

 しかし……

 

「何っ!?」

 

 光輝の攻撃がすり抜けたのだ。光輝は何度も拳や蹴りを放つがそのどれもが透ける。それを見て光輝は距離を取った。

 ヒットはそこにいるのにもかかわらず攻撃は当たらない。

 

(どういう事だ? まさかカカシさんの神威と似たような能力なのか?)

 

 嘗て巻物で見たナルトの先生であるカカシを思い浮かべる。

 しかし神威の為に必要な写輪眼はヒットにある訳ないし完全に違うものだとは分かる。

 

(取り合えず……こいつの能力を判断しない限り俺に勝機は無い)

 

 ヒットはあくまでも一撃を望むのか全く攻撃をしてこない。

 動いたのは光輝、高速で印を結び大きく息を吸った

 

「火遁・豪龍火の術!」

 

 光輝の口元から勢いよく出て来たのは龍の形を模した炎だった。ヒットはそれを見ても微妙だにせず豪龍火はヒットのいる場所へと直撃し爆発した。

 光輝はそこで一瞬気を0にした。それと同時に影分身を出して気を消した本体の光輝は適当な岩陰に隠れた。……見つかるかは賭けだが何も分からないままでは埒が明かない。

 

「無駄だ、お前に俺を捉えることは出来ん」

 

「余裕噛ましてたら足元救われるぜ?」

 

 影分身の光輝は不敵に笑いヒットに攻撃するがやはり攻撃は透けていく。だが体は見えているという不思議な現象になる。

 

「チっ」

 

 舌打ちし分身光輝は距離を取る。物理攻撃が無駄なら遠距離攻撃をしようと気弾を形成する。

 その瞬間、ヒットが目の前に現れ光輝は咄嗟に後退する。ヒットはそこでポケットから出した手を握り光輝目掛けて引いた岩陰から本体の光輝はそれを見て思考する

 

(その距離じゃ拳は届かないぞ。……まさか!)

 

 飛ぶ打撃!? 

 

 光輝がそう思考した瞬間、岩陰に身を潜めている光輝の前方から

 

「終わりだ」

 

 その声だけが聞こえ……

 

「ガハッ……!?」

 

 光輝が苦し気な声を上げた。その光輝の心臓部分はこれでもかという程練り込まれていた。そして今まで味わった事もない絶対的な痛みだけが光輝の肉体に走る。

 呼吸もままならず光輝は膝を付いた

 

「何が……起き……て」

 

 その言葉と共に光輝の超サイヤ人が解かれ、光輝は前のめりに倒れた。

 

 

 ★

 

 

 ??? エリア どこかのアジト

 

 電子機器の電子音だけがこの部屋に響く、その電子音の元では今行われているサバイバルの映像が映し出されている。

 

「もしもこの世界がまだあって貴様の墓が出来た時、また来る」

 

 その内の一つの映像を見てシーラスがほくそ笑む

 

「流石だな、第6宇宙の生ける伝説ヒット。あの小僧をこうも簡単に仕留めるとは」

 

 シーラスの計画ではどっちにしろヒットどころか自分以外の人間には消えてもらう予定だが使えるものは使おうという算段なのだろう。

 そんな時、背後のドアが勢いよく蹴られ破れた。あわただしく入って来たのはあの仮面の男だった

 

「貴様どういう事だ!」

 

「何がだ?」

 

「これの事だ!」

 

 そう言って指さしたのは光輝がヒットによって殺されていたところだった。

 

「あいつは俺が殺すんだ、あんな訳の分からない奴に何故やらせた!?」

 

「落ち着け。お前は計画を勘違いしてないか?」

 

 そう言われ仮面の男は怒りの形相のまま一歩引いた。それを見たシーラスは立ち去ろうとしているヒットを見ながら言った

 

「俺達の計画はあの小僧を倒す事ではない。俺達の世界を……宇宙を創る事だ。それをお前も望んでいるのだろう?」

 

