仮想世界で繋がる縁   作:ガチタン愛好者

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お気に入りとUAが思いの外伸びていて驚いています。


荒れる剣豪

「秘剣!燕返しぃ!」

 

ヒースクリフとの決闘を終えた小次郎はそのままフィールドに向かいモンスターに八つ当たりしていた。普段は静かに呟く技の名前を叫んでいる事からも小次郎の行き場の無い怒りが伺える。

 

「あのときのヒースクリフ、明らかにおかしい動きをしていた。チートかそれに準ずるもの、あるいは裏技か。少なくとも技量でどうこうなる動きでは無かった!」

 

パシャァァァァァン!

 

消し飛ぶモンスター

 

「そして一番は、何故私はこうも怒っているのだ!」

 

パシャァァァァァン!

 

叫びと共に消し飛ぶモンスター達、気がつけば辺り一帯のモンスターは姿を消していた。潤沢になった小次郎のインベントリがモンスターの行く先を表している。

 

「まずいな、感情が収まらん。何が原因だ?」

 

暴れるだけ暴れてある程度落ち着いた小次郎はまずは原因を探ることにした。

 

「ヒースクリフが卑怯な手を使ったことか?いや、勝つためなら致し方無い事。ならばやはり‥‥‥」

 

空を見上げて

 

「途中で降参したことか。まだ戦えただろうに」

 

あの時のヒースクリフのHPは満タン。燕返しが決まってもそのうち一つでも弾けば耐えられた筈だった。

 

「いや待て、降参せざるを得なかったと考えたなら?」

 

ヒースクリフの有名な伝説にHPゲージが黄色以下にならないというのがある。

 

「もしやヒースクリフは裏技等といったちゃちなものではない別の何かを使ったとしたら?」

 

だが考えてもこれ以上の進展は無かった。

 

「ええい!面倒だ!敵なら切って捨てる。ただそれだけよ!」

 

自分に言い聞かせるように叫ぶ小次郎。

 

「さて、帰るか。ん?メッセージ?」

 

開いたメッセージには日時と場所だけが載っていた。

 

 

 

第75層市街地

メッセージにあった場所を訪ねるとそこは所謂稽古場と呼ばれる場所であった。小次郎が長い間世話になった場所でもある。

 

「一体誰が‥‥‥」

 

「よっ小次郎」

 

「おお、キリトではないか。何用だ?」

 

呼び出したのはキリトだったらしい。キリトは、

 

「お前さ、決闘の後モンスターに八つ当たりしてたろ?」

 

「ほう、バレていたのか。恥ずかしながら感情が押さえられなくてな」

 

「珍しいな。でもまあ小次郎も人間なんだなって思ったよ」

 

「で、用件はなんだ?こんなところに呼び出して」

 

するとキリトは背負っていた黒と水色の二本の剣を抜いた。

 

「俺と手合わせしてくれ。ついでにここで気持ちに完全に整理を着けろ。今のお前さ、自分は平常心に戻ったと思ってるだろうが普段より顔が険しいぞ?」

 

「ふむ、そうだったか。私もまだまだだな。ならば断る理由はない」

 

シャラン

 

小次郎も背負っていた物干し竿を抜く

 

「ならば、参ろうか」

 

3

 

「望むところだ!」

 

2

 

「二刀流の力、拝見させてもらおう!」

 

1

 

「いざ尋常に」

 

 

 

「「勝負!」」

 

ピーッ!

 

「シッ!」

 

仕掛けたのはキリト、リーチを警戒してか超至近距離で戦うつもりらしい。

 

「素早いな。だが至近距離であっても戦えない訳では無いぞ?」

 

長い刀の柄に近い部分で剣を受ける小次郎

 

「良い鍛冶屋が打った刀だ。鍔迫り合いも問題なく出来る!」

 

だが、

 

「忘れたか?俺の剣は二本あるんだぜ?」

 

ヒュオ

 

右手で振り下ろされる剣。しかし、

 

「承知の上よ」

 

小次郎は刀を持つ手を上に上げた。そのまま打ち合った場所を支点にキリトに刀が迫る。

 

「チッ!」

 

ガキャン!

