俺が渋谷のスクランブル交差点に降り立つと,一番に目立ったのは巨大なモニターでも109の建物でもなく……上空に浮かぶ二つのゲート。1つはインフィニットワールドへ通じるものだろう。
そして……もう1つは
「来たか」
その声が聞こえた時,その既視感のある声にどこか確信を持ちながら振り返った。
仮面を付け,漆黒の道着へ変わっていた恐らく男。
「ああ,待たせたな」
「むざむざと殺されに来るとは,世界の終焉を待たずして死にたいらしいな」
「終焉? 違うな,今日が新しい始まりだ」
「戯言を」
「この際,お前の名前くらい知りたいものだ」
そんな……昔の旧友と久しぶりに会ったかのようなテンションで問いかける。もっともそれを受けた仮面の男は怒気を隠そうともせず気が荒々しく膨れ上がっているけれど。
「言ったはずだ。名前など捨てた」
「お前が捨てたかどうかなんてどうでも良いんだよ。俺もお前の事を仮面の男って言い続けるのが面倒なんだよ」
「なんだそのくだらない理由は」
まあ,実際世界をかけた戦いをする前にする会話ではないのは確かである。
「そんなくだらんとは思えないけどな。俺にとって名前は,俺を形作る上で大切なものだ」
SAOで見た家族の幻影,己の名前の意味を知ることで力を高めた経験を持つ俺からすれば名前はやっぱりアイデンティティを保つうえでは大事なものだ。
「どの道,今から死ぬ貴様にそんなものを教える必要はない」
「んじゃあ仮名でも良いから教えろよ」
よっぽど仮面の男というのが面倒なのか,それとも何か別の理由があるのか傍から見てもしつこいと思うくらい名前について問いただす光輝。仮面の男も鬱陶しくなったのか,頭をガシガシと掻きぶっきらぼうに言い放った。
「
「黎騎……」
予想していた名前と違ったのか,光輝は一瞬眉を顰める。しかし,その名前の意味を考える事にしてみた。黎騎……聞いただけではどんな漢字が使われているのかが分からなかったけれど,彼の容姿から察する事は出来る。
「黎明の黎,それに……多分騎士の騎か」
黎には黒という意味があるし,騎は名前の通り……己を戦士として体現する名前なのだろうと光輝は思った。その名前を聞いた時……心の中にあった疑問が解けていくのを感じた。
そして……半ば確信に変わったその問いの答えは仮面の下にある。
「……お前はなんでシーラスにつく。悪のいない世界,そんなものが実現できるとでも思っているのか」
「実現できるかじゃない,この俺が実現させるんだ。人間全てを俺達が管理し,悪は滅ぼす」
「そんなのはただの独裁国家だ。それに,その世界の人間はきっとお前達こそが悪だと思うぞ」
過去,サスケさんがしようとした事に似ていると感じた。サスケさんは終末の谷での戦いは余り触れてなさそうだけれども……俺は歴史を見たから知っている。
サスケさんは,全ての憎悪を一身に引き受ける事を良しとした革命だった。だけれども……それは孤独の地獄,ナルトさんが止めてくれなきゃサスケさんはきっと壊れてしまっていた。
それと……同じことをしようというのか。
「それで良い,たった一つの悪を打倒す為に人間が正義の団結をするのならそれはまさしく悪がいない世界だ。もっとも,甘っちゃんの貴様には分からない事だろうがな」
自分の考えは理解されないと考えているからか,嘲笑しその右眼を光輝へ向ける。光輝はその瞳を受け,逆に挑発的な笑みを浮かべた。
「ああ……
「なに……?」
わざわざ強調してきた言葉に,訝し気に仮面の男は光輝を見る。光輝は背中にある剣の柄を掴み思い出すように続ける。