「……ちッ!」

 

 仮面の男は舌打ちして部屋を去ろうとした。適当にどこか彷徨って誰かと戦ってストレスを発散したい気分だったのだ。

 シーラスはそんな仮面の男を見てやれやれと肩を竦めた。だが……

 

『……てよ

 

 その小さくも呟かれた言葉が映像から飛び出した。シーラスは驚愕の顔になりながらも映像を見た。

 

「馬鹿な!?」

 

 シーラスは驚愕していたが……仮面の男はその仮面の下でニヤリと笑った

 

(そうだ。貴様は俺がやるんだ。それまで誰にも殺されるなよ)

 

 シーラス言う通り計画はあくまでも光輝を殺す事ではない。その先を見据えた計画だ。それでも……仮面の男は自分が光輝と決着をつけたいとずっと思っている。

 ここで光輝に死なれては困るのだ。

 

(俺も貴様以上に強くなってやる。待ってろ)

 

 そう思考しながら仮面の男は部屋から出ていった

 

 

 ★

 

 

 殺し屋ヒットは今までの人生で一二を争う驚愕に見舞われていた。

 ヒットが光輝に放った人体にだけ影響がある透明な気弾、光輝はそれを心臓にもろに受けた。普通は心臓に直接攻撃を受けたら誰もが死ぬ

 なのに……

 

「お前……」

 

 彼の目の前ではビクビクと体を震わせながら光輝が立ち上がっていた。息も切れ切れ、一撃で殺されたことによりダメージがでかいが光輝はその足で立って力ない笑みを浮かべてヒットを見ている。

 

「お前……どうやって」

 

 流石のヒットもこれには驚きを隠せない。

 かつて……という程昔でもないが第7、第6宇宙の対抗戦でヒットと戦った悟空ですら一度は死んだというのに。しかし光輝はどういう訳か生きている。正面から一撃、そのスタンスが…こだわりが崩壊した。

 

「ハハ……悪いが。そう簡単に死ねないんだ」

 

 そう言っている光輝が心臓部に手を当てている所から青白い稲妻が迸っているのが見えた。

 

「まさか……お前」

 

 それを見て光輝が何をやったのかをヒットは理解した。

 光輝は不敵な笑みを浮かべていたままだった。

 

「自分に電気を流して心肺停止した心臓を動かしたというのか?」

 

 光輝は意識が無くなる寸前、自分の肉体に千鳥を微量で……というより微量しか流せなかっただけだがそれにより無理やり電気信号を加速させ動かなくなった心臓を動かし生還したのだ。

 

「……無茶をする」

 

 ヒットが心底呆れて、そしてそんな無茶苦茶が自分もまだ殺しの依頼を受けている人物を思い浮かばせる。ヒットは光輝に興味を持った。

 

「無茶でもなんでも……俺は生きて帰らなきゃいけない場所がある」

 

 光輝は息を整え生気を取り戻した眼でヒットを見据える。そして少し強引に気を高め超サイヤ人に変身する。

 

「それに……ベジータさんと約束したんだ。サイヤ人として……無様な戦いだけはしないって」

 

「——! ……ほう?」

 

 ヒットは光輝が超サイヤ人になったのを見てサイヤ人と言う事は分かってはいたがどうやら自分の知り合いの知り合いらしいと言う事は分かった。そこで俄然光輝へ興味が出て来た

 

「……孫悟空を知っているか?」

 

 自分でも喋り過ぎだとは思っているが悟空達の知り合いならば……楽しめるかもしれないと考えた。殺し屋らしくは無いと思ってはいるが。

 光輝も流石に自分を殺しに来た殺し屋が悟空の名前を出してくるとは思わず眼を見開いた。しかし体力を少しでも回復させるために付き合った

 

「ああ。あんたの知っている悟空さんかは知らないが俺の師匠だ」

 

