Warrior beyond despair   作:レオ2

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加筆修正三┏( ^o^)┛


攻略組VS光輝 改

 第1層フロアボスのボス部屋。ここは本来第1層フロアボス……イルファング・ザ・コボルドロードとプレイヤー集団が戦う為の場所だ。しかし今は何とその広い部屋にそのプレイヤー集団とボスでは無く少年……光輝が相対していた。集団の人数は約40人。集団のリーダー·····ディアベルが光輝に仲間にならないかい? と言い光輝は拒否。どうしてもと言うのなら俺を倒すんだなという喧嘩をふっかけこうなっている。大半は割と怒りのボルテージが高まっている。何故なら光輝は今剣すら持たずに40人·····攻略隊と相対している。

 攻略隊……後に攻略組と呼ばれる集団はこのアインクラッド内ではレベルが高く、尚且つアインクラッドを攻略する面々だ。だからそれなりのプライドと強さ、自信がある。しかし光輝はそんな全員を一気に相手にすると言ったのだ。それは自分達が舐められている事の証左。積み重ねてきたものを否定された様な感じになったのだ。別に光輝自身は攻略組の事は舐めていない。それなりに強いだろうとは思っている。それに祖父からもどんな人が相手でも敬意を忘れるなと教えられていたのもある。負ける気がないのは本当だが面々を侮辱している訳でもない。まあそんなのは攻略組には分からないので割愛。そして今攻略組と光輝の間にあるカウントが5、4……と減っていく。0になった瞬間に光輝と攻略組との戦いは始まる。そして

 

 カウントが0になり一気に走ってきた。ドアの所には何かスキンヘッドのアフリカン系のおじさんとその仲間であろう人達がいる。決闘申請はしなかったんだろう。因みに決闘のモードは全員初撃決着モードだ。これは先に相手に強攻撃かライフゲージを黄色にしたら勝敗が決するモードだ。あれ? そう言えば俺は決闘の時はどういう扱いになるんだろ? ライフゲージないけど? まあ、そんな事考えながら取り敢えず突っ込んで来た奴らを迎え撃つ。突っ込んで来た奴らと取り敢えず様子見のメンバーで別れている。

 

「おりゃァァ!」

 

「くたばれ!」

 

 この世界は光輝は例外として基本的にステータスがある。レベルが上がる事に体力等が上がりSTR(筋力)とかAIG(敏捷値)等を増やせるポイント等も貰えプレイヤーは自分のプレイスタイルに合ったステータスにする。但し1度ポイントを振れば戻す事は不可能。だからプレイヤーは慎重に自分を成長させる必要がある。

 

 敏捷値を高めにしてるであろう2人の片手剣使いがライトエフェクトを纏わせながら剣を振るってきた。振るってきたというより突っ込んで来たか? 多分これは《レイジスパイク》ってやつか。右に避けすれ違いの瞬間に右側から突っ込んで来た方に左の拳を叩きつける。それでそいつは脱落。そしてくの字に曲がってる所を踏み台にして反対側に居たやつも蹴った。それでそいつも脱落。

 

「うおおおおぉ!」

 

 そんな掛け声を出していたのは斧使いだった。上から斧を落としてくるが左に回りながら避けて背中にエルボーして脱落させた。

 そこからは何かまあ、確かにここに来るだけの力はあるんだろうが俺に1発も当てれないのが焦りになったのかソードスキルを使う奴ばっかりだったな。まあ別に全部初見で躱す事ができるスピードだったけど。ソードスキルは確かに普通にやるよりは早いだろう。だけど発動したらそのスキルをずっとやらなきゃいけないし、なんなら硬直時間もある。更に全部を知ってる訳では無いが、ソードスキルはシステムがやる以上簡単に軌道は変えられない。

 

 周りにプレイヤーが集まり光輝を囲んで戦えばいいのではないかと思うかもしれないがこのSAOでは割とご法度な所がある。何故なら光輝以外のプレイヤー同士が接触しHPが削ればそれだけ”死”に近づくということ。それから今回に関して言えば削れた時点で自爆してしまう事も有りうるからだ。光輝が思った通りソードスキルも軌道は簡単には変えられない。それで他人のプレイヤーにぶつかるのも恐れて囲む事が出来ないのだ。因みにこういう味方に攻撃をしてしまう事をフレンドリーファイアと言う。

