Warrior beyond despair   作:レオ2

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おはようございます。
短めですけど,悟空・ゼノVSジレン決着です!
では参りましょう!!


限界激突の果てに

 その時悟天が感じたのは天が裂けた事だった

 

「……?」

 

 2人の感知不可能までに高まった気の嵐がぶつかった瞬間,凄まじい轟音が鳴り響いたかと思えば次に眼前に広がったのは比喩じゃなく本当に天が裂けていた。

 そして2人の姿はいつの間にか悟天達がいた空間には見えなくなってしまい,その事に驚ていると隣で口をあんぐりと開けているピッコロが目に入った。

 

「ぴ,ピッコロさん。もしかしてあの2人って……」

「……ああ。尋常じゃないぶつかり合いに次元が裂けてその空間に2人は入ってしまったのだろう」

「え……えぇ」

 

 その余りに規格外な話に悟天も口をあんぐりと開けていた。

 次元が裂ける──言うのは簡単だがそれを簡単にすることは出来ない。悟天の中で記憶に新しいのは光輝が自分の世界で笠木との限界を超えた衝突で開けた事だが,今回のあの2人がやってのけた事は光輝と笠木の時とは訳が違う。

 光輝があの時次元を開くことが出来たのは,あの光輝の世界が産まれて間もなかったこと,そして悟空達のような超人がいなくて歴史の改変が1度しか行われたことがない事。

 その為次元が開いたことがないから多少の刺激で開きやすくなっていたからこそ光輝達は次元を裂くことが出来たのである。今の光輝が自分の世界で次元を自力で広げようと思っても,もう既にあの世界は光輝達で1回,そしてその後にも光輝が何度か帰っている事とかで自力で次元を裂くことは恐らく出来ない。

 この世界も同じで既に何度も歴史の改変に伴って次元を抜ける事は兎も角,裂くことが出来る程の戦士はそうそういない。

 

「父さん……もしかして凄いはしゃいでる?」

 

 さっきの悟空が変身した時の心底楽しそうな顔,タイムパトロールになってからは暗黒魔界とかフューとか負けられない戦いばかりをしていたからかベジータやバーダック,悟飯以外のジレンのように純粋な強さを競い合える戦士がいる事が悟空にとっては嬉しいのじゃないかと思ったのである。

 

「孫は強い奴がいれば元々はしゃぐ奴だろう」

「あはは……それもそうだね」

 

 そんな会話をした直後,窓ガラスが割れるような甲高い音が聞こえたと思ったら,地上で悟空とジレンがお互いの気を纏いながら現れていた。

 お互い凄まじい激突を繰り広げていたのにもかかわらず息の1つも乱れていない。

 

「まだだ……行くぞジレン!」

「来い! 孫悟空!」

 

 2人ともまるで数年ぶりに会ったライバルのように心底楽しそうに激突する。

 大地は裂け,天地が吹き荒れ赤と赤の気が激突する。

 

「はあああっ!!」

「ぐおぉ!!?」

 

 悟空の拳がジレンの肉体に突き刺さると,光輝の攻撃ではびくともしなかった身体がゴムのように伸び,ジレンの肉体に激烈なダメージが入る。

 苦悶の表情を浮かべたジレンだが,次の瞬間にはキッと痛みを堪え眼前の悟空へと剛腕を振るった。

 

「うわああ!!?」

 

 その剛腕を直接貰えば不味いと直感的に悟った悟空が後退しようとしたが,ジレンはそれすら見越していたのか振るった剛腕から炎のような気の嵐が悟空へ襲いそれに為すすべもなく吹き飛ばされた。

 

「まだだ!!」

 

 更に追撃をかけようとジレンは拳圧を放ち,更なるダメージを与えようとするが態勢を取り直した悟空はそれを腕を交差する事で防ぐ。

 

「こんなものか孫悟空ッ!!」

 

 しかし,そのまま凄まじい勢いで悟空は吹き飛んで行く。ジレンはこのままでは期待外れだとでも言いたげに追撃をかける。

 

「う……おおお!!」

 

 悟空は強引に空中でブレーキをかけると,迫りくるジレンの飛び蹴りを瞬間移動でジレンの背後に躱すとそのまま彼の脳天に回し蹴りを放つ。

 

「舐めるなぁ!」

 

 だが瞬間移動を巧みに使い,超サイヤ人ブルーで自分と戦った事のある孫悟空と戦った事のあるジレン。

 既に悟空の戦い方も慣れているのもあって完璧に対応して見せる。

 悟空が放った回し蹴りをジレンはノールックで腕を頭の上に置きガードをした。ぶつかった瞬間に凄まじい轟音が鳴り響いた。

 

