白ひげ海賊団の逆襲 〜落とし前戦争に勝利せよ〜   作:信秀

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何かタイトルに捻りが無かったのでちょっと変えます。


作戦会議

「クソッ…、マルコを見ていた隙にやられてしまった。」

 

大将青キジに腕を氷漬けにされ、片腕がなくなってしまったジョズは悔しそうに歯を食いしばる。

 

「俺も、オヤジにもエースにも何も出来なかった。お互い様だよい。」

 

マルコは彼を慰める。それをヴェルは無言で見つめる。戦場にすら行っていない彼は何も言えなかったのだ。

 

現在、彼らは白ひげ海賊団の本拠地、ニューゲー島に滞在している。白ひげことエドワード・ニューゲートの功績を讃えて島民らが自ら付けた島名である。

船員たちは白ひげに絶大な信頼と尊敬の念を感じていたため、白ひげの遺言でもある次期船長をヴェルにするという提案は案外すんなりと受け入れられた。

 

しかしながら、ただ以前の白ひげ海賊団が強いだけという理由で白ひげの傘下となっていた海賊たちは尽く離脱し、傘下として残った船長はスクアード、ドーマ、マクガイ、ホワイトティベイ、ディカルバン兄弟ぐらいなものだった。

ヴェルとしては、白ひげがいた時代に傘下になった彼らに自身の傘下となってもらうのは悪いという思いがあった故に、残った傘下の海賊団たちとは同盟を結ぶ形をとった。

 

 

「俺はオヤジに取り返しのつかねえことをしちまった。」

 

頂上戦争中に赤犬の策に乗ってしまい白ひげを刺したスクアードは涙を浮かべながら言う。最終的には死のうとしてまで白ひげを助けようとしたのだから相当心にダメージがあったのだろう。

 

「だが、マルコさんが言うように、死ぬことは報いることじゃねえ。オヤジに貰った恩と俺がしちまったことに報いるためにも、俺は今後も誠心誠意、白ひげ海賊団に仕えさせて貰う。」

 

スクアードが力強くそう言うと、その場に居た他の同盟を結んでいる海賊団の船長たちも頷く。白ひげ海賊団はこうしてその船団の規模を5万人ほどから1万人程度にまで縮小せざるを得なくなった。が、どうにか持ち堪えて再出発を図ることができた。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「とにかく、今はどうやってティーチの野郎をぶっ殺すかを考えるよい。」

 

同盟を結んだ海賊団の船長がニューゲー島から出て各拠点に戻った後、ヴェル、マルコ、ジョズ、ビスタの4人は話し込んでいた。

 

「ティーチの懸賞金は今回の一件で10億ベリーにまで跳ね上がった。奴の配下の海賊も軒並み2億ベリー程度の値がついている。この雨のシリュウという元インペルダウンの職員は唯一、5億ベリーの値がついてるが…。」

 

ビスタは新たに配られた手配書をめくっては確認している。そして、白ひげ海賊団の船員たちの手配書も見つけた。

 

「俺たちのもあったぞ。まず、船長であるヴェルは2億6000万ベリーから、4億ベリーへと値上がりしてる。まあ、戦場に来てない割には増えたな。」

 

ヴェルはこれに興味なさそうに頷く。まだヴェル自身は海賊としての活動期間が短く、海軍はその戦闘能力をあまり知らないのがこの懸賞金が伸び悩んだ原因だ。

 

「次に、マルコ。元々懸賞金は7億ベリーと高かったが、今回の一件で9億2000万ベリーまで上昇。まあ三大将全員と戦って引っ掻き回したからな。

それで、ジョズは懸賞金6億1000万ベリーから7億ベリーに、俺は5億9000万ベリーから7億2000万ベリーにそれぞれ上がったな。他の隊長たちもだいたい皆1億ベリーだった懸賞金が6000万ベリーほど上昇してる。」

 

白ひげ海賊団はあまり民衆に危害を加えたりしないため、その危険度は他の海賊団よりも低めに見積もられている。となると、この懸賞金の額は上々の評価と言える。

 