 それを聞いたヒットがふっと笑った。この人……俺のイメージしている殺し屋とは違う、多分……現実主義者だけど普通の殺し屋みたいな非情な冷徹漢とはなんか違うな。

 それどころか悟空さんの名前を出したこの人は笑った。何でなのかは知らない。だけど……

 

「俺よりもずっと強いからな、悟空さんは」

 

「ふ……知っているさ」

 

 そう言ってヒットは構えた。さっきは構えすらしてなかったことを考えると少しは俺に興味を持ってくれたのか。

 まあそれは嬉しい反面この状況が不味いのは確かなんだよな。でも……

 

「やってみるとするか」

 

 はっきり言って結構体力を持っていかれたな。でもそこではいそうですかって逃げる訳がない。この戦いはただの通過点だ。

 俺にとって新しいステージに行くための

 

「……行くぜ」

 

 光輝は自分を鼓舞するかのように気を吹き上がらせヒットに突貫した。目の前で攻撃するかと思わせて超スピードで背後に周り拳を振り下ろした。

 しかし……

 

「——ぐあっ!?」

 

 ヒットの動きが消えたと思ったら俺の人中にヒットの拳が突き刺さっていた。俺は一瞬呼吸が出来なくなり咄嗟に離れて息を整えた。

 

(こいつ……急所を狙っているのか)

 

 だけど……動いている俺にあわせてそれをするのは難易度が高い筈だ。それに最初にやられたすり抜けをしてこない。

 舐められている訳では無い筈だ。……とはいえこの人一体幾つ手があるのか想像がつかねえ。油断したらあっという間にやられる。

 取り合えず技を見切る! 

 

「多重影分身の術!」

 

 光輝が印を結ぶと総勢30人の光輝が煙の中から現れヒットに突撃した。

 

「ほう……分身か」

 

 ヒットはそう言いながら渋々と対応する。光輝はそれを遠目に見ている。もう先程のようなやられ方はしない。これだけ分身がいれば一瞬で本体を見つけることは出来ないはずだし一人一人潰した方がヒットにとっては良いと言う事も織り込み済み。

 

(やっぱりそうだ)

 

 攻撃がすり抜けたりして躱されあまつさえいきなりヒットの動きが切れるのを光輝は見ている。次々と分身が消える中分身達が経験したことを頭の中で整理している。

 そして……確かにどういう訳か攻撃の一瞬、ヒットの動きが完全に追えなくなる時がある。そしてその動きをされた時は必ずと言っていい程急所に攻撃が当たるようになっている。

 残り10人となった時、光輝はチャクラの無駄遣いをやめて影分身を解いた。先程からその場をほぼ動いていないヒットは残った光輝に問いかけた

 

「どうした、降参か?」

 

「まさか、あんたの突破口を見つけたというのに降参する訳ないだろ」

 

「……ほう」

 

 光輝はヒットを前に構える。

 

(まだ体力は戻らねえ。ちょっと今の状態じゃまだ変身に慣れていない超サイヤ人4になるのは厳しいかな)

 

 だけど……

 

(こんな状況を待ってたんだ、極限での戦い)

 

「あんたには俺の修業に付き合ってもらうぜ!」

 

 光輝はそう叫びヒットへ突撃した。光輝はこの瞬間、自分の体内で気を高め始めた

 ヒットは手をポケットに手を入れたままそれを迎え撃つ。光輝の拳がヒットを捉えようとした瞬間、光輝は膝を上げて攻撃ではなく防御した。

 そしてその膝がヒットの蹴りをガードした。まともに食らっていたら吹っ飛んでいただろうその攻撃はガードしてもダメージがあるがまともに食らうよりずっとマシだった。

 

「——!」

 

「こっちだ!」

 

 光輝が叫びながら回し蹴りを放つ、その場所にはヒットがいて頬にかすって血が出てくる。

 光輝はそれを見て距離を取った

 

「へへ……当たったぜ」

 

「……どうやらまぐれではないようだな」

 