 光輝は単語自体は知らないがそうなるだろうなとは思っていた。光輝は6歳からぶっ飛んでたからあれだが普通の一般人は死闘らしい死闘をする人なんて少ないだろう。そしてこの世界は後どれくらいで死になるのか具体的すぎる数字になっている。それが恐怖症に歯車をかける。だから例えただの1斬りでも他人のHPを削るのを恐れている。ある意味では攻略組が不利だ。

 それを証明するが如く光輝は無手でアクロバティックに宙を舞、その小さな体を逆に利用し相手の懐に簡単に入り一撃加える。そして偶に誰かが落とした剣を次の奴に蹴って牽制しつつその人外のスピードで打ち砕く。開始10分も経った頃には既にたった5人までに減っていた。

 

 脱落した人達はまたドア前に行って貰った。残った5人はディアベルさん、キバオウさん、ヒースクリフさん、キリトに謎のフードの人だ。そしてディアベルさんが予想外すぎる強さを前に冷や汗を出しながら話しかけてくる。

 

「光輝さん強すぎません?」

 

 光輝はそれを聞いても構えを解かずに割と辛辣に返す。

 

「俺が強いんじゃなくてあんたらが弱いんだよ。何でソードスキルばっかり使うのかな? 確かにそれが当てれば勝ちだろうけどもう何回もやられても何で同じ手を使おうと思うのかが全くわからん」

 

 光輝の言ってる事は至極当然だ。確かにソードスキルは必殺技だ。だが絶対に当たる訳でもない。寧ろ場合によったら通常攻撃の方が戦局を有利に進められる。光輝はとっくにそれを分かっておりだからこそ出来たらいいな位でそれ以上ソードスキルには憧れてはいない。しかしそんな光輝の事を知らない脱落組は騒ぐ

 

「やっぱりチートしてるんだろ! 何で後ろからの攻撃がわかるんだよ!」

 

 光輝は後ろからのソードスキルを普通に躱した。その時の事を言っているのだろう。だが光輝からすれば

 

「いや、普通に足音でわかるし。あんたらでも普通に出来るようになるよ。あとあんたら攻撃する時叫びすぎ。こっから攻撃するぜ言ってるようなもんだろ」

 

 ソードスキルの時に自分が必殺技を使ってるという快感からか大概叫んでいる人が多かった。それが光輝には相手の居場所を知らせるファクターとなるし蒼眼で得た拳銃の経験で黒目の状態でも止まって見えるは言い過ぎかもしれないが見てから対応出来る程のスピードだ。光輝が元いた場所では既に光輝は人外の少年と知られている。色んな意味で。

 

「うぐっ!」

 

 正論言ったら黙った。でもぶっちゃけこれは蒼眼を持っている光輝だからこそ出来る芸当だから全員が全員出来る訳では無い。しかし足音で分かるようになるのは本当だ。光輝は脱落組に向けていた視線を残り5人に向けた。

 

「で? まだあんたらは続けるか?」

 

「当たり前や! 自分のその余裕な顔を潰したるわ!」

 

 そう言ってキバオウさんが突撃してきた。先程までの攻防でソードスキルが意味無いのが分かったのかソードスキルを使わずに振るって来る。俺は一撃も貰う訳にはいかないから避ける。そしてディアべルさんも攻撃に加わって来た、がまだ避けれる。そして同時に左右から剣が来たのを皮切りにバク転で避けそのまま下がる。

 

 光輝は小一の時の笠木との決戦以降それはもうそこら辺の格闘家とは一味違う修行をした。重りをつけるのもそうだが普通の試合等では要らないバク転やら並の体操選手顔負けの身体能力を得た。その過程でやたらと頭に包帯を巻いてた時期もあってよく楓に怒られていた。バク転やらは咄嗟の回避手段としても良いと思ったからだ。だからなんとしても身につけたくて楓がもう呆れていた時期もあった。因みにバク転の時参考にしていたのはメビウスとヒカリが一緒にバク転をしていた所を参考にした。光輝は着地した後普通に感嘆しながら言った。

 

「へー、中々良いコンビネーションじゃないですか?」

 

「当たり前や!」

 

「悪いですが光輝さん、仲間になってもらいますよ?」

 

 ディアベルが光輝に仲間になって欲しいのは光輝が強いのもあるがそれだけではない。どう見ても小学生の少年が自分達大人ですら危険だと思う戦場に行かせたく無かったのだ。それはディアベルの優しさでもある。キバオウはただ戦力アップになるからとかしか思ってないが。ディアベルの優しさは光輝にも分かっている。分かっているからこそ迷惑をかけたくない