「これならば…、懸賞額的にも黒ひげ海賊団に勝るだろう。すぐに黒ひげの元に乗り込めば、勝てるかもしれない。」

 

ジョズは懸賞金の額を聞いてそう言うが、ヴェルはここで夢で見たワンシーンのことを話した。

 

「なあ、ジョズさん落とし前つけようとか考えてるか?」

 

「俺が次に言おうとしたこと、よくわかったな。」

 

「俺、実は一ヶ月以上前の話なんだけど、頂上戦争が始まる直前、夢を見たんだ。」

 

「どんな夢だ?」

 

「白ひげ海賊団が黒ひげに落とし前戦争という戦争を起こして負ける夢だ。」

 

「それは…。」

 

「もちろん、たかが夢だとは思う。でも、俺は勝てるか不安だ。確かに今が狙い目かもしれないが、ここはこっちの戦力増強をはかりたい。」

 

神妙な顔でヴェルが言い放ったその言葉をジョズたちも重く受け止める。

 

「…わかった。お前に従おう。」

 

こうして白ひげ海賊団は、まず戦力増強を目指すことになった。

 

 

「でもよ、戦力増強って言ってもよ、何をどうするつもりなんだよい?」

 

マルコがそう尋ねると、ビスタがそれに答える。

 

「俺が思うに、戦力増強ってのは二つの方法があるな。一つはそもそもいる者を強化する。もう一つは外部から強力な者を味方に引き込む。」

 

その答えにヴェルも頷いた。

 

「その通りだ、ビスタさん。俺ははっきり言って白ひげ海賊団を背負って立つほど強くない。だからまずは俺を始めとしたまだ弱い船員の戦力の底上げをしたい。さらに、白ひげ海賊団に新たな協力者も、出来ることなら募りたい。」

 

「だがよ、お前たちを強くするのはいいんだが、協力者ってのは具体的に誰なんだよい。」

 

マルコがヴェルに尋ねると、ヴェルは手配書を手に取り、数枚を選んで壁に画鋲で打ち付けた。

 

「まずは懸賞金4億3800万ベリー、海侠のジンベエ。オヤジにも間違いなく恩を感じてるし、彼の協力は仰げるはずだ。」

 

「なるほど。奴ならば魚人島にいるハズだよい。」

 

「ええ。次はゾウにいるとされる白ひげ海賊団の元船員、イヌアラシとネコマムシ。彼らは手配書はないが、強力な協力者になるはずだ。」

 

「…アイツらか…。」

 

「あとは懸賞金4億ベリーの麦わらのルフィもその候補だ。彼は調べたところ冥王レイリーとともにアマゾンリリーで九蛇海賊団に匿われているらしい。エースの弔い合戦でもあるこの戦いに参戦してくれる公算が高い。後は…、七武海の座を狙ってるという死の外科医トラファルガー・ロー、元王下七武海サー・クロコダイル、赤髪のシャンクス…。」

 

ヴェルがそう言い終わると、一同は考え込み、少しするとマルコが発言した。

 

「なるほど…。じゃあ手分けしよう。ヴェルとビスタは何人か連れてジンベエを味方につけるためにも魚人島に行ってくれよい。んで、ジョズと他の隊長はここやナワバリの防衛だ。急にうちのナワバリが広い。海軍とてそれらの全てが戦火に包まれることは避けたいハズだから警戒はしてくれるだろうが、油断は出来ねぇ。他の海賊団の防衛に備えろ。」

 

「なるほど、了解した。マルコさんは防衛に?」

 

「いや、俺はアマゾンリリーに行ってくるよい。あの辺りの海域は獰猛な海王類もいればそもそも凪の海(カームベルト)になっているから航海がしづらい。だから俺が飛んで行ってさっさと話をつけてくるよい。」

 

こうしてヴェルたちはそれぞれの任を果たすため、しばし別々に行動することとなった。

 




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