 ヒットには分かる。光輝は自分の動きを先読みしてそこに攻撃を繰り出しているのだと。自分のライバルが最初破った方法で。ヒットは内心「あいつの弟子らしいな」と思った。

 光輝はニヤリと笑い再びヒットに迫る。ヒットはそこで初めて大きく動きその身を消した。光輝もヒットを追い姿を消す。そして光輝と空中でぶつかり合う。

 消えては現れ再び姿を消す。一瞬で何100通りという読みあいが行われ轟音が鳴り響く

 ヒットが攻撃の途中で完全に動きを消し前方にいたのにも関わらず背後から攻撃を繰り出す。光輝はそれを更に先読みしてヒットの背後を取り返し蹴りを放つがヒットはそれを腕を立てガードする。蹴りとガードがぶつかり合い軽い旋風が吹く。

 ヒットが笑み浮かべたまま光輝に言った

 

「見事だ、俺の”時飛ばし”を攻略するとはな」

 

「……時飛ばしって言うんですね」

 

 光輝はそう言って少し離れる。距離という概念も超スピードで動くことが出来るヒットには殆ど意味がないのだが。動いている者を視認する事は光輝には出来る。だがヒットの言う時とばしをされた時は完全にヒットはここじゃないどこかにいるので動きが追えない。

 だからこの少し離れた程度の距離もヒットからすれば0距離と何にも変わらない。しかしヒットも会話を区切るほどやぶさかではないのか単純に光輝への興味があるのか会話をする。

 

「知っていた訳じゃないのか?」

 

「ああ、今初めて知ったさ。成程、最初のすり抜けもそれの応用か何かか」

 

「ふ、それはどうかな」

 

 光輝がヒットに迫る。ヒットは笑みを浮かべたまま迎え撃った。光輝の拳がヒットを最初と同じように捉えるが今回は最初の様に透けた。

 

「だりゃりゃりゃ!!」

 

 光輝の拳の嵐がヒットを襲うがヒットは全く動かず透けて攻撃が当たらない。光輝は攻撃しながらもヒットに言った

 

「お前、この状態の時はどこかに隠れてるんだろ?」

 

「その通りだ」

 

 光輝はそれを聞き再び距離を取る。

 

「そしてお前のいる場所はこの世界でもない。……その時飛ばしって奴で飛ばした時間を使ったパラレルワールドのような場所にいる……違うか?」

 

 光輝が聞きながら再びヒットに攻撃するがやはり攻撃は透けて当たらない。だが光輝はやめるどころかもっと激しく攻撃する。

 ヒットは流石に驚いた表情をした

 

「……正解だ。何故分かった?」

 

 ヒットから見て光輝は時飛ばしだって今回初めて知ったはずだ。その時飛ばしの種を自力で見破っただけでも敵ながら見事だと思っていた。しかし光輝はそれだけにとどまらずこのすり抜けの種も見事に看破して見せた。純粋に驚いたのだ。

 

「やっていることは違うけどあんたと似たような能力を持った人の戦いを見たことあるんだ。その人は攻撃されている箇所だけを異空間に移動させるってやり方をしてたけど……」

 

 カカシさんの親友さんの事を思い浮かべながらそう答えた。しかしまだ俺がこう思った理由はある。

 

「あんたが時飛ばしやそのすり抜けをする時、一瞬だけど時空間に出た時と同じような感覚を感じたからだ」

 

 光輝は仕事柄結構時空間へと出る。時間に関する空間なだけあってそこでは普通の場所とは違う感覚がする。

 その時の感覚とヒットが時飛ばしを発動するときに一瞬周囲に発する感覚が似ていたのだ。ヒットはそれを聞き興味深そうに聞いた

 

「お前も時間に関する技を持っているのか?」

 

 ならばなぜやらない? と言いたげな顔で見てくるが俺はそんな凄い能力はねえよ。というかこの人殺し屋なのに結構喋るよな。もしかしてプライベートじゃ悟空さんと仲良かったりするのかな? 

