-鈴の視点-
あら?今回は私の視点がスタートなのね。私達は、放課後の訓練でアリーナにいるんだけど・・・。
社「うぉぉぉぉぉーー!!!」
千冬「墳ッ!」
ガキンッ!とアリーナ中に響く重い金属音を奏でまくってるあの2人のせいで、私達と周りの生徒達が魅入ってしまってるのよね。まぁ、事の発端は数日前に遡るんだけど。
-数日前・食堂。第三者視点-
社「学年別トーナメント?」
セシリア「はい、来月に開かれる。トーナメントでして。特別ルールで、タッグマッチ制になりましたの。」
そう言いながら、社に1枚のプリントを差し出す。それを受け取り、食い入るようにルールの確認と注意事項を読み上げる。
社「なになに?『専用機持ちの生徒は、必ず一般生徒と組むこと』 『一般生徒同士は、抽選か申告書を提出すること』 『男性操縦者に関してはタッグを組むことを禁ずる』ん?なんで?」
ここで疑問に思われる方がいると思うので、説明すると、社は今日は、本社に呼び出され午前中は公欠扱いだったため今トーナメントとルール説明を受けていたのである。
マドカ「お兄ちゃん、ここの注意事項。」
社「お、サンキュ。『なお、男性操縦者は、1体1のエキシビションマッチを行うため、ペアを組むことを禁ずる。刀隠社、織斑一夏の両名正々堂々と戦う事。』ハアー、マジか。だから皆、俺を見て落胆してるのか。」
社は、食堂を見渡すと。あからさまに肩を落としている生徒が散見することができた。中には、何やら呪詛のようにブツブツと呟き俯いている生徒もチラホラと見つけた社は、目を合わせないようにソォーっと視線をプリントに戻した。
一夏「おい、インチキ野郎。」
社「ちぃ~~~~~~~~~~~。」
マドカ「お兄ちゃん、ため息と舌打ちを同時に出さないでよ。」
セシリア「器用ですわね。」
鈴「やめなさいよ、コレ。一気にストレス爆上がりした証拠よ。」
渋々、社は一夏へと嫌悪を含んだ視線を向けた。
社「なんだよ、今昼飯中だ。後にしろ、むしろ失せろ。」
そう言った社に一夏は、テーブルの上に置いてあった社のコップを手にし、あまつさえそれをひっくり返し、社の頭からコップの水を浴びせた。その時、騒然としていた食堂が静まり返り。セシリア達は、突然の出来事に固まってしまった。その中で一夏は、してやったりと言った表情を浮かべ社を見ていた。
社「ふぅ~~~。」
社は、深くため息をつき、ゆっくりと立ち上がった。
社「上等だ!織斑ぁ!!表出ろ!!!ぶっ壊す!!」
次の瞬間、社の義妹とヒロインズが総出で社を止めようとするが、如何せん社の鍛え抜かれた肉体と体格差で引きずられるようになってしまい。静まり返った食堂はまた別の意味で、騒然となった。そんな状況の中、一夏は社を小馬鹿にするように挑発を繰り返しながら、食堂を走って出ていった。
社「織斑ぁ!!!逃げんなぁ!!てめぇ!!ごらぁぁぁ!!!」
マドカ「お兄ちゃん!お願い、落ち着いて!!」
セシリア「いけません!社様!暴力はいけません!」
鈴「落ち着けっての!今ここで暴れても仕方ないでしょ!」
乱「社さん!!お願い!!私達の声を聞いて!!」
