幻想の園に螢は舞う   作:螢司教

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今日は欲張って2話一気に書いてしまいました(笑)


ヘンテコな一日の終わり

俺は思わず、一言漏らしてしまった。

「死なずに、生き返る…?」

何だそれ、もはや人間を越えているじゃないか!

俺はよほど間抜けな表情をしていたのか、紫はクスッと笑ってから話を続けた。

「えぇ、死なないのがあなたの能力よ。

魔法の森から見てたけど、あなたが死んでから生き返ったのを確認したわ」

紫の言葉を聞き、イナバは少し前の出来事を思い出した。

「そういえば、ここに運ばれてからしばらく経ってから、彼の心停止を確認しました!

息を吹き返したので一時的なものかと思ったのですが、もしかしてそれも…?」

「ちょっ、イナバ!?

何でそんな大事な事を言わないのよ!」

永琳はイナバを叱る。

元気そうに立っていたウサギ耳も、しおしおと倒れる。どういう仕組みなのだろうか?

それを気にする事なく紫は話を続ける。

「あら、そんなことがあったの?

だったら二回死んだことになるわね」

「そんなさらっと言うことですかね…?」

俺は思わず突っ込む。

そのあとも、何もなかったかのように話題は続く。

「でも、その能力とこのキズナオール現象は一体どんな繋がりが?」

俺は疑問を投げ掛けると、紫はすぐ返答した。

「それはあなたの死因が毒だからよ。

どうやらあなたの能力は死因に直結する部位を治すものらしいわね。」

「それだったら納得出来るわ。

彼の死因は毒死。毒によって死んだから体内の毒は浄化したけど、それに関係ない切り傷は治ってない、と説明できるもの」

丁寧に永琳が仕組みを話してくれたお蔭で、話がやっと理解できた。

だが永琳はそこから生まれた疑問を提示した。

「でもそれであればこの傷が治る現象は証明出来ないわ。

傷ができたことと直結する死因ということは、出血死、またはショック死以外あり得ない。

でも包帯を見ても出血痕は見られるものの、大した量じゃない。

つまりこの子の能力は“死んでも完全に復活できる程度の能力”と考えるのが妥当なんじゃないかしら?」

「確かに…

私は体の一部がバラバラになっても、それをかき集めて復活できると予想したのだけれど…

まぁ、それはいつかまた確かめましょう」

不安な言葉が聞こえ、俺は一応紫に確認する。

「ま、まさか実験するつもりではないっすよね?」

「ふふ、流石にそんなことしないわよ」

本当だろうか。

そんなやりとりをしてるうちに気付いたことがあったので、俺は紫に質問する。

「そういえば話が変わりますけど、紫さんの能力で俺を結界の外に帰せないんですか?」

確か紫さんは“境界を操る程度の能力”だった。

ならば幻想郷と日本に繋げて、俺を帰せるかもしれない。

「そうねぇ、出来なくもないわよ。

でも、あなたは特例なのよね…」

「? どゆことっすか?」

思わぬ返答に困惑した。

「普通、外から来た人間に能力が発現することは無いのよ。

今までにもいなかった訳じゃないけど、その子たちは私たちのように自由自在に使えることはなかったわ。

でもあなたは違う。

この短時間で、しかも幻想郷に来てすぐに能力が発現した。且つ人間ではあり得ない能力…

どうやら偶然手にいれた訳では無さそうだもの」

「と、言うと…?」

嫌な答えが返ってきそうな予感がしてきた…

 

「普通は帰すところだけど、真相が解明するまでここに残ってもらうことにするわ」

 

…やはりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後紫にはほかにも聞きたいことがあったが、

「衣食住には困らせないから大丈夫よ!」

とだけ言って帰っていった。

永琳曰く、彼女は眠たくなったら若しくはからかい飽きたら帰っていくそうな。

「まぁ、今日はうちに泊まっていったら?

泊まるところも無いんでしょう?

というかあなたは怪我人なんだしね」

永琳は俺に提案する。

「いや、大丈夫です。

見たところ傷も治ったようですし」

「大丈夫じゃないわよ。

あなたの能力がどんな能力が断定した訳じゃないのよ?

もしかしたら能力の後遺症があるかもしれない。

だからこそ、心配なのよ」

永琳の意見に納得し、俺はここ、永遠亭に泊めてもらうことにした。

リグルも俺のことが心配らしく、一緒に泊まるらしい。

「さ、もう時間も遅いし寝ましょうか。

イナバ、二人を部屋に案内してあげなさい。

私はこの少年の診療記簿をつけるから」

「はい、承りました!」

元気に返事をし、イナバは俺たちを先導した。

 

廊下にて…

 

 

永遠亭の中は中々広く、診療所ではなく誰かの豪邸のようだった。

…しかし…

さっき思ったがイナバさんのウサギ耳、何かバリエーション多く動くな…

俺を先導するイナバの耳はピョコピョコ動いている。

そういえばリグルにも、虫の触角がついていたな。こっちもピョコピョコ動いているし…

ほんとよく出来た飾り物だなぁ。

蛍の触角かな?リアルに再現できている。俺も欲しいな。

感心しながらリグルの触覚の飾り物に手を触れる。

「ひゃぅい!!!???」

その瞬間リグルが凄い声を上げた。

「ゑぇ!?」

「な、何事ですか!?」

俺も驚いて叫び、イナバが驚いた顔でこちらを見る。

リグルがその場でへたんとしゃがんでいるので、俺が説明する。

「い、いや、リグルの頭につけてる飾り物がよく出来てるなぁと思って、触ったら急に…」

「飾り物…?」

イナバは不思議そうに考え、何か分かったのか明るい顔で説明する。

「そっかぁ、あなたは外から来たのでしたね。

これは“本物”の触角ですよぉ」

本物、だと?

俺はリグルの髪をそっと上げる。

すると確かに、リグルの額から触角が生え、しかも耳が無かった。

信じられない光景を目の当たりにし唖然としてると、イナバも自分の耳を見せてくれた。

「ほら、私もウサギの耳が生えてるでしょう?

あ、ちなみに横につけてるのはつけ耳です」

「え?、な?、どうゆう、え?」

今日はワケわからんことが多い。

その様子を見て、イナバが驚愕の真実を伝えた。

 

「あはは、そりゃ取り乱しますよね。

だって私は月から来た者、そしてリグルちゃんは妖怪ですもの!」

 

俺は、今日一番の驚きを体感した。




やばい、前の話も含めて全然リグルが喋ってない…(笑)
次はいっぱい話させてあげなければ…!
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