打ち上げを終えて数日が経ったある日のこと。いつものようにALOにログインするとキリトからとあるメッセージが届いていた。
『俺のマイホームに来てくれ』
キリトのマイホーム。それはALOの一連の事件が終わった後、レクトから運営を引き継いだ企業がかつてのサーバーからデータをサルベージして実装したあの鋼鉄の城、アインクラッドにある。ただ妖精の世界の上空を漂うアインクラッドは自分的には嬉しい実装だったがこの世界観からは明らかに浮いていた。
「一体何なんだ?わざわざ呼び出すなんて」
「すまない。ちょっと皆と話したい事があってな」
見ればいつもの面子が揃っている。といってもエギルやリズベットといった店を持つ者は除いてだ。
「話したいことって?」
「なあコハル。お前‥‥‥‥絶剣って知ってるか?」
「なんだそれ?」
「今巷を賑わせてる辻デュエルやってるやつだよ。知らないのか?」
「生憎俺は今初めてALOでアインクラッドに来たからな。知らんよ」
「そいつが凄い剣の腕でな‥‥‥」
話を纏めるとなんか凄い強い剣の使い手がいるそうだ。ほほう
「場所は?」
「一気に目の色変わったな、おい。午後3時に24層の小島だ」
「その言い方は‥‥‥戦ったのか?」
「でもお兄ちゃん負けちゃったんだよ!」
「でもキリト君は二刀流使わなかったけどね」
アスナさんとリーファさんの話を聞いた俺は
「それは‥‥‥‥面白い!行くぞ!」
午後3時、第24層小島
「ふむ、ここが‥‥‥」
小島には多くの人が詰めかけていた。真ん中にぽっかりと人だかりが無い場所がある。
「どれどれ‥‥‥!?」
そこにいたのは一人の男と一人の少女。見た感じ少女が優勢のようだ。
「いけー!絶剣!」
「あの少女が‥‥絶剣?」
確かにかなりの腕前のようだ。終始圧倒している。そして
win
ユウキ
ふむ、絶剣の名前はユウキというのか
「誰か他にやりたい人いませんかー!?」
かなり元気の良い声だ。木綿季を彷彿とさせるな。どれ
「私がやろう。いいかな?」
「「「あれは‥‥‥侍!?」」」
長い刀一本でユージーンに勝ったのが広まり侍と呼ばれるようになったコハル。
「ん?お兄さんやるの?おっけー。じゃあルールはどうする?空中戦あり?ボクは何でも良いよ」
名前がユウキで一人称がボク‥‥‥いやいや考えすぎだ。第一これはMMORPG、俺のようにキャラを作ってるやつもいるんだ。
「地上戦で頼む。空は苦手だ。魔法も無しで」
「うん!良いよ」
そう言ったユウキの背中からインプ特有の蝙蝠のような羽が消える。
3
「じゃあ、行くよ!」
2
「ああ、望むところだ」シャリン
1
「参る!」
ピーッ!
「ッ!」
中々に鋭い速い剣だ。キリトに匹敵するんじゃないか?これ、だが
キィン!
「その程度の速さならば見切れるぞ?」
「でもそんな長い刀じゃ小回り効かないよね!」
ご名答。弾かれて私が構えた時には既に相手の剣が迫る。しかし
「予想の範疇よ!」
ダッ
バックステップでこれを避けて切りかかる
「セァア!」
ギン!
暫く打ち合いが続く、だがコハルの目は爛々と輝いていた。
「これほどとはな!素晴らしいぞ!絶剣!」
「そっちこそ!この間の黒いお兄さんと同じくらい強いよ!」
ギャリン!
一際大きな音と共に一旦距離を取る二人
「ところで何故このような真似を?」
「強い仲間が欲しくてね」
「私はその黒いのと知り合いでね。はっきり言ってあいつは相当強いぞ?あいつで良いんじゃないか?」
「駄目だよ。あの人は。理由は言えないけどね」
「そうか。さて、話はここまでにしておいてそろそろ決着と行こうか」チャキン
「ん?今まで構えなかったのに構えた?うん!望むところだ!」
間合いはバッチリ
「秘剣、燕返し」
ヒュオッ
今までありとあらゆる敵を葬り去ってきた秘剣が絶剣に迫る。
「ッ!!」
ドギャン!
「何!?」
だが仕留め損なった。今まで防がれたり弾かれたことはあったが避けられたことは一度も無かった。当然である。絶対に必殺の一撃を浴びせる、そのための燕返しなのだが‥‥‥
「驚いたけど下がれば当たらない!」
絶剣は突進していたが燕返しを見るや否や咄嗟に後ろへ飛んだ。その結果
「ぐぬう」
放った三本の刀は一点でぶつかり合いコハルの動揺も相まって決して小さくない隙が生まれる。絶剣にとってそれは十分過ぎる隙であった。
ヒュイーン
「手加減はしないよ!」
エフェクトを纏う剣。
ザシュキンザシュザシュザシュ!
