魔法少女育成計画magnificent 無印ねむりんルートトロコンRTA   作:輪日錆

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自分でも書いてて気分悪くなるくらいノンケちゃんがガチクズド畜生サイコパスになってしまった……
こんなつもりはなかった……悲しいなぁ


第2回・裏

「ん〜♪ふんふふふ〜ん♪」

「機嫌いいね、スノーホワイト」

「うん!さっきね、ちっちゃい女の子が迷子になってて、お家まで連れていってあげたら、『ありがとう!だいすき!ぎゅ〜!』って抱きついてきたの!それがすっごくかわいくて!」

「ふふ、微笑ましいな」

 

 

 日付が変わろうとする頃。僕達はいつもの鉄塔の上で、いつものように談笑していた。魔法少女の事はもちろん、リアルの事から将来の事まで……話していると時間はあっという間に過ぎてしまう。姫河小雪……もといスノーホワイトと話すのが、最近の1番の楽しみになってきている。

 夜風が気持ちいい。願わくば、この時間がいつまでも続けばいいのに──────

(なんて、ちょっとカッコつけすぎかな)

 

 

 そう思っていた矢先、魔法少女の動体視力が遠くに何かを見つけた。風に揺られる装飾過多で華美な服、屋根の上を飛び回る身体能力……十中八九、自分達と同じ魔法少女だろう。どうもこちらに向かってきているような気がする。だが、顔にも服にも全く見覚えがない。

 

「なあ、スノーホワイト───────」

「すいません、あのー……お二人は魔法少女の方ですか?」

 

 

 スノーホワイトに声をかけようとした瞬間──────その魔法少女は僕達の目の前に立っていた。目を逸らしたのはほんの少しだけだったはずなのに、魔法少女といえどこの速度は不自然すぎる。しかし目の前にいるのだから無視するわけにもいかない。

 

 

「あれ、君……見ない顔だね。もしかして新しい魔法少女?」

「ファヴが言ってた子かなぁ?はじめまして!私はスノーホワイト!魔法少女やってます!」

 

 

 あぁそうかと独りごちる。ファヴがしきりに強調していた重大発表とやらに気を取られて、新しい魔法少女が来るのを忘れていた。そういえば来週にももう1人来ると言っていたような。するとこの街の魔法少女は17人になるのか。随分と増えてきたものだ。

 

 

「……初めまして。私の事はラ・ピュセルと呼んでくれ。早速で悪いが、君の名前を教えてもらってもいいか?」

「はい、ノンファ・ケティといいます!まだまだ未熟ですがよろしくお願いします……です」

 

 

 風に吹かれつつ、ノンファはぺこりと頭を下げた。改めてこの魔法少女……ノンファ・ケティの姿をまじまじと観察してみる。紫を基調としたゴシック調のドレスとブーツに、茶色のボブと頭を下げてもずり落ちない冠。確か、この冠はゲーム内最高レアのアイテムだったような気がする。そして、魔法少女共通の可愛らしい整った顔。魔法少女の外見に、変身前の容姿は関係ない。現に自分のような男でも見目麗しい魔法少女になれていることだし。

 

 

「ノンファ・ケティさんかぁ。これからよろしくね!」

「私は同じ魔法少女だ。共に助け合っていこう」

 

 

 スノーホワイトが手を差し出す。しかし、その手が握られることはなかった。

 ノンファが伸ばした右手は、スノーホワイトの脇腹を思い切り殴り付けた。魔法少女の力で殴られた彼女は、遥か遠くへ吹き飛んでいく。

 

 

「スノーホワイト!?お前、何を─────」

 

 

 ノンファが僕の言葉に耳を貸す様子は一欠片もなく、すぐにスノーホワイトが吹き飛んでいった方へ向かった。こちらも向かわなければ。しかし、相手の魔法も何も分からない状態で……

 違う。考えるより先にまずはスノーホワイトの元へ行かなければ。思考は二の次、三の次だ。目線は2人のいる方向。足に力を入れ、鉄骨をつま先で蹴った。

 

 

 スノーホワイトの悲鳴と痛々しい打撃音が聞こえてくる。初対面の魔法少女がなぜこんなことをするのか皆目見当もつかないが、今はどうでもいい。まずはスノーホワイトを助けるのが先だ。

