Warrior beyond despair   作:レオ2

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加筆修正。・*・:≡( ε:)


世界の絶望 改

 2010年 4月17日

 

 

 この日光輝はクラス替えが終わって授業が始まった学校が無かったから最早日常風景となってしまった修行を何時もより早くやり何時もよりも早く終わり櫂家の長女、咲良とサッカーで遊んでいた。ボールは本場の奴ではなく勿論ゴムボールである。成長し少し長めになっている髪を靡かせながらボールを蹴って転がす

 

「にいちゃん!」

 

 そう言って咲良がボールを蹴るが確かにこっちに向かって蹴られたのだがどうゆう訳か違う方向に飛んで行った。もう慣れたからそのボールが跳ねない内にトラップする。因みに櫂家の家の庭は結構でかかったりする(さすがお医者さんの家)。

 

「にいちゃんすごーい!」

 

 そんな光輝からすれば出来て当たり前なんだが咲良からすれば難度の高い事をし咲良は無邪気に手を叩きながら言った。

 

「ははは、ありがとう」

 

 少し苦笑いしながら光輝は言う。咲良は返されたボールを両手で押さえてまた後ろに下がり言った。

 

「じゃあもう1回!」

 

「ああ、何時でもいいぞ」

 

 光輝がここに来て約2年、最初の1年は咲良の事を考える余裕は·····無かった。楓にめちゃくちゃな修行をめちゃくちゃ怒られた後落ち込んでる光輝にてくてく寄ってきて無邪気に光輝の頭を撫でたりしたのが咲良である。その後は少し戸惑いながらも光輝は咲良と仲良くなって行った。確かに今の時間は光輝にとっても楽しい。楽しいのだが·····嫌な予感がしてきた

 

「光輝君!」

 

 とそんな大声で楓さんが庭に面してる窓から出てきた。めちゃくちゃ焦った顔をしている。嫌な予感が加速する。そう思いながらも咲良を止めて聞く

 

「どうしたんですか?」

 

「て、テレビのニュースを見て!」

 

 有無を言わさなぬ口調で言ってきた。ただ事ではないと思ったから直ぐに答える。

 

「何ですか!?」

 

 どんな内容なのか気になる。別に口で言えば良いのではないか? と思ってしまったのだ。

 

「いいから!」

 

「分かりました」

 

「えー、にいちゃん遊ぼう!」

 

 だがそんな事が分からない咲良は光輝の足にしがみつき不満げな顔で光輝を見上げる。そんな咲良を光輝は優しげな顔で言った。

 

「ごめんな、今日はもう終わりだ」

 

「ぶー」

 

 それでも不満げだが楓の方が気になる。

 

「また今度な」

 

 そう言って頭を撫でた。そうされると咲良は顔がへにゃへにゃになって可愛い。1年経った後に可愛くなってきた。お姉ちゃんもこんな気持ちだったのかな? 

 

「うー、わかった」

 

「いい子だ」

 

「えへへ、咲良も行く!」

 

 まあ……ニュースの内容によるけど見ても分からないだろう。多分。分からない筈だ。うん。

 

「咲良はママと一緒にいましょうね」

 

 そう楓さんは言って咲良の手を握ってソファーに向かった。

 

「はーい」

 

 そう言って咲良は楓の膝枕で寝ながら疲れたのか寝た。光輝はそんな咲良を見た後にテレビを見た。そこにあった内容とは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アメリカの首都ワシントンDCが唐突に襲撃され、そして迎撃する為に出動した軍と一般人合わせて約20万人が殺害された。たったの1人(…………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「·····は?」

 

 光輝は唖然とした。ワシントンDCの人口は知らないがそれでも途方もない人数の筈だ。そしてアメリカは軍事力だってある。街中だから思うように戦えなかったのかもしれないがそれでも飛び道具で貫通力がある武器を持っているっていう優位性は揺るがないはずだ。

 そんな時その虐殺が行われている映像が出た。どうやら自己顕示の為に何らかの方法で自分の所業を撮った様だ。そしてそこにあった嬉嬉として虐殺していたのは……笠木だった。あのナイフを持ち虐殺していた。砲弾か何かが飛んだ時笠木の体が霞み消えた。だが光輝には追えていた。フィードアウトしてしまい全容は見えなかったが。

 

「愛美·····」

 

 そんな事よりも愛美の生死が気になった。愛美の引越し先がアメリカという事しか知らない。それが余計に光輝の不安を加速させる。

 

 

「無事でいて。おねがい……だから」

 

 そう思ってる最中テレビがおかしくなった。映っていたニュース番組の映像が徐々に乱れ始めていきそして最終的に切れたかのように真っ暗になった。俺も楓さんも不気味な感じで見る。そして再びついた。あの野郎の顔が思いっきり出ながら。痣はもうない。穴も塞がっている。個人で再生する術でもあるのか。

 