連撃系のソードスキルなのだろう。体に次々と突き刺さる剣。何とか弾こうとするも間に合わず一部のしか弾けない。
ザシュザシュキンキンザシュ!
ここで一旦剣が途切れる。我に帰ったコハルは
「これで打ち止めか!秘剣!」
ヒュン!
「何!?」
既に10連撃が放たれた。その時点で桁外れのスキルなのに、11連撃目があった。
「見事‥‥‥」
燕返しの構えの為迎撃も避けることも出来ず思わず目を閉じるコハル。SAOからやってきて初めての完全敗北であった。が、
「ん?」
いつまで経っても切られる感触がない。恐る恐る目を開けると
チャキン
目の前で剣が止まっていた。明らかに寸止めである。
「何のつもりだ?」
すると絶剣は構えた剣を仕舞うと
「うん!お兄さんに決ーめた!」
晴れやかにそう言う絶剣。そして
「今までありがとうございました!デュエルはこれで終わりでーす!」
手を振って去る絶剣。その姿が見えなくなりふとメニューを見ればそこには
『ここに来てね!』
地図と時間が添付された絶剣からのメッセージが届いていた。
現実世界、自室
「うーむ、聞いてみるか」
聞いてみる、とは勿論今日出会ったあの少女のことである。木綿季とは一緒にゲームをするとは言ったものの準備と都合が付かず未だに出来ていない。
コンコン
「木綿季、ちょっといいか?」
「‥‥‥‥‥‥」
「むう」
返事がない。一応親しき仲にも礼儀ありと言うので無断で入ったりはしないことにしている。
「夕飯の時にするか」
そして夕飯
「なあ木綿季ちょっと聞きたいことがあるんだが」
「ん?何?」
「疑ってすまないんだがALOやってたりしないよな?」
「‥やってないよ?」
間があった。いやかまさかね?
「俺に隠してること‥‥‥無い?」
「むー、ボクのこと疑ってるの?」
「いや、そういうわけじゃ無いんだがな‥‥‥」
何かを隠してるのは確かか、だがまあ今聞くようなことでも無さそうだ。
「すまない。疑ったりして。ごちそうさま」
木綿季は部屋に戻る謙二をどこかホッとした表情で見送った。
謙二が去ったリビングでは
「あ、あ、危なかったー!」
木綿季が大きく息を吐いて突っ伏した。というのも
「流石に勘づかれたかな~」
何を隠そう(隠せてないけど)ここにいる木綿季こそが絶剣ユウキの中身だったりする。
「でもまだ謙二に知られる訳にはいかないんだ!」
決意を新たにする木綿季であった。
「ふむ、ここか」
所は戻ってきてALO、コハルは呼び出しのあった場所に向かうとそこには一軒のプレイヤーホームがあった。
「入っていい‥‥んだろうな。この中が指定の場所だし」
恐る恐るドアを開けると
「あっ!コハル!やっほー」
「こらユウキ、あなたは‥‥‥」
元気よく手を振るユウキの姿が
「ここで合っていたかな?」
「うん!ようこそ、ボクのギルド、スリーピングナイツへ!」
「コハルだ。よろしく」
「早速なんだけどね‥‥‥」
端的に言うと最前線のボスをこの面子で倒したいと、でも戦力が足りないからあんなことをやっていたと、そういうことらしい。だが
「だが何故?無理にこの少人数で挑まなくても他と協力すればクリアはできるだろう?」
「それじゃダメなんだ。それだと石碑に刻まれるのはそれぞれのギルドのマスターだけ。ボク達はここにいる皆の名前を刻みたいんだ!」
必死に訴えるユウキ。そこまで言われると、なぁ
「分かった。最大限手伝おう」
「ありがとう!」
「気にするな。昔一人でボスに挑んだときよりはマシだ」
「一人でボスに!?凄いね!」
ああ、ギルドってこんなに楽しいところなんだな。入れば良かったかな‥‥‥
そして翌日
「じゃあ早速行ってみよー!」
「「「おー!」」」
向かうはボス部屋。すでにボス部屋までは攻略されていた。するとボス部屋の手前で
「‥‥‥‥誰だ?」
「ん?どうしたの?」
「あの柱の影、怪しいな。誰だ!?」シャリン
刀を抜きにじりよるコハル。すると
「ま、待ってくれ!」
サラマンダーの男が姿を表す
「不意打ちのつもりか‥‥‥切る!」
「おい、話をk」
ヒュオッ
パシャーーン
チン
「よし行くぞ」
「ねえ、良かったの?問答無用で切っちゃって」
「ここは攻略済みのほぼ安全地帯。仲間を待っていたにせよ何にせよ魔法で姿を隠す必要はない。となれば十中八九不意打ちもしくは尾行して偵察といったところか。ついでに言えば身を隠さないといけないほど貧弱な装備でも無かったしな」
