またまた久しぶりです。
空気を切裂く音が轟き世界が弾けた
「クソおおおおッ!!」
憤怒を浮かべた超17号が神の気を纏う光輝に突貫する。光輝は焦るそぶりもなく迎え撃つ。先程までの超サイヤ人2・限界突破の様に荒々しい戦闘スタイルではなく、柔を出した戦い方で超17号追い詰めていた
「な……何なんだあの変身は。超サイヤ人とは違うのか?」
ドクターミューが狼狽えたように光輝を見上ている。
超17号のボディーブローが光輝に襲い掛かる。
「ふっ!」
しかし光輝は焦るそぶりもなく、冷静にそれを見極めた。拳を掴みいなしながら膝蹴りを繰り出す。
超17号の身体がクの字に曲がる。浮き上がった所を顔面に拳が突き刺さり吹き飛んで行く。
俺は確かめたい事があった。直ぐに掌からエネルギー弾を3つ出してそれをぶん投げた。それを見た超17号がまたニヤリと笑い両手を広げてノーガードで受けようとしたのを見て俺はある事を確信してエネルギー弾を遠隔操作して3つともぶつけ煙幕を起こす
「何っ!?」
それに戸惑っている超17号の声を聞きながら俺は影分身を出して気弾に変化させた。その人間気弾をそのまま超17号に放った。
煙が晴れて迫って来た人間気弾に超17号は気が付くことなくまたニヤリと口元を歪めノーガードをした。
そんなあいつに聞こえるように叫んだ
「お前は気を吸収してそれを自分の力にすることが出来る、ただし!」
ボンっ! と超17号に迫っていた気弾が変化を解き影分身の光輝がウォーリア・ビヨンド・ディスペアーをその手に掴んだ状態で現れた
「気を介した攻撃に限る、だよな!」
「何だとッ!?」
「おせえよ!」
ノーガードの状態から直ぐにガードしようとするが既に遅く光輝の正拳突きならぬ正剣突きが超17号の腹部に突き刺さった
「があッ!?」
「気の吸収能力、その油断がお前の敗因だ!」
「だ、黙れッ!」
直ぐに目の前の光輝を攻撃して消し去るが傷ついた傷は分身のように消える事はない。それを示すように超17号は狼狽え、自分に開けられた穴に手を当てる
「く……クソッ。雑魚の分際で……俺の身体に……穴を……ッ!?」
「てめえはその気の吸収能力に頼り過ぎだなんだよ。そもそも俺の事を雑魚雑魚言うくせにその雑魚の力に頼るお前には言われたかねえ」
ただあのまま俺が気の吸収能力に気が付かずに気を主体とした攻撃をしていたら危なかったかもしれない。
元々超サイヤ人2の時点でもしかしてって思ってはいた。元の17号には永久エネルギー炉の無限の体力があっただけだから最初は考えていなかった。ただ最初の17号は気弾も痛みは無かっただろうけど弾くなり対処していた。
それがいきなりノーガード戦法になったのは何かしら理由があると考えるのが当然だったからな。
だから力が更に上がり、超サイヤ人2よりも感情のコントロールが利くゴッドになって見極めた
「今度こそ終わりだ、17号。てめえは地獄に落ちてもらう」
「貴様は地獄に行かないのか?」
「さあな。地獄行きなら俺はそれでいい。俺も悪人だろうが人を殺している時点でお前らと変わらんからな。ただ……」
光輝の背中にいつもの頼もしい双剣の重みがのしかかる。
かつてあの城を共に駆け上り、その後の戦いも共に歩んでくれた剣達
「俺の願いは大切な人達が笑う世界を守る事、その為なら地獄に行ったって怖くねえよ」
そう言って光輝は自分の剣を抜刀する。STR一強のその剣は力強く輝き煌めいていた。
気を主体とした攻撃が通じないのなら打撃の技が有効、だが打撃だけでは永久エネルギーに痛みがない超17号を消し去る事は不可能。
だったら簡単な話、二刀を持って八つ裂きにしたらいい。
「終わりだ」
二刀を構え、その二刀に纏うようにゴッドの赤き気が燃え上がる。
この二刀に纏う気を吸収しようとノーガードで受けたら剣本来の斬撃が超17号を切裂く。
しかしそれをまともに相手しようとしても既に光輝は超17号の動きを見切り始めている。
それに超17号の強さはゴッドの強さには及ばない。
光輝に追いつこうとすれば八つ裂きに、戦おうとしても八つ裂きに、超17号は進退窮まった。
「この……俺が……俺が」
わなわなと震える超17号、光輝は一つも慈悲をくれるつもりは無い。構えた二刀の切っ先を向けた。
「俺一人では絶対に行かないぞ! 道ずれだぁああ!!」
そう言って光輝にエネルギー波を打つと見せかけて気絶して横たわって無防備なトランクスに向けて放った
そのエネルギー波は速度一点に集中したエネルギー波で威力を伴っていないが無抵抗なトランクスを消し去るには十分な威力だった
「てめえ!」
光輝はその余りの狡猾さに怒鳴ったがそれと同時にある気を感じ取った。懐かしく、苦い思い出でもある超戦士の気。
──この気は……まさか!?