 

 

「いや!やめて!同じ魔法少女同士なのに、どうしてこんな事するの……!」

「……どうして、ですか?うーん……そう言われると、『楽しいから』としか言い様がありませんね。

 アリさんやハエさんを潰すのに理由があります?ありませんよね?それに今私、とってもうきうきしてるんです!新しい力を手に入れて、早く使ってみたかったんですよ!ちょうどいい所にスノーホワイトさん達がいて助かりました!」

 

 

 聞こえてきた会話に愕然とする。自分以外を蟻や蝿と同列に見ているのか。なんにせよ、このままだとスノーホワイトが危ない。速く、もっと速く走らなければ。

 

 

「……ああでも、スノーホワイトさんで遊ぶのはもう飽きちゃいました。

 そろそろバイバイですね」

 

 

 待て、バイバイってそれはどういう────────

 

 

「……私の魔法はゴミを消せるって魔法なんですけど……これ、魔法少女にも使えるんですかね?」

「ごめ、なさ……ゆるし……」

 

 

 嫌な予感がする。絶対に止めなければならない。四肢がちぎれそうな程激しく手足を振る。まだか。まだか。まだ着かないのか。永遠とも思える時間の中一心不乱に走り続け、やっとノンファの背中を捉えた。もうすぐ、もうすぐスノーホワイトに手が届く。

 だが──────────

 

 

「スノーホワイトさん、ありがとうございました。

 さようなら」

「ひ、やだっ、痛い痛い痛いいたいたいたいいたいあああああぁ────────!!」

 

 

 間に合わなかった。

 スノーホワイトの体はねじれ、膨らみ、弾けて血と臓物の雨を降らせた。

 だが、それは一瞬にして消えた。破れたコスチュームの切れ端から辺りに飛び散ったスノーホワイトの血、その一滴一滴に至るまで全て。

 守れなかった。もう少し自分が早く駆けつけていれば。もう少し自分が注意深ければ。そもそも今日スノーホワイトを誘わなければ。

 いくら後悔してももう遅い。だが目の前の魔法少女、ノンファ・ケティだけはここで倒さなければならない。許さない。許さない、絶対に────────

 

 

「お前、なんで……こゆきが、死ん、違、僕が守れば、ああ、あ……

 うおおおおおおおぉぉぉ!!」

 

 

 目の前がまともに見えない。しかし、奴は確かにそこにいる。例え道連れになろうとも、あいつを殺す。もうその事しか考えられない。

 僕は即座にノンファ・ケティの前へ駆け、剣を振りかぶった。

 

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「マスター、ちょっといいぽん?」

「何ですか」

 

 

 管理者用端末から白黒のホログラムが浮き上がり、金色の鱗粉を撒き散らす。電子妖精に表情などというシステムはないが、どこか嬉しそうな顔に見える気がした。

 

 

「今日新しく入ってきた魔法少女……あいつ相当やばい奴だぽん。ウルトラデンジャーぽん」

「あなたがそこまで言うなんて珍しい。そもそも今日初めて見たばかりなのに、なぜそうだと言いきれるのです?」

「変身してすぐ……チャットルームに来る前に2人殺ってるぽん」

 

 

 天井に伸ばしかけた手が止まる。寝そべった体勢のまま、心臓が高鳴っていくのが分かった。すぐにでも飛び出していきたい欲求を抑えて、ファヴの話に耳を傾ける。

 

 

「体術と身のこなしは達人並、魔法の使い方も手馴れてて……ついさっき魔法少女になったとは思えなかったぽん。

 ───────ああそれと、マスターと同類にも見えたぽん」

「私と……同類?」

「あの魔法少女……ノンファ・ケティは、戦いを楽しみ、戦いを求めているように感じたぽん」

「…………へえ」

 

 

 口を手で押さえても、口角がつり上がるのを止められない。目の前に好敵手となりうる存在が現れた時の興奮は、何にも変え難いものだ。

 そして──────その相手を打ち破る快感も、狂おしい程に心地良い。

 

 

「ノンファ・ケティ────────その名前、覚えました」

 

 

 すっかり目が冴えてしまった。今日もまた、眠ることはできそうにない。




不自然な所が多すぎて納得できない出来です……許し亭許して……
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