「へえ、凄いね。ところで何で気がついたの?ボクの索敵スキルには引っ掛かって無かったのに」
「勘だ。長年のな」
伊達にあの鋼鉄の城で鍛えられていない。気配で分かるのだ。
「では、行こうか。ボスへ」
「うん!」
ギィィィィィィィィィ
重々しい扉が開く。そこには
グルゥ‥‥‥
一つの体から二つの首が生えた巨人がいた。
「まずはモーションの確認だ。敵の攻撃を全て把握するんだ!」
「「「はい!」」」
時に近づき、時に離れ、敵の攻撃を誘う。攻撃せず避けることに集中すればダメージは食らわない。
「粗方出終わったか。次は隙を見つけて攻撃だ。行くぞ!」
「「「はい!」」」
とても初めてのボス攻略とは思えないテンポの良さ。
「うーむ、余りダメが入らないな」
「どうするの!?」
「狼狽えるな。こういうのは大抵どこかに弱点があるか、ステージにギミックがあるものと相場が決まっている。見た感じあの胸元の宝石が怪しいな」
「でもあの高さは届かないよ?」
「やりようはある。タルケン!俺の指示する場所で盾を斜めに構えてくれ」
「了解だ!」
「シウネーさん!ユウキにありったけのバフを!俊敏系と攻撃力系だ!」
「了解です!」
ボスの背後で盾を構えるタルケン。シウネーが詠唱すればユウキを暖かな光が包み込む
「ユウキはタルケンの向かって右側で待機!」
「分かった!」
「よし、行けるぞ。こっちだ!」
ボスの足元でひたすら切り続けヘイトを稼ぐコハル。当然ボスの注意はそちらに向き
グァァァァ!!!
「甘い」
ギィィィィィン!
鈍い音と共にボスのハンマーがカチ上げられ仰け反る。
「行け!ユウキ!」
「うん!」
俺はタルケンの目の前でパリィに成功した。つまり
ダッ!
ユウキが助走を付けて、インプの強みである室内飛行も使って
「やぁ!」
タルケンの盾を踏み台に飛ぶ、そしてちょうど胸元の宝石の目の前であの11連撃のソードスキルを放つ。そしてシステムの都合上ソードスキルを放つとプレイヤーの体はそこに固定される。よって
ズガガガガガガ‥‥‥‥
ユウキの体は空中で止まり11連撃全てを宝石に叩き込む。するとみるみるうちにボスのHPゲージが減っていき
パシャーーーン!
ボスの巨体が砕けた。
「やった‥‥‥のか?」
「ああ、我々だけでボス攻略を成し遂げたんだぞ」
シュタ!
「やったぁぁぁぁ!!!!ありがとう!!」
着地するやこちらに駆け寄るユウキ。
「どういたしまして、だ」
ダキッ!
「本当にありがとう!すっごい嬉しいよ!」
「ああ、分かったから。分かったから離れてくれ。これでも俺は男だぞ?」
VRは表情を隠せない。恐らく俺の顔は真っ赤だろうな。
「‥‥‥‥‥ふうん」
「な‥‥‥なんだ?その目は」
「別に‥‥‥‥」
何かを悟ったような目をするユウキ。俺から離れると
「じゃあ早速確認に行こう!」
第1層黒鉄宮
「どれどれ‥‥‥‥あった!皆の名前もあるよ!」
ユウキが指差す先にはしっかりと俺たち全員の名前が刻まれていた。このゲームが終わるそのときまで永遠に残る記録だ。
「写真でも撮るか?ほれ」
「おお、撮影結晶とは用意周到だね」
「使う機会が無かったからな。ほら皆集まれ」
パシャリ!
「よし!じゃあこのあとはホームで打ち上げでもしよう!」
「「「賛成!」」」
ちょっと話を練るのに手間取りました。それと読み返してたらミスを発見、修正しておきました。ちゃんと構成を考えたつもりだったんですがね、まだまだ未熟です。
文字数は?
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もっと減らして! 1000文字台
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少し減らして 2000文字前後
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今くらいが良い 3000文字前後
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もうちょい欲しい 4000文字前後
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もっと!もっとだ! 5000文字以上