「俺も……誰かが団結する為に悪になり切ろうとした時期があった」
アインクラッド,第一層フロアボス<イルファング・ザ・コボルドロード>を倒したあと……βテスターとビギナーの中にあった軋轢を止めるために,βでしか知りえない情報をアルゴに流してもらい,それが俺から提供されたものだと大々的に知らせる事でβテスターへの怒りを俺に向けるように仕向けた。代わりに俺はソロ攻略という今思えば愚かなことをしていた。
結果として,攻略組は団結し俺の後を追うようにボス戦をしてくれるようになった。
「確かに,周りの人間は団結した。俺を悪に見立てる事で力を合わせるようになった。だけれど……人間,1人だと直ぐにボロボロになっちまうんだ」
1人で戦い続けた俺に待っていたのは,家族が殺される幻影。
孤独と言う名の絶望だった。本当は誰かに甘えたがりの癖に,全員を敵にするようなやり方をして蔑まれ,理解ある人達からもその異質さから言葉にならない罪悪感も植え付けていく。
クラインとかキリトがその典型だな。キリトに関してはβテスターとしての情報を,俺が知らせたみたいな感じにしてもらっていたから一際罪悪感ヤバかったと思う。
本当の歴史ならキリトが請け負っていた役目を,図らずとも俺がしていたんだからな。多分正史のキリトの事をキリトに教えたら多分怒られるから言わないけど。
そうやって俺はお姉ちゃんと師匠に会うまで……孤独を貫いて,壊れる寸前まで堕ちていた。
「それは貴様が軟弱だからだ。俺は違う」
俺の言葉を聞いた黎騎が吐き捨てるように俺とは違うと言ってくる。
確かに,俺とお前はもう既に存在としては違うものだろう。だけど……分かるんだよ。
「違わない。少なくとも,お前はその孤独に耐えられない」
「貴様……ッ!!」
黎騎はその黒の……神の気を纏い怒気を吹き荒れさせる。
臨戦態勢の奴を見て,最後に俺は問いかける。
「いい加減,その仮面を取ったらどうだ」
「なら,力づくで剥がしてみるんだな!」
「そうかよ……なら行くぜ!!」
瞬間,俺は自分の気を解放する。こいつと戦った時,最後に見せた超サイヤ人2……そしてその限界を超えた超サイヤ人2・限界突破に変身する。
「これで……全てが変わる。この俺の運命,この世界の運命……そして,貴様の運命も!!」
お互い,構えた2人はにらみ合う。
「これで最後だ!!」
瞬間,中央に閃光が迸る。
光と闇,二つの気が弾けお互いの腕をぶつけ合った。黎騎がすぐさま,蹴りを放つと光輝はぶつけあった腕を横に置くことでガードするが,黎騎の力の方が強く強引に吹き飛ばされる。
そのままビルに突っ込むところだったが,一回転してビルの側面に立つことで突っ込みを回避する。
「……!」
だが直ぐに黎騎から放たれる黒の気弾がいくつも襲ってくる。光輝はそれをビルの側面をバク転やバックステップで躱し屋上につくと同時に飛び上がる。そのビルは衝撃に耐えられず倒壊する中,光輝の視線は黎騎へ向いていた……が。
「ここだ!!」
直ぐに腕を背後に振る。それと同時に凄まじい衝突音が空に響き,黎騎がその腕を自分の腕を縦に置くことで完璧にブロッキングしていた。その間地上にいた黎騎は煙となって消える。
「貴様がな!」
「ぐっ!」
がら空きになっていた光輝の脇腹に左ひざが突き刺さり光輝はよろけてしまう。それがチャンスだと断じたのか,黎騎がすぐさま距離を詰め右手から放たれる拳をお見舞いする。
それを光輝は左手首で受け流し,反撃に右手を突き出すと黎騎も左手首で受け流す。直ぐに2人は拳を引き,両手で取っ組み合いを始め2人の気が空中で燦々と輝く。
