幻想の園に螢は舞う   作:螢司教

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今回と次の話は、見る人によってはタグに入れていない“残酷な描写”が入るかもしれません 
ご了承ください(´・ω・`)


壮絶な日常、始まりました!?①

朝、目が覚める。

周りには永琳、イナバ、リグル、そして金髪の少女が俺をとりかごんでいる。

「死んでも生き返る能力って便利だなー!

一生この人食べ放題じゃん!」

続けて金髪の少女が黒いスカートを揺らし、笑顔で言う。

可愛らしい少女の姿で中々恐ろしいことを言うものだな、と内心思う。

「全く…まだ一日も経ってないのに、何ですぐ死ぬのよ…」

続けて永琳が呆れ気味に言う。

そう、俺はあの後また死んでしまったのだ。

 

 

 

昨日の夜…

 

遅いと言われてもまだ9時頃だったので、俺は永琳にリハビリがてらこの辺りを散策する許可を貰いにいこうとしていた。

でもそう簡単には許してはもらえないだろうと思っていたが、

「いいわよ。でも同伴者を連れていってね」

あっさり許可は貰えてしまった。

永琳にお礼を言い、部屋を出ようとした。

そして部屋を出る際に、永琳がこちらに声をかけた。

「無いとは思うけど、また死なないように気をつけるのよ」

よほど心配されているのか、死なないようにと強調して言ってきた。

「流石にそんな遠くに行くわけではないので、死にませんよ」

ちょっと冗談じみて永琳に言う。

そして俺は永琳の部屋から出た。

「死なないように気をつけるのよー!」

ドア越しから二度目の忠告が聞こえた。

 

「では、この時計を持っていってください。

最低でも11時迄には帰ってきてくださいね?」

玄関でイナバは木製の時計を渡してくれた。

木製とは言っても中々しっかりしている。凄い技術だ。

「ありがとう、イナバさん」

「いえいえ♪

あ、そういえば師匠が死なないよう気を付けるようにと言っていたので、気をつけてくださいね」

まさかのここで永琳からの三度目の忠告が来た。

俺は了承し、散歩に向かった。

「そこの竹林は迷いやすいのでお気をつけてー!」

そう言ってイナバは見送ってくれた。

 

「へぇ~、すごいなぁ。

ホントにけがしてたのかなぁ?」

おれの歩く姿を見て、リグルは感心した。

付き添いにはリグルが付いてきてくれた。

彼女も俺と仲良くなりたいということもあるらしい。

また、リグルの能力は危険察知もしやすいのでそれも理由のひとつだ。

「そういえば、リグルの能力ってどんなんなの?」

聞いたことが無かったので、この際に知っておこうと考えた。

「私の能力は、“蟲を操る程度の能力”だよ」

「なんですとっ!?」

とても羨ましいことを聞いた!

更にリグルは目の前でその能力を見せてくれた。

「ほら、こんな風に…」

リグルが指を振ると、どこからか蛍が集まってき、小さな優しい明かりを作ってくれた。

「ね?」

「すごいな…」

俺は感動のあまり上手く感想を言えなかった。

それに見とれていると、蛍たちが俺に近づき俺の周囲を飛び交った。

「へぇ~…」

リグルは感心したような声を出した。

「どした?」

「いや、今私はこの蛍たちを集めただけだったんだけど、ここに集まった子が皆あなたになついてるんだぁ」

「…それは嬉しいねぇ」

俺は微笑みながらそう言った。

そして俺は目を閉じ、意識を集中した。

「…ほんとだ。俺はそんな優しいやつに見えるのか、ん?」

「誰と話してるの?」

空虚に向かって話す俺を見て、リグルは不思議に感じたようだ。

「誰って、この蛍たちにだよ」

「えっ!?」

リグルは物凄く驚いている。

普通の人間が蟲と話しているのだ。驚くのも当然だろう。

何故か俺は蟲だけでなく草木など自然のものと話すことが出来る。

小さい頃から話していたので普通なのだと思っていたが、学校に入ってからそれが普通ではないのだと分かった。

周りからの奇異な者を見る目を、まだ忘れていない。

そのことを思いだし、リグルに何か言い訳を繕おうとした。

興奮していた自分を激しく恨んだ。だが

「すごい!すごいよ!」

予想外の反応に、おれはきょとんとした。

「蟲たちの声が分かるんだ!

そんな人初めて見たよ!私と同じ、嬉しいなぁ♪」

「…気味悪くないの?」

喜んでいる様子だったので、逆に内心を知りたくなったので俺は質問する。

「そんなことないよぉ。

そう聞くってことは何かあったんだろうけど、そんな素晴らしい力はむしろ誇るべきだよ!」

…誇るべき、ね。

俺は驚いていた。リグルは、気味悪がられたこの力を誇るべきだと言ったから。

リグルは話を続ける。

「それにね、あなたは凄く優しい人なんでしょ?

だってその子たちもそう言ってるもの」

「…いや、そんなことは」

「あるよ」

否定する俺を、リグルは更に否定する。

「あなたは絶対優しいよ。

じゃなかったら、この子たちも近づいてない。

それに…」

リグルは少し悔やむ表情を見せながら言葉を詰まらせた。

「?」

「ううん、何でもない!

だから、あなたは優しい人なんだよ!」

俺が不思議そうに見たからか、リグルは明るい表情に変え半ば無理矢理話を帰結させた。

こんなに言われて否定したら、それこそ嫌われるな。

「ありがと、リグル」

俺は素直にお礼を言った。

「えへへ~」

とリグルは笑顔で照れる。

 

トクン…

 

この時俺は、謎の感覚に捕らわれた。

リグルを見ると心が苦しくなる。でも、不快な感じはしない。

今までに感じたことの無い感覚に困惑する。

これは、一体…?

 

すると突然、視界が真っ暗になった。

「おわっ、なんだ!?」

リグルが蛍をどこかに帰したのか?

しかし周りから蛍の声が聞こえたので、帰ったわけではなさそうだ。

「リグル-!どこだ―!」

俺はリグルの安否を確認する。

すると、

「大丈夫―!私はここだよ―!」

近い、というより近すぎる場所から声が聞こえた。

どうやら俺の真横にいるようだ。

俺は手探りでリグルを探し、見つけるやいなやすぐに手を掴んだ。

「離すなよ」

俺はリグルにそう伝え、感覚を頼りにリグルの少し前に立つ。

リグルはきゅっと力強く俺の右手を握り返した。

返事の代わりだろう。

そうした直後、周りに気配を感じた。

俺は周りを警戒する。

(くそっ、これじゃ対応がしにくい!

リグルを護りきれるか…?)

そう思っていると、後ろから強い気配を感じた。

後ろを振り向いたが、どうやら遅かったようだ。

 

 

「いただきまーす♪」

 

 

声が聞こえた瞬間、俺は何かに右肩を食いちぎられた。

 

 

 

 

 

 

 




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