仮想世界で繋がる縁   作:ガチタン愛好者

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今回オリジナル設定が登場します。


信じるは己の技量のみ

馬鹿みたいに曲刀を振り回してレベリングしていたある日のこと。ステータスに見慣れないスキルが追加されていた。その名も刀スキル。これに狂喜乱舞した俺だがこれがとんでもないスキルだった。

 

「うーむ、悩ましい」

 

それは扱い手によって最強にも最弱にもなるスキルだった。

 

「これは‥‥鍛練が必要だな」

 

その日から街の練習場に籠る小次郎の姿が目撃された。一応攻略組として名の知れた小次郎は何やってるんだと言われるも一切気にせず鍛練に励んだ。遥か彼方の剣豪を目指して。

 

 

 

そもそもなぜ小次郎がここまで鍛練に励むかというとソードスキルを使いたくないがためである。刀の欠点、それはきちんした振りで綺麗な太刀筋でないとダメージがほとんど入らないという点である。普通ならばソードスキルを使うことで鍛練をせずとも戦えるがソードスキルを使いたくない小次郎が選んだのはひたすらに鍛練である。これの面白いのは

 

「ふん!」

 

ズパッ

 

「うーむ、カスダメか‥‥」

 

またある時は

 

「ふん!」

 

シュパン!

 

「うお!凄まじいダメージ!一体今までと何が違うんだ?」

 

だが、それでも、少しずつ、確実にカスダメは減り、小次郎は刀をモノにしていった。腹が減っても休まず、HPが減らず、武器の耐久も減らない圏内なのを良いことに倒れるまで刀を振り、目覚めたらまた刀を振る‥‥‥‥

 

 

 

「ふむ、この辺りが頃合いか」

 

ようやく刀をモノにした小次郎。ソードスキル無しでカスダメがほぼ出なくなるまでに達した。だが犠牲になった物も多かった。

 

「今は‥‥‥何時だ?」

 

狂いに狂った時間感覚、小次郎が籠り始めたのが第7層が攻略された頃合いである。

 

「取り敢えずは武器の新調だな。流石に最底辺グレードの刀では示しがつかん」

 

困った小次郎は随分前にフレンドになった情報屋を頼ることにした。鼠のアルゴである。

 

『なあ、漸く鍛練が終わったのだがどこか良い武器屋を知らないか?刀を新調したい』

 

返信はすぐに来た。だがそれを見た小次郎は腰を抜かす事になる。

 

『オメー今までどこで何やってたんダ!?まさか最後に会った時からずっと刀の鍛練してたとか言わないよナ!?』

 

アルゴのメッセージからは怒りがひしひしと伝わってきた。だがまだ終わらない。

 

『一時期は死亡説も出てたんだゾ!?直に会いに来イ!ついでにどれだけ自分がヤバいことをしてたか自覚しロ!』

 

添付されてたのはとある街、だが‥‥

 

「第50層‥‥‥だと?」

 

小次郎は気がつけば第7層解放から第50層解放までひたすらに鍛練に励んでいたのだ。まさしく浦島太郎状態である。

 

「うーむ、この格好だとニュービーと思われそうだが‥‥・致し方無いか」

 

 

 

第50層

「で、あのときから休まずずっと鍛練してたと?」

 

「ハイ、ソウデス」

 

アルゴからは怒りのオーラが感じられる。そばを歩く者が避けるほどだ。

 

「まあ、生きてたならいいカ」

 

切り替えが早いアルゴは既に営業モードに移っていた。

 

「で?武器の新調だったカ?オメーレベルはどうなんダ?」

 

「一つも上がっておらん!20で止まっておる!何せ鍛練に励んだ場所は圏内だ。レベルが上がる筈もなかろう?」

 

「自信満々に言うナ!ならステータスも足りねーナ。取り敢えずは60レベまで上げて来イ。そしたらここに行ケ。いい武器を取り扱ってるゾ」

 

紹介された武器屋はリズベット武具店と言うらしい。なんとNPCではなくプレイヤーメイドの武具店だと言うから驚きだ。

 

