Warrior beyond despair   作:レオ2

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加筆しまくったら2000文字増えた笑。
ボルトとスミレの小説やり始めてから何か恋愛描写スキルが上がった笑。会話文だらけが少し心情描写増えましたY(><。)Y。
では⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!


保健室までの道 改

 

 

春も終わりに近づいているからか2人の歩いている廊下の窓から落ちて来る桜の花が見える。しかし光輝と愛美の心拍数は落ちる所か上がりまくっている。

保健室までの道を2人は無言で歩いてる。先程までの騒がしさとは正反対だ。

2人が話さない理由は簡単である。2人とも異性とは中々話したことは無いのだ。光輝は姉とよく喋ってるがそれは姉だから普通なのであって赤の他人の異性……愛美とは全く話した事はない。……それでも光輝は偶に目で追いかけたことはあるが。

 

「え、えと。その.」

 

 と思ったら沈黙に耐えかねて愛美がそんな事言い出した。光輝の訝しげな視線が刺さる。

 

「えっと、そのう…」

 

 また沈黙が10秒くらい続き光輝は言う勇気が出なさそうだなと思い光輝も勇気をだして呟いた。初会話の第一声とは何ともきの抜けた言葉だが

 

「あんにゃろ〜本気で殴りやがって」

 

 光輝がそんな事言った。これしか場を和ます方法が思いつかなかったのだ。まあそれはしょうがない。大人びては見えるが小一なのだから語彙力もそんなにない。愛美は不思議そうな顔で

 

「えっ、あれわざとじゃなかったの?」

 

 愛美が素っ頓狂な声をあげて聞いた。実際村田の性格を考えれば殴ってくるのは目に見えているのだがいかんせん、光輝も村田の実態はあまり見た事ないのだ。それに小一からいじめをするバカもいるとは思ってなかったのもある。

 

「誰がわざわざ殴られに行くんだよ。僕も殴られるとは思ってなかったよ」

 

 至極当然である。光輝じゃなくてもわざと殴られたい人間なんて普通はいない。

 

「じゃあなにを?」

 

「いやー僕的にはあいつが平気で人を脅すようなやつだと先生に分からせれば良かっただけなんだけども先生が止める前に殴られた」

 

 そう言って殴られた箇所を押さえてる。愛美は何を思ったのか無意識に手を伸ばし光輝の殴られた場所に手をだした。そのまま少し触る。だが殴られたばっかでまだ痛いから少し拒否する。

 

「その、痛いからやめてよ」

 

 少し顔を赤くしてそう言った。同年代に触られる事なんて光輝には恥ずかしかったのだ。それが愛美だったから余計に。

 

「あっ、ごめんなさい」

 

 そう言って離す。そんな愛美の頬もほんのり赤くなってる。自分でも何で今光輝の痣に手を伸ばしたのか分からない。分からないからこそまた心臓の鼓動がおかしな事になる。そして愛美はちらりと光輝の横顔を見た。痣で最初は分かりにくかったが

 

(なんか…かっこいいかも)

 

男という事を知らなければ思わず女の人に間違えそうになるが男として見れば整った顔。よく見れば少しふわっとしている髪。俗に言うかっこかわいい。先程村田と対峙した時に見せた厳しげな表情とのギャップが愛美の中でそんな感想を生ませた。

そして光輝の事を見る度に早くなってしまう心臓の鼓動を自覚する。

 

(うそ…今までこんな事無かったのに…)

 

そう心の中で言ってしまう。愛美が見たのはやられている光輝だけで傍から見れば大分ダサい奴な筈なのに愛美は光輝の普段は見せない優しさに気がついた。そしてそれを知っているのは自分だけ…それに何となく嬉しくなりながらも鼓動を誤魔化す為に口を開いた

 

「あっ、あのねその…」

 

「?」

 

「助けてくれてありがとう」

 

 そう少し恥ずかしながら愛美は言った。そんな恥ずかしがっている愛美に光輝は頬を赤くしながらも微妙な表情をした。それに気がついた愛美は疑問の顔で

 

「ど、どうしたの?」

 

「え、いやその…」

 

 今度は愛美が訝しげな顔になる。そして光輝は微妙な視線の真意言った。

 

「僕がやった事って、ただたんに先生連れてきてあいつと少し話して殴られただけだから。なんか、よくよく考えたらなんかかっこ悪いなーと思っ…」

 

「そんな事ない!」

 

 そんなでかい声で遮られた。それに光輝はビクッとした。愛美からそんな声量の声が飛び出るとは思わなかったのだ。先程の弱々しいイメージのせいで余計にそう思った。

 

「あの時誰も助けてくれなかった。嫌だった。怖かった。でも…西沢君が助けてくれて嬉しかった」

 

 そう涙ぐみながら言う。小一で見た目でいじめられるなんて誰だって嫌だろう。光輝は愛美の事は変わった見た目の人だなと思った事はあるが別にそれだけだ。それが悪いと思った事なんてなかったしこれからもないだろう。

 

「でもそれなら僕も今まで古原さんが嫌な事されてるの知らなかったし」

 

それを聞いた愛美は少し笑う

 

「だってそれは西沢君がいつも遅く来るからでしょ。何時も私が虐められた後に来てるから知らなかったのは、無理ないよ」

 

 そう言って涙を拭って笑いながら聞いてくる。

 

「毎日寝坊でもしてるの?」

 

 愛美は割と気になってた事を聞いた。光輝は始業のギリギリに来る事が殆どだ。小一でまだ遅刻魔もいない中唯一光輝だけは毎度の如くギリギリ来てる。来る順ランキングがあればぶっちぎりで最下位だろう。

 