 

思わずバックステップで距離を取るキリト。距離を、取ってしまった。

 

「そこは私の間合いだぞ!」

 

ガキャキャキャン!キンキンキン!

 

怒濤の連続攻撃、小さく降られた刀は素早く次々に剣先が迫る。早さに自信があるキリトであっても捌くには両方の剣を使わないといけない程だった。そのせいでキリトは剣が届く間合いに近づけない。

 

「くそっ!拉致が開かない!」

 

捌きつつ構えを取ったのだろう。キリトの剣がソードスキルのエフェクトを纏い始める。両方が光っているのを見るに二刀流スキルだろう。

 

「ならばこちらもそれ相応の相手をしなくてはな」

 

左足を軸に右足を後ろへ回す。刃先を上に向け、左手を添える。

 

「秘剣」

 

「スターバースト!」

 

一瞬だけ打ち合いが途切れ、静寂が二人を包む。

 

「燕返し」

 

「ストリーム!」

 

ヒュオッ!

 

キリトに迫る三本の剣。二刀流故に一度に二本までなら迎撃出来るが‥‥

 

ザシュ!

 

一本だけは迎撃できずそのまま食らう。が、

 

「一発だけなら耐えられるぞぉ!」

 

「むむっ!」

 

キリトを切った直後で動けない小次郎に上下左右から剣が迫る。

 

「ぬぅ!」

 

そのまま刀を手前に滑らせ柄の先で右からの剣を反らす。しかし左からのは防げず、

 

ザン!

 

「うぉぉ!」

 

食らいながら雄叫びを上げて即座にバックステップ、が、

 

「甘いぞ!」

 

小次郎の目の前にはきっかり自分を追いかける二本の剣。だが小次郎の顔に浮かんだのは焦りではなく笑みだった。

 

「同時で無いなら防ぎようはある!」

 

一度に襲う剣の数は二本。到底全ての迎撃はできない。だがそこは小次郎。長い刀を器用に回して剣を防ぐ。15連撃目にもなると明らかに余裕が見えた。それと同時にキリトに浮かぶ焦りと諦めの表情。

 

キィン!

 

そして25連撃を捌ききった小次郎の目の前で長い硬直時間で動けないキリト。

 

チャキ‥‥‥

 

「勝負あったな。キリトよ」

 

悠々とキリトの首元に刀を添える小次郎。

 

「だな、降参、リザインだ」

 

 

 

キリトとの手合わせを終えた小次郎はその後近くの料理屋でキリトと食事と洒落混んでいた。

 

「やっぱり小次郎はすげえな。忘れてたけどお前の燕返しってソードスキルじゃないから硬直も無いんだよな。控えめにいってチートだろ。それ」

 

「私としては練習せずともあのような連撃が繰り出せるのは凄いと感じるのだが?」

 

「それは剣をあまり極めていない俺への嫌味か?」

 

「はっはっは、気に触ったなら申し訳ない」

 

その後は少しばかり他愛もない話をしたところで

 

「で、本題なんだが‥‥ヒースクリフ、どう思った?」

 

「クロだな。クロで無いとしてもあちら(運営)側の人間だ。あの時の動きは明らかにおかしかった」

 

「お前もそう思うか。でもだからって何か出来る訳でも無いしな」

 

「ああ、最悪BANされたら打つ手がない。今は様子見だな」

 

 

 

カランカラン

 

店を出た二人は

 

「じゃあな。またボス戦で会おう」

 

「さらばだ。キリト」

 

互いに別の方向へ歩き出す。そして最後に

 

「小次郎!お前、イイ顔になったな!」

 

キリトの呼び掛けに片手を上げて答えながら去る小次郎の顔は晴れやかだった。

 

 

 




アンケートが想定外の結果です。ヒロインが出なくてもフェアリー・ダンス編は見たいと言う人が多い様です。アンケートはアインクラッド編が終わるまで続けるのでどんどん投票してください。

フェアリー・ダンス編は?(やるならばヒロインの登場が大きく遅れます)

  • 全部必要!
  • 主要な所だけやってくれ!
  • 不要!さっさとヒロイン出さんかい!
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