Warrior beyond despair   作:レオ2

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加筆修正。・*・:≡( ε:)

結構追加。では(˙꒳˙ )͟͟͞͞ =


あれから2年 改

 光輝の家族が皆殺しにされ約2年の歳月が経った。その間に光輝の環境は大きく変わった。

 病院で目覚めた光輝に待っていたのは家族の顔でもなくとんでもない頭痛だった。頭がおかしくなるほどの頭痛に光輝を見ていた櫂も驚いた。起きた光輝の眼があの変色している眼だったからだ。直ちに光輝を診療室に運び検査したが原因はわからなかった。そしてそのうち光輝は目を閉じていれば頭痛が止むことに気が付きもっといい方法があるのかもしれないが光輝は2、3日は殆ど眼を閉じて過ごした。

 過ごしたと言っても精神はどん底、気がつけば机や壁に向かって笠木のイラつく顔面を投影し何度も殴り骨に罅が入る始末。オマケに目も閉じているから自分がどんな状態なのかも分からない。ほっといたら何しでかすのか分からない精神状態だったからずっと誰かがついていることになった。櫂や看護師達、偶に光定もやって来て光輝を元気付かせようとしたが·····無理だった。小一でしていい精神状態では無かった。

 恐慌状態にもなり硬い壁に思いっきり頭突きを仕掛けるところでお見舞いに来た楓が血の気を引きながら全力で抱きしめながら止めた。光輝の体が万全ならば危なかったがまだ回復しきっていなかったのが幸いした。

 3日ほど経って光輝は櫂の前で眼を開けてみた。そうすれば黒目に戻っていて櫂は取り敢えず安心した。永遠となるわけじゃないと分かったからだ。出来るならこのまま黒目でいて欲しかったが……病院のテレビで笠木のニュースがあった時光輝は再びあの眼になった。そして光輝と櫂が色々試した結果どうやら怒りや憎しみを感じた時、あの眼になってしまう事が発覚した。それも·····自分への怒りでもなってしまうからコントロールするのも一筋縄ではいかなかった。漸く怒りや憎しみ無しでも慣れるようになったのは1年ほどかかった。まあ今でも突発的な怒りの時にはなってしまうのだが。

 そして家替わりになっていた病院のベッドを占領する訳にもいかない。櫂や楓は光輝に養子にならないか? と虚ろな眼の光輝に聞いた。だが光輝は首を振った。笠木の復讐の対象の自分といたら絶対に不幸になると泣きながら言った。そして自分は1人で生きるとも。だがそこで楓が引っぱたいた。1人で生きられる訳ないでしょと。だが光輝は引っぱたたかれてもずっと泣いて拒否しまくった。その駄々をこねる様子はちゃんと子供なのだがその駄々の中身が子供が悩んではダメな内容だった。だが楓はそれでも何度も光輝の元へ咲良と共に通い·····漸く根負けして首を縦に振った。ただし養子は嫌だと言った。名字も名前も変えたくないからだ。それが光輝に出来る精一杯の反抗で·····家族の繋がりだからだ。

 

 俺の家族を殺したあいつはまだ何もしてきてない。おじいちゃんの最後の一撃で身体に穴空いたって言ってたから治療してるか出血多量で死んだかそのどっちかだろう。国際指名手配されているらしいがまだ見つけて逮捕されたっていう報道は出てない。もし生きてるならエネルギーを1つにしそれを得る研究でもしてるかもしれない。

 

 だが光輝はあの日の記憶にフィルターがかかって音声の細部までは覚えていなかった。あの録音テープは光定達が回収して行ってしまったからだ。まあ光輝も聞きたいとは思わなかったから別に構わないのだが。だから笠木が既にエネルギーを1つにする云々は出来る事は知らなかった。光定達もそれを光輝が知れば絶対に無理にでも自分の力を上げようとするのが目に見えていたから教えなかった。

 

「···2年か」

 

 そう2年経った。あれから色々変わった。まあ行ってる学校は変わってないが。

 例えば俺の目とか、って言ってもこんな事言ってる間の目は黒色に戻ってるんだが俺の眼は左右それぞれ蒼色と赤色になる。だがこの目は色々おかしい。

 まず蒼眼の方はどういう訳かこの眼になっている時は瞬間記憶能力が上がる。

 そして更に物の動きがよく見えるようになる。それからその動きに慣れたら黒目になってる時にもその動きを追えるようになった。俺は自由にこの眼になれるようになってからは1度しか蒼眼は使っていない。どっかの馬鹿が覚醒剤をやりまくり暴走してどこかの違法サイトから買った拳銃をショッピングモールで乱射するって事件があっていきなり乱射し始めたから当たり所が悪い重傷者も出てしまい当時の俺も流石に弾丸は見えなかったから蒼眼になり接近して行って気絶させ事件を終わらせた。

 そして赤色は何故か普段よりも身体が動くようになる。……2倍から4倍ほど。

 ここまでメリットしか言ってないがデメリットもある。というか個人的にはデメリットの方が大きい。この眼になってる間は徐々に頭が痛くなってくる。片方眼を閉じれば頭痛は少ないが閉じてる眼の力は使えない。そして片眼の時にそれを使える時間は10分程度で耐えられなくなる。両眼を一緒に使ってる時は5分耐えたら良い方である。だから俺はこの眼を出来るだけ使わないようにしている。もうダメだと思う時にしか使わないようにしている。

