「さて、どうしようか。まずはキリトと合流しよう。あいつのことだ。間違いなくログインしてるはずだ」
リズベット武具店で武器を調達したコハルはアルゴにキリトの居場所を聞く、すると
「ふむ、奴は既にここ、アルンに到着していたか、一歩遅かったな。それにもうグランドクエストにも挑んだだと!?だが失敗したのか。あいつでさえ駄目となるとクリア出来る奴はいなさそうだな。まあ取り敢えず合流だ。どんな風に声を掛けようか‥‥‥」
幸いキリトはログインしているらしい。アルゴのメッセージの場所に行くと
「おっ、いたいた。相変わらず真っ黒だなあいつ。それに側には金髪の美女!?お前!アスナさんはどうしたんだ!?」
真っ黒なキリトの横にはシルフの女性プレイヤーがいた。
「よし、剣で語り合うか。その方がサプライズになるだろう」
キリトに近づくコハル。向こうも気がついたらしい。
「何か用か?」
「あなたがキリトですか?」
「はい、そうです」
「何でも素晴らしい剣の腕前をお持ちだとか?」
「まあ、それほどでも‥‥‥」
流石のキリトも名前もアバターも変わった今の自分には気がつかないらしいな
「もしよければ手合わせしていただけませんか?」
「いいですよ」
あっさり受けるキリト。選ばれた決闘モードは全損決着、実際に死ぬわけではないALOではこれがポピュラーなのだ。
「しかし、ここでですか。まあ場所はどこでも良いですが人目に付きますね」シャラン
3
「街中ですまない。しかし、長い刀だな。あいつを思い出すよ」
2
「あいつが誰だか知りませんが本気で来てくださいね?」
1
「当たり前だ。誰が相手でも手は抜かない!」
ピーッ!
「ぜあぁ!」
うん、相変わらず早いな、キリトは。というか早すぎないか!?
ギン!
「おわぁ!ととっ!」
早いだけじゃない。重い‥‥‥
ガキャン!
「その構えの無い、でも刃先だけは整ってる剣技、お前は‥‥‥もしかして!」
その驚愕が命取りだった。
「隙を見せたな!キリト!」
即座にあの構えを取る。
「その構えは!?」
「秘剣」
「燕返し」
ヒュオ
ズガァァァァァァァン!!
凄まじい音、モロに食らったキリトは宙を舞い
パシャァァァァァン!
砕け散った
その後そばにいたプレイヤーに蘇生してもらい残り火から復活するキリト。
「やっぱお前小次郎だろ?あの剣技使えるのお前だけだからな」
「はっはっは、良い再開だなキリト。だが小次郎という名はもう捨てた。ここにいるのはインプのコハル。ただの棒振だ」
「あれが棒振なら俺は何なんだ‥‥‥」
「それはそうとキリトよ。こちらの女性は?もしやアスナさんというものがありながら浮気か?」
「違うわ!その‥‥‥」
チラッと横を見るキリト。頷かれたのを見て
「リアルでは妹のリーファだ」
「ほう、お前ボッチだと思ってたら妹がいたのか」
羨ましい!俺だって可愛い妹の一人や二人‥‥‥うぅ?何やら寒気が‥‥‥リーファと呼ばれたプレイヤーは
「どうも、リーファです」
「コハルだ。あなたの兄の所謂戦友?になるのかな。よろしくリーファさん」
「よろしくコハル」
一通り挨拶を済ませた俺はキリトに向かって
「良かった良かった。妹さんだったのか。ことと次第によってはアスナさんに報告しないといけないところだった」
「アスナ‥‥‥」
おや?一気に暗くなったな。これは当たりか?