「なっ、そんな訳ないだろう」

 

 だがそれは光輝なりの理由があるし光輝から言えば遅刻しなきゃいいみたいな考え方だから別にギリギリでいいと思ってる。……まあ社会人なったらアウトだが。それに光輝はやろうと思えば普通に最初に来る事は出来る。来るのが遅いだけで寝坊してる訳ではないからだ。

 

「じゃあなんでいつも朝の会の始まるギリギリに来るのかな〜?」

 

 だが愛美はそんな事は知らないから少し面白がって聞く。……まあ面白がって言うなら最早村田と同じだが光輝は特に気にしてないからノーカン。光輝は少し照れながら返す。

 

「それは毎朝家の周り走ってるからだけど」

 

「毎日?」

 

「うん」

 

 ……正直小一からランニングはどうかと思うが特に光輝は気にしたことは無い。武人である光輝の祖父もよくやってたと言ってたから光輝は負けるもんか! って感じでやろうと思ってやってるだけなのだから。·····まあ小一1人で流石に行かせるのはどうかと思うが。

 

「ふーん、そうなんだ」

 

 愛美は光輝の始業ギリギリの秘密を知って少し面をくらったが取り敢えず納得した。·····光輝の秘密を初めて知ったのが自分っていうのが何故か嬉しかった。

 

「そうだよ」

 

 そう光輝はこの話題を早く終わらせたく無理やり終わらせた。そんな光輝を見て愛美は笑って言った。

 

「ほら早く行こっ」

 

 そう言って走ろうとしたら

 

「きゃ!」

 

 転びかけた。ドジだ。だがこの時の愛美は早くなった心臓の鼓動を紛らわす為に走ろうとしたのだ。

 

 パシッ! 

 

 そんな音が聞こえた。光輝が倒れかけた愛美の手を取ったのだ。そして呆れの視線を向けながら言う。

 

「いきなり走るなよ。危ないだろ」

 

「う、うん。あ、ありがとう」

 

 愛美はそうお礼を言った。だがその頬は赤い。父以外の男に手を握られた事なんてなかったからだ。そして走って鎮めようとした鼓動は逆にどんどん早くなっていった。そんな愛美の心情なんて知らず言った。

 

「どういたしまして、ほら行こう」

 

 そう言って助ける為に掴んだ手を離さないまま歩きだした。光輝はこの行動は割と無意識だ。変な所で女たらしである。

 

「あっ、ちょ」

 

 だが愛美からすればそんな事は知らないし心臓の鼓動を抑えるために離してもらおうとするが当の光輝が気づいてない。

 

「ん? 何?」

 

「な、何でもない!」

 

 そうもう諦めと羞恥の声で言った。今からわざわざ言うのも恥ずかしかったのだ。だがそれでも何か隣で自分の手をひょうひょうと握ってる光輝に一泡吹かせたくてちらちらと光輝の様子を見る。その視線に気がついた光輝は少し? を出しながら聞いた。

 

「えーと、古原さんなんか言いたい?」

 

 疑問の声で聞く。自分何か変な事しただろうかと。·····実際はしまくりなのだが今の光輝には分からなかった。

 そして愛美はそんな光輝に言った。

 

「名前で」

 

「え」

 

「だから名字じゃなくて名前で呼んで!」

 

 愛美はアニメなどが好きだ。そんなアニメの中の恋人は下の名前でよく呼んでいる。母に聞いた所下の名前で呼ぶのは普通は親しい人や恋人が呼ぶ事が普通って言っていた。何故かその事を思い出し愛美は咄嗟に名前で呼んでと言った。何故光輝にそう言ったのかは正直分からない。だけど光輝には名前で呼んで欲しい、そう思ったのだ。そんな羞恥の顔と声で言っているが光輝はサブカルチャーにはあまり興味が無い……今よりも小さい頃はウルトラマンが好きだし今も割と好きな部類に入るがそれ以外はさっぱりであるから愛美の名前で呼んでと言った意味は分からず思わず首を傾げながら聞く。因みに1番好きなウルトラマンはヒカリだ。次点でメビウスである。メビウスが光輝が4歳の時に放送していたのだ。そしてヒカリには名前の親近感が湧き好きになったのだ。

 

「なんで?」

 

 愛美は光輝が名前で呼ぶ意味を知らない事に少し怒りながらも返す。

 

「何でも良いでしょ! その代わり私も名前で呼ぶから!」

 

 光輝としては名字で呼ばれようが名前で呼ばれようがどっちでも良いから普通に返す。

 

「? まあ良いけど。じゃあこれからもよろしくね、愛美さん」

 

「さんづけもダメ」

 

「え、なんで?」

 

「何でも」

 

 そう言われ光輝は愛美が割と芯が強い事を知りこのままだとずっと何か言われるかもしれないと諦めた。

 

「はぁ、わかったよ。……愛美」

 

 だが光輝は愛美の名前を言った瞬間何故か恥ずかしかった。だから少し愛美の手を少し強めに握り顔を赤くした。

 

「よく出来ました! ……光輝」

 

 そんな光輝が手を少し強く握った事を知りながらも愛美は特に不快には感じなかった。それどころかそれが嬉しいと思う自分がいて·····また赤面になった。

 

 そんな赤面の2人が残り少ない廊下を歩くのだった。




お疲れ様でした。
光輝→愛美の事は少し気にしていた。しょうがないね、美人さんだもん。

愛美→光輝の事は最初変な人と思っていた。だって遅刻ギリギリだし。でも助けてくれた後からは見る目が変わった。
そして決定的なのは光輝が無意識に転んだ愛美の手を離さなかった事。そして光輝に名前で呼んでもらって堕ちた。

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