悟空さんが来た。周りを見てる。ピッコロさんの脈をとってる。
「ピッコロ····」
「ピッコロさんは僕を庇って死んだんだよ」
それを聞きながらまた呟く。
「天津飯、ヤムチャ」
それを見ているナッパがバカにしたような笑みで悟空さんに向かって話をする。
「そう言えばチビもいたぜ?最も自爆してもう無駄死にしたがなぁーっ!」
「そうかチャオズまで!」
悟空さんの顔が怒りに満ちている。そしてナッパに向けて歩き出した。
「おお、何だ?生き返ったばっかで早速死にてぇのか?」
その言葉と同時に止まり腰を低くして拳を握る。そしたら静かに気を高め始めた。悟空さんの周りの小石とかが浮いている。そして悟空さんが叫び終わったら小石が落ちた。
(すげー、たった1年だってのにこんなに強くなってる。俺は2年間で相当強くなっていたと思ってたけど悟空さんはそれの比じゃない。それにまだ悟空さんはこんなもんじゃないはずだ。確か界王拳ってやつを使えばまだ強くなれるんだ。)
そして悟空さんはまた歩き出した。だけど途中から走り出した。そしてナッパの目の前に来た瞬間に移動しナッパは悟空さんを殴ろうとしたみたいだけど躱され悟空さんが立った場所はナッパの頭の上だった。髪の毛ない分乗りやすそう·····ってそんなのはどうでもいい!
そしてナッパは頭の上にいる悟空さんを捕まえようと思ったのか両手で勢いよく上にあげたが悟空さんがまた消えて今度は両手を上に上げててがら空きの腹に思いっきりパンチをした。
·····凄い音してたな。そして思わずナッパは後退した。そしてその時にベジータさんから微力だけど紫の気が出てきてこっちに来た。そして悟空さんに話しかける。
「ふん!やるじゃないか、カカロット。では今度は俺が遊んでやろう。」
悟空さんは無言で見てる。だがナッパはその提案に不服だったらしい。
「まっ、待ってくれ!俺がカカロットと戦わせてくれ!」
だがベジータさんは冷たく
「ふん!貴様がノロノロやっているのが悪い。お前はそいつと戦っておけ!」
そう言ってベジータさんは俺の方に首をクイッとして俺を指名してきた。悟空さんは俺を見てきて聞いた。
「おめぇ、悟飯とクリリンを助けてくれてあんがとな。おめぇがいなきゃあの2人も死んでたかもしんね。その上で悪いんだけんどよ、あのナッパちゅう奴の事を任せてもいいか?」
『少し歴史とは違いますがまだ許容範囲です。ここでナッパを倒し、後で悟空さんと合流しましょう。』
「·····その倒すって、殺す事?」
向こう側は少しの沈黙のあと
『…はい。酷な事は分かっています。あなたが優しい心の持ち主という事も。しかしここでナッパを倒せねば更に歴史が変わる事になり敵の思うつぼです。』
(で、でも·····。お、俺はそんな簡単に人殺しなんて·····、出来ないよう。例えそれがクズでも、あんなクズ野郎みたいに更生が不可じゃなきゃ誰も·····殺したくなんて·····ないよ。)
悟空さんはこっちを訝しげな視線で見てきてる。だけど俺は葛藤の中にいた。だけどそれを打ち砕いたのは意外な人だった。
『いい加減にしろ!』
「ベジータさん!?」
「ん?俺がどうかしたか?」
嫌あんたじゃねーよ。
『ナッパを倒す事ができない?人殺しを出来ない?ふざけるな!確かにお前はそんな事を自発的にしようとは思った事はないかもしれん!だが、それが今ここでそれをしない理由にはならん!』
「でも俺は・・・」
『ならいい、そのままナッパを殺す事なんぞせず見守っておけ!悟飯とクリリンが死んで更に歴史がねじ曲がり俺達の敵の思うつぼになるだけだがな。だがそうなるとお前はお前のエゴでお前の大切なものを見殺しにする事になるがな。』
「それってどういう・・・」
『ふん!バカめ!俺達が追ってる敵がそこの世界にだけ仕掛けて来ると思うか?何かメリットがあるからその世界の歴史を曲げようとしてるんだろう。つまり敵に何かメリットがあれば・・・貴様の大事な奴等がいる世界にも攻めてくるかもしれんという事だ!』
「あ、ああ」
『そしてそいつらは貴様の気持ちなんぞ知ったこっちゃない。つまり下手したら皆殺しだ。お前の大事な家族も大切な奴等も皆だ!その時も貴様は戦わないのか?お前の身勝手なエゴでそいつらが皆殺しにされても良いのか!それがいいなら今すぐその拳を捨てろ!そして貴様の大事な奴らがそいつらに殺されるさまを黙って見ておけ!』
俺は反論が出来なかった。もう俺の中の常識が色々ぶち壊れているからベジータさんが言う事が正論でしかない。だけどベジータさんの言葉はまだ続いていた。