 

「丁重にお断りします」

 

「なんでだい? 万一、いや億が一攻撃を貰ったらどうするんだい? 下手したら痛みで動けなくなるかもしれないんだよ?」

 

 痛みがある·····そんな状況はディアベルには想像もつかない。本来SAOではキリトが言っていた様に痛みはない。もし痛みなんてあったら戦う人が少なくなる。あくまでもゲームをしに来たのであり誰も痛み何ぞ貰いたくない。因みにキリト達普通のプレイヤーが攻撃を貰った時は痛みではなく不快感が来る。

 

「大丈夫、食らったとしても少なくとも今ん所俺はそれ以上の痛みを知ってるからな。そんなんでいちいち戦えなくなるほど俺は弱いつもりは無い。それに·····」

 

 自分のせいで誰かが死ぬなんてごめんだ 

 

「それに?」

 

「いや、なんでもない。兎に角俺はあんたらと一緒にはいかない」

 

 光輝は元々コミュニケーション能力は高くない。煽りスキルはそれなりにあるがコミュニケーション能力は殆どない。元々そんなに話すという事が苦手だ。だから愛美が虐められている時に光輝のちゃんとした声を聞いたという人も割といる。そこからはよく学校でも愛美と話をする様になったから多少マシになったがマシと言うだけ。小2以降は学校で交わす会話は事務的なものばかり。今では告白してきた女の子に少し冷たすぎたかなと反省してる·····ってそういう事では無い。

 

「なら無理矢理でもやらせてもらうよ! キバオウさん!」

 

「わかってる! ディアベルはん!」

 

 そう言って2人は迫る。その速度はキバオウが早くディアベルはわざと遅くしている。先程はほぼ同時に攻撃していたが光輝は普通に避けたり逸らしたりしていた。なら少し遅れさせタイミングをずらし光輝が躱している所に攻撃をしようと思ったのだ。だが光輝は構えながらそれをあっさりと見抜き言う

 

「まあ、いいや。丁度いいから剣を使ってる時の弱点を教えてやる。それは……急な事に対応出来にくい事だ!」

 

 そういい俺は少し本気を出してスピードを上げキバオウさんの懐に入った。剣を振るおうとして剣は上にあるから迎撃が出来ず左の拳で腹パンし、そして中途半端な力で剣を振り下ろしてきたディアべルさんの手首を掴み止めた後少し軌道を逸らしながら自分側に引っ張り思いっきり足の膝をディアベルさんに当て脱落させた。そして残りはキリトとフードの人とヒースクリフさんだけとなった。そこで思い出す

 

「そう言えば俺キリトとは戦ったことなかったな」

 

 最初会った時は色々教えた後フレンド登録してそれぞれ別れた。しかしキリトは光輝の事を心配していた。年齢的な事もあるがトールバーナで聞いた光輝の噂のせいだ。光輝はチーターとか何とか証拠も何も無い噂ばかりがあったからだ。しかし今はきちんとチート説はほぼ消えその素の強さで今の攻略組の自信を打ち砕いている。だからこそ少し弱気な事を言う

 

「そうだな、でも正直勝てる気しないんだが」

 

 キリトも光輝が全員を相手にすると言った時割と怒りを抱いた。自分がめちゃくちゃ強いとは思ってはいないがそれでも時間をかけ培ってきたステータスとプレイヤースキルが通じないと言ってきた様なものだったからだ。だが今では分かる。光輝は本気で出来ると思ったからこのむちゃくちゃな決闘をしてきたのだと。ぶっちゃけもう勝てない事は悟ってしまっている

 

「じゃあ降参する?」

 

 しかしここで止めるのは攻略組としてでは無く男として廃れる。光輝と同じ剣のアニールブレードを構えながら言う。

 

「いや、やるだけやってみるさ。でも悪いが2対1でやらせてもらうよ。アスナ、という訳で手を組んでくれ」

 

「……分かった」

 

 そう言ってキリトとフードの人……アスナさんという人と走ってきた。最初に前に出 たのはアスナさんだ。ライトエフェクトが出てるからソードスキルだろう。そして―早い。ぶっちゃけこの中だったらNo.1だと思う。それにこのタイミングで使ったのも後ろにキリトがいるからだろう。だけどあの野郎の攻撃に比べれば遅い。飛んで躱しキリトとアスナさんの真ん中に着地した。そしてキリトが斬りかかってきたがその剣を手で止めた。完全に手を切られる前に止めたから痛みはそんなにない。

