Warrior beyond despair   作:レオ2

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おはようございます。
今回からは究極の人造人間編です。


光輝VS未来を壊す悪魔

 地球エリア

 

 ドラゴンレーダーが指し示す方向へと光輝は飛んでいく。先程までのどんよりな雲模様ではなく今は晴天だ。そんな中光輝はザマスの事を考えていた。

 さっき戦ったザマスは氷の中に封印した。封印と言っても氷の中に閉じ込めただけだがあれはもう封印と言っても過言ではない。別にあのザマスが偽物だと思っている訳では無い。光輝が寧ろ気になるのは……

 

(……あのザマスって奴、悟空さんやベジータさんよりもずっと弱かった。俺がゴッドじゃなくて超サイヤ人2でも勝てたと思う。そんな奴がどうしてあのセルを倒した後も修業して強くなったトランクスさんを抑え込んで全王を呼ぶような事態になったんだ?)

 

 

 確かに不死身なのは武器だ。それで永遠に攻撃されればトランクスさんと言えどひとたまりもないだろうがそれならまだあの未来世界には武天老師さまがいるから魔封波を教えてもらえばまだ何とかなった筈だ。

 

「トランクスさんが知らなかった可能性もあるけど……」

 

 実際、未来のトランクスは魔封波の事は知らなかった。封印技である魔風波はザマスのような不死身と相性が良い。光輝自身が魔風波を身に付けている訳では無いが知識としては一応知っている。

 つまり光輝が言いたいのは……

 

「本当にザマスだけが人間0計画をしようとしていたのか?」

 

 どう考えてもザマスだけでは力不足。それが光輝には気になった。それにもう一つ気になる事がある。あのザマスの能力や戦闘スタイルはあの時も思ったがどんなふうに考えてもサポーター向きだ。間違ってもアタッカーではない。

 

「……あいつ以外の仲間がいると考えた方が良いよな」

 

 さっきは別行動中だったのか知らないがそれはそれで各個撃破出来て良かった。まあ、ザマスがあの分だと超サイヤ人ゴッドの俺を越えている奴が仲間とは考えづらいけどな。

 どんな仲間か知らないがくだらない計画は阻止するに限る。

 

 などと考えている内にドラゴンレーダーの反応が近づいてきた。徐々にレーダーが指し示す場所まで近づいてきたとき、光輝は気を段々と感じられるようになってきた。

 

(……この気は……やっぱりあのジンクスがあるのかなぁ)

 

 だがのんきにそんな事を考えられたのは最初だけだった。ドラゴンレーダーが示す場所と光輝が感じた気の場所は殆ど同じ場所だ。

 そして、その場所に感じた気はどんどんと小さくなっていく。それに……

 

「……不味い」

 

 光輝は一言そう言ってスピードを上げた。言うならば先程までジョギング程度だったのを全力ダッシュに変えたくらいのスピードで遥か彼方に飛んでいく。

 

(気は段々と減っていくのに相手の気が分からない。つまりあの人が今戦っている相手は……)

 

 そこまで考えた時、光輝は白色の気の中に金粉が混ざった神の気を放出しスピードを上げた。そしてスピードを上げ向かっていた先にある街から爆発が起きた。

 その爆発の中から一人の少年がボロボロになりながら宙を舞っていた。その少年は……

 

「トランクスさん!」

 

 光輝は宙に吹き飛ばされていたトランクスに肩を貸し街の道路へと着地した。肩を貸しているトランクスを見ると若い。

 セルゲームの時に見たトランクスよりも若いだろう。つまりこのトランクスは……

 

「タイムマシンに乗る前のトランクスさんか」

 

「う……貴方は……?」

 

 剣を背負っていることからも悟空さん達の世界に来る予定だったトランクスさんで間違いないと思う。どちらかというと未来の悟飯さんに会った時のトランクスさんに近い。

 

「貴方の味方です。立てますか?」

 

「は、はい」

 

 トランクスさんは俺の肩から離れその足で立った。取り合えず大丈夫そうなのを見て俺はトランクスさんが吹き飛ばされてきた方角を見る。そこには気を感じない、だが俺は気を感じない者を知っている。

 それは……

 

「何だ、そいつ。トランクス、お前の知り合いか?」

 

「どっちでもいいよ。殺すことに変わりはないんだからさ」

 