 そんな状況にならないように俺はあの後退院した後に修行を始めた。まずは2週間分のブランクを取り戻した。そして重りを左右それぞれのリストバンドやインナー、更には靴までもおじいちゃんの知り合いの人に作ってもらった。

 それに慣れる度に重さを増やしていき今は合計30kgの重りをしている。今はそれが慣れてきた頃だ。因みにこの慣れたって言うのは重りをつけた状態で前の重りの重さをつけてる時と同じくらい慣れて動けるようになる事だ。例えば今の状態なら25kgの時に慣れた時ぐらい動けるようになる事だ。

 

 そして櫂達が寝た後の夜中にも取り憑かれたように外に行き近所の神社の階段を往復しまくったり町内をぐるぐる走ったりしている。勿論警官達に見つからないようにだ。だが楓がその事に気が付きめちゃくちゃ怒られた。

 偶に光定について行って警察の人の訓練にもちゃっかり混ざってる。最初は出ていけ! と言われたがじゃあ自分がそこにいた警察官50人に一撃当てたら脱落のバトルロイヤルで勝ったら混ざらせてと言い警察官達は現実を見せてあげようとしたが既にめちゃくちゃな修行をして1年経った光輝には通じずに全員バッタバッタと倒されていき了承した。もうそこから光輝の異質さが滲み出ていた。櫂や楓、光定は笠木の事を言わなければ無茶しないだろうと思っていたが完全な誤算だった。光輝は元々強さへの探究心は持っていた。それが笠木の存在により悪い意味で強さへの執着と共に出てしまったのだ。

 それに歯車をかけたのは家族の遺品整理をしていた時に光輝が少し成長すれば同じくらいのサイズの蒼い羽織、赤のインナーや帯、そして黒い道着のズボン。どんな空手着や柔道着とも違うが·····光輝には分かった。これは道着なんだと。

 空手着や柔道着では無いのは光輝は空手や柔道をする訳ではないから、光輝がやっているのはどちらかと言うと総合格闘技に近いからだろう。何故家族の誰か·····多分祖父辺りだろうがそんな道着を作っていたのかは知らない。蒼色と赤色なのは光輝の好きな色だからだろう。蒼色は愛美とウルトラマンヒカリの影響。赤色はウルトラマンメビウスだ。

 だから光輝はその道着を着るために修行をしたのもある。

 

 

 ……別に俺は復讐をしたい訳では無い。お母さんと相棒を見てた時にお母さんに聞いた事がある。「もしお母さんが大事な人が誰かのせいで亡くなった時その人に復讐をしたいと思う?」って聞いて返事は「……確かにその人を凄く恨むと思う。でも、そんな奴の為に自分の命をかける必要なんてないと思うよ。だって、その亡くなった大切な人がそんな復讐なんて望んでないと思うもん。仮に復讐なんてやってできたとしても結局それは唯の偽善だよ」って言ってたからだ。

 俺もあのクズは怨みに怨みまくってる。だがそもそもあのクズが生きてるかすら分からないのだからあいつを目指しても意味はない。

 ……だから俺は自身の身と櫂一家、そして未だに気にかけてくれてる光定さんとその奥さんを護る力が欲しくて修行をしている。それにあの野郎が生きてても俺が会うことは無いだろう、と思っている。だから明日を皆で生きれればそれで良いと思ってる。……だから友達も作ってない。また俺のせいで誰かが傷つくなんて俺が許せないからだ。だから学校の皆には冷たくあたっている。それに自分で言うのもあれだが俺は学校で常に上位にいるから余計がタチが悪い奴に見えてるはずだ。因みに学校の皆は俺の家族の事件は知らない。ニュースにもならなかったしそれに参観の時も楓さんが来てくれてたからだ。それでも噂はあったらしいが。

 

 光輝のクラスメイトが光輝に出来るだけ関わらないようにしたのは光輝がわざと遠ざけたのもあるがその噂を聞いたクラスメイトの親達が関わってはダメと子供に言い聞かせたのだ。

 光輝は小2から人が変わったようになった。人が話しかけてきてもどうでもいいとバッサリ斬って小2なのに愛の告白してきた女子も冷徹な瞳で見てバッサリ斬る。どう見ても柄が悪くなり·····本質は変わっていないが低学年の子供達に人の本質を考えろなんて土台無理な話だ。柄が悪いと言っても授業はサボってないし静かにしている。ただやはりその内避けられるようになっていった。光輝はそれを狙ってたから別に構わない。これで周りの皆は狙われないとかそういう事しか考えてなかった。光輝の担任の新井は光輝の意志とは反対に仲良くさせようとしていたが本人の光輝がその気がないから無理だった。

 

 愛美とはもう連絡をとっていない。住む場所が櫂さんの家になった事もあるが俺も愛美の電話番号も住所も知らないし愛美も櫂さんの家の電話番号や住所は知らないからだ。……愛美への想いは変わってない。

 

 そんな平和っちゃ平和の日々を俺は送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその平和がまたクズ野郎に唐突に脅かされた

 

 




お疲れ様でしたm(*_ _)m
光輝の道着の説明と病院起きた時の説明追加。後なんで蒼色か赤色なのかの説明。好きな人のイメージカラーとメビウスという笑。

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