その時、光輝が動くよりも早くその人物はトランクスの前に現れ超17号のエネルギー波を弾いて見せた。弾かれたエネルギー波は空で爆発した
「何だとッ!?」
トランクスさんの前に現れたのはピッコロさんの道着、紫色を基調とした道着を着ている人だった。
そしてその顔を見た瞬間、俺の中で何かが込み上げて来た。それは嬉しさだったのかもしれない。悲しみだったのかもしれない。懐かしさだったのかもしれない。
自分でも何が何だか分からない思いが俺の中を埋めた。
「悟飯……さん」
俺の知っている気よりも遥かに莫大な力を身に纏って悟飯さんがトランクスさんを守って見せた。
悟飯さんは超17号を険しい眼で見た後、俺を見た。
「……!」
そして時の巣にいる悟飯さんと同じ、それでいて違う笑みを浮かべた。
「本当に強くなったんだね」
光輝は胸の奥から湧いてくる思いと共に返事した
「……はい!」
「孫……悟飯!」
超17号が自分の気弾を弾いて見せた悟飯の名を唸るように呟く。光輝はトランクスが無事なのを確認した後、超17号を睨んだ
「今度こそ終わりだ。大人しく地獄に行きやがれ」
「俺が全宇宙で最強なんだぁああああ!!」
光輝は性懲りもなく自分が最強と言い張る超17号を憐れんだ。そんな光輝の肩をいつの間にか光輝の隣に来た悟飯が叩いた。光輝はそんな悟飯を見る。
「君はあっちの敵を頼んでいいかい?」
そう言って見たのはドクターミュー。ドクターミュー自体は大したことない。
「分かりました。あいつは気を主体とした攻撃は吸収します。お気をつけて」
光輝はそう言って高みの見物をしていたミューの元に降り立った。それを見届けた悟飯は超サイヤ人に変身した。
その身に纏う気に光輝は驚愕しながらも目の前のミューを見る
「おのれ……いつも私の邪魔ばっかしおって……サイヤ人め!」
「ふざけんじゃねえ。自分の力でサイヤ人を打倒しようともしない奴に言われたかねえ」
「く……超17号! 何をしている、私を助けるんだ!!」
そう叫ぶと同時に空から爆音が響き渡る。光輝は空で繰り広げられている激闘の気を感じていた
(すげえ……あの時の悟飯さんの100倍……いやそれ以上に力を上げている)
あの時とは比べ物にならない程力を上げた悟飯を見て口元が緩む。
「どうやら援軍は期待出来ないみたいだな」
「く……くそっ!!」
焼石の気弾を放ったがそれを横に弾いた。それを見たミューは連続で放つがそれら全てを弾き力の差を見せつけた。
それでも野心は捨てない
「私は全ギャラクシーを征服するまで絶対に死なんぞ!」
「どいつもこいつも征服征服……いい加減にしやがれ」
てめえらの視界は征服しかないのかよ。そんなことしても最後に残るのはただの虚しさだ。そんな簡単な事も分からねえのかよ
「てめえらの野望はここで潰える。理想を抱えたまま消えやがれ」
刹那、ミューの眼前に現れがら空きの胴を一刀両断した
「馬鹿……な」
それがミューの遺言となった。一刀両断されたミューは爆発を起こしその身を散らした。背後で爆発が起こりミューが消し炭になったのを確認した後、光輝は超17号と相対している悟飯の元へとやって来た。
「流石、早いね」
「まあこいつと比べたらね」
と言って超17号を見る。光輝があけた穴はそのままに既に満身創痍の超17号。
「これで分かったか? 最強なんてものに固執するお前はその程度なんだよ」
「く……クソ!」
悔しさで歯を食いしばり2人を睨む。2人は情けをかけるつもりもないのか構えた。そんな時だった、歯を食いしばっていた超17号が何故か眼を見開いたのだ。
「……!?」
そこで光輝は嫌な予感がした。超17号の瞳が一瞬赤くなったのだ。そして次の瞬間
「うおおおおおおおッ!!」
「何っ!?」
クールな彼らしからぬ雄叫びを上げそれと同時に超17号に纏うように紫色のオーラが噴き出してきた。
「これは……普通の魔術か!」
こんなことを出来る奴は暗黒魔界の奴らか或いはシーラスのみ。命を削る方は永久エネルギーって概念がある人造人間には行えなかったのだろう。
ただこの魔術自体、これだけで歴史を変える力も持っている。
「悟飯さん、気を付けてください! どっかでこいつをパワーアップさせた奴がいます!」