 少年っぽい声と少女っぽい声。その声を聞いた瞬間、俺の記憶が一瞬過去へと飛んだ。悟飯さんと2人係でも勝てなかった人造人間。

 世界を破壊しつくし人間を憎んだ双子の人造人間。

 

「17号、18号……か」

 

 切れ長のツリ目とストレートヘアーが特徴の、シャープで中性的な顔立ちの青年……17号。

 切れ長のツリ目から覗く青い瞳と、金髪のストレートヘアーが印象的なクールな顔立ちの女性……18号。

 2人の人造人間は光輝を見てもその態度を崩さない。

 

「へえ、俺達の事を知ってるのか」

 

「私達も有名になったものだねえ」

 

 その余裕の態度を見て光輝は眼を閉じた。

 別に現実逃避をしている訳では無い。寧ろその逆、今あの未来での戦いを思い出していた。手も足も出ずに負け悟飯を目の前で死なせてしまった時の怒り。

 今でも鮮明に思い出せる。そして……その過去を真に乗り越えるためのチャンスが今、ここにある。

 

 俺はトランクスさんを背に少し前に出た。ゆっくりと眼を開ける。目の前にはあの二人がいる。この2人はトランクスさんが変えた歴史の2人じゃない。正真正銘あの時の2人だ。

 

「この2人は俺がやります。トランクスさんは少し離れてください」

 

「で……でも」

 

 そこで光輝は目の前を警戒しながら少しトランクスの方を見た。その時の光輝と師匠である悟飯がトランクスには重なって見えた。

 似ているのは髪のみなのに不思議と悟飯と重なったのだ。光輝は何も言わずにその背をトランクスに向ける。

 

「おいおい。折角2対2に出来る所なのに一人で俺達に挑むとか馬鹿なのか?」

 

「ふふ、やめてあげな17号。馬鹿だからあたし達に挑むんだよ」

 

「それもそうだな。俺達に挑む奴はどいつもこいつも馬鹿ばかりだ。勝てる訳ないのに無駄な努力しているんだからな」

 

 光輝は何も言わず、ただ静かに金粉が混じった白色の気を纏う。気を感じ取る事が出来るトランクスは驚愕する。

 

「す……凄い。なんて気だ。あの時の悟飯さん以上の気だ!」

 

「ふん。孫悟飯程度の奴を越えたくらいで俺達にも勝てるとは思わない事だな」

 

「本当にそうだよ。あんな雑魚位で……」

 

「言いたい事はそれだけか?」

 

 18号の言葉を光輝は遮った。18号は自分の言葉を遮られたことで眉を顰め光輝を睨みつける。だが光輝は2人を見据えたまま歩き出す。

 

「はっ! 本当に俺達に勝てると思うのか?」

 

「やっぱりこいつ馬鹿だよ!」

 

 2人は笑みを浮かべながら光輝を見る。だが光輝の視線は揺るがず徐々に2人に近づいてくる。何も言わず近づいてくる光輝が不気味に思ったのか2人は気弾を光輝に向けて放った。

 その気弾は弾かれることもなく光輝目掛け着弾した。その証拠に光輝がいた場所から煙が上がる。

 

「ほらほらどうしたどうした!」

 

「大見え切ってこの程度かい!」

 

 2人はそれで止まらず更に気弾を連射する。手数が単純に多い2人の攻撃は止まる事を知らない。それを目の前で繰り広げられているトランクスは名前も知らない光輝を心配する。

 人造人間、そして永久エネルギー炉を持っている双子は体力が絶対に減らない。だから一見無茶に見える連続攻撃もこの二人からすれば朝飯前なのだ。いや、寧ろ手数で圧倒するのがこの2人のファイトスタイルと言ってもいい。その恐ろしさはトランクスにはよく分かっている。

 だが……

 

「誰がこの程度だって?」

 

 そんな言葉が2人の背後から聞こえた瞬間、2人は驚きの余り一斉に背後に向いた。だがそこには誰の姿もない。

 それに戸惑い前を向いた時、目の前に光輝が迫っていた。神々しい白色の気を纏った光輝は2人の間を通り抜けた。

 

「——ッ!?」

 

「ぐああッ?!」

 

 2人がそれを認識した時、唐突に足から力が抜け2人は倒れた。光輝はそんな2人を上から目線で見下ろす。

 

「……成程な。どうして俺の基本戦闘力が上がったのか分からなかったけどゴッドの世界を少しだけ吸収したのか」

 

