「やあやあ、初めまして僕は創造神……と言っても下級のだけどね」
光に包まれたよくわからない空間にてある三人の魂は創造神を名乗る何者かに出会った。
「何が起こったかわからないと思うけどまず僕の話を聞いてほしい」
三人は内心、混乱している。三人の直前の記憶では歩道を一緒に歩いていたところを突然、車が勢いよく突っ込んできたところで途切れている。おそらく車に轢かれて死んだのだろうがとりあえず話を聞いて現状を理解することにした。
「最初に言った通り僕は下級創造神。分かりやすく言えば
今、凄くメタい発言をされた気がするが三人は聞かなかったことにした。
「で、僕は今回『ハイスクールD×D』をコピーした世界を創ろうと思ったんだけど個性が必要だと思ってね」
瞬間、三人は嫌な予感がした。
「君たちにはその世界に転生してもらいます!」
「「「い、いやだぁぁぁ!」」」
思わず三人は叫んだ。
「おや、上手くやればハーレムを創れるかもしれない世界に転生できるのにかい?」
「だからどうした!?」
「あの世界に転生とか碌な目に遭わねえだろ!」
「神器持っていたら堕天使に殺されるか、悪魔に強制転生……教会関係だと下手すれば人体実験……そもそも神話勢力に転生したら無駄に長生きだし、もう転生するぐらいならこのまま消えた方がマシじゃね?」
よっぽど嫌なのか三人とも「NO」の返答をする。
「あ、ちなみに原作キャラへの転生だから」
「「「なおのこといやじゃぁぁぁ!」」」
憑依転生であることを聞いた三人はさらに拒絶の意志を強くする。この時、三人の頭に過ったのは変態三人組。ちょうど三人いるからそう思ったのだ。その場合、三分の一の確率で主人公である。原作から逃げられなくなる、それだけは嫌だと三人は叫んだ。原作キャラの時点で逃れられない予感しかしないが。
「だが、残念。時間になったら君たちは転生だ。ちなみに残り時間三分」
「「「俺達はカップラーメンじゃねえんだぞ!」」」
当然ながら文句言う三人。
「あ、そうこう言っているうちに引き寄せられているね」
言われてみると何か引っ張られる感覚がすることに三人は気づいた。
「あ、転生特典を付けてあげるから早く言ってくれる?」
「「「先に言え!」」」
しかし、時間がなく考える時間はない。それ故に一人目はとにかく思いついたのを言う事にした。
「ど、ドラクエシリーズの魔法と技を使えるようにして!」
「じゃあ俺はテイルズシリーズ!」
「え、えっとキングダムハーツで!」
「「そこはFFじゃないのか!?」」
「OK」
それを最後に三人の意識は途切れた。
「と言うのが俺の生まれる前の記憶だ」
「大変だったんですね」
転生前の記憶を話す男性に対して教会で聖女と呼ばれていた少女、アーシア・アルジェントは馬鹿にするでもなく真剣に話を聞いていた。
「次に気づいた時にはシグルド機関だ。その時に知識とそれまでの記憶も頭にインストールされたわけだが……自分が『フリード・セルゼン』と知って数分程叫び続けたわ」
その時の叫びを文字にするなら「あ゛あ゛あ゛あ゛」だろうか。
「それからは誰にもバレないように自分の特典を確認しつつ訓練の毎日、あとは隙を見つけて遺伝子上の妹を連れて脱走したってわけだ」
だいぶ簡略化されているがそれがこのフリード・セルゼンの今世だ。
「その過程でお前さんにも会って……なぜか一緒に旅しているんだよなぁ」
「不思議ですね~」
笑顔で言っているあたり教会から逃げ出したことを全く後悔していない。ちなみに知り合ったきっかけはアーシアが悪魔に無理矢理眷属にされそうになった時に傭兵の真似事をしているフリードが依頼で近くにいた為ついでに助けたのだ。
「まあ、付いてくるのは良いけど足手まといなら置いていくからな」
「わかってます」
そう言ってアーシアは手元を光らせ鍵の形をした武器を出現させる。
「戦う力を貰った以上は最低限力になります」
「偶然とはいえキーブレードに触っちまったからなぁ……」
アーシアが出したのは向日葵を彷彿とさせるデザインをしたキーブレード。フリードが特典で『キングダムハーツの技と魔法』を使えるようになった結果、キーブレードを使えるようになった。更に他の人間に「キーブレードを使わせる」と意識するとその人間も使えるようにする事ができるオマケ付きである。
ちなみにアーシアが使えるようになったのは遺伝子上の妹に投げ渡そうと投擲した先にアーシアが居り奇跡的にキャッチしたからだ。
「まあ、精々役に立ってくれよ? ただでさえ教会のエクソシスト共から目の敵にされてんだからよ」
「はい」
言いながらフリードは歩き出し、同時に妹であるリント・セルゼンがフリード達の方に走ってきた。
「兄貴―! 依頼貰ってきたっス! 今回は高額! しばらく宿にも飯にも困らないこと間違い無し!」
「わかった、わかった」
テンションの高いリントの持つ依頼書を受け取ってフリードは内容を確認する。
「依頼者は堕天使レイナーレ……遂にか」
とうとうこの時が来たか、とフリードは目つきを鋭くする。
「原作開始か」
嫌でも意識する。自分の死が近づいているのを。それを回避することができるかどうか。
「あいつらに会えると良いが」
叶うなら前世の友人たちとの再会を果たしたい。そのためにフリードは――
「行くか、駒王町」
原作の舞台に立つことを決めた。
憑依転生者その1
フリード・セルゼン
転生特典「KHの技と魔法が使えるようになる」
強制的に転生させられた被害者その1。FFは動画を見たことは有るがプレイしたことがなく彼にとって「ケアル」などの魔法はKHのイメージである。原作知識に関しては一誠が覇龍を使った時ぐらいで止まっており、原作で自分が死ぬのは知っている。とりあえず死なないよう何処かに隠居するために教会から逃げ出した。その時に自分の遺伝子上の妹の存在を知り一緒に逃げ出した。教会に対しては「試験管ベビー作るとかふざけんな」と怒り心頭。いずれ潰すと誓っている。転生を嫌がった理由は「おっぱいドラゴンが流行る世界は嫌だ……」とのこと。