『・・・だがそれでも戦うなら非情になれ。そうしなければ何も守れん。どれだけ貴様が泣き叫んでも貴様のそうなった大事な物も帰っては来ない。それは貴様が1番よく知っているだろう?』
そして俺は皆の死体を思い浮かべて・・・決意した。深呼吸して
「分かりました。」
そう言って俺は白色の気を纏った。
「俺は俺の出来る全てをかけて・・・戦う!」
それを見た悟空さんがにっと笑って
「サンキュー!よしおめぇ戦う場所を変えるぞ!ついてこい!」
そう言って悟空さんは飛んで行った。ベジータさんも行こうとしたがこっちを少し振り向き
「ほう?良い顔になったじゃないか」
そう言ってベジータさんも飛んで行った。何か面を食らったな。そして俺はナッパに向き直った。
「待たせて悪かったな。始めようぜ。悟飯さんとクリリンさんは下がってどっかに隠れててくれ。今から少しばかり反動があって中々使えなかった技使うから。」
嘘だ。そんなものはあの眼しかない。だがこれまで実力を隠せていたのがバレると何で皆が死んでった時に使わなかったんだって言われるから反動があるって嘘をついた。技名なんてないけどいちいち叫ぶ必要はないからな。
「わ、分かった。行くぞ悟飯。あの2人なら大丈夫だ。」
「は、はい。」
そう言ってどこかに飛んで行った。
「ふん!最後の別れはいいのか?」
俺は左手を顔の前に置き右足を引いて右の拳を握って腰に置いた。
「ああ、充分だ。」
「ふん!なら死ねぇ!」
ナッパはこっちに走ってきた。そして左の拳で殴ってきたが俺はその拳を飛んで躱して気弾を1つ投げた。それを振り向きながらナッパは弾いた。そしてナッパはまた俺に向かってきてさっきと動きが違ったからか大振りな一撃を振りかぶったが俺はその拳を身長のアドバンテージを利用して軽々避けてそして思いっきりその腹にパンチを食らわした。
「かハッ!」
そう言って俺の上側にある顔から何か出る。だがそんな事はほっといて俺は今度は姿勢を低くしそして飛んでアッパーを食らわした。そしてナッパが空中に飛び俺はその空中にいるナッパの後ろ側に周りその背中に両足を思いっきり突き出してまた空に蹴り出した。そして俺は気を纏いナッパの上空に白色の軌跡を描きながら追いつきその腹にハンマーナックルを叩き込みまた真下に落とした。そして高速移動でまた追いつき今度は右の脇腹を回し蹴りで蹴った。凄い勢いで飛んでいたが体勢を整え着地した。だがそれでも威力が止まらず少しザザザといって漸く止まった。そして凄い目で見て来た。
「き、貴様〜っ!何だ!何故いきなり力が上がった!」
「答える義理は無いな。」
「くそ〜!俺は名門出のエリート戦士だ!貴様のような奴に、ましてや地球人のガキなんかに負けるはずがないんだ!」
そう言って右手に気を集めた。ピッコロさんを殺した技だ。
「死ねぇーーーーっ!」
そしてそれを放ってきた。俺は手を交差させた。そして耐えきった。
「なッ!?何だと!?俺の最高の技だぞ!?」
「・・・お前はなんにも罪がない人をまだ殺す気?」
俺は最終確認の為に聞いた。そしてナッパは激昴した様子で答える。
「当たり前だ!戦うのが俺達サイヤ人だ!そしてそうやって殺されるのは弱いそいつらが悪い!」
「・・・そうか。なら俺も容赦はしない!」
そう言って俺はまた気を引き上げた。ナッパも俺が強くなったのが雰囲気でわかったのか思わず後退している。そして俺はベジータさんが悟空さんとの修行でよく使ってた技を見様見真似でやってみる。左足を引き左の顔の横辺りに右手と左手を重ねてそこにエネルギーを溜める。俺の周りの気が紫色に変化する。それを見たナッパが驚いている。だってこれは
「お、お前その技はベジータの技じゃねぇか!?」
「お前に1つ良い事を教えてやる。お前はさっき俺の事を地球人のガキって言ったな?だが生憎だが半分は違う。」
「な、何っ!?」
「俺は・・・地球人であり、そしてあんたらと同じ、戦闘民族サイヤ人だ!」
そう聞いたナッパは驚いた顔をした後何故か笑いだした。そして
「そうか地球人だと思っても何か親近感があると思ったらサイヤ人だったのか。ふははは!いいぜ!さあ撃ってこい!」
そして何故か今度は胸を張って笑みを浮かべながらそこに立つ。そして俺はお望み通りに撃った。
「行きます!ギャリック砲!」
そして俺のギャリック砲に巻き込まれてるナッパが最後にこう呟いた。
「ははは、フリーザではなく同胞に殺されるのも・・・悪かねぇな。」
そしてそのギャリック砲の煙が晴れた時誰もいなかった。
お疲れ様でした。光輝、かめはめ波ではなくギャリック砲を使うという。次回でサイヤ人編最終回です。