 超サイヤ人ゴッドになった後から通常状態で出せるようになった金粉が混じった白色の気、あれの時前よりも基本戦闘力が上がっている。

 最初はなぜなのか分からなかったけどゴッドになったから俺の基本戦闘力が上がったのか。

 

「……これでも黒髪状態の悟空さん達に敵わないのか。トランクスさん以外ゴッドにはなってない筈なのに……改めて凄いなあの人達」

 

「ぐ……孫悟空……だと?」

 

 17号が苦渋の表情を浮かべて立ち上がる。俺は感傷に浸るのをやめて目の前で地べたに膝を付いている二人を見る。

 すれ違いざまにこいつらの足の関節とついでに身体に攻撃した。それもこいつが反応出来ないスピードで。あの時手も足も出なかったこいつらに。だがまだだ

 

「調子に乗るなよ雑魚が……!」

 

「絶対に許さないよお前は!」

 

 闘志を奮い立たせて立ち上がったこいつらを見る。そして思い出す。あの時の記憶を。多分、俺の記憶の中で1,2を争う位辛かったあの時を。

 金色かかった白色の気を更に吹き上がらせて光輝は2人の人造人間を指さした

 

「来い、人造人間。あの時の俺より強くなった事を証明してやる」

 

「貴様の事なんか知るか──ッ!!」

 

 17号がそう叫び気弾を放つ。光輝はそれを上に弾く。弾かれることは織り込み済みだったのか2人はそのまま光輝に突撃してきた。

 光輝はそんな2人を見て地面に気弾を投げつけ煙幕を張りその間に上に飛んだ。2人も光輝が上に向かったのを感じて追う。疲れないメリットを最大限に生かし光輝を追いこす

 

「はああああっ!!」

 

 17号と18号は両手にエネルギー弾を作りそれを光輝に向けて投げ飛ばす。それを見た光輝は未来の悟飯の技、爆魔障壁で防いだ。エネルギー弾と爆魔障壁がぶつかった事により爆発が起きる。

 その爆発に紛れて18号が光輝を殴りつけようとするが光輝はそれを右手で簡単に受け止める。反対方向から17号も右ストレートを放つ。それを光輝は18号を片手で1回転させることによって盾にする。17号はそれに気が付き実の姉を殴るのを躊躇い動きが止まる。

 

「——ふっ!」

 

 だが光輝からすればチャンスなので18号事気功波をぶつけ17号諸共轟音と共に吹き飛ばした。

 

「ぐああっ!!」

 

 その桁違いの威力に2人は一緒に吹き飛ばされる。だが光輝はそこで終わらず吹き飛んでいる二人をあっという間に追い越した。

 態勢を取り直した二人が前を見れば光輝が蹴りを放っていたところで18号が鈍い音共に吹き飛んだ

 

「18号ッ!」

 

 吹き飛んだ18号を17号が助けようと動き始めるがそれよりも早く光輝が17号も18号の元へと吹き飛ばしていた。

 同じ所に吹き飛んでいたら速度によるがぶつかる。後から蹴られた17号が凄まじい勢いで18号に激突する。

 

「「ガっ!?」」

 

「まだだ!!」

 

 だが光輝はそれで終わらず2人の両足を掴みそのまま地面へと急降下した

 

「くらえッ!!」

 

 地面に叩きつける轟音と共に砂煙と地面が抉れ辺りが砂煙に包まれる。それだけにとどまらず2人をぶつけた所から罅が割れその罅は近くにあった建物へと侵食しその内倒壊を始める。

 光輝は律儀に下敷きになるつもりもないのでバク転でその場を離れる。

 

「これで決める!」

 

 バク転をし終えて片手で青い光を形成する。

 

かめはめ……波──ッ!! 