「やっぱりアスナさん‥‥このゲームに?」
「ああ、お前はあの画像は?」
「鼠に見せてもらった。今お前の反応で確信したよ。良かった、当たりで」
「知らずに来たのか?じゃあお前はなんでALOに?VRゲームなんてごまんとあるのに」
「未帰還者の管理はレクト、そのレクトの関係する会社が運営してる唯一のゲームがALOだからな」
「なるほど、俺はリアルでエギルに教えてもらったんだ」
「なるほどな」
そこから俺はキリトと情報交換をした。既にグランドクエストに一回挑んだこと。おかしいレベルの難易度で関係する他の弱体化クエストのようなものがないことから恐らくクリア不可能なクエストだということ。それを聞いた俺は
「無理ゲーじゃねえか!なあ、別にアスナさんは持病とか無いんだろ?無理に俺たちが解決しなくてもいいんじゃね?」
「そのことなんだが‥‥‥」
そこからの話は聞くに耐えかねる話だった。早い話が大人の力を使って強引にアスナさんを寝取られる寸前らしい。厄介なのは親公認だということ。本人に意識が無いため拒否も出来ないということ。本人に意識が無いうちに籍も入れて逃げられなくするつもりらしい。だが
「何故そこまで詳しく知ってるんだ?」
「ガキは指咥えて見てろって堂々と喋ってくれたよ。本人が」
「それは誰なんだ?」
「須郷だ。レクトのフルダイブ技術研究部門の主任でアスナと結婚してレクトを乗っとるつもりらしい。でも俺以外には猫被ってて俺の意見程度じゃ大人は動いてくれない」
「うーむ、聞いた限りだと素晴らしい程の完全無欠の外道だな」
「なんとしてもあいつを止めないと!なあ!小次郎!協力してくれ!」
「嫌だ」
「何で!?」
怒るキリト、まあ当然の反応だろう。
「小次郎はあの鋼鉄の城にいた侍の名だ。ここにいるのはただのコハルだよ?」
それを聞いたキリトはほっとした表情で
「じゃあ、コハル。アスナを取り戻すために、協力してくれ!」
「応とも!」
「ところでキリト。気になってたんだがその随分豪華な装備は?一体どこからそんな金が?」
「?このゲームはSAOサーバーをコピーして作られてる。SAOにいた頃のデータが残ってたんだ。そのお陰で大量の金が貯まってるんだよ。お前は無かったか?続きからってやつ」
「あったが無視した。地雷の臭いがしたからな。じゃあ小次郎の名前が使えなかったのは‥‥‥」
「このサーバーにあの時の小次郎のデータが残ってたからだろうな」
「ぐぬう。まあ強くてニューゲームは俺の好みじゃない。多分知ってた上でも選ばなかっただろう」
「そういうとこお前らしいな」
あらかじめ伝えていたとはいえあまり木綿季を待たせるのも不味い。ある程度話をしたところでキリトとは別れてログアウトした。どうやらご飯を食べずに待ってくれていたらしい。
「すまん。待たせた。先に食べてて良かったのに」
「いいのいいの、ボクが待ちたくて待ってたんだから。で、どんな感じ?」
「SAO時代の仲間と合流した。どうやらALOが当たりだったらしい。多分今後ダイブする時間が増えるかも」
「気にしないで。部屋に行けばそこに謙二はいるし、寂しくは無いから」
「本当にすまん。これが解決したら一緒に遊ぼうな」
「うん!約束だよ!」
同時刻、ALO内、世界樹最上部
「ハッハッハッハッハ!
高らかに笑う一人の男。その背中にはどの種族とも違う羽が生えていた。
「姫も既に私の手の中に‥‥‥‥ガキどもは私には手を出せない!あの少年の怒りの表情ときたら‥‥実に‥‥‥良い!」
男はテラスに出る。眼下には多くの妖精達が蠢いている
「虫けら供よ!平伏せよ!この私こそが‥‥‥真の‥‥‥」
バサリとマントを翻らせて両手をYの字に掲げる。
「神だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!フハハハハハハハハハ!!!!!!!」
うーん。隠しきれない小物臭。
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