「分かった!」
光輝は直ぐに周りの気を探り魔術を仕掛けた人物を探ろうとしたがその前に超17号が先程以上のスピードで光輝の前に踏み込んできた。超17号は光輝の顔面に強烈な右ストレートをお見舞おうとして来た
気の察知を中断して二刀を重ねてその拳を止めた。
「グっ!」
「はああああっ!!」
暴れ狂う獣の様に強引に振りぬき光輝を吹き飛ばした。次には悟飯の目の前に現れて渾身のボディーブローを放つ。
「——ッ!」
しかし悟飯は冷静にそれを見極めて受け止めて見せた。超17号は光輝と同じように強引に振りぬこうとするがその前に悟飯が拳を受け流し膝蹴りが炸裂した。
「グううぅっ!!」
唸っている超17号を更に殴り飛ばした
「多重影分身の術!」
と同時に光輝の声が響き30人の光輝が超17号に迫った。超17号が光輝達を相手している間に本体の光輝は周囲の気を探り誰が超17号に魔術をかけたのか調べた。
だが辺りからはそれらしき気を感じることは出来ない。
「誰がやったのかは分からんままか」
「仕方がない。今は17号を倒そう!」
悟飯の言葉に頷き全ての分身を消し去った超17号を見る。ふと悟飯の背中を見る。
──ああ、頼もしいな
そう思った。あの時の人造人間には届かなかった時とは違う。俺も悟飯さんもずっとずっと強くなった。
それが例え究極を自称している目の前の相手にも引けを取らない位。
嬉しかった。ただそれだけが今俺が感じている事だった
「ふふふ……俺は終わらんぞ。お前達を絶対に地獄に送ってやる」
「悪いがてめえに負ける気はない。さっきまで俺一人にすら勝ちきれなかった奴が俺達に勝てると思うのか?」
「ふふふ」
不気味な笑みを変えない超17号に流石の光輝も訝し気に見る。だがやる事は変わらない。早く目の前の超17号を倒して悟飯とゆっくり語りあいたい。
悟飯が死んでしまった後の事、自分の事を。
しかし超17号は未だ口元の笑みが絶えない。その理由は
「お前たちが俺に勝てる可能性は……ない!」
そう叫んだ瞬間、超17号の紫色のオーラを何と地上で先程までこちらの戦いを呆然と見ていた18号に襲い掛かった。
「……あッ!?」
18号がそれに目を見開き逃げようとしたがあっさりと囚われた。
「アアアッ!!」
18号は自分に侵食する何かを感じ悲鳴を上げる。しかしもう遅く18号は光の粒子へと変換されて超17号の元へ入っていった
「何!?」
18号を取り込むという選択肢を選んだ超17号に悟飯が愕然とする。光輝も似たようなもので口を開けたまま変化しようとしている超17号を見る。
超17号はその邪悪な笑みはそのままに大きく変わったのは髪の色が18号のような金髪に変化したこと。ついでに言うなら先程光輝が開けた穴も塞がっていた。吸収した18号の細胞を使って新たに再生したのだろう
「だけど、18号を吸収したくらいで俺達に勝てると思うなよ!」
それでも光輝は自分達が勝てると思った。2対1だし何より18号自体の力が今の自分達からしたら大したこともないものだったからだ。
「……ふ」
だが超17号はそんな光輝を小馬鹿にしたように笑った
「キッ!」
舐められていると感じた光輝は二刀を背中の鞘に入れてゴッドの気を纏いながら突貫した。
「光輝君!」
悟飯直ぐに追った。18号を吸収した超17号は光輝を見て空に手を掲げ、そこから数えるのすら億劫になるほどの気弾を打ち上げた。
それが超17号に迫っていた光輝達へ流星群のように落ちてくる。
「数が多い!」
「眼を逸らすな!」
「——ッ!」
悟飯のその声と共に前を向くと既に先程とは桁違いにスピードを上げた超17号が迫っていた。
「早や──ッ!?」
言葉途中で光輝のがら空きの胴に超17号の拳が突き刺さった。動きが止まった光輝の足をこけさせ態勢を崩す。
そのまま光輝をハンマーナックルで地面へと叩きつけた
「ガハッ!」
その余りの威力に一瞬白目をむき倒れた。超17号はそんな光輝を笑いながら見下していたが直ぐに動き出す。
「くッ!?」
直ぐに光輝の前に現れ超17号の右ストレートから乱撃戦が始まった。
──さっきとは桁違いのパワーとスピードだ!