「どうした,何故変身しない!? 俺を舐めているのかぁああ!!」
だが,直ぐに黎騎の雄叫びと共に均衡が崩れ強引に光輝を地上のビルに自分ごと押しまくって激突させる。
「くっ……!」
「それとも,俺程度はその姿で充分とでも言うのか!」
憎悪と共に力を引き出し,頭突きで光輝の頭部へ激突する。
「ぐぁ?!」
そしてもう一度頭突きをお見舞いされそうになりそうなのを見ると,そうされる前に光輝が逆に頭突きを噛まし中途半端な力を入れていた黎騎の方が顔をのけぞらせた。
「ぐっ……」
思わぬ反撃を受けた黎騎の両手の力が弱まったのを感じ,両足で彼を上空へ蹴り上げて自身もそれを追う。
だけどもそんな光輝を阻むように黎騎から雨のような気弾が降り注いでくる。ビルから出ようとしてくる光輝には横への逃げ道がないほどの嵐は直ぐに光輝事ビルを巻き込み爆発を起こす。
それでも黎騎は油断せず,気弾を降らせまくる。
「どうしたこんなものか!!」
「んな訳ないだろ!」
その声と共に,降り注いでいた気弾全てが赤の閃光と共に相殺されて爆発を起こし……超サイヤ人ゴッドに変身した光輝が黎騎へ迫る。光輝を見て仮面の下の口元を笑みに変えた黎騎は,右の拳を引き……光輝の右拳とぶつけ合った。
「——ッ?!」
瞬間,光輝の脳裏にある光景が宿った。
どこかの荒野……世界が滅んだかのような荒れ果てた場所で少年が剣を突き刺して,少女を抱え慟哭している姿を
「……!」
一瞬気がそれたのを気がつかれてしまったのか,直後凄まじいスピードの蹴りが迫って来る。それを間一髪上体を反らす事で躱す事に成功し,その勢いのまま上段回し蹴りで黎騎を叩き落そうとする。
だがそれを読んでいたのか,黎騎は腕を頭に置くことでブロッキングし一瞬気を込める事で光輝を後退させる。
「どうした,サイヤ人の神とやらの力はその程度か?」
(今の……なんだ)
挑発的な笑みで光輝を煽る黎騎だが,光輝は今更そんなものに感化されるわけもなく先に見えた光景が頭にこびりついているのを感じた。その理由がなんなのかは分からない。
だけども,仮説を立てる事は出来る。
「強者は拳1つでお互いが分かりあえる,か」
「なに?」
そんな身もふたもない,ただの超常現象のような事をさらりと言っている光輝だが例がないわけではない。ナルトなどその代表例で,拳をぶつけ合いお互いの腹の内を語り合って来たナルトを見ていたからこそここで黎騎と名乗る仮面の男の記憶が脳裏に宿ったのも……なんら不思議じゃない。
もっとも黎騎には光輝の過去が見えたようには見えない。あくまでも今は光輝の一方通行だ。
「……お前も,大事な人を失ったんだな」
だからこそ,自分が垣間見た映像の出来事を口に出す。
慟哭する少年が……少女を抱えて泣いていた少年が目の前の仮面なのだと分かるから。
「大事な……人……だと?」
しかし,黎騎は光輝の言葉を聞きわなわなと震える。それに伴って,彼の気が更なる漆黒に染まるのを光輝は肌で感じ取る。ある意味ではカンバー以上の純粋な殺気は有象無象であれば受けるだけで気絶してしまうほど濃密で……冷たいもの。
だが同時にどうしようもない絶望を孕んだ怒りがあった。
「あの子は……その程度の存在じゃない!! あの子は俺の全てだった!!」
その感情の高まりに呼応した気の高まりは,光輝ですら一筋の汗を流し……眼を見開くと同時に空へ飛んだ。さっきまで光輝がいた空に,黎騎が放った強烈なエネルギー波が通り過ぎ後方で大爆発が起きた。
一瞬にして渋谷の向こう,原宿辺りが爆発と共に壊滅していた。