「おめえこそなあッ!!」

「何だとッ?!」

 

 だがそのジレンの凄まじいガードを,悟空はそのまま強引にジレンを地上へと叩き落した。ジレンをそのまま追うと,ジレンはそのまま宙で翻りながら地面を蹴ってそのまま悟空に迫り激突する。

 火花が弾けると再び乱撃戦が繰り広げられる。

 

「ここまで熱気が来るとは……ッ」

 

 トッポとディスポの眼には力の大会での孫悟空とジレンの戦いを思い浮かばせられるほどの熱気に知らず知らずに拳が握られる。

 宇宙の存亡が戦っていたあの時とは違う戦士としての2人の激突,トッポもまた戦士故に闘争心が溢れてくる。

 

「はあああっ!!」

「うおおおおおお!!!」

 

 2人が雄叫びをあげ中央で拳をぶつけ合えば,凄まじい衝撃波が周囲を襲う。悟天達が思わず腕でガードするといつしか衝撃波は無くなり目を開けると空で悟空とジレンが向き合っていた。

 2人とも既にボロボロでとうとう息が切れ始めていた。

 

「すげえぜジレン……ここまでやってまだ立てるなんてよ……」

「それはこちらの台詞だ……同じ孫悟空でもここまで違うとはな」

 

 ジレンの頭に浮かぶのは力の大会で自分を凌駕してみせた銀色の髪の孫悟空,武術の頂点とも言える身勝手の極意を使ったあの孫悟空に比べればこの孫悟空の動きは荒いと言わざるを得ない。

 しかし,それでこの悟空が身勝手の極意に劣っているかと言われればそうでもない。

 

「荒々しさの中にある確かな技と心……ある意味お前はあの身勝手の極意を使う孫悟空以上だ」

 

 この悟空の真骨頂は超サイヤ人4,そして今の超サイヤ人4を超えた姿という変身の強さだけじゃない。この悟空本人が培ってきた地球での戦い,そして時と次元を超えて来た戦いの歴史で磨いて来た技と心は身勝手の極意に匹敵……或いは上回っているとジレンは感じていた。

 否,パワーとスピードは身勝手の極意以上だとジレンには断言できる。

 

「だが勝つのは俺だ!」

 

 悟空の強さを認めながらも価値を譲る気はないと,紅蓮の気がジレンの身体が吹き荒れる。

 

「ジレンの奴,一気に決着をつける気か?!」

「むう! 孫悟空とジレンの実力はほぼ互角,ならば勝負を分かつのは……」

「どちらが強烈な決定打を当てるか……か」

 

 そしてそれには攻撃の瞬間だけ気を上げるという方法では間に合わない,最初から全力で殴りに行かなければ勝てないとジレンは判断したのだ。

 そしてそれは悟空とて同じ事,悟空にしてみてもジレンがこれほどタフとは思わなかった。だから悟空もその力を引き上げなければならない。

 

「く……はあああ!!」

 

 悟空もジレンに負けじと気を高め2つの赤の気が激突し始める。大地を,天をも焦がすほどの勢いで2人のパワーが天井知らずに高まっていく。

 

「これで決めるぞジレン!!」

「ああ……行くぞ孫悟空!!」

 

 そして……2人の気が最頂点に引き上げられた時,2人は同時に相手に向かって凄まじい勢いで向かって突撃しだした。

 

「うわぁ?!」

 

 2人が移動するだけで暴風が吹き荒れて悟天は思わず吹き飛ばされてしまう所だった。ピッコロ達は不味いと思ったのがそれぞれ自分の気を解放し衝撃に備え……悟空とジレンは激突した! 

 

 

 ★

 

 

「……何という力だ」

 

 世界のあちこちの激戦を映しているモニターが多くある暗い部屋でシーラスは悟空とジレンの激突を見ていた……のだが余りの気の衝突にようやく見つけたタイムパトローラー達を追尾していたスパイロボットは簡単に吹き飛んで消えて行ってしまった。

 ドクターゲロがセルを作り出す際に細胞を回収するためのスパイロボットを更に改良したものだったが,余りの激突に耐え切れなかったようだ。

 

(今の我々ではどうひっくり返ってもまだ奴らには勝てない)

 

 悟空とジレン……宇宙樹を育てる為ならば素晴らしい餌になる戦いだったが,やはりまともに相手をしていれば勝てない相手というのを再認識した。

 

「……元もと俺の計画を達成するのに奴らに勝利する必要はない」

 

 そう口では言ってみても”孫悟空”という人間はそうはさせてくれない……そう漠然とシーラスは思っていた。次に宇宙樹のモニターを見ると既に大樹へと成長していて少しあった焦りの気持ちが落ち着いていく。