拳が超17号にぶち当たり顔が吹き飛ぶ。
超17号の反撃の蹴りが悟飯の顎を穿つ
人間の悟飯にはある痛みによる隙は超17号には絶好のチャンス。光輝の元へ悟飯も叩き落した
「グっ……!」
「くたばれ」
そう言って超17号はその場を離れた。意識を取り戻した光輝が次に見た光景はさっき超17号が無数に打ち上げた気弾たちが自分達目掛けて落ちてくる所だった。
「——!!」
それを見た2人の脳裏にはあの時の事が蘇った。自分達が双子のコンビネーションに完膚なきまでにやられ、悟飯は光輝に気を分け与えた時の記憶。
その記憶が蘇った時、2人はそのまま気弾の流星群に飲み込まれていった
★
神様の神殿
光輝達の戦いを気で感じ取っていた悟空にピッコロは静かにたたずんでいた
「どう思う、孫」
2人は超17号に勝てるか? と言う意味だ
「勝てるさ。光輝も悟飯も力をまだ出し切っていねえ。それを解放すりゃあ絶対に勝てる」
確信を持っているその言い方にピッコロは何も言わずただ悟飯と光輝を見守っていた。しかしその拳が握られていた。それを見た悟空は問いかけた
「……おめえも本当は行きたかったんじゃねえのか?」
無意識に握られているその拳を見ながら問いかけた
「今の俺では悟飯の足を引っ張るだけだ」
ただ自分の実力と今の悟飯の力を比べ、その上で自分は残るという選択肢を選んだ。しかしそれはただただ悔しく、悲しい選択でもある。
あの絶望の未来で17号と18号を倒せなかったのはピッコロも同じ。自分やベジータが死んでしまいあの未来を悟飯やトランクスに任せる羽目になった。
だが今の状況は何も変わってはいない。それに悔しさが残った
「そっか。……またオラと戦おうぜ」
「ふ、この戦いを見終わった後でな」
ライバルは微笑み悟空を見る
悟空もライバルを見ていて互いに笑みを浮かべ、かつての因縁と決着をつけようとしている愛弟子たちを見守った。
この世界を揺るがすほどの莫大な気を感じながら
★
絶望の未来エリア
超17号は光輝と悟飯を叩きつけ、気弾の流星群を落とした場所を見て高笑いしていた。
「ハハハッ!! 最後に勝つのはこの最強の俺だ! やはり地球の奴らは雑魚ばかりだ」
先程まで押されまくっていた自分が逆に2人追い詰める。それが超17号にとっての愉悦だった。
力が漲る。18号の戦闘力を足しただけならこれほどのパワーアップは出来なかった。しかし元々双子と言う事もあり相性が良かったのだろう。
「さっきまでの威勢はどうした!」
瓦礫に埋もれ、姿が見えない2人に向けて叫ぶ。ただただ高笑いする超17号、そんな時、大気が震えた
「……ん?」
超17号もそれに気が付き訝し気な顔になる。最初は気のせいかと思ったが直ぐにそれは間違いだと気が付いた。
何故なら、その大気が震えるのと同じタイミングで彼らの腹の底からあげられる魂の雄叫びが世界に響いたから
「「はぁぁぁアアアアアアッ!!」」
その雄叫びが共鳴するかのように金色のドーム状の気が吹き上がり瓦礫を全て吹き飛ばした。
中心にいた2人の気は際限なく高まり雄叫びがこの街に響く。そのドーム状の気はその内天井知らずに迸り辺り一帯を照らした
「何だとッ!?」
金色の気の中心部にいた二つの影は同時に動き目の前に肉薄してきた
「——ッ!?」
そのスピードは先程までとは桁違い、超17号も反応が遅れた。そんな超17号の腹部に2人の左右のボディーブローが突き刺さった。
その余りの速度に超17号は眼を見開いたまま吹き飛ばされた。二つの人影は更に追いかけた
「クソぉ!!」
やけくそ的に気弾を放つが二つの人影はあっさりと躱し、1人が超17号の背後に現れ真下にぶち落とし、もう1人が更に追って上空に打ち上げた。
「ぐわあああああっ!!」
超17号はその余りの攻撃に叫びブレーキをかけ、自分を殴ったり吹き飛ばした2人を見た。
2人は金色の膜をぶち破り現れた。
1人は超サイヤ人と姿は殆ど変わっていない、が超サイヤ人の時よりも髪が逆立ち青白いスパークが走っていた。
1人は見た目の変化が一番激しく、紅い体毛に金色の瞳に黒の瞳孔。従来の超サイヤ人とは違う黒髪
「今度こそ……終わらせる」
「ああ。この因縁も今日で終わらせる!」
超サイヤ人4となった光輝
超サイヤ人2・限界突破……いや、光輝の限界突破よりも遥かな力を我が身に集約させた孫悟飯
2人の戦士は超17号と対峙した
過去との決別、真なる力を解放した2人は限界を遥かに超越する