「……ッ」
だけども,今はそれに構っている暇はないと光輝が前を向くと既に黎騎の姿はなく,光輝はほぼ勘で頭上から振り下ろされるハンマーナックルを腕を交差する事でガードした。
「グっ!!」
だがその殺意と勢いを乗せた拳は,確実に光輝へダメージを与えていた。それでも吹き飛ばされまいと気を吹き上がらせ踏ん張る。そんな抵抗をする光輝を黎騎は鬱陶しそうに叫びながら膝蹴りを放つ。
「全てを無くした俺にとって,あの子は最後の希望だった!! 生き甲斐だった!!」
「がはっ?!」
膝蹴りは凄まじいスピードで光輝の腹部へめり込み肺にあった空気が一気に吐き出され苦悶の表情を浮かべる。それでも黎騎の猛攻は止まらない。そのまま光輝を思いっきりぶん殴り吹き飛ばした。
空を吹き飛ばされた光輝は,彼の怒号が響いたのを機に先ず一回転して空中でブレーキをかけ迫りくる黎騎を迎え撃ち,再び腕と腕をぶつけ合い拮抗する。目の前にある仮面の下の瞳は,悲哀に満ちていて……どこか懺悔するように叫び散らかす。
「それなのに……人間の”悪”が彼女を殺した!!」
その言葉と共に光輝の脳裏に,少年が手を伸ばす中,少女がどこか見覚えのある男に殺される様が見せられた。その少女は……どこか愛美にそっくりでこれには光輝も図らずも動揺してしまった。
それを見逃す黎騎ではなく,強引に光輝の腕を弾き左足で顔面へ向けて蹴りを放つ。
その蹴りをなんとか反応したまでは良かったが,ガードしても抑えきれない程の力で光輝はガードがブレイクしてしまう。
「その原因が……元はと言えば貴様らが不完全に産んだこの宇宙のせいだと知った!!」
黎騎の怒りの拳が態勢を崩した光輝の腹部へ突き刺さり,光輝はそのまま地上へと叩き落された。黎騎は追撃するかのように地面へ倒れ込んだ光輝へ殴りかかる。
それを見た光輝は咄嗟に手裏剣を取り出し黎騎から離れるように投げ,その手裏剣へ飛雷神で飛んだ。黎騎はさっきまで光輝がいた所に突っ込み,地面を破壊するがその殺気はすぐさま逃げた光輝へ振り向いた。
「貴様らがいなければ,俺達の宇宙は平和だった!! この宇宙がなければ!!」
双子の宇宙……トキトキの卵から産まれた新宇宙は時の界王神などから見れば珍しいものであった。だけども,それぞれの宇宙が持つエネルギーというのは,本来1つの宇宙が持っていたエネルギーを等分する筈が……この双子の宇宙はそうはならなかった。
この光輝がいる宇宙に潤沢なエネルギーが蓄えられ,反対に今シーラスがいる黎騎が出身だと思われる宇宙にはエネルギーが枯渇させた。だから黎騎の地球は滅びの道を辿り,反対に光輝の宇宙は比較的進歩を遂げている。
「もう貴様らは十分に生きただろう? ならば,その残りの命を俺達の為に使え!!」
今までは自分達の方が不公平を被って切ったのだから,今度はこちらの番だといっているのだ。この宇宙と……失敗した宇宙を依り代にした新たな宇宙。双子などではなく最初から1つの宇宙として新たに創生した世界で……大事なものを失った原因となる”悪”を滅ぼし人間を管理し,全ての憎悪の視線を引き受ける事で理想の世界へ導く。
それが黎騎にとってこの戦いを行う意味だった。
「がっ!」
余りの剣幕と迫力に,反応が遅れた光輝はそのまま蹴り飛ばされてしまう。血が道端に流れて,その俯く顔からは様子がよく見えない。黎騎の言葉は1つ1つの刃として光輝に突き刺さってはいた。
黎騎の行動原理を……どういう訳か覗くことが出来た記憶からそれなりに分かったつもりだ。