『はい! 世界の皆さんこんにちは! 天才科学者の笠木璃玖でーす! そして今回のアメリカワシントンDCを襲撃した犯人でーぇす。ついでに言うならあの約50人ほど殺した連続殺人の犯人でもありまーす』

 

 ·····光輝の眼はもう既にあの眼へ変化している。コントロール出来ると言ってもやはり限度はあるもんのだ。誰でも憎くて大嫌いな奴がいけしゃあしゃあ出てきたらこうなってしまう。·····今の所光輝にしか発現していないから参照出来るのは光輝しかいないのがあれだが。

 櫂は光輝の眼の事を調べたが結局全く分からずじまいだった。

 

『因みに今はテレビをジャックさせてもらってるよ。いやー、簡単だったね。警察共から逃げるのも楽だったね。ははは! さてさて、世間は僕の事を殺人鬼扱いしてるけど失礼だねー。僕の偉大な研究は素晴らしい物なのに。低能な人類共はその偉大さに気づいてないみたいだね。そんな低能な者達の為に僕の偉大な研究を説明しよう!』

 

好き勝手言いやがって

 

 

『その実験は人のエネルギーを1つにする実験さ。よくアニメで主人公側がよくやるやつだよ。みんなの力を1つに〜とか言うやつだよあれを現実にやるのさ。ああいうのを見る度に反吐が出るんだなぁこれが。そんな事が現実でも出来るなら世界を掌握するなんて簡単だと思わないか? 何故くだらない人助けの為にそんな事をするのかが全く分からない。この世は弱肉強食、強い者が全てを手に入れる、それ即ちこの世の真理だ。そしてそんなのは低能な者達にはできない。だから天才である僕がしてあげようとしている。だから僕がこの世界を支配してやる。実際僕はこうやってアメリカの軍事的力を真っ向からねじ伏せた。コレではったりではないとわかって貰えただろう。しかもバカだねぇー、アメリカは更に僕の強化を手伝ってくれたんだから。ハハハ! 世界を征服するなんて簡単だね! まあ時間はかかってしまうがね』

 

ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく

 

 

 

『しかしただ征服するのではつまらない。それに今の僕の力も試したいからね。某格闘漫画に倣ってゲームをしようじゃないか』

 

 ゲーム……だと? ふざけるな……! 皆は貴様の為に生きてる訳じゃない! 

 

『それは僕と1VS1で戦うんだよ、僕の指定した奴と僕がね!』

 

 光輝の中ではもう誰を指定するのか分かった。笠木が本性を現す原因になった人物。勿論逃亡先でも何か恨みを買われたかもしれないが2年の間笠木のニュースは逃亡中としか無かった。だからマスコミが知らないどこかで何かあったのかもしれないが少なくとも光輝の知っている限り笠木の怒りや恨みを買っているのは1人だけだからだ。

 

『指定する奴の名を発表する前にゲームのルールを説明しよう! ルールと言っても単純さ、僕か僕が指定した奴が死ぬまで戦いそして生き残ったものが勝者さ。そして僕が勝ったら世界は僕のものになる。つまり世界を賭けた1戦って訳だ』

 

 絶対的な自信があるからか愉しそうに嬉嬉として話す。光輝からすれば世界を賭けるなんざどうでもいい。自分の大切な人を守りたいそれだけだからだ。だがそんなもんは笠木は知らない。

 というよりもう自分が世界を手に入れる前提で言っている当たり痛い奴である。そこで笠木は思い出したように言った

 

『ああ、因みに別に僕はこの後直ぐに向かうが先に喧嘩売るなら買ってあげるからどんどんかかってきたまえ。まあ散るのがオチだけどね』

 

 実際生半端な奴が挑めば散るのがオチだろう。人外には人外をぶつけるしかいない。

 

『では日時、場所を発表する。これも某格闘漫画に倣い10日後、そして戦いの舞台は』

 

 恐らく今テレビを見てるであろう人達は祈ってるであろう。どうか自分達の場所じゃないようにと。そんな事しなくとも笠木は止まることを知らないのだが。

 

『日本の東京、そして渋谷にしようじゃないか!』

 

 

 

 ある者は逃げる時間が出来た、ある者はバカバカしいと切り捨てた、ある者は恐怖した。世界中でいま多様な反応が示されてるんだろうなと思った。……何で俺は他人事のように思っているんだろう? 

 

 

 

『ああ、安心したまえ、そのゲームが始まるまで僕は誰1人殺さないと約束しよう。もっとも喧嘩を売りに来た人達には分からないけどね』

 

 

 

 拳を握る。皆の殺された時の死体が呼び起こされる

 

 

 

『では待ちに待った僕に挑んでもらう奴を発表しよう!』

 

 

 

 またこれを見てるであろう世界の人達は祈ってる。どうかこいつを倒せるであろう人だと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『唯一僕の連続殺人を見事警察より先に防いでみせた日本の東京に住んでいる西沢光輝君! 君が僕に挑んでもらう!』

 

 




(*´∇`)ノ ではでは~

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