 

「なっ!?」

 

 まさか直接掴むとは思っていなかったキリトは唖然とした。笠木の時は下手したら自分のエネルギーを取られるからやらなかっただけである。ナイフを折る手段として最初は直接持ってぶち折るという案もあったが櫂と光定と相談した結果却下された。

 

「ちゃんと捕まってろよ!」

 

 そう言って光輝は腰を入れ力を入れる。そうするとアニールブレード事キリトが持ち上げられブンブン振り回され始める。その小さな身体のどこにそんな力があるんだよというキリトの心の叫びは無視し光輝はアニールブレードとキリトを思いっきりアスナの方に投げ飛ばした。そのキリトが突っ込んでくるスピードはやたらと早くキリトとアスナは思いっきり激突した。途中でアニールブレードは手から離れていたからアスナに剣のダメージは入っていないがその突進スピードも相まって

 

「ぐほっ!」

 

「きゃっ!」

 

 そう言ってお互いに激突しお互い体力が減って脱落した。ついでにその時にアスナさんのフードが取れた。ドアにいる脱落した組からどよめきが起きた。まあ確かに美人さんだもんな。……愛美も今は可愛くなってるのかなぁ……引っ越す前も凄く可愛かったもんなぁ·····。男の子の間で小一なのに凄い人気だったなぁ。

 そう思ったのも束の間俺はヒースクリフさんを見た。俺の様子見をずっとしてたしどっち道最後だから一応聞いとく。

 

「どうする? ヒースクリフさんもまだ戦う? するなら付き合うけど?」

 

 そう言って場はヒースクリフさんの返事を待つ。俺としてもこの人とは戦ってみたい。何か強者のオーラがあるからね。そう思ってたがその期待は裏切られた。盾をいきなり下ろしこう言った。

 

「いや、辞めておく。今の私では君には勝てなさそうだ。それにどうせ戦うなら君の全力と戦ってみたいしね」

 

 まじか、本気出してないのバレてた。まあ、遠回しに今度戦ってくれるって言ってるようなもんだし別にいいや! 

 

「ありゃ、そんなんですか。それは残念」

 

 そう言ったらヒースクリフさんは「リザイン」と言って降参した。そして俺はまだ負けて不貞腐れて地面に座っているキバオウさんを見た。

 

「それでキバオウさんから見て俺はチートしてるように見えましたか?」

 

 そう問うと沈黙になったあと返事をし始めた。

 

「……確かに自分は強い。ここにいる連中を退けた時点でそれは明白や。それに自分の今の状況は下手したらワイらよりも厳しい。攻撃に痛みが走るなんてな。おまけにあのアルゴの調べでも自分はチートなんかしてなかったらしいからな。今ん所は見逃したる」

 

 今は責める理由なんぞない。HPがあるか痛みがあるか、どちらが厳しいと聞かれたら分からない。しかしキバオウは後者だと思ったのだろう。光輝は取り敢えずお礼を言った。

 

「ありがとうございます」

 

 そうキバオウさんが言ったら不承不承な感じだが取り敢えず罵倒するぜみたいな空気は無くなった。次にディアベルさんに向く。

 

「取り敢えずディアベルさん。俺は約束通りこれからも1人で戦います。ここにいる連中のベータテスターへの恨みは多少無くなったかもしれませんがそれでもまだベータテスター達を憎んでる人達はいると思います」

 

 そう言ったらディアベルさんが何を言うんだ的な顔になっている。キリトはまさかって顔をしてる。でも実際この役目は俺が適任だろ。俺は別に武器だけを調達すればいいしライフゲージもないから所謂バッドステータスもない。まあ毒やら食らったら気分は悪くなるが戦えないほどじゃない。そしてこの世界の中じゃ俺は出鱈目に強い。そして何より今のこの世界には俺の元々の知り合いなんていないから誰も困らない。俺が我慢すれば良いだけだ。くだらない事でこのメンバーを衰退させる訳にはいかない。だから

 

「どう書いてもいいから俺がベータテスト出身の悪い奴みたいな事を広めてくれ」

 

「な、何を言い出すんだ!」

 

