仮想世界で繋がる縁   作:ガチタン愛好者

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アンケートは締め切らせていただきます。多くの回答ありがとうございました。フェアリー・ダンス編は要望通り執筆することにします。


帰還

「んん?」

 

ログアウトの光に包まれた小次郎は目を覚ました。ひんやりとしたベッドに寝かされているらしい。

 

「ここは‥‥‥現実世界か?」

 

小次郎から古原謙二へと戻った彼は動かない体に驚愕する。

 

「体が録に動かん。かろうじて首は動くが‥‥‥ここは病院か?」

 

震える右手を掲げ下に下ろす。慣れ親しんだ行為だがメニューは出てこない。

 

「ふむ、無事に帰還出来たらしいな。まあ頭にナーヴギアがあるからそうなのだろう。だが動けないのは不便だが、出来ることもない。寝るか」

 

そう言い目を閉じた

 

 

 

「ぐぬう」

 

が、寝られない。外が騒がしすぎるのだ。

 

「大方目覚めたSAOプレイヤーの対処でてんやわんやなのだろう。しかし暇だな」

 

謙二の元へ看護士がやって来たのはそれから数分後。簡単な質疑応答を済ませるとこれから日常生活を送らせる為のリハビリをすると言った。だがいかんせん人が多すぎるため毎日とはいかないそうだが

 

「凄いな。人とは寝たきりが続くとこうもダメになるのか。しかし‥‥‥二年か」

 

二年。それはSAOに囚われていた日数。余りにも長すぎて数えていなかったがそんなに経っていたのかと驚く謙二。

 

「勉強は‥‥‥まあ大丈夫だろう。前世の知識のお陰で大学入学程度までならカバーできるし」

 

「取り敢えずは看護士に言われた腕を動かすリハビリからだ。このままでは飯も食えん。長くなりそうだ」

 

 

 

その翌日

 

ゴロゴロゴロ

 

病院らしい音でドアが開く。また看護士かと思った謙二の目に飛び込んだのは

 

「ホントに‥‥‥無事に目覚めたんだ」

 

涙を流す紺野さんがいた。

 

「ああ、ただいま、だな」

 

落ち着いた口調で答える謙二。

 

「う、うう‥‥おがえりいいいいいい!」

 

泣きながら抱き付く紺野さん。それを黙って受け止め頭を撫でる。

 

「心配かけたな。紺野さん」

 

「それなんだけどね‥‥‥」

 

「ん?何だ?」

 

もじもじする紺野さん。

 

「実はね‥‥‥今のボク、紺野木綿季じゃなくて古原木綿季なんだ」

 

「‥‥‥?」

 

固まる謙二。そして

 

「それは‥‥どういうことか‥‥説明してもらえるかな?」

 

「それは‥‥‥」

 

 

 

全てを聞いた謙二は思わず天を仰いだ。

「つまり‥‥家族だと?」

 

「うん」

 

「‥‥‥‥何て呼んだらいいんだ?」

 

「そうだね。木綿季ちゃんとでも呼んでよ!」

 

「うぐっ、いきなりちゃん付けは‥‥‥」

 

「ダメ?」ウワメヅカイ

 

「ああ!分かったよ!だが家族ならばちゃんはおかしいからちゃんは付けないぞ。木綿季」

 

「呼び捨てか‥‥‥まあそれでもいいよ」

 

「お気に召したようでなによりだ」

 

すると木綿季は

 

「ねえ謙二、少し老けた?」

 

「何!?」

 

「何か前会ったときより喋り方がおじさん臭いというかなんというか」

 

「それは‥‥まあ、二年間も役を演じていたからな。ここまでだと演じるというよりは人格が変わると言ったところだな」

 

「そっか、でもボク、今の謙二も大好きだよ!」

 

思わぬ不意打ちに動揺する謙二。女性経験が前世を含めて著しく欠如しているためこういったことに弱いのだ。

 

「なっ!あまりからかわないでくれ。年頃の男の子はそんなことを言われると誤解するんだぞ?」

 

「ふーん」

 

「何だ!?その何かを悟ったような目は!?」

 

「いやぁ、何でもないよ?そろそろ時間だね。じゃあまた来るね。リハビリ、頑張って!応援してる!」

 

「ありがとう」

 

出ていく木綿季を見送った謙二は暫くベッドで悶絶する事になる。

 

「大好きだって?木綿季が?いやいやまだ彼女は若い、子供だ。どうせ一時の気の迷いに違いない。うん、きっとそうだ。思春期によくあるやつだ。うん、私はよく知っている。うん」

 

 

 

木綿季side

「あ~可愛かったなぁ謙二」

 

お見舞いを終えた木綿季はそう言いながら歩く

 

「あのとき普段は落ち着いてる謙二が明らかに動揺してた。耳まで真っ赤だったし。もしかして謙二ってストレートな言葉に弱い?」

 

女の勘というのは恐ろしい。実際に謙二は別の解釈の余裕がないストレートな言葉に非常に弱かった。

 

「ふふっこれで少なくとも他よりは一歩リードかな?ボクをその気にさせた責任、取ってよね?」

 

小悪魔のような笑みを浮かべる木綿季。お母さんに恋だと言われてから抑えが無くなったのも原因の一つだろう。

 

「まずはお見舞いだね。多分リハビリで疲れるだろうから」

 

 

 

それから数週間、謙二は地獄を味わった。日数が取れない上に若いということもあってかリハビリはかなりハードなものだった。それを全て耐えられたのもひとえに木綿季の手助けあってこそである。そして

 

「ただいま」

 

「「「お帰りなさい!」」」

 

ようやく帰る二年ぶりの我が家、だがそこには二年前にはいなかった木綿季がいる。

 

「凄いな。ゲームを終えたら家族が一人増えていたとはな」

 

「二年間ってそれくらい長いんだよ!謙二!」

 

「そうか‥‥‥取り敢えずは部屋に戻ろう」

 

階段を上がって久々の自室に入る謙二そこには

 

「おお、あのときから何一つ変わっていない。まさしくここは私の部屋だ」

 

何一つ変わっていない家具の配置。恐らくいつ帰ってもいいように掃除だけはしていたのだろう。それに思わず涙する謙二

 

「ああ、これは、良い」

 

だが一つだけ違うのは枕元にあったナーヴギア一式である。跡形も無くなりそこだけぽっかりと空間ができていた。

 

「これに虚無感を抱くとはな、それほどまでにあの世界は残酷だが素晴らしかったのだな。というかいい加減にこの口調を直さなければ。学校に復帰したときに虐められかねん。自分が原因で虐められるようなことは無くさないと」

 

だがそれも杞憂だった。SAO生還者は特別の学校に通うことが決められていたのだ。しかし、回りとの解離を無くすと言えば聞こえは良いがただの隔離処置である。世間ではSAO生還者=野蛮人と考えられている事にまだ謙二は気が付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 




うーん。今更ながら木綿季のキャラはこれでいいのだろうか?原作では元気ッ子という描写がほとんどだったからなぁ。

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