「じゃあナ。次からは毎日とは言わねえが生存報告位しろヨ?」

 

「心得た」

 

 

 

あれから数日。驚異のスピードでレベリングを済ませた小次郎。休まない事には慣れている上、50層のモンスター相手には最底辺グレードの刀でもクリティカルが出れば割と戦えたのだ。もっとも雑魚一匹倒すのに数十分かかったが‥‥‥何本も武器を買い換えて漸く目標である60レベに達した小次郎は意気揚々と紹介された武具店に赴いた。

 

ガチャリ

 

「いらっしゃいませー!リズベット武具店にようこそ!どのようなご用件ですか?」

 

明るい笑顔で出迎えたのはリズベットというプレイヤー。置いてある武器を見るに相当の実力者らしい。

 

「新しい武器と防具が欲しい。刀と動きやすい装備を頼む」

 

「あー、刀使いの方でしたかー。こんなのはどうでしょう?」

 

渡された一振りの刀。軽く素振りをしてみると

 

「うーむ、手前が軽いな。ん?どうした?」

 

驚きの表情のリズベット

 

「凄い、刀ちゃんと扱えるんですか?」

 

「ある程度は扱えるぞ?我流だがな。どこか変だったか?」

 

「いえ、ただ刀使いのほぼ全員がソードスキル任せで本人はあまり綺麗な太刀筋とは言えないので‥‥‥」

 

「ほう」

 

「もしかしたらあなたなら補正無しの純粋な刀が作れるかも!」

 

「おい待て。補正とはなんだ?」

 

「えっ、刀使いなのに補正を知らないんですか?刀に付与されてる剣筋補正です。これで多少はソードスキル無しでも戦えるというものです。その分他のステータスが犠牲になりますが」

 

「そんなものはいらん。鍛練のお陰でほぼクリティカルが出る状態だからな」

 

「凄い!信じられない‥‥‥これは腕が鳴るぞぉ!出来上がったら連絡するので連絡先を下さい」

 

「請け負った」

 

 

 

それから数週間後、小次郎は今までの分を取り返すかのように休んだ。といっても風呂に入って寝てただけである。しかし第7層から寝ずに鍛練に励み、それから寝ずにレベリングをしたお陰で精神的に疲れたのだ。そうこうしているとリズベットから完成したという連絡が入った。

 

 

 

リズベット武具店

「これがあなたの装備です!」

 

目の下にくまを浮かべたリズベットがそう言った。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「ここは仮想世界。数週間寝なくても死にゃせん!」

 

「まあ、そうだな」

 

口が裂けてもそれ以上寝ずにやったとは言えない。

 

「おお、これは凄い」

 

そこにあったのは袴と2m近い大太刀であった。

 

「この大太刀は?」

 

「よくぞ聞いてくれました!それは物干し竿という名前の刀で見ての通りとても長いです。型が無いあなたにはリーチがあって良いでしょう?上手く扱ってください」

 

試しに振るととても手に馴染む。長いのに易々と振り回す小次郎を見て

 

「刀に振り回されずちゃんと振れてる。私の目に狂いは無かった!」

 

「これはとてもいいな。どれ、装備の方は‥‥‥」

 

一式を着込むとそこには一人の侍がいた。薄紫の陣羽織に袴、長すぎて腰には差せない物干し竿は背中に装備した。

 

「素晴らしい。動きやすく、袴のお陰で足裁きを見られにくい。良いものだ。で、値段はいくらかな?」

 

リズベットは微笑んで

 

「いらないわ!私の持てる全てを詰め込んだ逸品よ。今後のメンテナンスと少しの広報活動をしてくれたらいいわ!」

 

「恩に着る。約束は果たそう」

 

このあとリズベット武具店を訪れる客が倍近く増えたという。誰しもカッコいい侍には憧れるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アルゴの!口調が!難しいです!
小次郎の装備はfateの佐々木小次郎をイメージしてください。

フェアリー・ダンス編は?(やるならばヒロインの登場が大きく遅れます)

  • 全部必要!
  • 主要な所だけやってくれ!
  • 不要!さっさとヒロイン出さんかい!
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