 ……ってそんなのは今はどうでもいい。

 

「仕事柄よく時間に関する空間に出るもので」

 

「成程な。だが種が分かった所でお前にはどうする事も出来ん」

 

 ヒットがそう言ったら視認できるヒットが拳を握り右ストレートで突き出した。それは普通にやっている分だと俺には当たらない。

 だけどこの人には見えない打撃がある。俺は咄嗟に勢いよく後退する。それと同時に俺がいた場所に攻撃による空気の乱れが吹き抜けた

 

「そうかもな。だけど……はいそうですかって諦めるような性根はしていない」

 

 光輝は笑みを浮かべ気を体内に溜めながらヒットに迫る。

 ヒットが時飛ばしをすれば光輝はそれを影分身で得た経験をもとに予測し先読みする。ヒットはその予測を更に読みその先を予測する。光輝もまたそれを先読みする。

 

「——!」

 

 光輝が振るった攻撃がすり抜けた。光輝がそれに一瞬気を取られヒットの拳が光輝の喉仏にヒットする。

 それで倒れかけるが意地でそれを耐えて蹴りを放つ。ヒットはそれを時飛ばしを使用して躱すだけではなく金的に向けて攻撃する。

 それを光輝は読み蹴りを途中でガードに回して凌ぐ。そして再び時飛ばしを交えた乱撃戦が始まる。

 幾千の乱撃戦の最中、ヒット少し冷汗をかく

 

(こいつ、感じられる気は少なくなっていくが戦闘力は逆に上がっていくだと!?)

 

 光輝は油断できない極限状態の中、気を張り詰め徐々に体内に気を溜め始められていく。それに伴い今まで光輝の気と身体を見て感じ動きを予測していたが段々とその動きが読みにくくなっていたのだ。

 ヒット自身は本気を出していない。

 それでもこの光輝の力の上り加減は予測を上回って来る

 

(少し本気を出すとするか)

 

 ヒットがそう思考した瞬間、時飛ばしが発動し光輝の腹部へヒットの攻撃が突き刺さっていた。ヒットはあくまでも仕事で光輝と戦っている。自分の感情がどうであれ光輝をここで殺さなければならない。光輝が死んだふりでもしてくれたら話は簡単なのだが。

 

「ぐっ!」

 

 光輝が一瞬苦悶の声を上げる。しかしヒットはそこで止まらず再び時飛ばしを発動し先程までと比較できない程の連打と重さが乗った拳を放つ。

 飛ばされた時の後の動きを光輝は予測できるが飛ばされている最中の攻撃は避けられない。ヒットの時飛ばしが終わった時、ヒットは終わったと言わんばかりに背を向けた。

 それが舐められていると思った光輝はヒットに拳を振り下ろそうとするが……

 

「終わりだ」

 

「──!? ぐああああああッ!!」

 

 唐突に自分の肉体のあらゆる所から先程までの攻撃と比較できない重さの……例えるなら今までは鉄だったものが大き目な鉄球に変わった位の攻撃が光輝の肉体に突き抜け吹き飛ばされた。

 吹き飛ばされた光輝はそのまま巨大な岩場に突撃した。勢いよく突撃した光輝に岩場は耐えられず崩れていく。

 

「進化するお前を更に超えたい気持ちもあるが、俺も仕事がある。悪く思うな」

 

 ヒットは今の攻撃は殺すつもりで行った。実際何個かは光輝の急所目掛けて攻撃したし光輝も一瞬白目をむいてた。ヒットは友と別れるような哀愁が漂った表情をした後、歩いて去っていく

 

 ★

 

 視界も何も見えない暗闇の中、光輝はヒットが去っていくの感じていた。今の連撃でヒットは全く本気ではなかったことを知り笑みを浮かべていた。

 自分よりも上の人がまだまだいる事に嬉しさを覚えた。殺し屋なのは憤りを覚えるがヒットが浮かべていた笑みが光輝には引っかかる。

 