 

 光輝の片手かめはめ波が建物の下敷きとなっている2人の人造人間に迫る。それを察知したのかは分からないが下敷きにしていた建物が一気に爆発によって崩壊してその中から黄色のエネルギー波が放たれ光輝のかめはめ波へとぶつかった。

 

「俺達が最強なんだ──ッ!!」

 

「お前なんかに負けるものか──ッ!!」

 

 2人の人造人間の意地が光輝とぶつかり合う。永久エネルギーなのを良いことに全力全開で光輝を殺そうとする人造人間、だが光輝も負ける理由は無かった

 

 人造人間の最後の抵抗があっさりと散った。

 

「な……なんだと!?」

 

「あたし達が……!?」

 

「————散れ」

 

 その言葉と共に2人の人造人間はかめはめ波に飲み込まれていった

 

 

 ★

 

 

 神様の神殿、そこにある精神と時の部屋の扉が重苦しく開いた。白銀の世界の残照が外の世界を照らす。そんな扉の向こうから2人の人間が出て来た。

 1人はタイムパトロールの孫悟空、もう一人はボロボロな道着の未来の孫悟飯。時代や世界を越えて邂逅した親子は修業を追えて出て来た。

 そんな二人をこの神殿の家主であるデンデとポポが迎える。

 

「お疲れ様です、悟空さん、悟飯さん」

 

「悟飯、前より遥かに強くなったの分かる」

 

 事実その通りで悟飯の戦闘力はこの世界に来た時より遥かに上昇している。

 

「はい。2人ともお世話になりました」

 

「頑張ったのは悟飯さんですよ」

 

「さあ、ご飯沢山用意してる」

 

 ポポが2人の腹具合を察してそう言った。それを聞いた瞬間悟空はパーッと明るくなった。

 

「サンキューミスターポポ! 精神と時の部屋じゃ碌なもの食べれなかったかんな」

 

「それもありますが……悟飯さんに会わせたい人がいるんですよ」

 

 その言葉に2人は疑問符を出しまくる。その様子は時代が違ってもやはり親子なのだと思わせた。2人はそのまま神殿の広場にまで歩いていく。

 神殿の中から出て来たら目の前に長身の人影が見えた。背後しか見えていないが悟飯はその人物を見て驚きの余り眼を見開いた。

 白色のマントにターバン、マントの中に見え隠れする紫色の道着は見間違えようもない。その人物は悟飯達が来たのに気が付いたのか振り向いた。

 

「あ……あ……」

 

 その人物は悟飯を見た瞬間に口元を緩め言った

 

「でかくなったな、悟飯。見違えたぜ」

 

「ピッコロ……さん」

 

 最後に会ったのは人造人間が出現した時、ピッコロは自分を気絶させ未来を託して死んでいった。その思いは結局トランクスに託す羽目になってしまったが今はそんな事させないと胸を張って言える。

 だが……今だけは

 

「会いたかったです、ピッコロさん!」

 

 その眼に涙を見せながら悟飯はピッコロに走っていく。感動の再会を果たしている悟飯を見ながら悟空はデンデに聞いていた

 

「あれは何時のピッコロなんだ?」

 

「ピッコロさんは正真正銘悟飯さんの世界のピッコロさんですよ」

 

「ピッコロ、嬉しそう」

 

 ポポの言う通りピッコロは顔には余り出していないが見る人が見れば嬉しさが出ているのが分かる。自分の弟子が強くなり立派になっていたら師匠冥利に尽きるというものだろう。

 悟空は師弟の時間を邪魔せずデンデと会話を繰り返す

 

「デンデ、光輝はどうしてんだ?」

 

 悟空はデンデに光輝を探して様子を見ておいてくれと精神と時の部屋に入る前に頼んでいたのだ。デンデはもちろんその約束を守っていた。

 下界を見下ろす為に培ってきた能力でこの世界でも下界を観察することが出来る。それを持ってデンデは光輝を観察していた。

 

「光輝さんはこの短時間でとても強くなってますよ。今では超サイヤ人ゴッド、それに超サイヤ人4にも」

 

「……そっか。本当に光輝は強くなった。この世界を脱出した時のあいつとの戦いが楽しみだな」

 

 そう嬉しそうに口元を緩ませる。強くなった光輝と自分の戦いを思い浮かべているのだろう。それだけ光輝との戦いが楽しみなのだ。

 だがデンデは次には心配そうな顔を見せた。そしてピッコロと悟飯の方を向いて歩いていく。悟空もついて行く。

 

「悟飯さん、聞いてください」

 

 ピッコロとの再会で話が弾んでいた悟飯はデンデの言葉に振り返る。

 

「後10分後、ここから南西に約80,000㎞先の街で光輝さんと人造人間の戦いが始まると思います」

 

「————!」

 

 人造人間、その単語を聞いた悟飯は眼を見開き拳を握った。それだけ悟飯の無念が伝わってくる。そして今にも駆けだしそうな悟飯にデンデは言った

 