それでも……俺は奴の行動の全てを肯定しようとは思わなかった。奴が言うように,”悪”とやらがいなければ奴の少女は死ななかったかもしれない。それどころか時の界王神様たちも片割れの宇宙に対しての救済手段を用意していればこうならなかったかもしれない。
本来,そんな事を知る由も無かったはずの奴がシーラスによって知らされ憎悪を膨れ上がらせ……こうやって俺の目の前に立っている。その”かもしれない”を全て見逃したせいで……奴は俺達と戦っているのだとしたら,以前こいつの目的をどうでも良いと言った時の憎悪の眼の意味は別に映る。
それはのうのうと生きていた俺がいた世界のせいで,自分の世界が滅んだというのにか? というものだ。
「だけどな……」
光輝の顔が上がり,闘志が衰えない瞳で仮面を睨む。
「そんなものはお断りだ!」
燃え上がるゴッドの気を噴き出し,光輝の姿が黎騎の眼前から消える。油断していた訳ではないけど,その急激なスピードアップに黎騎は大きく眼を見開き次に光輝に反応したのは自身が殴り飛ばされていたあとだった。
「お前の世界が,この世界のせいで破滅へ導かれたのも……あの
叫びながら追撃の気弾を放つ。
黎騎は途中で止まり,飛び上がることでそれを回避する。
「だけどお前のそれはただの逆恨みで,お前がそんな事をしようとしているのをお前の”大切な人”が……本当に望んでいると思っているのか!!」
それを追って光輝は飛び上がり,激突する。ぶつかり合った衝撃で周りの建物は崩壊するがそんなものは気にも留めず2人は己の意地と力をかけて拳をぶつけ合う。
そのさなかでも2人は会話を続ける。
「望んでいるかなんてどうだっていい!! 俺は……あの悲劇を,繰り返さない為に”悪”になる!!」
「カッコつけるんじゃねえ!!」
赤と闇の気はおしくらまんじゅうするかのように大きくなり,抑えきれなくなったかのように2人は空をはじけ飛んだ。だが光輝は直ぐに大量の武器群をイメージし,それらをはじけ飛んでいる黎騎へ一斉に放つ。
姉直伝のサウザンドレインは,黎騎の肉体を捉える筈だったが
「同じ手を何度も喰らうか!!」
以前も似たような事をされた身,全ての剣の嵐を相殺や弾き飛ばそうとするのではなく思いっきり飛ぶことで躱す。これでどの剣に飛雷神をしようとも対応出来るはずだった。
だが現れたのは剣が無い筈の黎騎の背後,黎騎は振り向き際に回し蹴りを放ちそれを光輝は受け止めつつ反撃に拳を突き出す。
それを,蹴りの恰好をしたままもう片方の蹴りを放つことで光輝は拳を下がらせ2人の間に距離が出来た。空中だから出来たような無理やりな蹴り,だけども距離を離す事は仕切り直しの意味もありもう一度2人はぶつかり合う。
「貴様がやろうとしているのは罪もない人達をただ殺すだけの人殺しだ!」
「そうだ! 大義の為の犠牲なんだ!」
「なにが大義だ,お前がやろうとしているのは生きようとしている人達の大切な何かを奪うものだぞ!!」
全てを破壊という事は,この世界に生きる人たちの大切なものを消すという事。己が世界にそうされたように,自分がこの世界の人達にそうするのは間違っていると訴えかける。
「その大切を奪った貴様に,そんな事をいう資格はない!!」
だが逆鱗に触れたのか,黎騎の鋭い右ストレートが光輝の頬に突き刺さる。光輝は反撃に拳を振るうが完全に読まれていたのか姿が消え,横から攻撃を食らわされ吹き飛ばされる。
「……っ!」
直ぐに迫って来る黎騎に対抗するため影分身を2人だして向かわせるが,分身を歯牙にもかけず直ぐに蹴散らした。
(こいつ……,戦いの中で進化しているのか)