ラウラ「マズイ!私達では、どうにも出来ん!簪!急いで、刀奈先輩と、織斑先生を呼べ!」
シャル「うん!その方がいい!僕達が社抑えてる間に早く!」
簪「わかった!ちょっとだけ、耐えてて!」
簪は、急いで自身の姉と千冬に連絡を入れた。連絡している間にも、社の怒りは、収まることなく。千冬と刀奈が加わることでようやく落ち着きを見せ始めたので、全員ホッと胸を撫で下ろした。
千冬「すまない、刀隠。私の愚弟が・・・。」
社「織斑先生のせいじゃねぇでしょ。お前らも悪かったな。」
セシリア「いいえ、それより。早くお着替えになった方が。」
千冬「それもそうだ。刀隠、午後の授業は今日は休んで構わん。妹にでも、課題を渡しておく。明日提出しろ。」
社「分かりました。マドカ、悪いけど頼むわ。」
マドカ「任された。今度ケーキ買ってね。」
社「了解、後任せた。」
そう言って、社はゆっくりと食堂を後にした。千冬はそれを確認してからヒロインズに向き直り、優しく話しかけた。
千冬「お前達も、行ってやれ。各担任には、私から言っておこう。アイツには、雷鳳がついているが、恐らく抑えきれんだろう。今のアイツは、怒りと言う炎を無理やり抑えこんだ状態だ。先程までああだったんだ、部屋で暴れてみろ、めちゃくちゃになるぞ。まぁ、冗談はここまでにして。支えてやれ、アイツにはお前達が必要だ。」
ヒロインズ『はい!』
千冬「よし、なら行ってやれ。」
そう、ヒロインズの背中を見送る千冬の眼差しはとても、優しかった。
-社視点-
食堂から、部屋に戻った俺はびしょ濡れになった制服を洗濯機に乱暴につっこみ、シャワーを浴びていた。熱くなった頭を冷ます目的で冷水を浴びているが、一向に冷めない。
雷鳳『マスター、そろそろお湯にして。風邪ひくわよ?』
社「雷鳳・・・。」
雷鳳『イライラしてるの、自分だけって思ってる?お生憎様、私自身も結構イライラしてるのよ。今までの中でも最高点よ。白式には悪いけどトーナメントでガタガタ震えて貰うわ。マスターは、織斑一夏をお願いするわ。』
社「あぁ、任せろ。織斑ぁ・・・。てめぇだけは、絶対にボコボコにしてやる。」
ふと、鏡に写った自分の顔を見ると。とても凶悪な笑顔を浮かべていた。こんな顔アイツ等には、見せらんないな。平常心、平常心。心を落ち着かせて、今はこの怒りに蓋をしよう。深く息を吐きながら。自身を水のように捉え、波打つ水面を少しずつ鎮めていく。やがて、波は収まりそこにあるのは、凪いだ水面のみとなった。
社「よし・・・。落ち着いた。」
雷鳳『お見事。』
社「よせやい、なんも出ないぞ?」
そう言いながら、身体を拭き終え着替えに手を伸ばす。
社「あ、シャツ忘れてら。」
ま、アイツ等は授業だろうし、半裸で出ても問題ないだろう。と、思っていた数秒前の自分を殴りたくなった。なぜなら・・・。
ヒロインズ『・・・・・・・・・。』
社「・・・・・・・・・・。」
ドアを開けたら、ルームメイトがいて、俺達は数秒間固まった。
社「きゃーーーーーーーー!!!(悲鳴)」
ヒロインズ『きゃーーーーーーーー!!!(歓喜)』
なんで?!なんでいるの?!お前ら授業は?!授業どうした?!