 

「そろそろ……か」

 

 このバトルロワイアルが始まり既に月日が結構経っている。その間に集まったエネルギーはそれこそ凄まじく昔フューがやったように強引に育てられたものでもないのもあってさぞかし綺麗な宇宙が出来る事だろう。

 これも笠木が作ったエネルギー化の効率化のおかげでもあるだろう。その笠木が死んだ時のエネルギーも使われているので笠木は本当の意味で報われていない。

 

 

「俺の出番はまだかな?」

 

 

 そこで……シーラスでも仮面の男でもない第三者の声が聞こえ,シーラスは背後へ振り向いた。そこには白色の肌色で……トカゲのような人物が……否,龍がいた。

 ただし神聖さを微塵も感じない邪気に満ち溢れた龍だが

 

「お前の出番はもう直ぐだ」

 

 モニターの光がその龍を照らすと,龍は口元に邪悪な笑みを浮かべていた

 

「邪悪流の長……一星龍よ」

 

 その光景を仮面の男はつまらなさそうに見ていたのだった

 

 

 ★

 

 

 限界激突の果て……力を振り絞った2人の超戦士の激突は凄まじい爆風と衝撃波で元々荒野だった場所が更に荒野になってしまうとかいう意味の分からない事になってしまっていて……というよりもこの場所から遠く離れ場所すらも地殻変動が起きてしまっていた。

 

「はぁ……はぁ……」

「くっ……あいつら無茶苦茶だ……」

 

 ピッコロたちも気を解放する事でようやく踏ん張る事が出来たが,本当に有象無象ならば今の衝突だけで肉体ごと吹き飛んでしまうほどのものだった。

 ピッコロ達だったから良かったものの,本当に凄まじい激突だった。

 

「っ! ジレンは……?」

 

 トッポ達は2人がいた場所を見ると,二人とも既に地面へと落ちていて同時に着地をしていた。

 

「はぁ……はぁ……くっ」

「はぁ……はぁ……」

 

 しかし,全てを込めた一撃だったのは間違いなく2人のダメージは計り知れないはずだ。

 そして……

 

「……お前の,勝ちだ」

 

 先に膝を付いたのは……

 

「ジレンッ!」

 

 トッポが叫んだ瞬間,ジレンに纏っていた紅蓮の気が露散し圧倒的だった気の奔流が止まった。悟空もそれを見て超サイヤ人4の変身を解いて心底嬉しそうに後ろに倒れた

 

「か……勝ったぞ~!!」

 

 満足気に倒れたのを見てピッコロ達はふっと笑った後,2人の元へと降り立った。トッポ達はジレンに,ピッコロ達は悟空の所へと降り立ち呆れたように2人を見ていた。

 

「孫……力を試すだけなのにやり過ぎだ」

 

 辺り一帯を見ると既に原型は留めてなく,ピッコロのやりすぎという言葉には悟空も「ははは」と乾いた笑みを浮かべていた。

 そんな悟空を呆れた眼で見ながらもピッコロは腰の布から仙豆を取り出し悟空に渡した

 

「サンキューピッコロ!」

「トッポ,ジレンにもこれを」

 

 そう言って離れた所で集まっていたトッポに声をかけ投げると,トッポはそれをキャッチしてそれを食べた悟空の反応を見ると,悟空が全快して立ち上がったのを見てトッポも仙豆をジレンに食べさせる。

 そうするとジレンの傷や気も元通りになって快復した。

 

「……ッ! これは……」

「仙豆って言うんだ。すげえだろ?」

 

 先に回復した悟空が曇りのない笑みで言うと,ジレンは内心で頷きつつ立ち上がった。

 

「孫悟空……これほどとはな」

「おめえも凄かったぜジレン,オラもまだまだだな」

「ふっ……この俺に勝っておいてよく言う」

 

 そう言っているジレンからは負けた悔しさが伝わりはするが,以前のような負けを認められなかった彼とは違い現実を受け止めてどこか穏やかだった。

 語りたい事とかは沢山あったが,ピッコロの提案で取り合えず状況を把握したい事と,ジレン達も光輝とカンバーとの決戦は見届けたいと言う事なので行動を共にする事になり一行は悟空の瞬間移動で神殿に向かったのだった。

 

 

 




お疲れさまです!
悟空・ゼノの勝利でした~。超サイヤ人4の悟空なら普通にジレンと真っ向から殴り合うのが似合っていたので殴り合って貰いました笑。
ジレンまた出てこないかな~と思いながら書いてました。
ではでは!
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