[WR]FGORTA YAMA育ちレギュ [66日22時間15分32秒] 作:HIGU.V
お気に入り減るどころか増えてありがたい限りです。
感想も、読了ツイートも評価コメもありがとうございます。
後の個人的な実績解除は、評価の棒グラフに色がつけばトロコンです。
そして、尋常じゃない数の誤字脱字報告ありがとうございます。
本当に申し訳ありません。
改めてここから先は更に人を選ぶと思います
“ーーーついて来れるか”
人理が焼却されたらしいけど、気が付いたら人理が修復された。
よくわからないけど、時間は経っているし、カルデアに問い合わせをしよう。
そんな消費者センター感覚での問い合わせも一通り落ち着き。
とても迷惑な野郎の起こした、世界最大の殺人事件は、犠牲者が結局カルデアの中からしか出ないという、不思議な結果に終わった。
藤丸立香の功績は、魔術師の納品した、とある備品の疑似ホムンクルスが、最終的には死んでしまったが、非常に優秀だったからなんとかなったという風に、かなり矮小化されて伝えられることになった。
捕食の起源を持ったそのホムンクルスに過去の優秀な魔術資源を与えて戦闘をさせ、魔力だけは優秀だった藤丸立香はその場でサーヴァントと共にいただけという具合である。
そんなごたごたも落ち着き、魔術師協会が、監査団を手配しようにも政治ゲームでの駆け引きが続き、難航している空白の時間帯。
そこから物語は始まる。
藤丸立香は。広くなったように感じてしまうカルデアの中をふらふらと歩いていた。
人類最後のマスターと名実ともに名乗れるようになった彼は、別段何かが変わったわけではない。開位だか、冠位だか、よくわからないものは貰えるみたいだが、それで給料が上がるわけでもなさそうだ。
そもそもほしいものは支給品で賄えるし、散財先もないわけだし。
「あ、先輩」
そんな彼に声をかけてきたのは、マシュ・キリエライト。カルデアに所属する普通の少女である。
あの、終局特異点でどう考えても致命傷を負ったはずの彼女は、しかし生きていた。
二人で見上げた、あの奇跡のような青空の美しさは、今でも覚えている。
しかし、その代償なのか、彼女のデミサーヴァントとしての戦闘能力はなくなり、正真正銘、普通の人間の女の子となってしまっているそうだ。
それでもレイシフト適性はあったり、少しだけならばサーヴァントとしてふるまえたりと、意味不明な所も多いのだが。前例もなく実害もないので、そのまま放置されていた。
「マシュ、どうしたの?」
立香は、暇だったこともあるが、マシュが少し困っている様子であったので、声をかけることにした。
「それがですね、備品を管理しているのですが、少し変なのです」
「備品管理?」
「はい、チェックをしてました」
人理焼却以前から、Aチームに所属していたというマシュは、生まれ自体は特殊な物の、カルデア職員としての仕事も多少はあった。デミサーヴァントとして前線に出ていたころは、そういった雑務はあまりできていなかったが、それでも能力的にできないわけではなく、何より今はそんなに仕事も用事も無いので、順当に復帰したと言える。
「備品がどうしたの?」
「はい、先輩と……シンドバッドさん達が回収してきた、魔術素材等の、希少素材たちです。」
「あー、俺達が集めたやつね。それがどうなったの?」
魔術の衰退が激しい21世紀。レイシフトという、ほぼ完成品なタイムマシンと強弁できる手法を多用して、多くの時代を駆け抜けた。その結果、カルデアに備蓄されている希少な素材は、魔術師垂涎の物であり。それらの管理は現状のカルデア責任者であるレオナルド及び、マシュ、立香の3人に限定されていた。
膨大な数量がある物品もあるゆえに、権限と時間のあるマシュにお鉢が回ってきたわけだ。責任者のダ・ヴィンチちゃんは多忙なのだから。
「数が合わないとか?」
「はい、結構な数の物が減っています、そして一部が多く残ってます、見たことがないのもありますし」
早速保管場所へと移動した立香とマシュ。
二人もすべての素材をきちんと把握しているわけではないので、管理してたダヴィンチちゃんの書類を片手に、二人のIDでのみ入れる保管庫の中で、在庫の確認を始める。
「増えてる?」
「はい、こんな感じのものが」
「かぼちゃ?」
マシュが持ち上げて見せてきたのは、片手に乗る程度の小さいかぼちゃの形を模したオブジェである。シックな色使いが、妙に上品でインテリアとして使えそうである。
それでも増えているのは明確におかしい。
何か、コンビニの品出しバイトみたいだなと、少しだけ倒錯的な想いになるが、増えるという謎の単語に引っかかった立香は、思わず首をひねる。
「こんなの集めてたっけ?」
「それが、去年の夏ごろ……大体、ロンドンに行く前くらいから、定期的に在庫が増えているようなのです。」
「えぇ……?」
それはなんとも不可解な話である。
そもそもこの魔術素材達は特異点から帰ってきて、直ぐに納品に近い形で補充される物である。ロンドンのころからこんなものを集めていたであろうか?