社「こら!鈴、乱ちゃん!腹筋とかつつくな!セシリア!鼻血垂らしながらにじり寄るな!ラウラは飛びかかる準備すんな!刀奈!連写で撮るな!簪は動画やめろ!そして!お前が1番やめろ!シャル!ズボンを降ろそうとすんな!」
シャル「暴れないで!抵抗しないで!!パンツ脱がせられない!」
社「脱がすな!」
シャル以外『イッキ!イッキ!イッキ!イッキ!』
社「煽るな!!」
シリアスな空気は何処へやら、一瞬でぶっ壊れたな・・・。
-マドカ視点-
あっという間に放課後になったので、私はお兄ちゃん達に課題を届けにお兄ちゃんの部屋に訪れたんだけど・・・。
シャル「ごめんなさい!ごめんなさい!ホント!ごめんなさい!お願いだから!お尻にヘル・アンド・ヘヴンだけはやめて!」
社「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォー・・・。ふん!」
シャル「なんで?!なんで?!僕だけヘル・アンド・ヘヴンなのさ?!皆ゲンコツだけだったじゃん?!」
社「ウィーーーーターーー!」
シャル「ジェネシックー!!」
次の瞬間には、バチィィィン!と轟音がシャルちゃんのお尻から鳴り響き悲鳴が轟いた。お兄ちゃん何があったのさ・・・。
社「ふぅ~、スッキリした。おう、マドカ、いらっしゃい。課題か?」
マドカ「う、うん。コレね。で?何があって、この状況?」
社「マドカ、知らないことの方が幸せってもんだ。」
マドカ「おk、深くは聞かないことにする。そう言えば、あのヘタレの処分が決まったよ。」
社「ヘタレて・・・。お前ら、揃って親指立てるな。」
まぁ、未来の義姉ですから?仲良しは1番いい事だよ。
マドカ「そんなこんなで回想入りまーす。」
社「脈絡もねぇな。」
-数時間前-
私は、あの後織斑先生と一緒に教室に戻った。先生からは、お兄ちゃん達が欠席理由を他の人に告げたときに、あの男が口を、開いた。
一夏「なんだよ、あれだけで欠席扱いになんのかよ。とんでもねぇ、ヘタレだな。」
その言葉を聞いた瞬間、私の中でなにかがキレた。織斑先生が何か言う前に織斑一夏の胸ぐらを左手で掴み、そのまま床に叩きつけた。それと同時に右手に格納空間から護身用の拳銃を取り出し、スライド部分を咥え込みスライドを引き、チャンバー内に初弾を込めた。コレ、次からは止めとこ、歯がもげそう・・・。
一夏「なにしやgマドカ「黙れよ。」ッ!」
マドカ「この45口径の中身はゴム弾だけど、アンタの鼻の穴を2つから1つにするだけの威力はあるよ。なんなら試してみる?その顔を今すぐ歪めてやるからさぁ!!」
私は、沸点が低い方だけど。今回は、更に低い。45口径を織斑一夏の鼻に押し付け、トリガーに指を掛けた所で先生に止められた。惜しい、もうちょいで鼻の穴を拡張してやれたのに。私はマガジンを抜き、チャンバー内の弾も抜き、セイフティーを掛けてから格納空間に拳銃を閉まった。チラリと織斑一夏の方を向き直ると、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにした織斑一夏がいた。
マドカ「ヘタレはどっちなの?もしかして、ビビった?情けない。その程度で良く、私のお兄ちゃんにあんなことできたわね。」
軽く煽るのも、忘れない。その時、あの篠ノ之箒が木刀を振りかざしながら、突進してきた。私は冷静に再び格納空間から拳銃を取り出し。発砲した。身体の至る部分にゴム弾が命中し、最後に眉間に一発撃ち込むと篠ノ之箒は、気を失った。おっと、マガジン1個使いきっちゃった。後で、装弾しとこ。私はそんなことを思いながら、織斑先生に向かって正当防衛を主張した。
千冬「今回は目を瞑ろう、だが少しやり過ぎだ。刀隠妹、反省文原稿用紙2枚書くように。」
ふむ、解せぬ。まぁ、適当に反省文的なこと書いとこ。