「ですが、今の光輝さんならば超サイヤ人にならずともあの時代の人造人間を簡単にあしらえるでしょう」

 

 あの時はお互いに超サイヤ人ならなければ碌に戦えなかったというのに今ではお互いそんなものならなくても人造人間に勝てる。

 長い時間かけて光輝がその領域に行ったのに対して悟飯は悟空との修業でその領域に行ける辺り流石だろう。

 

「デンデ、だったらどうしてそんな心配気な顔をするんだい?」

 

「今、光輝さんが向かっている街にもう一つのあるグループが向かっています。そのグループは……」

 

 その名を言ったら悟空が反応した。

 

「そっか……あいつらもここに来てたんか」

 

 自分も戦った事があるかつての敵に悟空は難しそうな表情をする。

 

「光輝はあいつの戦い方を知らねえかんな。あいつのからくりが分かった時には遅いかもしれねえ」

 

「だったら俺が行きます!」

 

 悟飯はその顔を決意に染めて悟空に向く。悟空もその視線を受け悟飯を見返す。時間にして数秒、悟空がふっと笑みを浮かべて悟飯を押し出すように言った

 

「ああ、行ってこい。光輝の事は任せたぞ、悟飯」

 

「はい!」

 

 そしてそのまま悟飯は別れを惜しむようにピッコロと悟空を見た後、歩き出す。

 その背中はかつての悟飯より頼もしく、甘えを微塵も感じられない頼もしい背中だった。そんな悟飯の背中に声がかけられる

 

「待て、悟飯」

 

「ピッコロさん……?」

 

 悟飯は自分を呼び止めたピッコロを不思議そうに見る。ピッコロは悟飯の元まで歩きその頭に手を添えた

 

「今のお前の強さを存分に発揮してこい」

 

 弟子を見守るその表情は正に師匠だ。そして次の瞬間には悟飯の服装が変わり始めた。先程まではボロボロな亀仙流の道着だった。しかし光が晴れるとピッコロの道着へと変化していた。

 

「行ってこい、悟飯」

 

「はいっ!」

 

 元気よく言い返し悟飯はくるっと向きを変えた。

 

「父さん、ありがとうございました!」

 

 ただそう言って悟飯は気を吹き上がらせて飛翔した。悟飯を見送ったピッコロの隣に悟空が来る。

 

「よう、ピッコロ」

 

「……俺達の時代のお前じゃないな」

 

「ああ。……悟飯は本当によく頑張った」

 

 ここに来てからの修業の日々を思い浮かべながらそう言った。最初はとても人造人間には勝てないレベルだった。悟空やピッコロのような師匠がいない中たった一人では限界もある。

 実際、悟飯は独学ではなく師匠を付けた方が伸びしろが今までとは違った。悟飯が10年以上かけて人造人間には勝てなかった。だが悟空と修業する事によりそのレベルをはるかに超越した力を身に着けた。

 ピッコロも悟飯の進化が分かっているのか口元に笑みを浮かべながら言った

 

「当たり前だ。あいつはお前の息子で俺の弟子なんだからな」

 

 悟空はそこで不思議そうにピッコロを見る。このピッコロがあの絶望の未来の悟飯なのならまだ神様と同化して元の1人のナメック星人には戻っていないはずだ。

 それなのに今のピッコロからはその身に宿る戦闘力もそうだが人格も神様と同化した感覚を受ける。

 

「ピッコロ、おめえもしかして神様と一つになったんか?」

 

 今のピッコロの気を考えれば恐らく人造人間にも勝てるだろう。それにこの落ち着きようはそうとしか考えられなかった。

 

「ああ。あの世でな」

 

 短く答えた。それで悟空は合点がいった。

 

「そっか……おめえも悔しかったんだな」

 

 何故あの世というもう現世に戻れない立場でありながら神と同化したのか、それは分からないが弟子が人造人間にやられる所を見て来た。

 それがどれだけ悔しいものだったのか、悟空の想像も超えているだろう。

 

「……ふ、まあな」

 

 柔らかい笑みを浮かべ、ピッコロは悟飯を見守るように下界を見下ろしていたのだった

 




お疲れ様です。

光輝の白色の中に金粉が混じった気と言うのは復活のFの時に黒髪の悟空がフリーザと構える時のあれを思い浮かべてくれたらいいです。
超からなくなったけどあの気の感じ好きだった
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