(ああ、強いなぁ)

 

 至る所から激痛が走る。一気に急所を攻撃されて満身創痍になってしまった。多分、超サイヤ人4の強靭な肉体なら耐えられたと思うけど……最初死にかけた時に体力をごっそりと持ってかれたからな。

 ウイスさんのいう神の気で対抗するしかないと思ったけど甘かった。

 

(悟空さん達以外にあんな人いるなんて世界は広い)

 

 岩に身体を押しつぶされて虫の息だ。普段ならこんな岩簡単にどかせるのだが今は少し力が出ない。仙豆を食べるって手もあるけど……今のこの感覚を忘れたくない。今俺の中に留めている気を外に出さないためにも。

 それに……何となく分かって来た。神の気が何たるかを。

 

(自分の弱さを認め、それを超える事で得る力……俺にとっては少なくともそんな力なんだろうな)

 

 光輝の身体から徐々に赤く輝くオーラが吹き出していく。黒髪が徐々に赤く変化していく。

 

(俺はまだ戦える。限界なんてくそくらえだ)

 

 段々と光輝の身体から痛みが引いていく。

 超サイヤ人4程身体に力が漲って来る感覚はしない。それでも……今の自分の力が超サイヤ人2・限界突破よりも遥かに上と言う事は分かった。

 それが実感できるのにも関わらず自分は不思議と落ち着いている。

 

「……行くか」

 

 普段の光輝と変わらない声を発して限界を超えた

 

 

 ★

 

 

 ヒットは仕事を終えあてもなく歩いていた。報酬は元の世界に戻れた時に受け取ると契約している。はっきり言ってヒットはシーラス達に不信感を抱いているが殺し屋として依頼主については深入りはしていない。

 もしその依頼主が自分諸共消し去るための計画か何かの一部ならヒットもこの仕事は受けないだろう。誰が好き好んで自分を消す仕事なんてするか。

 

「……ん?」

 

 しかしヒットは先程、光輝と戦っていた場所から約10キロ離れた所で揺れを感じた。地震か? と思ったのも束の間、凄まじいプレッシャーが自分に向けて接近していることに気が付いた。

 

「まさか」

 

 自分は正真正銘本気で殺すつもりでやった。やった自分が言うのもあれだがあれだけ急所に攻撃を受ければ戦闘不能は確実、9割の可能性で死ぬはずだ。

 それも全開だった場合であの攻撃を受けた時には光輝自身は既に疲労しきっていてダメージも受けやすかったはずだ。

 それなのに……

 

「……来たか」

 

 そう呟いたヒットの目の前に赤い気柱が勢いよく、その場を弾きかねない速度で降り立った。その赤い気柱の中の人影が言った

 

「勝ち逃げは許さねぞヒット」

 

 赤い髪にオーラ、眼は黒い瞳孔がある赤眼。体格は普段の彼よりも痩せスタイリッシュになった。どこか余裕を感じさせる笑みで言った

 

「さあ、ファイナルラウンドの開戦だ!」

 

 赤きオーラを輝かせ、超サイヤ人ゴッドに変身する事に成功した光輝はヒットと向かい合った。




お疲れ様です。

光輝、超サイヤ人ゴッドになりました。儀式無しのベジータ方式です。

神の気は気を消すのではなくて体内に留め続ける。それで出来た気がクリーン故に常人には感じることが出来ない。

ヒットの時飛ばしは絶対に油断していたらあっという間にやられるので常に体内に気を溜めて尚且つ神の気になってきている事を表現する為に戦闘力上昇と動きの読みにくさを表しました。

えーと、超サイヤ人4は今回はお休みです。
単純に儀式無しゴッドになるのに丁度いい相手がヒットだった。だから一回死にかけになってもらって超サイヤ人4に慣れない状態にしてゴッドになるしかないと光輝に思わせました。

では次回、VSヒット…の前に前座戦です

ではでは
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