「ま、まあ多くあって困ることはないし、それで逆に減ってる素材は?」
「はい、品目数は多くないのですが、この辺の物が」
「うーん……ランプとか、矢尻に卵が少しずつか。って……えぇ!?」
「はい、そうなんです」
数が合わないので赤字で表示されている素材一覧を見て、リツカは思わず声を上げてしまう。
なんと回収された聖杯の数が足りていないのであるから。一大事である。
「冬木からウルクまで、私達は8個の聖杯を集めました、ここには8個の聖杯があります」
「うん、俺も一瞬納得しかけたけど、確かもらってたよね」
「はい、その筈なので数えなおしてもらったのですが」
第7特異点。あの原初の地獄の果てに、マスターとマシュはかの人類最古の王(本当に最古というわけではない)から褒美をもらっていた。リツカのそれはよくわからないので、こちらも部屋のオブジェとなっているが、マシュの粘土板は召喚触媒としても利用価値が高いので、ここに保管されている。
「シンドバッドの、麦酒の器がここにない?」
「カルデアに持ち帰った記録はあるのですが、1日しかない準備期間のどたどた、ごたごた、ばたばたで、どうなったかわからないのです。」
そう、かの賢王はウルクの大杯。という実質聖杯みたいなものを、シンドバッドによこして見せたのである。王の器がでかすぎる。それを求めて、歴史を捻じ曲げるために殺し合いに何度も参加してる王達ー? 聞いてるかー!?
しかし、やっぱり一大事である。
「シンドバッドさんは……」
「ああ、彼はもう」
もうひとりのマスター、シンドバッド(仮称)は、最終的に終局特異点、冠位時間神殿においてMIAとなり、最終的にカルデアはその作戦で2名の未帰還者を出していた。
残りの1名は、カルデアの英霊召喚実験成功例第一号、ソロモン王こと、ロマニ・アーキマンである。
ロマニは自らの仕事を片付けに行って、見事完遂し、そのまま消えてしまったのだから。
シンドバッドは、冬木を除くすべての特異点で、立香と共に人理を修復するために尽力した、戦友ともいうべき存在。シンドバッドと俗に呼ばれているのも、彼は正式な氏名がないマスターだからである。
立香は、人理修復が成った後、彼について調べてみた。その結果わかったことはほとんどない。彼には過去というものが記録として存在していないのだ。
それは別に不都合に感じた存在に抹消されたからではなく、本当に何かしらと関わったり、何かをなしていないという端的な事実が書かれていただけである。
だから、本当にこのカルデアでの思い出だけが、立香にとっても恐らくシンドバッドにとっても唯一の記録であり、記憶なのだ。
思わず立香の記憶が飛躍していく。最初はその人間離れした身体能力に憧れたこと。少しずつ仲良くなって組手をしたら、教えるのが下手くそ過ぎたこと。自分のサーヴァントで上手く彼と連携できたことが嬉しかったこと。別々に悪夢を見て戻ってこれたことを喜び合えたこと。共に最後まで走り抜けられたこと。
夜寝れなくて廊下を歩いてたら彼の部屋から、サーヴァントが出てきたのを見て少し気まずい思いをしたこと。マシュの手料理を巡って彼とドクターとで、3人でダンスバトルをしたこと、ボロボロに負けて2位だった。慌てたマシュが作ってきたデザートを賭けてフリースタイルラップバトルに発展したこと、ドクターと激戦の末辛くも勝利したこと、シンドバッドはボロボロのビリだった。
そして、いなくなった後に、彼が人食いだと知って、少しだけ驚いたこと。
その彼は、立香をかばって、終局特異点の崩落に巻き込まれて消えていった。
カルデアへとレイシフトで帰還した後に、すぐさま確認したものの、彼のコフィンには何もなく、数値は彼をロストしたことを示しており、ソロモンとの戦闘でカルデアへと死に戻っていたサーヴァント達も、そのまま消えてしまっていたのだから。