眼を見ても,まだ蒼赤の力を使っていない。もしかしたら今回の戦いで使うつもりはないのかもしれないが,それを差し引いても黎騎のポテンシャルが思った以上のものだと知って光輝は内心舌打ちする。
最初に超サイヤ人2で挑もうとしたのは様子見と……体力を温存する為だった。この戦いが終わったらすぐにシーラスとの戦いになる。その為の体力を温存する必要があったからなるとしてもゴッドまで……そう決めていたが
「こいつは思った以上にやばいな」
そもそもの前提として宇宙樹の力をある程度持っていたのだからやはりゴッドでは相手にならないと気が付くべきだったかと過去の自分へ恨み節が籠りながらも,知らない内に口元に笑みを浮かべているのを黎騎は見て舐められてると思ったのか眼前に迫る。
2人は拳と蹴りをぶつけ合いながら地上へと向かい,様々な建物中を突っ切りながら格闘戦を繰り広げる。
「おらよ!!」
少し離れた隙に,光輝は何故か近くに置いてあったデスクチェアーを黎騎へ投げ飛ばす。それを諸共せず振り払うが,デスクチェアーによって視界が一瞬遮られたことでその間に光輝を見失う。
直ぐに黎騎は周りを探るが,気配がビルの外にある事を知るとすぐさま出る。
「——ッ?!」
だが外に出た黎騎を待っていたのは,大量の影分身だった。
「小細工をしやがって!!」
そう叫びながら気弾を放ちながら一番近くにいた光輝へ突貫する。やはり分身では相手にならないのか凄まじい勢いで分身たちを蹴散らし,奥に控えていた本体へ攻撃を仕掛けた。
だが残っていた分身から千鳥を乗せたクナイが放たれ,急遽そのクナイを横に飛ぶことで躱す。
ボンッ!
しかし,そのクナイは光輝が変化をしてエネルギー波を溜めていた。中途半端な体勢でそれを見た黎騎は,エネルギー波が放たれると同時に気を拡散しエネルギー波を押しのけその間にその場を離れて回避する。
その回避した先へ光輝は先回りをしてオーバーヘッドキックをお見舞いする。黎騎はそれすらも読んでいたのか腕を交差し,完璧に受け止めて見せる。
「うおおお!!」
受け止められても尚光輝は力を込める事で強引に黎騎を地上へと叩き落す。
くるりと一回転して見事な着地を決めた黎騎は,頭上で見下ろす光輝達を忌々しげに見てその手からエネルギー波を放ちそれが途中で大量の気弾に変わり,光輝の分身たちを一掃する。
「ふっ……チっ!!」
それを見て一瞬ニヤリと笑った黎騎だったが,直ぐにその消された分身たちの中に本体が混じっていないのを見て舌打ちしながら背後へ振り向きながら真っ黒な気功波を放つ。
「いい加減に,くたばりやがれ!!」
その叫びと共に,背後から迫っていた光輝の姿は気功波に飲み込まれ……
「——ッ?!」
その真っ黒な気功波が,突如として凄まじい気の圧力に押し返され金色の気が気功波を弾き飛ばした。その中から,赤い体毛と黒髪,超サイヤ人4に変身していた光輝がゴッドの時とは比べ物にならない速度で黎騎の目の前に踏み込んだ。
光輝の右の掌にはいつの間にか作られていた蒼の乱回転を起こしている球体があった。
「お前は……誰だあああ!!」
「しまっ……?!」
いきなり変化していた光輝のスピードに黎騎は対応出来ず,躱しようがない状況で……光輝の螺旋丸が黎騎の仮面を破壊した
お疲れさまでした!
ここまで長く書いといて初めて黎騎の行動理念についてあれこれ書いた気がする。元からそう言う理由とかはあったのですが,敵視点の入れ方が難しくてこんな終盤になっちゃいました…。
黎騎の仮面が割れる所は一応ナルトとオビトを意識しました。
では!