「どっち道そんな役は必要だ。あんたらの話を聞く限り正規版で新しく始めた人達の全員とは言わないがかなりの人数がベータテスターを恨んでるはずだ。だったらそんな奴らのはけ口がいる。そしてそれは俺が適任だ。俺をベータテスターの中で最も悪い奴って適当に広めてくれたら今のベータテスターが可愛く思えてくるだろ。そして普通のプレイヤーとベータテスターが手を組みやすくなる。そしたらこの世界のてっぺんにも行きやすくなるはずだ」

 

 光輝は自分が行けたら良いとは思ってはいるが自分とは別に頂上を目指す人が増えるのであればそれで良いと思っている。だがプレイヤー同士がぶつかったら意味が無い。だからそのターゲットを出来るだけ自分に集中させる。

 

「し、しかし! 君はベータテスターでもなんでもないんだろ?」

 

 光輝が言っていることはベータテスターという事が第1条件だ。だが光輝は知らない間にここにいただけでありベータテスター何かでは無い。しかし光輝はこう返す

 

「ああ、でもそう言った方が手っ取り早いし誰も全ベータテスターなんて知らないだろ」

 

 そりゃそうだ。知らないからこそキバオウやディアベルは光輝に聞いたのであり知っていたらそんな事を言う必要なんてない。

 

「しかし……」

 

「別に俺がそうなった所で誰も困らん。そう言えば俺とあんたらの勝負で俺だけ何も賭けてなかったな。じゃあその勝ったぶんでそういう事にしておいてくれ」

 

 そう言ってディアベルさんは沈黙した。自分でも酷な事言ってるのはわかってる。この人は優しいが故に言いたくないんだろう。でも世界はそんな甘ったれた事では回らない。そう思ってたら事態は動いた。

 

「やらせったたら良いんとちゃうかディアベルはん」

 

「キバオウさん!」

 

 全く関係の無い光輝にそんなアインクラッド史上最も辛い事をさせるのはディアベルには出来ない。それが自分を庇う事だから余計にだ。いい大人達が自分達よりも年下の少年がいないと秩序を保てないのも悔しくやらせたくないのもある。しかしキバオウは

 

「こいつが自分で言うてるんや。それもそれ相応の覚悟でな。それにワイらは敗者や。敗者が何言うても変わらん」

 

「そう言う事です。ディアベルさん。さっきも言ったがこの役は絶対に必要になる。それを早めるだけの事。それに実力の面から見れば間違いなく本当の事だと信用されるだろ」

 

 光輝が攻略組に喧嘩をふっかけたのはこの為だ。自分の実力証明もあったがその証明によってその役に相応しい力を持っていると錯覚させる為の喧嘩だったのだ。光輝は階段にまで行って

 

 俺は上に登ろうと歩き出したが、途中で思い出した事がありキリトの所に行く。そしてメニューからラストアタックボーナスの《コートオブミッドナイト》を取り出してキリトに渡す。

 

「あげる」

 

「え、お、おい。これはラストアタックボーナスなんじゃないのか?」

 

 キリトは光輝の予想通りベータテスターだ。だからイルファング・ザ・コボルドロードのラストアタックボーナスも知っている。だからこその反応だ。光輝はそれを聞きながらもしれっと言う

 

「うんそうだよ」

 

「いやいや、じゃあ貰えないよ!」

 

 ラストアタックボーナスはそれはもう色々苦労して漸く取れる位大変な運もいるボーナスだ。光輝みたいにソロでやれば確実に貰えるがSAOでそれは命を捨てるのも同義だ。光輝はって? ·····まあまあ、気にしたら終わり。

 

「いーよ別に。俺にはいらないし、キリトにはこの世界の事を色々教えてもらったしね。そのお礼って事で」

 

 確かに光輝はステータス無いし服も一応変えられるが光輝はこの道着が1番好きだからあんまり変えたくない。それから黒はそんなにというのもある。

 

「で、でも……」

 

 しかしキリトはそのラストアタックボーナスの苦労を知っているが故に躊躇う。それを感じた光輝は無理矢理理由を付けた

 

「うーん、じゃああの胚珠と後出し交換って事で。じゃあな」

 

 そう言ってキリトに押し付ける。交換作業はやってはいないが1時間経てば勝手にキリトの物になるから良いだろう。

 

 キリトに別れを言って俺は第1層のボス部屋を後にするのだった。

 

 




お疲れさまです (*´∀`)♪
偶に2年の間の光輝の様子を書いていくスタイル。(*´∇`)ノ ではでは~
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