「確かにこれは、問題だけど、どうにもしようがないね?」
「はい。ですが、聖杯の紛失は始末書で済むのでしょうか?」
済まないであろうから、カルデアの記録上回収した聖杯は8個になっているのであろう。
どうするべきかと二人で頭を悩ませていると、館内放送での呼び出しが入る。
『あーあー、立香君、それから、マシュ。私の部屋まで来てくれたまえ。お出かけの準備をしてきてくれよ』
「この声は、ダ・ヴィンチちゃんだね」
「はい、お出かけ? どういうことでしょうか?」
二人は、疑問符を浮かべつつも、指示に従い、準備のために自身の部屋へと一度向かうのであった。
「やぁ、来たね二人とも。忙しいところ済まない」
ダ・ヴィンチちゃん。カルデアに正式な形で残った最後の英霊だ。
立香のサーヴァントの霊基パターンは補完しているために、彼の旅の仲間だった今はいない3名のサーヴァントは気まぐれに呼び出されたり呼び出されなかったりしている。もう聖杯探索は終わったのだから。
「それでどういったご用件でしょうか」
「うん、お手紙が届いたのさ」
「お手紙……ですか?」
カルデアはとある僻地の雪山の奥の標高数千メートルという絶界も絶界にある。もはや秘境といっても過言ではない、通常郵便なんて補給物資に紛れて届くかもしれないといった程度だ。
「二人宛にね」
送り先の書いていない、無地の封筒を手渡すと、ダ・ヴィンチは机の下にしゃがみ込みごそごそと物を引っ張り始める、どうやら作業の途中のようだ。
仕方なく二人は肩を寄せて封筒を覗き込む。
「誰からでしょうか? 先輩のお知り合いですかね?」
「いや、そんなはずは……って、うぁ!?」
封筒を裏返すと、確かに宛先にカルデア、藤丸立香宛になっていたが、切手を貼るべきところには、なんと、【キスマーク】がついていた。
「せ、先輩! これは、あの噂のっ! どこの女のよ! これ! って言うべき所なのでしょうか!?」
「ちがうよ! 知らないよ! 絶対に違うよ!」
立香は驚きつつも。どこかの国がそんなキスマーク切手のサービスを、何かのイベントでしてたのを何かで見たような……と思いつつ、封を開ける。
すると中には一枚のカードが入っていた。
「あれ? これって」
その瞬間立香とマシュは、突如としてレイシフトをする時のあの妙な引っ張られる感覚に苛まれる。
「せ、先輩! 何かとてつもないことが起こってます!」
「えええええ!?」
「ああ、やはりこうなるようだね、立香君これを」
ダ・ヴィンチちゃんはそんなに驚いた様子もなく、立香に向けて、四角いランドセルぐらいの箱を投げ渡す。思わずということで受け取ったが、どうにも重たいそれが何かは一切わからなかった。
「え!? なに? これぇ!?」
「お守りだよ、試作品のね。それじゃあ行っておいで」
穏やかに手を振る、ダ・ヴィンチちゃんに、謀ったな! という思いを抱きながら、二人はレイシフトしていくのであった。
基本こんなノリです。
改めて好きなヒロインは?
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シェヘラザード
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マタ・ハリ
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ミストレス・C
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玄奘三蔵
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ポルクス&カストロ