千冬「しかし、刀隠妹。お前は、刀隠と違って、中々に銃器の扱いに長けているようだが?」
あ、それ気になりますよね。
マドカ「あー、それは私の一族的なものがありまして。」
千冬「?お前は刀隠の血筋では?」
マドカ「あ、私『今は』刀隠ですけど、旧姓は『蘇我』なんですよ。」
千冬「なに?『蘇我』?つまりお前は・・・。」
マドカ「はい、祖先は『蘇我孫市』になりますね。」
教室の皆が一斉に『えぇーー!』と叫ぶ中、織斑先生と山田先生が何やら考えこんでいた。
千冬「刀隠妹。お前、ご両親のどっちが蘇我性だった?」
マドカ「えっと、父ですね。お母さんは、やたらめったら若かったような。」
真耶「すみません、お父さんのご職業は?」
マドカ「確か、先生してたと聞いてます。射撃クラブの顧問をしていたとかなんとか?」
千冬・真耶『蘇我先生の娘ー?!』
おわ!びっくりしたー。どうしたの?この2人。
千冬「お前の母親、名前は?!」
真耶「もしかして、『晴海』っていいませんよね?!旧姓が『山城』って言うんですけど?!」
マドカ「あ、お母さんの知り合いだったんです?」
千冬・真耶『アイツ(あの人 )だったーー!!』
うん、知り合いだったパターン。
千冬「アイツ!高校卒業したと同時に結婚したと言うのか?!私だって未だ彼氏すら出来んというのに!」
真耶「それは、先輩が家事が壊滅的にド下手なのが原因じゃないですか?」
何処かでゴングが鳴った。
千冬「よし、真耶。アリーナにこい、久しぶりに揉んでやろう。年下好き。」
真耶「いいんですか?あの頃の私じゃないですよ?年上好きな先輩?」
次の瞬間、織斑先生はチョークを掴み。黒板に達筆な字で『自習!!』とデカデカと書いて、織斑と篠ノ之の首根っこを掴んで無言で教室を後にした。
真耶「では、ちょっと外しますので。他のクラスに迷惑にならない程度にご自由にやってて下さいね♪」
そう言いながら、首を鳴らしながら山田先生も出て行った。あんな山田先生初めて見た・・・。さて、私の取る行動はと言えば。
マドカ「さぁ!張った!張った!山田先生VS織斑先生!決着を予想しよう!私は、クロスカウンターでダブルノックアウトに食券3枚!!」
トトカルチョを仕切ることだった。さぁ!稼ぐぞい!!
-現在に戻る-
マドカ「・・・とまぁ、こんな感じかな?」
社「お前・・・。なんて恐れ多いことやってんだよ。で?決着予想は?どうなった?」
マドカ「私の予想通り♪クロスカウンターでダブルノックアウト♪私の一人勝ちよ!」
いやぁ、稼いだ稼いだ。しばらくは食券で困らないね。
社「やれやれ、お前はホントに俺の妹だよ。豪運なのも似なくても良かったのに。」
マドカ「ふふふ、誇りだよ。」
ドヤってみる、軽く小突かれたけど嫌な感じじゃないのが良い、その後お兄ちゃんにケーキもらって部屋に戻ってから。宿題を終わらせた。私のルームメイトは同じクラスの『矢竹さゆか』さん、なんでも料亭の娘さんらしくて日本食には素直に白旗上げた。なんでも、外に意中の人がいるらしい、私が彼氏と付き合いはじめたガールズトークに花を咲かせ、ケーキを堪能した。コレお兄ちゃん作ったな?あの人、時たま衝動的にケーキ作るもん。しかも、結構大きいヤツ。普通の人だと胸焼けするレベルのもの作るから、しばらくオヤツに困らないけど、お兄ちゃんすぐ食べちゃうし・・・。ちょっと待って、それだけのもの食べて一切太らずに全て筋肉になってるっての?そこまで考えたら腹たってきた。
マドカ「お兄ちゃん!ゴラァ!」
社「え?!俺なんかしたか?!」
私は迷わずランボースタイルで扉を蹴破り両手にミニミ軽機関銃を持ち、お兄ちゃんに向かって乱射した。(中身は全てゴム弾)他の人?迷わずお兄ちゃん見捨てて全員お風呂場に避難したよ。ふぅ、スッキリした。次の日、先生達は頬にガーゼ貼って登校してた。ゴチでーす。